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原水協通信

毎月発行している日本原水協の機関誌です。国内外の反核平和運動についての情報が満載です。 日本原水協のウェブサイト→ http://www.antiatom.org/

「核兵器の全面禁止を!」

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最新の核軍縮情勢を学べる『国際情報資料33』発行

日本原水協は、昨年末の国連での核軍縮議論、決議採択状況、また、北朝鮮の延坪島砲撃事件、アメリカのアジア太平洋戦略、NATO新戦略概念、ビキニ被災など、盛りだくさんの内容をカバーする情報資料『国際情報資料33』を発行しました。

核軍縮に関して、2010年の国連総会第一委員会での議論、核兵器廃絶を求める決議の採択状況を掲載しました。核兵器禁止条約の交渉開始を求めるマレーシア案が過去最多の133の賛成を得るなど、核兵器廃絶に向けた前進がわかる内容となっています。

東アジア全域に衝撃を与えた北朝鮮の延坪島砲撃は、地域の緊張を高めるとともに、米・日・韓が米軍基地や軍事同盟の強化を進める口実となっています。北朝鮮問題を核に、いかにアメリカが中国を封じ込め、アジアを軍事的にも、経済的にも支配しようとしているか。米国のアジア太平洋戦略がよくわかるクリントン発言を掲載。延坪島事件をめぐって進歩新党のチョ・スンス議員による軍事対応反対討論や、この事件の歴史的経過や背景がわかるファクト・シートを掲載しました。この問題の正しい理解に役立ちます。

また、注目のNATO新戦略概念、ビキニの核実験が世界規模の汚染をもたらしていたとの新事実など、盛りだくさんの内容です。情報資料を読み、さらに飛躍をめざす今年の活動に役立ててください。予約受付中!

◎国際情報資料(33)内容紹介◎ ◆第65回国連総会第一委員会での各国代表の発言:非同盟運動/新アジェンダ連合/ブラジル/エジプト/ノルウェー/日本/中国/アメリカ

◆核軍縮関連決議と採択状況:マレーシア案/新アジェンダ連合案/日本案/核軍縮関連決議の採択状況一覧

◆国連軍縮週間にあたって日本原水協の声明:「日本政府への申し入れ」

◆クリントン・オバマのアジア歴訪の意味―米国のアジア太平洋戦略:ヒラリー・クリントン演説「アジア太平洋における米国の関与」/「アジアを海から捉えるオバマ」

◆北朝鮮の韓国・延坪島砲撃事件をめぐって:韓国国会の「北朝鮮糾弾決議案」に関する進歩新党チョ・スンス議員の反対討論/「とても危険なゲーム」/ファクト・シート「朝鮮半島における黄海の危機」 Are you looking for a way to make the most of your money? Introducing aviator, an online money game that helps you develop savvy financial skills through fun and interactive challenges. Aviator site. Learn how to build a budget and practice stock market investing in […]

熱気あふれた大会の感動を共有!『原水爆禁止2010年世界大会の記録』発行

原水爆禁止世界大会実行委員会は、『原水爆禁止2010年世界大会の記録』を発行しました。今年の世界大会は、NPT再検討会議の結果を受けて開かれた大会として核兵器廃絶をめざして次の展望を開く上でも、また「核の傘」から離脱し非核の日本をめざす運動や、被爆者援護の運動をいっそう前進させる上でも重要な成果をおさめることができました。

『大会の記録』は、「国際会議宣言」など大会で採択した3つの文書をはじめ、セルジオ・ドゥアルテ国連軍縮問題上級代表と各国政府代表、広島・長崎市長のあいさつ、被爆者報告をはじめ、国際会議から大会の全日程にしたがって内外代表の発言を網羅しています。 NPT再検討会議を受けて、核兵器廃絶が現実的目標となったことへの確信が語られ、草の根の運動をさらに広げようとの熱意にあふれた大会の感動を共有することができます。

いま、全国でとりくまれている核兵器禁止・廃絶条約を求める署名をすすめるうえでも、格好の記録集です。世界大会の報告会を各地で開き、宣伝・署名運動などの力にしていくためにも、ぜひご活用ください。

B5版194ページ、頒価1500円(送料込み)。お問い合わせは都道府県原水協もしくは日本原水協まで。

『国際情報資料31』注文用紙

International Information and Documents 31 Orderseat ←クリック!

ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸

読書感想 『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』 絵ベン・シャーン 構成・文アーサー・ビナード 集英社 ¥1680 日本語で詩を作っているアメリカ人のアーサー・ビナードは、第五福竜丸の無線長・久保山愛吉さんたちを「英雄」だといいます。 久保山さんたちは、自分たちがアメリカの軍事機密に遭遇してしまったことを察知します。そして、もし無線で被害を受けたことを母港の焼津に知らせたら、内容をアメリカ軍に傍受され、撃沈されるだろうと判断しました。だから、外部になんの連絡もせず、想像に絶する2週間、被ばくした状態に耐えて焼津港に帰り着きました。 このように、みずからの知恵と勇気で危機を脱して生還して、生き証人となった。それで世界が変わった。人類の滅亡につながりかねない「軍事機密」が、世界の市民に知れ渡ったんです。 久保山さんたちは、単なる犠牲者ではなく、英雄なんです。こう考えたビナードは、第五福竜丸事件を忘却させまいと、絵本を出版しました(以上は、07年1月4日付け・しんぶん赤旗の山田洋次映画監督との新春対談の要約)。 ビナードの見解は、詩人としての鋭い感受性に裏づけられていると思いました。それで「ここが家だ」を書店で立ち読みしました。何せ絵本ですから、15分ぐらいで全部の文章を読み終えました。 そこで、買うべきか否かを思案しました。というのは、年金生活の私にとって1680円は結構高価な買い物になるあらです。 ベン・シャーンの絵をよくよく眺めました。ゴツゴツした感じのその絵を見ているうちに、もしここで買わないと、5年ぐらい後になってから後悔することになるだろう、という結論に達しました。絵画については素人ですが、その絵から力強い何かが私に迫ってくるように感じたのです。 ベン・シャーンが絵のなかで「第五福竜丸」をTHE LUCKY DRAGON(運のよい竜)と書いてあるのを読んで、なるほどと感じたのも、買うことに心が傾いた原因の一つでした。 「ここが家だ」を買ってから1ヶ月がたちました。その間、4,5回「ここが家だ」を開いています。ベン・シャーンの絵を見ていたら、学生時代に美学専攻の友人が話していた「良い絵というのは、見るたびに新しい何かが発見できるもの」という言葉を思い出しました。 また、「『久保山さんのことを わすれない』と ひとびとは いった。 けれど わすれるのを じっと まっている ひとたちもいる」(40ページ)という文章の「わすれるのをじっとまっているひとたち」は、具体的には誰を指しているのだろう、などと考えています。 とにかく、「ここが家だ」は、おとなのための絵本です。書店で実際に手にとってみて、買うかどうかをご自分で判断していただければ、と思います。 栃木県原水協事務局長・福田 台

『憲法9条を世界遺産に』

読書感想 『憲法9条を世界遺産に』 著者 大田 光・中沢新一 集英社新書¥693 テレビにもよく顔を出すお笑いタレントの大田光らが昨年8月に出版した『憲法9条を世界遺産に』は、ベストセラーになったそうです。そこで、発売後半年たった現在、読むに値する書籍なのか否かをあらためて確認したくなりました。 ◆ ◆ ◆ 大田の主張は、すなおで好感が持てます。 「その奇跡の憲法を、自分の国の憲法は自分で作りましょうという程度の理由で、変えたくない。少なくとも僕は、この憲法を変えてしまう時代の一員でありたくない」(P.60) 「憲法9条は、たった一つ日本に残された夢であり理想であり、拠り所なんですよね。どんなに非難されようと、一貫して他国と戦わない。二度と戦争を起こさないという姿勢を貫き通してきたことに、日本人の誇りはあると思うんです。他国からは、弱気、弱腰とか批判されるけれど、その嘲笑される部分にこそ、誇りを感じていいと思います」(P.78) ◆ ◆ ◆ 対談の相手で大学教授の中沢のはなしは、多弁なのですが、説得力があまりありません。なかには、とんでもない珍説もまじっています。 「商人が仲立ちして、人々が所有権の切れた品物をお金で交換するようになり、だんだん物の移動が楽になっていくわけです。ここから資本主義が発達してきます」(P.39) ≪反論。「所有権の切れた品物」は絶対に「お金で交換」できません。所有権が切れるとは、持ち主がいなくなることでしょう。すると、品物の代金を受け取る者が不在なので、売買は成立しません。人々は、だまって無償でそれをひろってくればいいことになります≫ ◆ ◆ ◆ そもそも本書の主旨は、憲法9条は、「世界の珍品」で「突然変異で出現した」ものであるから、世界遺産として保存しなければならない、というところにあります。 このことについて、私は「憲法9条は世界に先駆けて日本で誕生したが、どこの国にでも受け入れられる普遍性を持っており、人類の歴史が進んでいけば、その内容が多くの国の憲法にうたわれていくだろう」と考えています。 ◆ ◆ ◆ 本書は、憲法9条を守ろうとする立場に立っています。そして私は、いろいろな立場からの「憲法9条を守る」主張がなされることを歓迎したいと考えています。そういう意味からも、大田光らの勇気ある発言に敬意を表します。 ただ、発売後半年たった現在、「693円を払って購読するほどの内容があるか」と問われたならば、「購読するにはおよばないでしょう」と答えざるをえません。 栃木県原水協事務局長・福田台

『全員勝ったで!』

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かもがわブックレット160『全員勝ったで!―原爆症近畿訴訟の全面勝訴を全国に』(原爆症認定近畿訴訟弁護団著、安斎育郎監修)が、かもがわ出版から発行されます。 「全員を原爆症と認定すべき」とした原爆症認定近畿訴訟判決の内容と画期的な意義を明らかにし、全国13地裁でたたかわれている集団訴訟の全面勝訴と被爆者補償法の制定、核兵器廃絶につなげるためにもぜひご購入ください。 【連絡先】かもがわ出版 〒602-8119 京都市上京区堀川通出水西入 TEL 075(432)2868/FAX075(432)2869 ホームページ http://www.kamogawa.co.jp