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原水協通信

毎月発行している日本原水協の機関誌です。国内外の反核平和運動についての情報が満載です。 日本原水協のウェブサイト→ http://www.antiatom.org/

「核兵器の全面禁止を!」

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【福岡】非核・博多港シンポジウム決議

広範な草の根に、核兵器廃絶と非核の地域づくりのための大きな世論と運動、その共同を築くことを目指して、2007年5月12日、「非核・博多港シンポジウム」がひらかれました(非核の政府を求める福岡県の会と原水爆禁止福岡県協議会主催)。以下、決議全文を紹介します。
決議
 昨年秋の第61回国連総会第1委員会(軍縮、安全保障問題)は、すべての決議を採択し、その決議のなかで核兵器廃絶に関する決議はすべて圧倒的多数で採択されました。いまや「核兵器廃絶」は国際社会の確固とした合意になっております。
 このようななか、北朝鮮が核実験を行いました。
 北朝鮮の核実験強行は、世界に広がる核実験禁止・核兵器廃絶の世論に逆行するものであり、北朝鮮も合意した2000年5月のNPT再検討会議における、核兵器廃絶の「明確な約束」をまっこうから踏みにじるだけでなく、新たな核軍拡競争の危険さえもたらすものであります。
 広島・長崎への原爆投下は国際法違反であり、その惨禍と被爆者の苦しみが示しているのは、「人類は核兵器と共存できない」ということであり、いかなる理由も核実験強行を正当化できません。
 北朝鮮の核実験は、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5カ国に核保有の特権を与える核不拡散(NPT)体制の矛盾と、核兵器全面廃絶以外に核兵器問題の危険を打開する道はないことを示しています。
 唯一の被爆国である日本政府は、いまこそ核兵器全面禁止に向けてイニシアチブをとるべきです。しかし、安倍内閣の麻生外務大臣と与党の中川政調会長は、相次いで“核武装”発言を繰り返し、安倍首相もこれを咎めるどころか「日本は言論が自由だ」と庇い立てするしまつです。
 北朝鮮の核実験強行に対して、どう対応するかという岐路にあって、「核武装」論議を容認する政府に厳しく抗議するものです。


 折しも、11月6日、アメリカ海軍の横須賀を「母港」とするイージス艦フィッツジェラルド(8950トン、全長153.8メートル)が博多港に入港しました。同艦は、核・非核両用のトマホーク・ミサイル垂直発射装置(VLS)2基90セルと劣化ウラン弾を装備しており、入港の目的が何であろうとも平和の港・博多港への寄港はふさわしくないし、絶対に認めるべきではありませんでした。非核3原則を国是とする以上、「非核港」方式は採用しておらずとも、核兵器を積載していないことを証明させることは当然の前提であり、商業港である博多港に、軍艦が入港すること自体が異常なことであります。
 博多港には過去、米艦船が「友好・親善・補給」目的でたびたび寄港し、実際には「博多港の軍事利用」のための調査や「作戦」が実施されました。「友好・親善」の名に隠れて主権にたいする重大な侵害行為がおこなわれてきました。
 核を含む軍事力をふりかざすアメリカの横暴や、日本政府の対米追従があらわになり、内外でかつてない批判がひろがっています。
 広範な草の根に、核兵器廃絶と非核の地域づくり(たとえば非核「博多港」)のための大きな世論と運動、その共同を築くことを重視します。
 近年、日本各地の民間港に米艦船が相次いで「寄港」している事実は、日米両政府が日本の港湾を米軍の自由な使用に委ねるシステムを確立しようとしていることの現れであり、日本全土の主な港湾がアメリカによって核基地化されようとしているといっても過言ではありません。
 博多港は、古くから大陸と我国をつなぐ人と物の交流の拠点として栄えてきました。博多港が日本文明の発展に寄与した功績は大なるものがあります。わたしたちは、このような博多港が未来永劫平和の海であることを望みます。
 わたしたちは、唯一の被曝国民として、核兵器が博多港に持ち込まれることを断じて容認できません。
 これまで、核兵器廃絶の動きを推しすすめるうえで、非核自治体運動のはたしてきた役割には、極めておおきなものがあります。こんにち、わが国には1363(2007年1月現在)の自治体が「非核宣言」をおこなっており、自治体による非核施策は、単なる願望や意思表示に留まるものではなく、地域住民の平和と安全をはかるという、地方自治体そのものの原理にもとづく要請であります。
 わたしたちは、日常生活に密接に結びつく博多港が、「非核の海」になることを切望します。しかし、過去、アメリカの軍用艦船が何度も入港し、その中には核搭載可能艦船も含まれております。
 神戸港では1975年の市議会決議いらい、入港する軍艦に「非核証明書」の提出を求めています。これは、住民と地方自治体が協力し国民の主権をアメリカ側につきつけたものです。それから32年間、アメリカは「非核証明」を一度もだせず、一隻の米軍艦も入港していません。
 福岡市においても「非核自治体宣言」をおこない、博多港への核兵器の持ち込みを拒否するという確固とした自治体の決意を希望します。
 本日、「非核・博多港シンポジウム」に参加したわたしたちは、右決議し、日本政府および福岡市に対して要求します。
 2007年5月12日  非核・博多港シンポジウム
 主催 非核の政府を求める福岡県の会
     原水爆禁止福岡県協議会

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