原爆症認定を求める集団訴訟で１月23日、鹿児島地裁で原告２人について却下処分取り消しを命じる原告勝訴の判決が出されました。
小田幸生裁判長は、2008年４月の「新しい審査の基準」で認定基準が緩和された後も、申請した疾病の一部が未認定の80代の男性原告２人に対し、未認定疾病と原爆放射線との因果関係を認め、原爆症と認定しました。
今回認定されたのは前立腺腫瘍（しゅよう）と甲状腺腫瘍の２疾病。小田裁判長は「いずれもがんであり、一般的に放射線被ばくによって発症する可能性が認められている」としたうえで、「放射線に起因し、治療が必要という原爆症の認定要件を満たしていたと認めるのが相当」と判断しました。
全国17地裁で起こされた集団訴訟で、国側は13連敗。大阪地裁（08年７月）、札幌地裁（08年９月）と千葉地裁（同年10月）などの判決に続き、新基準でも未認定だった申請疾病が認められました。