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原水協通信

毎月発行している日本原水協の機関誌です。国内外の反核平和運動についての情報が満載です。 日本原水協のウェブサイト→ http://www.antiatom.org/

「核兵器の全面禁止を!」

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【2014国際青年リレー行進】マギティング・ファブロスさんの日誌(5月7日)


第2日-5月7日

待ちに待った平和行進の洗礼を受け、心配事はみんな忘れてぐっすり眠りました。暑い国から来た自分が冷たい風に耐えられるかと心配していたし、フィリピンだと山岳地帯に行かないとこんなお天気はないので。陽が射していなくてもメガネがいつも黒くなるのは、紫外線がかなり強いせいかな。

通し行進者は二人いて、大阪原水協の五十嵐重臣さん〔62歳〕と、横浜の竹田昭彦さん〔72歳〕。お父さんが軍人だったという竹田さんは、平和行進のベテランで、これまで何度も通し行進をしています。

和歌山市民生協の瀬藤遙さん〔22歳〕も、わかやま市民生協を代表して参加しています。これまで平和行進に参加した同僚たちから引き継いだ、バッジでいっぱいのたすきを誇らしげに行進しています。

この日は港区の芝公園を出発。公園からは東京タワーが見え、そばにはお寺があります。

まだ冷たい風が吹いていますが、日照りで暑いよりはましです。港区役所から二人職員の方が出てこられ、区長の連帯メッセージと、区の名前を入れた平和行進のペナントをいただきましたと。港区は1985年に「非核宣言」をしたことを誇りにしています。平和首長会議のメンバーでもあり、平和宣言と9条を全面的に支持しているそうです。9条というのは、日本国憲法の中で、国際紛争解決手段としての戦争を禁止した条項で、戦力としての軍隊も保持しないとしています。日本は平和維持のための自衛隊だけを保持しています。

東京原水協事務局長の石村さんが行進を先導しました。都内を行進する間、先頭の車から(うたごえの)大熊さんが掛け声をかけて行進全体をとても活気づけてくれています。大熊さんの声は道行く人みんなの注意を引くので、みんな店や家の中から出てきて手を振ってくれます。おかげで行進するぼくたちの「ありがとうございます」「平和行進です」という声もみんなに届きます。

歩きながらビラやうちわを通行人に配る行進者もいます。フィリピンナショナル銀行に入って訴えたとき、初めはぎょっとしたような眼を向けられたのでちょっと緊張しました。でも銀行員たちは熱心に聞いてくれました。平和行進について、どんなルートを通るのか、今年は青年リレー行進があることなど説明しました。みんなフィリピン人だったようです。典型的な旅行者や労働者ではないフィリピン人を見てびっくりしていたようです。

かじやん、てぃろーさん、ふみさん、ぶんさんが東京→神奈川コース参加を助けてくれました。かじやんはとても物静かな人ですが、平和行進となると活気あふれる声でコールをしていました。彼の声はエネルギッシュで大きいので遠くを歩いている人にも聞こえます。てぃろーも人々に話しかけるのがとても上手で、人々に耳を傾けさせる魔法のような魅力を持っています。きっと原水協で、自信をもってクリエイティブにデモをする訓練を受けているんでしょう。

違った文化から来た自分は、日本人は法律に従う国民で、言葉や感情をあまり外に表さないように思えます。フィリピン人はもっとアグレッシブではっきりとものを言い、時にはとっぴな行動に出るかもしれません。

大森町駅近くの公園で休憩し、昼食にお弁当を食べました。弁当というのは、肉と野菜類のおかずがだいたい4-6種類、少量ずつ盛り付けられていて、色合いと配置が重要です。シェフがクッキングショーでお皿に盛り付けているようです。日本人がこんな風に食べ物にもアートを取り入れています。調理の途中でも食べるときでも、味覚、嗅覚、視覚を使うことが大事なのです。

休憩時間に大熊さんのギターと歌も聞かせてもらいました。

生協労連の大井さんと柳さんに嬉しい再会をしました。以前彼女たちがフィリピンに来てルソン島の史跡をめぐった時に会っていました。

全労連の国吉綾乃さんにも会いました。日本に初めて来て原水爆禁止世界大会に参加したとき、彼女は海外代表の世話をしてくれました。その時の彼女は休むことを知らないワンダーウーマンのようで、いつでも元気いっぱいで微笑んでいました。

この後、大田区に入り、女性グループと4人の被爆者が隊列に加わりました。写真にあるように東京と神奈川を繋ぐ大きな橋が架かっています。神奈川はどんなところだろう?知っている人が誰もいないので、わくわく感と不安の両方を感じます。

橋の入り口でトランペットを吹く(松平)晃さんに会いました。彼がいつも突然いろんなところに現れるのにびっくり。でも今回はきっと行進の引継ぎ式だから来てくれたのでしょう。

橋の下の小さな公園に入ると、平和行進者と神奈川原水協の代表者が迎えてくれました。東京原水協の石村さんと神奈川原水協の笠木さんが握手して、みんなで東京と神奈川を繋ぐ橋に向かいました。東京からの行進者と神奈川の行進者が合流して大勢の行進団となりました。橋の下にはゴルフの練習場がありました。ここから次の地点までは、川崎市警察が誘導に当たってくれます。

川崎市内の商店街をずっと進んでいきます。たくさんの人々の目に触れるのでいいコースです。2010年に来日した時は、何もかも物珍しく、いつも新しいところをめぐってみたいと思ったものでした。広島でデモ行進を見たときもこんな感じだったので、当時見たのは平和行進だったかもしれません。フィリピンに戻ったら2010年に撮った写真を見て平和行進だったのかどうか確かめてみます。そうだったらいいな。

歓楽街を通るとフィリピンパブがありました。このあたりはフィリピンのテレビでも特集されたことがあるので、見覚えのある風景です。

この日の終結地点は川崎市役所でした。石村さんと笠木さんが引き継ぎ式をとりおこないました。とてもたくさんののぼりや旗が東京の行進者から神奈川の行進者へと引き継がれました。こんなイベントを目にするのは初めてでした。行進者たちにとっても互いに顔を合わせて挨拶を交わす時です。平和運動、労働運動そのたたくさんのグループの力強さと連帯関係を示す光景です。連帯は常に彼らの心を占めています。彼らはお互いを尊敬し、思いやり、愛し合っています。そしてこれはお金では買えない貴重なものです。

その日の夜は、神奈川原水協のご招待で刺身をごちそうになり、神奈川の通し行進者たちと一緒に過ごしました。いとうさん、新婦人の金子さん、まさこさん、鎌倉のいしざきさん、いさがやさん、日本被団協の中村ゆうこさんです。JMIUのやべさんと、もちろん神奈川原水協の笠木たかしさん、片野けんじさんも一緒でした。刺身、おいしいです!

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