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原水協通信

毎月発行している日本原水協の機関誌です。国内外の反核平和運動についての情報が満載です。 日本原水協のウェブサイト→ http://www.antiatom.org/

「核兵器の全面禁止を!」

2022ビキニデー参加のしおり

平和を求めるウクライナ国民の声

ウクライナ図書館に貼り出された広島・長崎原爆被害展示組写真

被爆76年を記念し各国政府に核兵器禁止条約への参加を求める「平和の波2021」は昨年16か国で行動されました。ウクライナでは、首都キエフでウクライナ平和運動が原水協から贈呈した原爆被害展示組写真を使ってイヴァナ・クドリ公立図書館で原爆展にとりくみました。ウクライナ平和主義運動事務局長のユーリイ・シェリアゼンコさんからのメール(2021年8月6日付)を紹介します。

ユーリイ・シェリアゼンコさん(右)

首都の公立図書館で原爆展

日本原水協のみなさんへ

広島・長崎の原爆記録写真一式をお送りいただき、ありがとうございました。

ウクライナ平和主義運動は、キエフのイヴァナ・クドリ公立図書館にて、ご提供いただいたポスター一式をもとに「平和の波:人間の生命は核兵器と相容れない」と題する展示をおこないました。

イヴァナ・クドリ公立図書館入り口

私たちは、参加者向けにウクライナ語で書かれたポスターの説明文と、この写真展示に招待する独自のポスターを用意し、いくつかの公共図書館に設置しました。ポスターには、「この展覧会は、1945年8月6日に広島で14万人、8月9日に長崎で7万人の犠牲者を出した原爆の悲劇に捧げられたものである」とウクライナ語で書かれています。原爆が人々を生きながら焼き尽くし、生き残った被爆者の健康に深刻な被害を与えたことも書かれています。また、この展示には、核爆弾の影響、ロシアやアメリカでの核実験の記録写真、世界の核兵器の保有量、2021年に発効した核兵器禁止条約の批准状況などが地図や表で示されていることも知らせています。

ウクライナ語で書かれたポスターの説明文
ウクライナ語で書かれた原爆展のポスター

私たちはまた、8月9日には「平和の波:なぜ私たちは核兵器を禁止しなければならないのか 」と題したウェビナーも予定しています。このオンラインイベントの内容は次の通りです。

「1945年8月9日、米国は長崎に核爆弾を投下し、約7万人の死者を出した。この悲劇を繰り返さないために、世界中の市民社会からの圧力を受けて、世界の指導者たちは核兵器禁止条約(TPNW)に署名した。残念ながら、最大の核兵器保有国であるロシアと米国は、この条約に署名しようとしない。日本原水協がよびかけた世界的な『平和の波』行動の枠組みのなかでおこなわれる私たちのオンライン会議では、核兵器による恐ろしい結果の写真が紹介される。ウクライナ平和主義運動は、ウクライナが核兵器禁止条約に加盟するよう要求している」

組写真の平和教育への利用を提案

私は、「東欧市民教育ネットワーク」の中の、公的教育における市民教育ワーキンググループに参加しているドイツとジョージアの仲間にこれらの展示写真を見せ、「広島と長崎の核の惨劇の写真を平和教育に利用すれば、なぜ核戦争が人類に対する犯罪であるとともに、自然に対する犯罪であるかを説明できるのではないか」と提案しました。私たちのワーキンググループのコーディネーターであるマーティン・タールハマーは、「このアイデアは興味深いし、ドイツの学校ではこの悲劇について時々授業で取り上げている」と言い、みなさんのホームページへのリンクを教えて欲しいというので、彼に知らせました。

核兵器を取り戻すという妄想に走らないために

みなさんの展示写真は、ウクライナにとって非常にタイムリーなものだと思います。わが国の政治的指導者たちは、核軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)への加盟を熱望しており、TPNWへの加盟を臆面もなく拒否しています(今後、世界世論の道徳的影響力がこの態度を変えてくれることを期待しています)。

多くの人々は、核軍拡競争や米ロ間の新たな冷戦に加担することの危険性について考えていません。なぜなら、人々は核爆弾の恐ろしい結果を知らないからです。大衆迎合的な政治家たちは、ウクライナが1994年に核兵器を撤去した後も、再び核兵器を取り戻そうという妄想をまき散らしています。少数の極右政党はマニフェストで、ウクライナの核保有国の地位を取り戻すと約束しており、主流の政治家の中にも時おり「ウクライナはソ連時代に領土に備蓄されていた核兵器を手放すのを急ぎすぎた」と言う者もいます。

NATOとロシアの核武装した海軍が黒海で危険な作戦を続ければ、予測できないような結末を招きかねません。私たちの社会は、これらの核兵器で破壊された日本の都市の悲惨な写真を見て、核兵器を取り戻すなどという妄想が拡大することを考え直さなければなりません。

みなさんの平和と幸福を願っています。

2022年3・1ビキニデーチラシ

核兵器なくそうと新年から全国各地で行動

愛知県原水協は1月1日、恒例の熱田神宮前での元旦宣伝をおこないました。コロナ禍で参拝者は少なめの中、21人が参加して署名宣伝。「禁止条約参加署名」69人分・カンパ3,650円・署名リーフ入りポケットティッシュ300個を配布しました。

徳島県原水協は1月3日午前10時から11時まで、四国霊場1番札所の霊山寺で、初詣署名行動をおこないました。

参拝客のほか、大麻彦神社へ行くマラソンの人たちや歩こう会の人たち、お遍路の方々などが大勢来て署名に応じてくれました。9人が参加して105人分の「禁止条約参加署名」が寄せられました。

93歳の平和の署名ベテランの原水協代表理事も参加し、「時間が来たのでもう終わりにします」と言うと「あと1人書いたら5筆そろう」と最後まで頑張りました。

東京・文京原水協の小林豆腐店では、1月3日からお店のシャッターにプラスターを掲示してアピール。小林秀一さんは、「今日から新たなスタートです」と話していました。

熊本・天草原水協は1月4日から10日まで、NPT(核不拡散条約)再検討会議に連帯した原爆展を開催。天草原水協の西島由太郎さんは、「再検討会議が延長されても、新しい横断幕を掲げて天草市民センターで当初予定通り開催します。参加者は地域の方も3人駆けつけてもらい7人でした。2022年も頑張りましょう!」とメッセージを寄せてくれました。

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核兵器廃絶へ共同行動 1月4日に山梨県内4市でスタンディング・アピール、署名。核保有国は、「NPTでの公約を実行して」、「日本政府は禁止条約を批准せよ」と訴え ー参加総勢47人ー

<韮崎市>
早朝7時45分から30分 韮崎駅頭で、平和委員会、新婦人、共産党、9条の会など11人でスタンディング・アピール。原水協の『核兵器国は約束を実行せよ』『憲法変えるな』の横断幕を掲げ訴えました。

<甲州市>
午前中、塩山市駅前で、約40分間、原水協の横断幕「核兵器国は約束を実行せよ」を掲げてスタンディング・アピールと、「禁止条約参加署名」を集めました。参加者は新婦人などから8人。みんなで代わる代わる訴えました。風が強く、横断幕が裂ける一幕もありましたが、署名は15人分集まりました。

<甲府市>
夕刻、甲府駅前で約1時間、原水協の横断幕、プラスター、新婦人のタペストリー、団体旗を掲げてスタンディング・アピール。民医連、新婦人、共産党、梨商連、原水協などから23人が参加。それぞれの代表が代わる代わるハンドマイクで訴えました。底冷えする中でしたが、足を止めて署名する人が何人かありました。

<都留市>
市内、富士急行線・赤坂駅前で約40分間、強風の中でしたが共産党、新婦人などから5人が参加、原水協の横断幕、プラスターを掲げて訴えました。

栃木県原水協は1月9日午後12時30分から1時間ほど、宇都宮市二荒山神社前で新春6・9行動をおこない、23人が参加しました。

宇都宮市では当日、成人式も開催されており、晴れ着姿の成人や初詣の人びとで賑わう中、各団体による核兵器廃絶のリレートーク、「禁止条約参加署名」やチラシ配りにとりくみました。

【広島】陶製折り鶴750羽「原爆の子の像」に捧げる

P5(核保有国)の核戦争と軍備競争を回避するための共同声明(日本原水協国際部訳)

 中華人民共和国、フランス共和国、ロシア連邦、英国および北アイルランド連合王国、およびアメリカ合衆国は、核兵器国間の戦争の回避と戦略的リスクの削減を、われわれがとるべき最も重要な責任と見なしている。 
 核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならないことを断言する。核の使用は広範囲に及ぶ結末をもたらすため。核兵器は存在し続ける限り、防衛のためのものであり、攻撃の抑止、戦争の防止のためのものであるべきことも確認する。
 われわれは、そのような兵器のさらなる拡散を防がねばならないと確信している。
 われわれは、核の脅威に対処することの重要性を再確認し、二国間および多国間の不拡散、軍縮、および軍備管理の合意と約束を維持し、遵守することの重要性を強調する。
 われわれは、「核軍備競争の早期停止と核軍備撤廃に関連する効果的な措置と、厳格かつ効果的な国際管理の下での全面完全軍備撤廃に関する条約について、誠実に交渉を進める」という第6条の義務を含む、核不拡散条約(NPT)の義務に引き続きコミットする。
 われわれはそれぞれ、核兵器の許可のないまたは意図しない使用を防ぐための国内措置を維持し、さらに強化するつもりだ。
 われわれは、われわれの核兵器のいずれもが互いにまたは他のいかなる国をも標的にしないと再確認した照準解除に関する過去の声明は有効であることを再確認する。
 われわれは、すべての国家と協力して、万人の安全が損なわれない核兵器のない世界という究極の目標を掲げて、軍縮により資する安全保障環境を構築したいと願っていることを強調する。
 われわれは、軍事的対立を回避し、安定性と予測可能性を強化し、相互理解と信頼を高め、誰にも利益をもたらさず万人を危険にさらす軍備競争を防ぐために、二国間および多国間外交アプローチを引き続き追求するつもりだ。
 われわれは、互いの安全保障上の利益と懸念を相互に尊重し、認めながら建設的な対話を追求することを決意している。
(日本原水協国際部訳)

【愛媛】被爆者団体のよびかけで共同行動

愛媛県原水協は1月4日13時から1時間、JR松山市駅前で核兵器禁止条約への批准・署名を求める署名・宣伝行動をおこないました。

愛媛県原爆被害者の会のよびかけに応える形で原水禁をはじめ友好団体など35人が参加し、リレートークで訴えながら、愛媛うたごえ協議会のうたごえ、原爆パネル展示、プラスターなどの宣伝物をかかげ、チラシを配布しながら署名への協力を訴えました。

また、被爆者の会の田中副会長が「青い空が続きますように」と願いを込めて手作りした青い花びらに緑の葉のついた折紙のバラも配布しました。

被爆者の会の田中副会長お手製の折り紙バラと「禁止条約参加」署名用紙

(愛媛県原水協・事務局長 片岡 朗)

憲法共同センター「宣伝スポット」参考例(2022年1月)チラシ

日本原水協も参加する戦争する国づくりストップ! 憲法を守り・いかす共同センター (略称:憲法共同センター)の2022年1月9日におこなう「9の日宣伝」のスポットとチラシです。

憲法9条改憲が核武装にもつながる危険を訴えています。ぜひご活用ください。

【日本原水協】第10回NPT再検討会議にあたり日本政府に申し入れ

鈴木首席事務官に申し入れ書を手渡す右から小畑、米山両代表理事=22日、外務省

原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は12月22日、外務省を訪れ、2022年1月4日から国連本部で開催される予定の第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議の開催にあたって日本政府(岸田文雄内閣総理大臣、林芳正外務大臣)への申し入れをおこないました。

申し入れ事項

1、 2010年再検討会議での「枠組」を創る「特別の努力」、2000年再検討会議での核兵器国による「自国の核軍備の完全廃絶」を達成する「明確な約束」など13項目の行動、1995年再検討・延長会議での全当事国が参加する中東非核兵器兵器地帯の創設の決議等、核兵器廃絶にかかわる過去の再検討会議での合意を、主旨、表現を歪めることなく再確認し、履行することを求め、第10回再検討会議の合意に反映させること 

2、 唯一の被爆国政府として、広島、長崎の被爆の実相、核兵器使用の非人道的影響について強調し、核兵器による惨禍を防ぐ唯一の確実な保証として核兵器を禁止・廃絶すべきことを最終合意に反映させること

3、 核保有国に対し、とりわけ核兵器による威嚇と使用の放棄、「近代化」の名による新たな核兵器と運搬手段の開発、配備、増強の即時中止、核兵器使用ドクトリンや作戦計画の撤廃などを求めること 

また、アメリカの「核の傘」から離脱し、すべての核保有国に対して、「核兵器のない世界」の実現による「平和と安全」の合意実行を求めること 

4、 核兵器禁止条約(TPNW)を支持し、署名・批准を進めるとともに、3月22日から24日までウィーンで開催される第一回TPNW締約国会議にオブザーバーとして積極的に参加すること

申し入れには小畑雅子、米山淳子各代表理事、安井正和事務局長、千坂純、前川史郎各担当常任理事が参加しました。外務省からは軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課の鈴木晶子首席事務官が応対しました。

最高裁判所に「公正な判決を求める」署名にご協力ください

岸田政権による憲法改悪を許さず、憲法9条にもとづく平和外交、核兵器禁止条約に参加し、世界の平和と安全に貢献する日本の実現を

戦争する国づくりストップ! 憲法を守り・いかす共同センター (略称:憲法共同センター)は12月9日、JR新宿駅西口・小田急百貨店前で「9の日」宣伝をおこない、日本原水協の安井正和事務局長も「憲法改悪に反対する全国署名」をよびかけました。スピーチ全文を紹介します。

9の日宣伝 スピーチ        日本原水協事務局長 安井正和

「憲法改悪を許さない全国署名」がはじまりました。

署名へのご協力をお願いします。

岸田首相は12月6日、臨時国会の所信表明演説の最後に、憲法改正への意思を表明しました。

1か月前の総選挙の開票日の記者会見でも「党是である憲法改正を積極的にすすめたい」と発言しています。

しかしみなさん、

国の在り方の根幹である憲法を改正すべきという声は多くはありません。

ことしの5月3日の憲法記念日にNHKが行った世論調査でも、「改正する必要がある」と答えたのはわずか3割程度です。

主権者である国民の多数は、憲法改正を求めてはいません。

改憲に執念をもやしているのは自民党です。今度の総選挙で多数議席獲得を背景に、改憲にのめり込んでいるのです。

自民党の改憲推進本部での議論で、憲法改正の意義について、何が語られているかご存じでしょうか?

推進本部の「憲法改正に関する議論の状況について」という文書でこう書かれています。「憲法改正は、わが国が初めて取り組む歴史的事業である」それは「国の民主主義と立憲主義を高めるものである」と。

自民党による憲法改正が、立憲主義と民主主義を高める?みなさん、信用できますか?

安倍首相がやったことは、集団的自衛権を容認する安保法制の強行、森友、加計、桜を見る会問題に示される政治の私物化と隠ぺい、菅首相がやったことは学術会議への人事介入です。立憲主義と民主主義の破壊ばかりではないですか。

その後を継いだ、岸田首相も歴代政権の憲法解釈を覆し、「敵基地攻撃能力」保有を所信表明演説で言明しました。

立憲主義と民主主義を壊す自民党は信用できません。

改憲の動きをやめさせましょう。

みなさん、

自民党の最大のねらいは、憲法9条を改定して国防軍をもつことです。

5年前に自民党が決めた改憲案には憲法9条を改定して「国防軍」をもつことがはっきり明記されていました。

憲法9条への国民の支持が高く、ハードルが高いので、「自衛隊違憲論」に決着をつけると言って、「自衛隊明記」による9条改悪をねらっているのです。

もしも、「自衛隊」が憲法に明記されれば、その憲法に明記された「自衛隊」の範囲内で国民が国家権力に対して「戦力の保有とその行使の権限を与えた」ことになります。

そうなれば、例えば日本と軍事的に対抗する国が核兵器を保有している事実があった場合には、核兵器の保有や核武装も検討されるでしょう。

2016年、安倍政権のもとで横畠内閣法制局長官は、参議院予算委員会で「憲法上、あらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているとは考えていない」と述べました。

安倍内閣は「憲法9条は一切の核兵器の保有および使用をおよそ禁止しているわけではない」との答弁書を閣議決定していることも忘れてはなりません。

みなさん、

いま、世界では、核兵器禁止条約の発効を力に核兵器廃絶へとすすもう、という声がひろがっています。多くの国ぐにが被爆者の声に耳を傾け、「核兵器による安全」ではなく、「核兵器のない世界による安全」を選択し、核兵器禁止条約を支持し、参加しつつあります。

安倍、菅政権も、今度の岸田政権も、被爆国でありながら核兵器禁止条約に背を向け続けています。

岸田政権による憲法改悪を許さず、軍事国家への道ではなく、憲法9条にもとづく平和外交、核兵器禁止条約に参加して、世界の平和と安全に貢献する日本を実現しましょう。

「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力ください。

『ヴェラは海の夢を見る』が第34回東京国際映画祭のグランプリ受賞

家父長制度に抵抗する女性を描く作品がグランプリ受賞

2021年10月31日から11月8日まで、第34回東京国際映画祭が開催されました。113の国と地域から1533本の応募があり、15作品が正式出品された今年のコンペティション部門の最高賞にあたる東京グランプリ/東京都知事賞は、カルトリナ・クラスニチ監督によるコソボ・北マケドニア・アルバニア合作映画『ヴェラは海の夢を見る』が受賞しました。

本作は、夫の突然の自殺の後、家がギャンブルの借金の抵当になっていたことを知らされたヴェラが、男性優位の環境に抵抗する姿を力強く描いています。耳が不自由だった母親の「遺産」を持って都会に出てきた彼女が、家父長制の下で受けてきたさまざまな制約に真っ向から立ち向かっていく芯の強さに心を打たれました。終始重苦しい空気が支配しているのですが、ヴェラが頻繁に見る海の夢が、家族の幸せな思い出に繋がるようなラストシーンには、心救われる思いがしました。

コンペ部門の審査委員長を務めたフランス人俳優のイザベル・ユペールさんは「この映画は、夫を亡くした女性を繊細に描くとともに、男性が作った根深いルールに従わない者を絡めとる“家父長制度”に迫っています」と説明。「監督は、国の歴史の重荷を抱えるヴェラの物語を巧みに舵取りしています。その歴史の重荷は、静かに、狡猾にも、社会を変えようとする者に“暴力”の脅威を与えます。演出、力強い演技、撮影が、自信に満ちた深い形によって、集合的な衝突を生み出していました。この映画は、勇気あるコソボの新世代女性監督によって、素晴らしい作品群の1本に加わりました」と称賛しました。

ジェンダーギャップ指数120位の日本へのメッセージ

母国コソボとアメリカで映画について学び、ドキュメンタリーを手掛けてきたクラスニチ監督は、自国で受賞の一報を受けて送られてきたビデオメッセージの中で「初長編となった『ヴェラは海の夢を見る』が東京国際映画祭のコンペ部門に出品されると連絡を受けた時、大変光栄に感じました」と話します。そして、「この映画祭に初めて参加するコソボ映画だったということも大変光栄です。グランプリを受賞したことを知り、喜びのあまりに泣いてしまいました」と語りながら、審査員、作品を支えたキャストやスタッフに謝意を示しました。

世界経済フォーラムが2021年3月、「The Global Gender Gap Report 2021」を公表し、各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数を発表しました。この指数は、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。2021年の日本の総合スコアは0.656、順位は156か国中120位(前回は153か国中121位)でした。前回と比べて、スコア、順位ともに、ほぼ横ばいとなっており、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果となりました。こうした現状において、家父長制に対決を挑む女性を主役にした女性監督の作品が最も評価されたことは重要なメッセージになりうると思います。今後、本作が国内で上映されるかどうかは未定ですが、ぜひ見てほしい作品です。

【動画】都立第五福竜丸展示館2021年秋の企画展「被ばくの島マーシャルのサンゴと人と海と」武本匡弘ギャラリートーク&市田真理学芸員による「ビキニ事件」の解説

都立第五福竜丸展示館では、2021年秋の企画展(10月1日〜2022年3月21日)として「被ばくの島マーシャルのサンゴと人と海と」が開催されています。67回の核実験にさらされたマーシャル諸島で今起きている気候危機について、フォトジャーナリストの島田興生さんとプロダイバー・環境活動家、NPO法人気候危機対策ネットワーク代表の武本匡弘さん撮影の写真が展示されています。10月31日には武本さんによるギャラリートークがおこなわれました。

武本さんのギャラリートークに続いて、学芸員の市田真理さんから「ビキニ事件」について解説がありました。

【リトアニア】クピシュキス市での「原爆と人間」展、たくさんの中学生が参加

リトアニア北部の小都市クピシュキスの中等学校で9月から10月半ばまで「原爆と人間」展が開かれ、およそ600人の生徒たちが連日、参観しました。

会場では、写真パネルを教材に、授業もおこなわれました。

この展示会は、医師で原水爆禁止世界大会に何度も訪れたゲディミナス・リムデイカさんの提供により同市の文化センターで開催され、訪れた生徒たちの希望で、会場を学校に移し、継続開催されたものです。

リトアニアは旧ソ連に併合されていましたが、1990年3月に独立の回復を宣言しました。現在はNATO(北大西洋条約機構)加盟国ですが、2016年4月には被爆者と原水協代表団を招いて国会でシンポジウムを開催、国会議長以下、多くの議員が当時の「ヒバクシャアピール」に署名を寄せています。

【動画あり】国際平和ビューロー(IPB)第2回世界平和会議@バルセロナ開会総会 日本原水協主催オンラインで分科会開催

10月15-17日、スペインのバルセロナで、「我々の世界を想像し直そう:平和と正義のための行動」と題する国際平和ビューロー(IPB)主催の第2回世界平和会議が開催されました。

日本原水協はこの会議にオンラインで参加し、3日目の10月17日に予定されている分科会「核兵器のない世界のための戦略と行動」の開催を担しました。

開会総会

バルセロナ現地で10月15日夜におこなわれた開会総会では、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の和田征子事務局次長が被爆体験を証言しました。ジェレミー・コービン(英国会議員)、ベアトリス・フィン(核兵器廃絶国際キャンペーン=ICAN事務局長)、ヴァンダナ・シヴァ(インド・環境運動家)など、各界の著名な人々が発言しました。

分科会「核兵器のない世界のための戦略と行動」

世界の世論と運動の力で、今年1月22日に核兵器禁止条約が発効しました。核兵器のない世界を作るためには、核保有国・同盟国の核抑止論に固執した核政策を変えるたたかいがカギになります。この分科会では、核保有国とNATO加盟国など「核の傘」の国々の運動の代表をパネリストに迎え、それぞれの国内で反核平和運動がどのように核兵器廃絶の世論を動員し、核抑止論を打ち破り、自国政府の政策を変えていこうとしているかについて、草の根と全国レベルでのとりくみと経験を交流、討論し、連帯した行動を展望します。(英-日、英-スペイン語通訳あり)

パネリスト:
デイブ・ウェブ 核軍縮キャンペーン(CND)議長(イギリス)
ルド・デ・ブラバンデル 「平和」グループ(ベルギー)
キム・ジンヨン 社会進歩連帯 政策教育局長(韓国)
ラルフ・ハチソン オークリッジ環境平和連合 コーディネーター(アメリカ)
ホセ・マヨラル・イ・アンティガス グラノリェース市長(スペイン)/平和首長会議副会長
土田 弥生 日本原水協 事務局次長