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2007年02月28日

【徳島】3・1ビキニデー(静岡・焼津)第4分科会での発言要旨

 私は徳島から来ました神野美昭です。
 四国霊場一番札所にご住職のご好意をえて、非核の政府を求める徳島の会が、1990年8月6日に「核兵器がなくなる日まで」と「原爆の火」を灯しました。毎年県原水協の初詣署名は『火』の前でしています。
 先日ご住職と会の役員が懇談、そのとき「核兵器はなくなるどころか増えているのではないか」「もっと沢山の人が関心を持つ『火』にしたらどうか」とのお話がありました。
 ご住職のお気持ちに応えるためにも、ひとつには、運動への確信を深める活動がとても大事だと思いました。
 昨秋の国連決議での核大国アメリカの孤立状況、全米市長会議の「都市への核攻撃禁止決議」、中間選挙でブッシュ批判の米国民の意志、以前には5万発の核兵器が半減、「すみやか」署名を国連に提出する要請団に徳島の大学生が2人参加するなど、若い人々の取り組みの広がりなど、大いに話題にしていきたいと思います。
 ふたつ目には、目標に挑戦する青年の態度に学んでいきたいと思います。
 2002年の「3・1ビキニデー」に参加した徳島県生協労組青年部の達田さんがよびかけ、翌4月、世界と連帯してピースウオーク、そしてピースアクションという青年・学生の組織が発足しました。次々とイベントを開催(★)。徳島市文化センター大ホールでも数回開いています。
 先月14日に、徳島県議・徳島市議とその予定候補の86人に、公開ピース・アンケートを送付、これは徳島新聞も報道、市議会議長から一度会いたいとの連絡があったそうです。
 23日にはアレン・ネルソンさん(元アメリカ海兵隊員)の講演会を成功させ、70人の青年が火薬と死臭ただよう「ほんとうの戦争」を学んでいます。
 大学生の福薗さんに聞きますと、「大人は条件に応じて考えるようですが、お金のない青年は、目標に合わせてお金を集めるなど条件を作るようにしています」との話。昨年10月の国連要請団に1名参加を決めたのが1ヶ月前(世界大会参加の報告会)、さらに半月前に何度も議論してもう1人追加を決めました。結局、2人分のカンパが寄せられたのです。今年の世界大会にはタオルなどを売って昨年以上に青年・学生が参加したいとのことでした。
 ピースアクションはメーリングリストで情報を交換、月に3度の懇談会、行事などはマスコミに説明しています。誰が責任者というのではなく、行事ごとに担当者を決める方式で、いまイラク戦争ストップの「3・18集会」でも、ピースフラッグを提案するなど大事な役割を担っています。
 県原水協が昨年12月、徳島市議会に提出した「核兵器廃絶条約の締結促進を求める意見書提出」陳情書は、不採択でした。青年に相談したところ、ちょうど選挙の時期、「公開アンケート」案が出て実施、すでに回答も順次寄せられているとのこと、今後も青年の知恵と力に大いに期待しています。
 徳島県原水協は3月10日に定期総会、全国の運動にも学んで草の根の取組みを強める決意を表明して、発言を終わります。

★ピースアクションの主な取り組み
2002年 4月20日 ピースウオーク
      8月18日 ピースアクション2002
2003年 6月28日 「何で戦争するの」学習会
      7月4日  ピースアクションライブ2003
      12月6日 ピースライブ
2004年 9月19日 戦争体験を聞く会
2006年 4月26日 高遠菜穂子さんイラク講演会
      7月31日 デニス・カインさん講演会
2007年 2月14日 公開ピース・アンケート送付
      2月23日 アレン・ネルソンさん講演会

第五福竜丸は航海を続ける―核兵器がなくなる日まで―

 今年はビキニ事件から53年になります。そして、第五福竜丸が建造されて60年です。そこで、第五福竜丸展示館の安田和也さんにお話をうかがいました。

 第五福竜丸は、戦争直後の食料難の時代に遠洋漁船として造られ、活躍しました。当時は占領軍のマッカーサーの命令があり、また鉄もなく、木造船のみが造られました。
 この4月1日から、第五福竜丸展示館では「木造船・船大工の技術とその道具」の歴史展を開催します。もう日本では、この様な木造船が造られることはありません。「木の船」を通じて原水爆のことを考えてもらいたいと思っています。
 第五福竜丸展示館がつくられた経緯は次の通りです。まず、1967年2月末に東京都職員組合の港湾分会ニュースに、第五福竜丸が「はやぶさ丸」と名前を変えられて係留されているのが紹介されます。3月に廃船処分となり解体業者に払い下げられますが、6月、7月にはNHKニュースで第五福竜丸のことが報じられました。さらに、1968年3月には赤旗と朝日新聞が「第五福竜丸保存を」の声をあげ、地元・江東区、東京の原水爆反対運動をしていた人々が、沈みそうになった船から水を掻き出すなどを行いながら、保存運動を全国に呼びかけました。そして、1969年7月には保存委員会が発足。1970年に東京都が夢の島とすることを了解。その結果、1976年6月展示館が設立されたのです。
 現在、展示館には年間12万5千人が見学に訪れます。その中の3万人が、400校を数える小学校から高等学校までの生徒です。見学者が一番多いときは、今の倍の25万人もありました。最近の子どもの
お父さんお母さんは「ビキニ事件」を知りません。学校の先生も、ビキニ事件後の生まれで知っていません。平和教育が、以前は取り組まれていましたが、今はやりにくくなっているようです。
 労働組合や大学などから、「講演会」「セミナー」をして欲しいとの声がかかることもよくあります。そこで、第五福竜丸元乗組員の大石又七さんとセットで、大学の「平和学」で話すこともあります。
 昨年は、「絵本『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』展覧会」を開催し、コンサートも行いました。このときは絵のファンも来館しました。
 現在では、「歩こう会」「俳句の会」をはじめ、高齢者の見学が多くなっています。この人たちは、戦後の歴史の中で「第五福竜丸の時代」をともに生きた人たちで、原爆・水爆はだめだということを展示館に来て改めて感じているようです。
 今望むことは、若い人に来て欲しい。東京で反核・平和運動をしている人たちは、ぜひ回りの人たちを誘って来て欲しい、ここの展示館を活用して欲しいということが私のねがいです。
 第五福竜丸は1953年に被災し、「核兵器がなくなるまで、平和の港に錨を下ろすまで、いまも航海をしています」。みなさんもいっしょに、平和をめざす航海をしてください。

構成・石村和弘

■第五福竜丸■
総トン数140トン、全長約30メートル、高さ15メートル、幅6メートル

■第五福竜丸展示館■
館内には第五福竜丸船体実物、水爆実験被災の被害、乗組員の病状、まぐろ騒動、放射能雨、原水爆反対の運動、太平洋の核汚染状況、日米政府による事件の決着、マーシャル諸島の核被害、世界の核実験被害、核実験・核開発年表等の展示があります。
展示館前ひろばには久保山愛吉記念碑、福竜丸のエンジン、マグロ塚石碑があります。
URL=http://www.d5f.org/
開館時間:午前9時半~午後4時(月曜休館)、入館無料
JR京葉線・地下鉄有楽町線・りんかい線新木場駅下車、徒歩10分

■お花見平和のつどい2007■
【日 時】:4月7日(土)11:00~15:00
【会 場】:第五福竜丸展示館・展示館前広場(※雨天時は第五福竜丸展示館内)
【内 容】:特別報告「第五福竜丸船体とエンジンの今」、青年のピースミュージック、他

■歴史展『船大工の技と仕事』-木造船 第五福竜丸60年-■
【開催日時】:4月1日(日)~9月2日(日)
【会 場】:第五福竜丸展示館
【内 容】:ビキニで被ばくした木造漁船の第五福竜丸。大型木造漁船の建造技術と船大工たちの技、そして思いを紹介する企画展。船の構造や特殊な道具を模型と現物で展示します。

2007年02月20日

【栃木】栃木AALAが原水協に加盟

 栃木AALAは、2月4日の定期総会で、栃木県原水協に団体加盟することを決定しました。そこで、栃木AALA理事長の日野原勇一さんに寄稿していただきました。

 2007年2月4日「栃木AALA」の定期総会で原水爆禁止栃木県協議会に団体加盟する方針を採択しました。
 栃木AALAは「栃木県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会」の略称です。2年前の2005年2月5日に、日本AALAと群馬AALAの支援を受け、再建いたしました。
 それは丁度バンドン会議50周年・日本AALA創立50周年の年にあたり非同盟運動が再活性化しつつある時期でした。そして南米では変革の波がうねっていました。
 日本AALAは、「・・・民族自決、民主主義、社会進歩のためにたたかうアジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国民との連帯を強め、帝国主義、新旧植民地主義に反対し、民族解放と世界平和に寄与することを目的と」している組織です。昨年の春、民主団体と協同して南米のベネズエラから代表団を迎えて、約一ヶ月にわたり日本各地で交流集会をもちました。
 9月にキューバで開催された第14回非同盟諸国首脳会議に、秋庭稔男日本AALA理事長がオブザーバーの資格で参加しました。日本原水協の高草木事務局長がゲストとして参加したことは、原水禁世界大会の方向が大きく反映しているのだと思います。
 あらためて期限を切った核兵器廃絶をハバナ宣言に盛り込み、「核兵器の開発・生産・取得・実験・貯蔵・移動・使用または使用の威嚇を禁止する」という一文が入りました。
 今、世界の焦眉の課題は、核兵器の廃絶と地球温暖化対策です。栃木AALAは、今年度の活動方針で、原水禁運動に取り組み原水爆禁止世界大会に代表を派遣することを決めました。
 微力ですが協議会の一員としてご指導を賜りますようよろしくお願い致します。

2月20日
栃木AALA理事長
日野原勇一

2007年02月16日

日本原水協第79回全国理事会決定 2007年活動方針

はじめに

 ブッシュ政権が推し進めてきたアメリカ主導の「力の秩序」が大きな破たんに直面している。世界の平和世論に挑戦して強行したイラク攻撃と占領が、出口の見えない泥沼にはまり、ブッシュ政権に対して全米の世論、マスコミ、議会で批判が沸騰している。

 北朝鮮の核実験をめぐっても、実験への抗議とともに、事態の外交的平和的解決を求める声が国際的なコンセンサスとなった。同時に、核拡散の危険な現実に直面して、国際社会とともに米国内でも、核政策の根本的見直しを求め、「核兵器のない世界」への明確な行動を求める声が大きく広がっている。

 巨大企業、米国など大国の政府、国際金融機関が押し付けてきた新自由主義的秩序と収奪に対する世界的な規模の批判とともに、中南米ではこの2カ月、ニカラグア、エクアドル、ベネズエラで政治・経済の主権と資源、勤労国民の生活を守る政権が相次いで成立・勝利した。

 日本では、核兵器廃絶の世論、「九条の会」など憲法を守る運動、沖縄、岩国、横須賀、厚木や相模原など各地での米軍基地の再編・強化に反対する運動が大きく前進している。

 これらの発展は、原水爆禁止世界大会がよびかけ続けてきたように、「核兵器のない平和で公正な世界」こそが、21世紀の発展方向であることをますます明確にしている。

 この内外情勢の発展と日本原水協が果たしてきた役割を確信とし、2007年、日本原水協は、核戦争阻止、核兵器全面禁止・廃絶、被爆者援護連帯のメッセージをさらに力強く世界に発信し、アジアと世界の人々との共同・連帯を発展させる。また、核兵器廃絶と平和の秩序に逆行する日本政府の危険な動きへの批判を強め、憲法9条と非核三原則が輝く日本へ、非核平和の国民世論を発展させるために全力をあげる。

破たんする「力の秩序」、前進する核兵器廃絶と平和の力

 1) 昨年11月7日の米中間選挙で、共和党が上下両院の両方で大敗して以来、ブッシュ政権のイラク政策に対する国民、マスコミ、議会などでの批判はさらに勢いを増している。1月27日に首都ワシントンをはじめ、全米の主要都市で計画されている反戦行動は、2003年3月のイラク攻撃開始以来最大規模の行動になった。

 イラクの情勢は、民間人の死者が攻撃開始以来6万人近くに達し、米兵の死者が3020名、負傷者が22,834名にのぼる(1月15日、国防省発表)など、悪化し続けている。12月初めに発表されたジェームズ・ベーカー元国務長官、リー・ハミルトン元下院議員(民主党)による「イラク研究グループ」の報告も「イラク情勢は重大であり、悪化し続けている」、「成功を保証する道は存在しない」と述べ、ブッシュ大統領自身も「イラクの情勢はアメリカにとっても自身にとっても受け入れ得ないもの」(1月10日演説)と認めざるを得なくなっている。

にもかかわらず、ブッシュ大統領は、同じ1月10日の演説で、さらに2万人を超える陸軍・海兵隊の増派をよびかけ、23日の一般教書演説でも戦争継続、イラク増派と92000の米軍増強を打ち出した。だが、増派がただちに上院委員会で否決されるなど、イラクの事態はいまや、アメリカ国民にとっても「受け入れ得ない」ものとなっている。

日本国民にとっても、自衛隊を撤退させ、米軍の殺りくへの日本政府の加担をやめさせ、国連憲章に基づく正義と平和の秩序を守らせることはいよいよ緊急かつ重要な課題となっている。

 2) 世界の流れを特徴付けるこの間のもうひとつの重要な動きは、北朝鮮の核開発をめぐる国際社会の対応である。

 10月9日に北朝鮮が強行した核実験は、1992年の南北合意、1994年の米朝「枠組み」合意、2000年6月の南北共同宣言、2002年9月の日朝平壌宣言、2005年9月の六カ国協議声明など、これまで北朝鮮自身も加わって協議された朝鮮半島非核化のすべての合意に反するものであり、どのような口実をもってしても正当化できるものではない。

 これにたいして、国際社会は一致して北朝鮮の核開発に抗議し、核開発計画の停止を要求した。同時に重要なことは、国際社会がさまざまな相違を越え、事態の外交的平和的解決で一致し、六カ国協議の再開へと動いたことである。国連安保理事会の審議では、日米が軍事的制裁の可能性も排除しない厳しい表現を主張したが、採択された決議1718号は、制裁内容を憲章41条の非軍事的措置に限定し、「全関係国による外交努力の強化」を求めるものとなった。また、懸念されていた北朝鮮に出入りする船舶の積荷検査の「協調行動」でも、「自国の権限と法律に従い、また国際法にそって」と、国際法の制約が課された。

 これらの合意は、なによりも事態の平和解決を求めるアジアと世界の平和世論を反映するものである。北朝鮮の核への固執、日米が核「抑止」と同盟体制強化で歩調を合わせ、憲法改悪の動きを加速させるなど、なお前途は予断を許さないが、六カ国協議再開のうごきも進んでいる。

 この事態を正しく解決し、北東アジアの平和と非核化を推進していくためにも、アジアと世界の反核平和運動と連帯し、日本で憲法9条と非核三原則を守る世論と運動を強めることが決定的に重要である。

 3) 核兵器廃絶と核不拡散の危険をめぐって、あらためて核保有国、とりわけブッシュ政権に対して、核兵器廃絶への行動を求める声が世界的に強まっている。

 次回NPT再検討会議の第一回準備委員会を前に、昨年12月におこなわれた国連総会での軍縮関連決議では、核兵器廃絶の「明確な約束」の実行を求める新アジェンダ連合の決議が157対7の大差で可決されたのをはじめ、核兵器廃絶にいたる交渉開始を求めたいわゆる「マレーシア」案も125対27、核軍縮と廃絶を求める非同盟諸国の包括的な「核軍縮」決議も115対48と、それぞれ新たな前進を示した。

 注目すべきことは、膨大な自国の核戦力をさらに強化し、あくまで力ずくで他国を抑え付けようとするブッシュ政権の戦略に米国内でも新たな批判が急激に広がっていることである。1月4日にはキッシンジャー元大統領補佐官など4人の国務長官、国防長官などの経験者までが、そうした力一辺倒のやり方の危険を指摘し、ブッシュ政権に対して「核兵器のない世界という目標を共同の事業に変えるために集中的に努力」することを第一の目標として要求した。

 こうした動きは、核兵器廃絶を「全人類の死活にかかわる最も重要かつ緊急」(「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」)の課題として、よびかけてきた日本原水協の役割に確信を与えるものである。戦争と「力の秩序」に反対し、平和の秩序を確立する諸国民の運動とともに、世界の反核運動と連帯して、核兵器廃絶のイニシアチブを発揮することがいよいよ重要である。

逆流を打ち破り、非核三原則と憲法9条を輝かす非核平和の日本を

 国際政治が、北朝鮮に核開発を断念させ、同時に問題の平和解決に動いているなかで、安保理事会の議長を務めていた日本で中川昭一自民党政調会長や麻生外相は、日本の核保有論議を肯定する発言をくり返した。こうした態度は、世界で唯一の被爆国として国連でも核兵器全面禁止にイニシアチブを発揮すべき立場にある日本の閣僚や政治家としての資質ばかりか、北朝鮮の核開発を批判する道義的資格さえ疑わせるものである。

 しかも自民党政権は、北朝鮮の無分別な行動を最大限に利用してブッシュ政権譲りの「脅威論」を煽り、「抑止力」、「核の傘」などの名でアメリカの核戦略に無批判に協力し、米軍の作戦範囲を地球的規模に広げる在日米軍基地の再編・強化や米軍の作戦体制との自衛隊の一体化、横須賀の原子力空母の母港化、さらには有事法制から教育基本法の改悪、防衛庁の省昇格と自衛隊の海外派兵の本格化、そして憲法改悪へとひた走っている。

 また、北朝鮮への対応を口実に、アメリカの先制攻撃戦争を補完する「ミサイル防衛」を加速させ、迎撃ミサイルの前倒し配備、在日米軍への迎撃ミサイル配備の要請、さらには憲法改悪以前にも米国をねらう弾道ミサイルの日本での迎撃など、従来、政府自体が憲法に抵触するとしてきた行動さえ正当化しようとしている。これらの動きはきわめて重大で危険な動きである。また、核積載艦船の領海通過も「緊急事態の場合はやむをえない」(久間防衛庁長官-当時)という久間発言に見られるように、非核三原則を公然と骨抜きにする動きも起こっている。

 「日本とNATOは…ともに行動すべき」、「自衛隊の海外活動もためらわない」などという、1月12日の安倍首相のNATO本部での発言もこうした背景の下でおこなわれたものである。

 だが、こうした動きは、紛争の平和的解決と平和、核兵器の廃絶を求める世界の大勢にたいする逆行であり、なんの未来もないものである。武力攻撃と核脅迫の政策を進めてきた当の米国でさえブッシュ政権が国民から見放されようとしている。北朝鮮の核実験直後の国会審議で、安倍首相が「非核三原則を守る」「軍事衝突にならないよう全力を挙げる」と言明せざるをえなかったのも、こうした内外の流れを考慮せざるを得なかったからである。

 北朝鮮の核開発問題をめぐっても、アジアの平和と日本の安全のためには、なによりも被爆の体験と戦争放棄の憲法9条を持つ国として徹底した非核平和の外交を展開すべきであり、そうしてこそ時代の流れに沿い、アジア諸国民の信頼を得ることができる。

 2007年の活動全体を通じ、日本原水協が核兵器廃絶の役割とともに、アジアと世界の平和の流れと連帯し、非核の「国是」と憲法9条を担う国民的運動として、全国の草の根から世論を強め、共同を広げることがいよいよ重要になっている。そのために、2007年度の運動として、以下の諸活動をおこなう。

2007年度の活動計画
Ⅰ 核兵器全面禁止のための内外での行動と連帯

1)  2010年NPT再検討会議のための第一回準備委員会(4月30日~5月11日、ウィーン)、世界大会、2007年国連総会の軍縮審議(10月)にむけてひき続き「すみやかな核兵器の廃絶のために」の署名を発展させる。核兵器全面禁止への具体的行動を求め書簡や声明の発表、要請代表団の派遣などに取り組む。10月、第2回目の「すみやか」署名国連提出行動をおこなう。

国際平和ビューロー、婦人国際平和自由連盟、各国の反核平和運動などと協議し、核兵器廃絶を共通目標とした、協調行動を追求する。

2) 日本政府にたいし、新アジェンダ連合、非同盟運動などと協力して、国連総会、NPT再検討プロセス、ジュネーブ軍縮会議などで核兵器全面禁止実現のイニシアチブを発揮するよう要求し、国民世論を高める。

3) 「すみやか」署名を促進する。毎月の6・9行動を全国すべての地域原水協・加盟団体が取り組む行動とするよう全力を挙げる。3・1ビキニデー、平和行進、8月の世界大会、10月の国連提出行動を節目とし、とりわけ平和行進では、通過するすべての市区町村であらかじめ首長、議会議長、議員、教育委員、町内会長など地域的影響を持つ人たちに賛同と協力を申し入れ、署名行動を全国の草の根に定着させる。ポスター、ビラや演説サンプルなどを新たに製作し、普及する。

4) 核兵器廃絶、朝鮮半島の非核化、アジアでの核兵器廃絶と平和のための連帯の発展などをめざして、北東アジアの反核平和運動の協力・連帯・交流を強化する。

韓国の反核平和運動との連帯を強め、反核平和大会(5月下旬予定)や平和行進などへの参加やその他の交流を促進する。また、韓国被爆者への支援と交流を発展させる。

中国人民平和軍縮協会の招請に応え、6月を目処に意見交換と交流のための代表団を派遣する。

Ⅱ 憲法9条と非核三原則をまもる平和で安全な日本をめざして

1) 憲法9条と非核三原則に基づく非核平和の外交を要求する。北朝鮮の核問題を、六カ国協議の枠内で、外交的平和的手段によって解決することを強く要求する。北朝鮮問題を利用した日本核武装論や「核の傘」への依存、核持ち込みの正当化や非核三原則のじゅうりんの動きを厳しく批判し、核持ち込みを認める密約をすべて公表・破棄することを要求する。

日本政府が、核兵器廃絶の提唱と核兵器をもたず、つくらず、持ち込ませずの非核三原則の厳守を内容とする「非核日本宣言」をおこない、国連と192の加盟国政府に対して通告することを申し入れ、自治体や内外の広範な人々・団体に賛同をよびかける。これは日本政府が「国是」や国連総会への提案として推進することを公約していることであり、この提唱は、思想信条、政治的立場の違いや国境を越えて誰もが支持できるものである。

2) 横須賀の原子力空母母港化反対をはじめ、地球的な先制攻撃体制をさらに強める在日米軍の再編・強化、米軍と自衛隊の作戦一体化、核積載艦船の民間港への入港などに抗議し、全国の自治体・住民の運動との連帯を強める。非核「神戸方式」の成果を国民に知らせ、全国に広める。

 アメリカの先制攻撃戦略の一部を担う「ミサイル防衛」計画の中止、すでに配備した迎撃ミサイルの撤去と新たな配備の中止を要求する。

 3) イラクからの航空自衛隊の即時撤退を要求し、いっさいの自衛隊派兵計画やイラク派兵法の延長に反対する。

 4) 全国の自治体で、これまで採択されてきた「非核宣言」にもとづく非核平和行政の具体化を求め、この間の市町村合併で新たな宣言が必要とされているところでは、「非核宣言」や核兵器廃絶、非核三原則とともに憲法9条をも擁護する「非核平和宣言」などを推進する。

 国民保護法のもとでの核攻撃を想定した避難訓練などの強要に反対する。自治体にも、このような訓練の押し付けを拒否し、国に核兵器廃絶の外交努力を迫るよう働きかける。

5) 憲法改悪を許さず、9条をまもる広範な国民運動で積極的役割を果たす。

Ⅲ 被爆の実相の普及、原爆症認定訴訟支援、被爆者との連帯の強化

1) 世界各国にひき続き被爆の実相を訴え、核兵器廃絶・被爆者支援の国際連帯を強める。

韓国での交流の際に、日韓の反核運動・被爆者運動が共同で被爆の実相の普及・原爆展などに取り組むことを追求する。10月の国連軍縮週間に、新アジェンダ連合国・非同盟運動次期議長国のエジプトで、同国政府の後援も得て原爆展を開催する。現在、ローマで開催が準備されている原爆展をはじめ、世界各地での原爆展開催を支援する。

全国で、被爆組写真の普及や「原爆と人間展」を活用した被爆の実相の普及を促進する。6・9行動での展示などとともに、8月6日、9日には、全国の自治体にも「原爆展」の開催や原水協と被爆者による取り組みへの支援をよびかける。

2) 全国でたたかわれている原爆症認定集団訴訟(2月3日現在22都道府県16地裁2高裁)は、原爆症認定を求めるとともに、それを通じて核兵器廃絶の死活的重要性を訴える重要なたたかいである。被爆者の認定申請、集団訴訟への支援を強め、原爆の被害をことさらに小さく見せる政府の不当性を告発し、原爆症認定行政をただちに、抜本的改善するよう要求する。現在、訴訟が行われている都道府県はもとより、すべての都道府県・地域で原告の訴えを中心に被爆者の声を広め、署名、募金、傍聴、認定制度・援護行政の抜本的改善を求める自治体への意見書採択の働きかけなどの取り組みを圧倒的に強化する。厚労省に対する要請行動や交渉を強める。

3) 日本原水協の基本三目標のひとつである「被爆者援護連帯」の活動を、すべての加盟団体、すべての地域原水協の日常的取り組みとするよう全力をあげる。

被爆者健診、年末をはじめとするお見舞い活動とともに、被爆者団体そのものの支援を含め、日常的な連絡とそれぞれの実情に応じたきめの細かい支援が必要になっている。また、被爆体験とたたかいの継承が被爆者の最大の願いであることを銘記し、毎年の世界大会で取り組まれている青年の被爆者訪問と「継承」の取り組みを支援し、それぞれの都道府県でも具体化する。

原爆症認定訴訟の支援をふくめ、重要性が増している「被爆者援護2000万円募金」を、すべての構成団体が日常的に必ず取り組む運動として大きく前進させる。

4) ウラン採鉱、核兵器の開発、製造、実験などによる核被害者との連帯をひき続き強める。劣化ウランなど核物質の軍事利用に反対し、被害の調査と救済、使用禁止を求める。六カ所村の再処理、MOX燃料計画、廃棄物の埋め立て処理計画など危険な原子力行政に反対し、住民の運動との連帯を強める。

Ⅳ 3・1ビキニデー、国民平和大行進、原水爆禁止2007年世界大会、第三回「世界青年のつどい」の成功のために

1) 世界に核兵器廃絶の声を発信し続けるとともに、緊張する北東アジア情勢の下で憲法9条と非核三原則をまもる日本の平和世論を強め、韓国、中国をはじめ北東アジアの諸国民の運動との協力と連帯を発展させることは、当面の重要課題である。

2007年3・1ビキニデーは、そのための最初の全国的行動として、アメリカ、中国、韓国、フィリピンの代表を招いておこなう、国際交流フォーラム(27日、グランシップ静岡)、日本原水協全国集会(28日、グランシップ静岡)、3・1ビキニデー集会(1日、焼津)のすべてを大きく成功させなければならない。

また、被爆60年を起点に開始された「核兵器をなくそう-世界青年のつどい」の運動が、全国でさらに本格的な発展を遂げるよう、3・1ビキニデーと並行しておこなわれる「青年フォーラム」への参加をすべての加盟団体、都道府県と地域の原水協によびかける。

2) 50回目を迎えた2007年国民平和大行進は、①戦争体制づくりか非核平和の道かが問われる二つの選挙のなかでおこなわれる行進であり、②唯一全国を網羅する行進として、草の根から国民的共同を実現すべき使命を持ち、③その圧倒的な成功を地域原水協の結成へと結実させるべき、歴史的に重要な行進である。行進が、文字通り国民の誰もが参加でき、すべての市区町村を網羅する行進として成功するよう、すべての地域原水協や行進実行委員会に準備をよびかける。

行進が、核兵器廃絶と非核平和の日本への声をひろげ、それを願うすべての人々が参加・賛同する行動となるよう、協議や支持賛同、参加のよびかけを新たな視野で広げる。昨年開始した青年独自の出発集会プログラムや行進隊列の編成など、若い世代の自主性を活かした取り組みをすべてのコースで実現し、市民と若者がさらに参加しやすい行進をつくりあげる。

3) 原水爆禁止2007年世界大会は、8月3日から5日まで国際会議(広島)、5日から6日まで世界大会-広島、7日から9日まで世界大会-長崎の日程で開催される。

この大会を、核兵器廃絶実現へと情勢を切り開く大会、政府、自治体などの公的機関、NGOの共同を世界的な規模で広げる大会、全国の草の根から非核・平和の要求を結集する大会、核兵器のない平和で公正な未来へと若者の希望を結集する大会として成功させるために全力をあげる。

また、加盟団体はもちろん、原水協がつながりを持つすべての団体、階層の人々、北東アジアをはじめ世界の反核平和運動によびかけ、三度目を迎える「核兵器をなくそう-世界青年のつどい」がさらに大きな規模で、未来への希望と若い世代の世界的な連帯の場として、さらに大きな発展を遂げるよう、すべての原水協が、最大限の援助をおこなう。

4) 原水爆禁止運動の統一的発展を願う広範な人々との対話、協力、共同にひき続き、意識的に取り組み、発展させる。

Ⅴ 日本原水協の組織強化、都道府県・地域原水協の確立強化

1) 日本原水協を構成する団体・個人の知恵と意見、経験が、原水協活動にさらに活き活きと反映され、いっそう豊かな発展をはかる。事務局と加盟中央団体、都道府県原水協、個人役員とのつながりをさらに密なものとし、全国理事会をはじめ一つひとつの機関会議への出席や民主的運営を重視する。

国民的な情宣活動、被爆者援護連帯、都道府県・地域原水協の強化など、それぞれの分野の活動を担当する部が掌握し、率先して推進できるよう各部の体制と運営、事務局との連携を改善強化する。

2) すべての都道府県で、世界大会や平和行進、「世界青年のつどい」にとりくむ青年のグループやネットワークを育てる活動を具体化する。青年の自主的動きを尊重しつつ、青年むけの学習会や討論会、原水協学校などを企画する。全国のとりくみや教訓の普及を重視する。

3) 都道府県原水協の組織・財政強化の全国的取り組みをおこなう。

○ 加盟中央団体と協力し、それぞれの地方・地域組織が該当する都道府県・地域の原水協に加盟して活動するよう、縦横から働きかける。また、それぞれの都道府県で、経験豊かな個人や専門家などを個人役員、専門委員、ボランティアなど多様な形態で結集する努力を強める。

○ 機関会議を重視し、現在と将来の活動を支える財政事業問題を正面から議論する。専従、半専従の人件費や各種社会保障をふくめ、1年間の活動に必要な予算額を明確にし、それにふさわしい世界大会への代表派遣と原水協募金、大会資材やちひろカレンダーの普及をすべての加盟団体・個人の力でやり遂げ、財政を確立する。

 4) 日本原水協、都道府県原水協の活動を支える共通の基礎として、地域原水協の確立・強化、活性化に全国で取り組む。

 団体とともに、これまで世界大会や平和行進を支えてきた多くの草の根活動家を、個人会員や個人理事として地域原水協に迎える努力を強める。まもなく取り組みが開始される国民平和大行進は、すべての地域原水協が加盟団体・個人を結集し、行動する重要な機会である。非核平和の課題が重要になっているいま、地域の非核平和要求を結集し、住民・自治体との連帯を広げる機会として行進を成功させ、その力を地域原水協の確立・強化へと結実させる。すべての個人会員と日本原水協を結ぶ絆として「原水協通信」の普及を強める。

5) 3・1ビキニデー、国民平和大行進、世界大会などの参加者数、ちひろカレンダーの普及など、年間を通じたこれらの活動の指標で、どの分野でも前年(前回)を下回らない取り組みをおこなう。

 目前に二つの選挙が迫っているいま、日本が憲法9条、非核三原則の輝く国へと前進できるかどうかに世界の注目が集まっている。その期待に応え、さらに輝かしい2007年世界大会を迎えられるよう、全国のすべての草の根から核兵器廃絶と非核・平和の日本のための行動に立ち上がろう。

中国・フィリピン代表きまる

前号で招請中だった2007年3・1ビキニデーに参加する中国、フィリピンの海外代表が確定したので紹介します。

チェン・トゥーミン(陳都明)/中国人民軍縮協会副秘書長
シェン・ファン(沈芳)/同協会研究員

 チェン、シェン両氏が所属する協会は、85年に設立された全国的な平和団体(NGO)です。毎年、原水爆禁止世界大会に代表が参加し、核兵器廃絶・アジアの平和について積極的に発言し、日本原水協とも運動の交流・連帯を強めています。

メルシ・フロレンシア・T・チャン(ミツィ)
非核フィリピン連合/フィリピン戦争ストップ連合共同議長

学生時代から米比間の軍事同盟、グローバル化に反対する運動に取り組み、現在はあらゆる侵略戦争や軍事優先主義の脅威を終わらせることを目ざして国内のさまざまな運動体を結集した「フィリピン戦争ストップ連合」共同議長として、イラク、パレスチナ、レバノン占領、イランへの脅威、フィリピンへの米軍の介入に反対して運動を続けています。

2007年02月15日

原水爆禁止2007年世界大会の成功をめざす運動について

 核兵器のない平和で公正な世界の実現をめざし、原水爆禁止2007年世界大会の成功のため、以下の運動にとりくみましょう

○ 目前に迫った3・1ビキニデーの集会・行事を、原水爆禁止2007年世界大会にむけての最初の全国的な出発の場として成功させましょう。全国すべての市区町村から代表を送り、ビキニ水爆被災から始まった原水爆禁止運動の歴史、世界の流れや海外、全国の運動などを学び、交流しましょう。

○ 重要なたたかいがあいつぐなかで迎える原水爆禁止2007年世界大会に、反核平和につながる多様な国民のねがいと運動を広く結集できるよう、とりくみを強めましょう。全国すべての市区町村で、地域・職場・学園から、昨年を上まわる代表を派遣できるよう、早期に準備を開始しましょう。「参加・賛同のよびかけ」をひろく活用しましょう。

○ 核兵器問題への関心が高まる中、大きな反響が寄せられている「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名をさらにひろげ、核兵器廃絶の世界の流れ、日米政府の危険な動きなどをひろく知らせましょう。日本政府に核兵器廃絶と非核三原則堅持の「非核日本宣言」を求める運動、原子力空母母港化反対など米軍基地再編・強化反対、憲法9条守れなどの運動を強め、連帯をひろげましょう。

○ ことし50回を迎えた国民平和大行進を、共同と参加をひろげ、文字通り国民的な行進とし、非核平和の声を日本国中にとどろかせましょう。11幹線コース、すべての自治体での行進と自治体訪問を成功させ、網の目行進を発展させましょう。

○ 被爆の実相、被爆者のねがいを知り、知らせるために、「原爆展」や体験を聞く会などのとりくみをひろげましょう。原爆症認定集団訴訟の支援活動を大きく発展させ、裁判の早期全面解決、国の被爆者行政の抜本的転換を求めましょう。被爆者団体との交流や支援を強めましょう。

○ 全国でひろがる若い世代の原水爆禁止運動への参加をさらにすすめましょう。青年たちが自主性や創意を活かし、3・1ビキニデーと「青年フォーラム」、世界大会と「世界青年のつどい」、平和行進、国際活動などにいっそう積極的に参加し、また「6・9行動」や被爆者との交流、集団訴訟の支援など日常的な活動でさらに大きな役割を果たすよう激励しましょう。

                 2007年2月15日
                   原水爆禁止世界大会実行委員会第59回総会

原水爆禁止2007年世界大会への参加と賛同のよびかけ

核兵器のない平和で公正な世界を
原水爆禁止2007年世界大会への参加と賛同をよびかけます
原水爆禁止世界大会実行委員会第59回総会

「核兵器のない平和で公正な世界を」――。私たちはこのテーマをかかげ、原水爆禁止2007年世界大会を8月3日から9日、被爆都市、広島と長崎で開催します。その実現のため交流、共同、連帯をのぞむ内外のすべての人びとに、大会への参加・賛同を心からよびかけます。

大量破壊兵器開発のウソで強行されたイラク戦争は、いま深刻な泥沼状況におちいり、ブッシュ政権は世界からも米国内からも、厳しい批判にさらされています。

核兵器拡散の懸念がひろがるもとで、いまこそ核兵器廃絶を、という声が強まっています。最近、キッシンジャー元国務長官など米政権の中枢にいた人びとが、核兵器廃絶への「本格的なとりくみが米国によって開始されるべきである」、それは拡散問題解決のとりくみに力を添えるという、「核兵器のない世界」のための提言をおこない注目されました。

ブッシュ政権はあくまでも核兵器の近代化や使用政策、イラク戦争の継続などに固執しています。しかしこれは、いっそうの孤立と破綻を招くだけです。さらに世論と運動を強め、核兵器や戦争の脅威から解放された21世紀を一日も早く築こうではありませんか。

いま日本の反核平和運動の奮闘が、世界から注目され、期待されています。北朝鮮の核問題で、平和解決へ具体的な一歩が踏み出されようとしています。新たな核保有国の登場はもちろん容認できません。同時に日本政府がこの問題を口実に核保有議論を容認したり、アメリカの「核の傘」への依存を強めたり、憲法改悪を進めようとしていることも絶対に許されないことです。

私たちは、被爆国であり、憲法9条と非核三原則を持つ日本が、世界の反核平和のために貢献する国となるようさらに努力を重ねる決意です。

原水爆禁止世界大会は、被爆者とともに、世界的な反核の世論、運動の前進に大きな役割を果たしてきました。近年は核兵器廃絶のために行動する政府とNGOとの国際的な連帯と共同を発展させ、国際政治にも影響を与えてきました。被爆者・核被害者の声をさらに世界にひろげ、すみやかな核兵器廃絶の流れをいっそう前進させましょう。2007年世界大会が、未来をになう青年をはじめ、世界と日本の多彩な人びととの交流を通じて、これまでの成果をいっそう豊かに発展させることをねがい、みなさんに世界大会への参加と賛同、大会成功にむけてのさまざまな行動への協力をよびかけます。

原水爆禁止2007年世界大会「開催のよびかけ」採択

大会日程 8月3~9日

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原水爆禁止世界大会実行委員会は2月15日、東京都内で第59回総会をひらき、8月3日から9日までの7日間、広島・長崎両市で開催することを決めました。

大会議長団を代表して高田公子氏(新婦人会長)が開会のあいさつをおこない、情勢と課題について運営委員会代表の佐藤光雄氏が報告しました。佐藤氏は、6カ国協議での朝鮮半島非核化の実施にむけた合意文書採択を評価。核兵器廃絶の流れが世界の大勢となっていることを強調し、世界の草の根運動の広がりに確信をもち、「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名を大きく広げ、当面する3・1ビキニデー、今年50回目を迎える国民平和大行進から世界大会へと大きく成功させていこうと提起しました。

 07年世界大会の主な日程は、8月3日~5日が国際会議、5日~6日が世界大会-広島、7日~9日が世界大会-長崎です。

 青年行動も具体化されつつあり、8月5日広島と7日長崎で被爆者訪問行動とともに、「核兵器なくそう、世界青年のつどい’07」がひらかれます。

 総会では、世界大会の参加と賛同をよびかける文書と成功めざす運動についての二つの文書を採択しました。

 日本被団協の田中熙巳事務局長、日本青年団協議会の田中潮総務・社会女性部長、日本山妙法寺の木津博充上人が来賓あいさつをおこないました。

2007年02月14日

【談話】六カ国協議の合意について

 2月8日から北京で開かれていた六カ国協議は13日、北朝鮮の核施設閉鎖など一連の措置について合意しました。この合意は、2005年9月、六カ国協議で合意した「共同声明」の「初期段階の措置」とされた折、見返りの措置として北朝鮮に重油などを提供することや、今後、米朝関係、日朝関係、北東アジアの平和と安全保障の仕組みなどについても、今後協議することなども含んでいます。
 同合意について、日本原水協は14日、次の談話を発表しました。

談話
 ○ 六カ国協議が、北朝鮮の核施設閉鎖を含め、合意に達したことを歓迎します。私たちは一貫して、外交的平和的手段で解決することを主張してきましたが、今回の合意も、それが問題解決に通じる唯一の道であることを示しました。北朝鮮はもちろん、全当事者がこの合意を守り、誠実に実行すべきことをまず、強調したいと思います。

 ○ 今回の合意は、朝鮮半島の非核化とともに米朝関係、日朝関係や北東アジアの平和と安全保障のメカニズムなどについても、作業部会を設け、前進方向を示しています。このプロセスを成功させるためには、すべての当事国が、それぞれの問題の話し合い解決を堅持しなければなりません。北朝鮮が核放棄の約束を遵守するとともに、米国は核脅迫の政策をやめるべきであり、日本もまたアメリカの「核の傘」から離脱し、憲法9条に基づく話し合い解決のルールと非核三原則を厳格に実行すべきです。

 ○ 同時に、核兵器拡散問題を根本的に解決するためには、核兵器全面禁止の実現が真剣に追求されるべきです。核保有国による威嚇は、拡散を抑えるどころか事態を悪化させ続けてきました。私たちはひき続き、核保有国に「核兵器廃絶の明確な約束」実行を要求するとともに、日本政府が被爆国民の願いに応えて核兵器全面禁止のために特別の努力を払うよう強く求めるものです。

2007年02月13日

「平和を願う若者たちへ」大石又七さんの手記

平和を願う若者たちへ
ビキニ被爆者 元第五福竜丸乗組員 大石又七

世界中を震撼させた、あのビキニ事件から53年が過ぎようとしています。

そして忘れ去られようとしています。

この事件は、若いみなさんから見たら、遠い昔の過去の出来事に思えるかもしれませんが、それは大変な間違いです。核の危険はあのときから始まり、徐々に私たちの足元にまで来てしまったのです。

ビキニ事件の発覚で、私たちは絶対に核兵器は無くさなければ大変なことになる、と3200万人、日本人の3人に1人が反対署名をして政府に働きかけたのに政府は「日本はアメリカの核実験に賛成で、協力する」と言って握りつぶしてしまいました。

そのため世界はどうなったでしょうか。核兵器保有国はアメリカ、ソ連にとどまらず、10カ国に及ぼうとしています。あわてたアメリカは、日本列島いたるところにあるアメリカ軍基地に核兵器を持ち込み、共産圏やイスラム圏に矛先を向け、悪の中枢と言って威嚇しています。

これでは、日本に一番近い北朝鮮は怖いでしょう。

同じように北朝鮮が核兵器を持って自分の国を守ろうとするのは当然です。

こうなるから私たちは50年間も核兵器反対を言い続けてきたのです。私はおびえている政府に、そら見たことかと言いたいです。

北朝鮮の核兵器を取り除くことは当然のことだが、アメリカ軍の基地も核兵器も同時に取り除かなければ本当の平和はきません。日本には核兵器より強い平和憲法があるのだから、アメリカの言いなりにならないでそうしてほしい。

私は今、ビキニ事件の裏側でこれまで何が行われてきたかを、資料や証言に基づいて本にまとめています。驚くような事実が時間の経過とともにアメリカ側からもたくさん出てきています。それらを見てみると、世界で一番民主主義でない国はアメリカではないのか、と思いたくなりました。

明らかになってきた「ビキニ事件の表と裏」の出版は間近です。ぜひ皆さん読んで、ビキニ事件の真実を知ってください。

2007年02月12日

日本原水協NPT要請代表団募集

核兵器廃絶の新たなNPT再検討プロセスにむけて
日本原水協NPT要請代表団へ参加を!

2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会が、4月30日から5月11日、オーストリアのウィーンで開かれます。日本原水協はこの期間代表団を派遣し、「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名にもとづき、核兵器全面禁止に向けた具体的な行動を要請します。

2005年の再検討会議では世界中の政府とNGOが、核兵器廃絶の「明確な約束」の実行を迫りました。残念ながら、核保有国がこの要求に背を向け、具体的な成果はありませんでした。しかし、新アジェンダや非同盟諸国は、この新たなプロセスを、核兵器廃絶の明確な約束の実行のプロセスにするとの決意を固めています。現在、キッシンジャーなど米国の冷戦時代のリーダーたちの「核兵器のない世界」への提言にもあるように、核保有国の廃絶へのイニシアティブが最も求められているのです。

今回の再検討会議準備委員会には世界中からNGOが集まり、核兵器廃絶に向けた分科会や行動が計画されています。廃絶2000のメンバーたちもウィーンで総会を開きます。核軍縮欧州青年ネットワークが主催する青年キャンプが国連の横で行われ、ヨーロッパから多くの青年たちも集まります。

代表団は、NPT準備委員会の傍聴、各国政府要請活動はもちろんのこと、世界のNGOと共同し連帯を深めます。みなさんの積極的な参加で日本の草の根の声を国際政治へ届け、核兵器廃絶を推し進めましょう。

★日程:5月1日成田発-5月7日帰国(予定)
4月30日   NPT準備委員会NGO登録始まる
5月1日    成田発→ウィーン着
  2日~5日 2日~5日 NPT傍聴、各国政府要請活動、NGOによる分科会参加、行動、観光
  6日 ウィーン発
  7日    日本着
★規模:6人程度
★参加費:30万円程度を予定
★締め切り:3月20日(5月の連休とぶつかり混雑しますので早めの申し込みをお願いします。)

2007年02月11日

【大阪・泉佐野】第26回反核・平和のつどいひらく

 泉佐野・泉南原水協の参加団体と生協などの実行委員会が2月11日、イズミヤ泉佐野店の1階広場で「第26回反核・平和のつどい」を開催しました。同店の好意で店内開催は3回目。中央に設けたステージでは琴と尺八演奏やギター弾き語りの演奏が次々に。のこぎりを楽器にしての演奏も。観客もお囃子に参加して“南京玉すだれ”グループの賑やかな演技に最高に盛り上がりました。
 会場に展示された「原爆と人間展」はとくに目を引き、地元の戦争遺跡・佐野飛行場に関する展示や地域の出征戦没兵士の調査をした展示など、買い物の市民が熱心に見ていきました。
 催しには泉佐野市と同市教育委員会が後援、市長と教育長からメッセージが寄せられました。

2007年02月10日

読者のこえ

香川県 蔭山 芽
1月6日付の記事では20ページ吉永小百合さんの原爆詩朗読についての記事、原爆で焼かれた人のことを思うと涙が出る思いです。

北海道 竹腰三男
 新年号は北海道の運動が多く紹介されており興味深く読みました。また、埼玉の「2006ピースフォーラム」のような取り組みをいつの日にかやりたいと思い続けてきただけに、うらやましく思います。「手作り。自前」の運動が基本と考えるが、自分たちのワクを越えたものにするために、吉永さんのような方の参加が大きな力になることは間違いないから。

三重県 落合郁夫
 核兵器を保有しながら核拡散許さぬ、という論理はいよいよ通用しなくなってきていると思います。ほんとうに拡散の防止をめざして北朝鮮、イラン(平和利用と主張)などを説得できる保障は、核兵器廃絶そのものではないでしょうか。
 2007年は、その課題に真正面から挑む年と考えます。

神奈川県 小島達司
 万死に値する閣僚の核兵器保有発言。
 被爆者の友人から年賀状がきた。
 「日本の国があやしくなってきました。過去の戦争によって痛めつけられた私たちは日本をふたたび“過去の道を歩まない国”にするように全力を尽くします」と書いてあった。そして、自筆でさらに「お元気でしょうか。私は相変わらず被爆者の仕事に専念しています」と添え書きがしてあった。
 被爆者の平均年齢は75歳と聞く。普通でも余命幾何もない。政府は暖かく手をさしのべてあげて当然なのに。あの日から60年以上も経ったというのに、何もしないばかりか、標記の発言をしたのだから人間ではない。鬼もあきれると思う。地球から外に出てもらいたい閣僚の発言である。

千葉県 夏目侑子
 新しい年、2007年が始まった。今年は日中戦争から70年。現憲法制定から60年。原爆医療法制定50年。10年単位の区切りの良い事柄ばかりを列記してしまったが、『通信』読者の方々には何れの項目もそれなりに思い入れのある内容だろうと思う。昨年は“教育の憲法”というべき「教育基本法」改正案が、十分な審議のないまま衆議院を通過。防衛庁の“省”格上げ(早晩、実行に移る)。今年は「憲法改正」が焦点となり、誰の目にも今日の日本社会が一歩ずつ戦前へ逆戻りしていることは明白。戦後、私たち(の先輩方)が廃墟の中で誓った“不戦の誓い”が、先の戦争を指揮した者たちの手で再び破られようとしている。当時の市民の目に今日の日本社会はどう映っているのだろう。
 今回のパズルの答えは“非核平和の日本”と出た。今、これを書いている時点では、正解か否かは判らないのだが、この言葉通りの社会を築いていくことは非常に大切なこと。微力ながら努力したい。平和は「国民の不断の努力の」結晶だ!!

兵庫県 上田宇堂
 1月12日未明、初孫が誕生し家族が1人増えました。私には似ていないようですが、元気な男の子でした。まる一日経っていないのに、いそいそと会いに出かけました。新米の祖父母然として病室に入ったものの、面はゆい気がしてカメラばかり覗いていました。フラッシュの光にしかめ顔して迷惑そうな表情をし、生命の不思議さを感じさせました。
 昨年4月に「法定老人」に達した私が、名実ともに「じい」になれたことも感慨深いものがありました。とりあえず子らに祝意を持って祝辞を述べました。孫は私の所有物ではないので、何も慌てることはないのに、当分の間うろたえる癖が続きそうです。
「じい」の仕事として、何をして遊んでやろうかといまから本気で考えています。世の中は男社会がまだ続きそうなので「逞しく優しく」育って欲しいと願っています。男社会などと言うと「ばあ」がすぐ怒るので内緒ですが、少々貧しくとも清く正しく生きる姿の本物を研究しようと思っています。海釣りもいいし、カブトムシ探しもよし、などと自己中丸出しです。日進月歩の環境の変化についていけない者はこの程度で、自分の少年時代の絵しか思い当たりませんが、工夫しようと思ってはいます。
ともあれ、いま少し平和のうちに生き延びて、彼と一緒に出歩き、自然や社会の「本当の美しさ」を理解し生きていけるように、そしてのちに私の生と交替できるような、そんな将来をイメージしながら、ひとりでにやにやと嬉しがっています。生命の誕生では、実に強烈なインパクトを与えるものでした。

北海道 脇神昭悦
 毎号、充実した紙面を拝読。勉強になります。益々のご発展を祈ります。

京都府 宗像好男
 今年は新年より平和・憲法・教育選挙でいそがしくなりそうですが、ともに頑張りましょう。

長崎県 中村幸一
 先日、吉永小百合さんの原爆詩朗読をテレビで見ました。このたびは長崎の被爆者の作品が読まれ、思わず引き込まれました。どの作品も感動を与えるものでしたが、ことに永井隆先生の娘さん・筒井芽乃さんの「娘よ、ここが長崎です」は、当時の状況がこまかに綴られており、涙なしでは聞けぬほどの感激を受けました。

栃木県 本田新太郎
 子どもを生む機械以上に暴言を吐いた厚労相等安倍内閣の閣僚の外相や政調会長の中川氏など北朝鮮の核実験に負けじと「日本も」と発言したタカ派連中がうようよし首相もこれをたしなめない等、日本国憲法破棄内閣は解散以外にはないのではないか。大いに九条守る会や3・1ビキニデーに向かってたたかおうではないか。老兵ながらやりますぞ!

神奈川県 小島達司
 梶本修史さん静養専一元気に
 原水協通信2月6日号で病気入院を知りました。梶本さんとは私が10年以上前の東京―広島平和行進を歩いたとき以来の平和の友人です。以来、広島大会・長崎大会、3・1ビキニデーでは必ずお会いしました。非核神戸方式については大きな励ましを受け、川崎港についても何とか実現できないものかと神奈川・川崎の仲間と話し合ったものです。再会を願っています。
 ネルソン・アンジャインさん安らかにお眠りください。
最後にお会いしたのは、マーシャルを訪れた際、家族・友人に囲まれて病床についていたときでした。

三重県 坂 久
 2月に入りました。一年中で一番寒い季節だと言われています。これほど暖かい1月は経験ありません。温かい冬は有り難いけれど、冬はやっぱり寒さ厳しい日が続く方が冬の季節感に浸れることができます。

東京都 村野陽太郎
 アメリカの大犯罪的な行為が、イラクの戦争以上のものが明らかになった。世界的な異常気象、温暖化傾向、「50年後には北極の氷がなくなる」などの話もあるが、いま、日本だけでなく世界の気候がくるっている。その原因をつくっているのはアメリカだ。平和を守るのと同じように、イラク戦争をやめさせるとともに温暖化の元凶アメリカを徹底的に糾弾を。

千葉県 夏目侑子
 1月31日、昨年5月大阪地裁、8月広島地裁に続いて3回目となる、今年最初の原爆症認定集団訴訟の判決言い渡しが名古屋地裁で行われた。
前日、東京地裁で中国残留孤児に対する敗訴の判決がおりた直後のことで、その余波を受けるのではと不安でもあった。当日夜、日比谷公会堂で持った「トーク&ライブ今こそ解決を!被爆者の願い、その実現をめざして」大集会でも一応報告はあるだろうがそれまで待てない。日中、外出する用があって居ても立ってもおれず、ポケットラジオを持ち歩いて聞き入る。結果は2名勝訴・2名敗訴の“一部勝訴”。「大阪でも広島でも全員“認定”されたのだから、名古屋でも確実に勝つ!」と信じていたところがまさかの結果に落胆。(支援者の一人として)我々に油断(スキ)があったかも。
その夜、大集会会場に集まった各地の原告や顔なじみの方々を前に、そして勝訴した甲斐さんの喜びの表情と、敗訴した2人の「認定かちとるまで頑張る」姿を前に自分が励まされた。そうだ、支援者が失望したのでは、原告の心が萎えてしまう。被爆者は9連勝、個別裁判を含めて53人が勝利。個々の勝者の数が増えていけば、国は方針転換せざるを得なくなるに違いない。皆でがんばろう!!

大阪府 上原正雄
 映画『夏少女』全国縦断イベントの記事に驚きました。映画の上映と坂田明さんの演奏を一緒に行うという企画は画期的だとしか言いようがありません。かつてラジオで中央アジアの演奏家とセッションされる坂田さんのサックスを聞いたことがあり、「ミジンコ」を研究される一面にどこか哲学的な背景を感じさせました。森川時久さんといえば『若者たち』、『若者はゆく』、『若者の旗』と劇場で何度も見たことを思い出します。早坂暁さんの脚本ならばと心待ちにしています。

2007年02月09日

【北海道】89歳元海軍兵士も「頑張ってくれ」と署名

原水爆禁止北海道協議会は9日、核兵器廃絶と被爆者連帯を訴える6・9宣伝行動を行いました。札幌雪まつりに訪れた観光客や修学旅行の高校生、道行く市民に「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名への協力を呼びかけました。

「まだ核兵器というんだから困ったもんだ。私は太平洋戦争の時は海軍だった。頑張ってくれ」と89歳の男性が署名しました。「何、署名?」という男性に、国連に提出する署名と説明するとわかったと言って署名しました。

北の詩人会議の日下新介さんは、小学生の時に「学校の門は戦場へとつながっていた」という詩を書いたと話し、二度とそんな体験をしないよう署名に協力をと訴えました。

宣伝行動には、北海道勤医労、北海道平和婦人会、北海道母親大会連絡会、国民救援会北海道本部、中央区原水協などから8人が参加しました。

(北海道原水協 しまだ)

2007年02月08日

抗議文 原爆症認定集団訴訟の名古屋地裁判決に対する国・厚生労働大臣の控訴に断固抗議する

原爆症認定集団訴訟の名古屋地裁判決に対する
国・厚生労働大臣の控訴に断固抗議する

                               2007年2月8日
                               原水爆禁止日本協議会

日本原水協は、全国の原告と26万余の被爆者とともに名古屋地裁判決に対する国・厚生労働大臣の控訴に断固抗議する。

国の控訴は、被爆者の切なる願いを踏みにじり、その苦しみを増大させるものであり、核兵器廃絶を願う国民を裏切る行為であり、断じて許すことはできない。

全国の原爆症認定集団訴訟229人の原告のうち、すでに31名もの原告が亡くなられた。高齢化する被爆者に時間はない。国が、大阪、広島を含め控訴をただちに取り下げるよう強く要求する。

抗議先
   柳沢 伯夫 厚生労働大臣 
     〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 厚生労働省
     FAX03-3502-3090 (健康局)

【兵庫県】日本は「核の傘」から脱却を―兵庫県原水協が「非核日本宣言」を要求し「6・9行動」

兵庫県原水協(筆頭代表理事・多上尚之)は6日夕方、神戸市中央区の元町商店街で、核兵器廃絶と被爆者援護を訴える「6・9行動」を行いました。

兵庫県原水協の梶本修史事務局長、中央区原水協の岩井直臣副会長、日本共産党の井村弘子前県議(兵庫区)などがマイクをもち、安倍内閣がアメリカの核兵器戦略に無批判に協力して、米軍の再編強化、憲法改悪へ突き進んでいることを厳しく批判し、「憲法9条と非核三原則に基づく非核平和の外交こそが重要」と強調しました。そして、日本政府が、核兵器廃絶の提唱と非核三原則厳守の「非核日本宣言」を行い、国連と全加盟国政府に通告することを要求しました。

参加した平和委員会、民青同盟、日本共産党など8人は、「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名を通行の人々に呼びかけました。神戸市須磨区の若い男性は、「アメリカがまたイラクの米軍を増強しようとしていることに反対だ。イランにまで戦争をしかけることが心配」と、署名に応じました。来月に32周年を迎える非核「神戸方式」の説明を聞いた芦屋市の高校生3人は、「すぐそばの神戸でそんなすごいことがやられているのを初めて知った。日本中でやったらいいのに」と語りながら全員が署名しました。この日の行動で、「すみやか」署名78筆、原爆症裁判の要請署名65筆が寄せられました。

兵庫・梶本修史

2007年02月07日

2007年3・1ビキニデーの日程・要綱

2007年3・1ビキニデーの日程・要綱
2007年2月7日 原水爆禁止日本協議会

 2007年原水爆禁止運動の全国的出発点、3・1ビキニデー集会が2月27日から3月1日まで、静岡、焼津の両市でひらかれます。
 いまも続くイラクでの流血と新たな平和行動の広がりに見られるように、いま、武力に依存するアメリカの「力の秩序」が世界中で批判され、大きな破綻に直面しています。昨年12月、圧倒的多数の国々が核兵器廃絶を求める国連決議を採択したのに続いて、1月にはアメリカで大統領補佐官などの経験者が連名で核兵器廃絶に着手するようアメリカ政府によびかけました。対米追随一辺倒の日本政府もまた、アメリカの「核の傘」への依存、米軍基地の再編強化、世界に誇る戦争放棄の憲法を投げ捨てる態度が内外の批判を浴びています。
 戦争から平和へ、核の時代から核兵器廃絶への流れをさらに確かなものとするために、今憲法9条と非核三原則が輝く国へと日本の進路を変えるために全力をあげなければなりません。
 1954年、ビキニの水爆実験を機に生まれた原水爆禁止運動が核兵器廃絶の世界の流れをつくり出したように、私たちはいま、すみやかな核兵器の廃絶と非核平和の日本の実現を求めて全国的運動を広げようとしています。韓国、中国、フィリピンなどアジアとアメリカの代表も参加し、青年たちが合流して、国境も世代も越えた連帯がつくり出されようとしています。
 新たな流れを切り開く2007年3・1ビキニデーに全国すべての市区町村から代表を送り、2007年原水爆禁止のたたかいをともに出発させる機会とします。27日の国際交流フォーラム、28日の日本原水協全国集会と青年フォーラム、3月1日の3・1ビキニデー集会(焼津)のすべてを大きく成功させます。

Ⅰ、3・1ビキニデー日本原水協全国集会日程と持ち方

2月27日(火) 14:00-17:00
国際交流フォーラム「平和なアジアへ いま被爆国日本の役割を問う」

 北朝鮮の核実験でアジアの非核平和が重要な課題となるなか、日本の核武装発言や非核三原則否定論をアジアの人々がどう見ているか、自由な意見交換をおこないます。核兵器廃絶、平和のアジアへ被爆国日本の役割を探究します。アメリカ、アジア、日本の運動を交流し連帯をつよめる場にします。

 ◇ 会場  グランシップ・交流ホール(静岡市池田79-4)℡ 045(203)5713
 ◇ 規模  200名
 ◇ パネリスト *アメリカ-ジョゼフ・ガーソン(アメリカフレンズ奉仕委員会)
韓国-キム・スングク(金承国/「平和づくり」代表)
ハン・ソクホ(韓錫浩/「前進」執行委員長)
中国-チェン・トゥーミン(陳都明/中国人民平和軍縮協会副秘書長)
シェン・ファン(沈 芳/同協会研究員)
フィリピン-(非核フィリピン連合)
 ◇ コーディネーター 
◇参加費  2,000円(青年1,000円)

【企画】  コーディネーターからフォーラムの趣旨と情勢・運動課題の概要報告をおこない、パネリストから各15分の報告を受け、休憩後、会場との質疑・討論。最後に再度パネリストから7分の発言、コーディネーターから締めくくり発言で閉会。

2月28日(水)13:00-15:00
2007年3・1ビキニデー日本原水協全国集会・全体集会 

テーマ:すみやかな核兵器廃絶・被爆者支援、非核と憲法9条の輝く日本へ
   ◇ 会場  グランシップ・中ホール大地
   ◇ 主な内容  

開会宣言・あいさつ

来賓あいさつ-被爆者 政党
      基調報告
      大石又七さんからの訴え
      海外からの報告
      全国の草の根の行動
① 非核と憲法9条守る草の根のたたかい
② 横須賀原子力空母母港化反対のとりくみ
③ 被爆者支援のたたかい-原告と青年支援ネットから
④ 「世界青年のつどい」にむけた青年の活動
分科会の案内・終了・移動
◇ 規模  1,500人

2月28日(水) 15:30-18:30
分科会・動く分科会のテーマと魅力

◇ 会場  グランシップ内の各会場 (焼津行動を除く)

◆1、核兵器廃絶こそ世界の流れ-署名など草の根から創意的活動を
核兵器や戦争と平和の問題をめぐる世界の動き、日本の動きを討論し、反核平和運動の役割や行動を探求します。とくに1年を経た「すみやか」署名運動の位置づけにふさわしく、2007年のNPT第1回準備委員会、2007年世界大会や国連総会に向けた世界的な共同行動と連帯を探求する場にします。草の根での行動を交流し、多彩な運動を創り出す場にしましょう。
◇規模=400名(6F・交流ホール)
【企画】ジョゼフ・ガーソン、新原昭治(国際問題研究者)両氏とフィリピンからの代表を招き、米核戦略や核兵器廃絶の課題などについて意見交換し、運動を交流します。

◆2、アジアの平和、朝鮮半島の非核化と日本の進路
 いま日本には、世界・アジアの平和のために、憲法9条、非核三原則にもとづく役割が求められています。ところが、核武装発言や非核三原則を崩す発言が政府閣僚・与党要人からあいつぎ、安倍首相もこれを容認。国内外から孤立するブッシュ政権になお、追随し日本を戦争の道に引き込む憲法改悪、在日米軍再編がすすめられようとしています。分科会では、アジアの代表を迎え、世界・アジアの運動と連帯しながら、非核平和のアジアと日本にむけての草の根運動の役割と行動を討論します。
◇規模=180名(2つの分散会に会場を分ける。904、908号室各90名)
【企画】中国、韓国の代表と松田竹男氏(国際法・憲法)を招き、アジアの平和、朝鮮半島の非核化、憲法9条と非核三原則を活かす日本の果たすべき役割・進路について意見交流します。

◆3、原爆被爆の実相普及、集団訴訟支援と援護連帯
 広島・長崎の被爆と国民的運動の発展を学び、全国へ、世界へと広めるための分科会。また、全国の原爆症認定訴訟の支援についても討論します。被爆者や専門家の協力も得て、最新の情報を共有し、運動のネットワークを広げます。
◇規模=180名(会議室1001-2)
【企画】被爆者(訴訟原告)、集団訴訟弁護士、訴訟支援ネットの若者から各15分の報告を受け、パネルディスカッションと会場との意見交流をおこなう。

◆4、原水爆禁止運動を地域に根づかせるために
全国のすべての地域に原水爆禁止運動をすすめる中心軸(地域原水協)を確立し、質的にも前進させるための分科会。原水爆禁止運動をそれぞれの地域に根づかせ、共同の広がりや青年結集、非核自治体運動など、反核平和運動を草の根から支え前進させるための創意、工夫を交流・討論します。
◇規模=120名(会議室1001-1)
【企画】優れた活動経験を持つ地域原水協、再建し前進を開始した地域原水協などの報告を聞き、質疑・討論します。とくに、今年50年目となる平和行進と結んだ地域原水協づくりを強調しているもと、これらの経験交流とともに意思統一の場にします。

◆5、動く分科会「焼津行動」-第五福竜丸の母港を訪ねビキニ被災と原水爆禁止運動を学ぶ
元乗組員大石又七さんと第五福竜丸の母港・焼津を訪ねます。ビキニ事件の真実と核兵器廃絶を訴えてきた大石さんの話を聞き、ビキニ被災と原水爆禁止運動の歴史について学びます。グランシップ・映像ホールでの映像と大石さんのお話の後、バスに分乗、焼津漁港や久保山愛吉さんのお墓のある弘徳院を見学し、ビキニ事件の当時の様子などを学びます。質疑応答もあり3・1ビキニデーの原点を知るまたとない機会です。
◇参加費(集会参加費のほかに)=2,500円が必要。
◇規模=100名(バス2台)

青年フォーラム-アジアの青年との交流・連帯
青年フォーラムは、「核兵器なくそう・世界青年のつどい’07」(8月)にむけて核兵器廃絶とアジアの平和のために何ができるのか、全国各地の仲間とともに考え交流します。
◇日時・会場 2月28日 15:30~18:30 グランシップ
◇規模=130名(会議室910号室)
【企画】 各地の活動交流を通して被爆60年を機に生まれた「継承」の運動を共有し、アジアの青年の中で非核・平和、被爆者支援などについて、どのように協力共同・連帯を築いていけるのかを日韓中三国の青年によるパネルディスカッションからさぐります。

Ⅱ、被災53年2007年3・1ビキニデー集会の日程と持ち方
◇日時 2007年3月1日(木) 13:00~15:30
◇会場 焼津文化センター大ホール
◇主催 原水爆禁止世界大会実行委員会
     被災53年2007年3・1ビキニデー静岡県実行委員会
◇主な内容
<第1部>
主催者あいさつ
来賓あいさつ
主催者報告(世界大会実行委員会)
<第2部>
ビキニ被災=第五福竜丸事件とは?-
         アーサー・ビナードさん「ベン・シャーンの第五福竜丸を語る」
“すみやかな核兵器の廃絶のために”
ネルソン・アンジャインさんの遺志を受継いで
世界から―アメリカ、フリピン、韓国、中国
日本から―市民団体代表によるリレートーク
文化企画-ゴッドブレス(ロックグループ)、片岡七恵(ジャズボーカリスト)
「被災53年2007年3・1ビキニデー集会アピール」の採択

Ⅲ3・1ビキニデー全体日程と参加費

2月27日(火)
14:00-17:00  国際交流フォーラム(日本原水協主催)
18:30-20:00  歓迎交流レセプション(日本原水協主催)

2月28日(水)
13:00-15:00  日本原水協全国集会全体集会
15:30-18:30  同 分科会、動く分科会「焼津行動」

〈関連企画〉
18:45-20:45  「平和でナイト 2007」(平和でナイト実行委員会主催)
18:45-20:45  ビキニ水爆被災事件の解明をめざす研究交流集会(静岡県3・1実行委員会、同ビキニ研実行員会共催)

3月1日 (水)
9:30  JR焼津駅南口前・集合
9:45出発  献花墓参平和行進
10:30-11:30  墓前祭(日本宗平協の主催)
13:00-15:30  被災53年2007年3・1ビキニデー集会(世界大会実行委員会と静岡県実行委員会の共催)

【日本原水協全国集会・分科会参加費】
    一般     3,000円
    学生・被爆者 1,500円
    高校生     500円
    静岡     2,000円
☆世界大会実行委員会と3・1ビキニデー静岡県実行委員会主催の「3・1ビキニデー集会(焼津文化センター)」は別途、参加費(1,500円)が必要。

歓迎交流レセプション(日本原水協主催)
◇ 日時  2月27日(火) 18:30~20:00
  ◇ 会場  マイホテル竜宮
   ◇ 会費  5,000円                      /以上

2007年02月06日

【北海道】さっぽろ雪祭りに訪れた観光客などに署名よびかけ

原水爆禁止北海道協議会は6日、核兵器廃絶と被爆者連帯を訴える6・9宣伝行動を行いました。

季節はずれの雨がみぞれに変わる悪天候の中、さっぽろ雪祭りに訪れた観光客や道行く市民に「すみやかな核兵器の廃絶」を求める署名の協力を呼びかけました。

北の詩人会議の日下新介さんは、「あのきのこ雲の根っこは真っ赤な火柱でした。女たち子どもたちが一瞬にして死んでいった。生き残った被爆者は今でも苦しんでいます。ふたたび繰り返してはいけない」と訴えました。

北海道民医連の宮下昌男さんは、「何人もの青年が宣伝に参加しています。戦後、アメリカの核使用をストップさせたのは、署名と世論の力です。核兵器は通常兵器と違って大量に、そして無差別に、さらに世代をこえて影響を与えるまさに悪魔の兵器です。人類の未来のために核兵器は絶対に持つべきではありません」と訴えました。

「核兵器廃絶、平和なアジアを 憲法9条と非核三原則の輝く日本へ」のビラを配り、署名への協力を呼びかけました。行動には国民救援会北海道本部・平和委員会青年協議会。中央区原水協などから13名が参加しました。

(北海道原水協 しまだ)

【大阪・北区】「いろんな人と対話できてよかった!」北区原水協と共同で若者が6・9行動

 2月6日夕、天神橋筋商店街のJR天満駅前で、北区原水協の6・9行動に学生平和サークル“ヘイクル”と平和委員会青年委員会の若者5人が加わって11人が行動。通勤や買い物の市民によびかけました。
 北区原水協・水野会長は、普段にくらべ3倍の署名(「すみやか」署名と原爆訴訟署名合わせ100筆)が集まった。青年の力は大きい…と評価しました。
 “ヘイクル”のTさんは、いろいろな人と対話もたくさんできました。大阪にヒバクシャの方が住んでいることを知らなかった人に、少しでも伝わっていればよいな、と思います。ビラを取って居酒屋に入ったオッチャンが、しばらくして引き返してきて「署名させてな」って言うてきてくれたり、なんだか温かい街でした…と。
 青年参加者の感想交流では、対話ができてよかった。新たな企画(活動の)につなげるためにもコツコツ続けていこう。9条改悪反対の運動にもつなげることで、平和運動の横のつながりの大切さを確認できた。原告(原爆訴訟の)の方と気持ちが離れたらダメ―などの感想が出されました。

長崎被爆地域拡大連絡会による厚生労働省への申し入れ

「私たちも被爆者と認めてほしい」と訴えて上京した被爆「体験」者ら長崎被爆地域拡大連絡会による厚生労働省への申し入れが6日、衆議院第1議員会館第2会議室で行われました。

冒頭、長崎被爆地域拡大連絡会代表世話人の峰松巳氏から厚生労働省健康局課長補佐の野上耕二郎氏に対し申し入れ書が読み上げられたのに続き、各地域から参加した「被爆体験者」が生々しい証言を行いました。

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その後、野上課長補佐から「直接の体験がある人が対象」、「『被爆体験者精神医療受給者証』から『精神』という文言を外せというのは、事業を表すものとして適切ではない」、「放射線は2kmしか出ていないと思っている」、「県外に出た人は『こころの問題』が生じにくい」などの申し入れ書への回答がありました。

これに対し、長崎被爆地域拡大連絡会の8人から「『被爆体験の記憶がない人は制度から除外する』という記載が2005年から突如記載され、合理的な説明はないし根拠も示さないことが(長崎では)大問題になっている」、「“被爆体験者”と“被爆者”を分ける科学的な根拠は何か」「二重構造を作って除外するのは受け入れられない」「すべての被爆体験者も被爆者と認めてほしい」と切実な訴えが出されました。

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2007年02月05日

【四国】平和行進四国コース、原水爆禁止四国大会などの日程を確認

原水協四国ブロック会議は、歴史的意義のある第50回国民平和大行進を成功させるために、星野村の平和の火を灯したランプを持って回ることや、原水爆禁止四国大会(ウェルシティ伊予)では、核兵器廃絶運動の前進とともに、被爆者認定訴訟問題や、高レベル放射性廃棄物処分場の問題点などを含め、多面的に討議することを決めました。

【第79回全国理事会】非核日本宣言を提唱

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 原水爆禁止日本協議会は2月3、4の両日、東京都内で第79回全国理事会を開き、2007年度の運動方針を決定しました。

 全国理事会では、千葉、熊本、佐賀などから原水爆禁止運動が青年の成長にとって欠かせないといった発言が相次ぎました(2面に発言要旨)。また、核兵器をめぐる世界とアジア、日本の情勢を分析、草の根からの反核平和運動をいっそう強めることを確認し、唯一の被爆国・日本が「核兵器全面禁止」のイニシアチブを取るために、国是である「非核三原則」の厳守と核兵器廃絶を世界にアピールする「非核日本宣言」の実現を政府に求めることとしました。

運動方針は、アメリカの核戦略を支えてきた4氏の提言や国連総会での核兵器廃絶決議の採択に見られるように、核廃絶が世界の大勢となっていること、アメリカの「核の傘」に入っている安倍政権は日本の真の安全保障にまったく応えられないことなどを指摘。「6・9行動」を中心とする草の根の活動で「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名をさらに大きく広げ世論に働きかけること、北朝鮮の核実験を契機に韓国で盛り上がる反核運動の機運と連帯していくこと、原爆症認定集団訴訟の全面支援なども盛り込んでいます。

2日目には、安部晋三首相と柳沢伯夫厚生労働大臣に原爆症認定集団訴訟の抜本的解決を求める声明と3・1ビキニデーの成功を呼びかける2本の特別決議を採択しました。

2007年02月04日

よびかけ 2007年3・1ビキニデー集会を成功させよう

特別決議

2007年3・1ビキニデー集会を成功させよう

2007年2月4日 原水爆禁止日本協議会第79回全国理事会

2007年原水爆禁止運動の全国的出発点、3・1ビキニデー集会が2月27日から3月1日まで、静岡県下の静岡市、焼津市の二つの都市で行われます。

いまも続くイラクでの流血と新たな平和行動の広がりに見られるように、いま、武力に依存するアメリカの「力の秩序」が世界中で批判され、大きな破綻に直面しています。

昨年12月、圧倒的多数の国々が核兵器廃絶を求める国連決議を採択したのに続いて、1月にはアメリカで大統領補佐官、国務長官、国防長官などの経験者が連名で核兵器廃絶に着手するようアメリカ政府によびかけました。

対米追随一辺倒の日本政府もまた、アメリカの「核の傘」への依存、米軍基地の再編強化、世界に誇る戦争放棄の憲法を投げ捨てる態度が、内外の批判を浴びています。

この、戦争から平和へ、核の時代から核兵器廃絶への流れをさらに確かなものとするために、いま、憲法9条と非核三原則が輝く国へと日本の進路を変えるために全力をあげなければなりません。

1954年、ビキニの水爆実験を機に生まれた原水爆禁止運動が核兵器廃絶の世界の流れをつくり出したように、私たちはいま、すみやかな核兵器の廃絶と非核平和の日本の実現を求めて全国的運動を広げようとしています。韓国、中国、フィリピンなどアジアとアメリカの代表も参加し、青年たちが合流して、国境も世代も越えた連帯がつくり出されようとしています。

新たな流れを切り開く2007年3・1ビキニデーに全国すべての市区町村から代表を送り、2007年原水爆禁止のたたかいをともに出発させましょう。

【日程】 
2月27日 日本原水協国際交流フォーラム(静岡)
2月28日 2007年3・1ビキニデー日本原水協全国集会(静岡)
      3・1ビキニデー青年フォーラム(静岡)
3月1日  被災53年2007年3・1ビキニデー集会(焼津)

声明 原爆症認定をはじめ被爆者行政の抜本的改善を要求する

特別決議

日本政府への申し入れ
原爆症認定をはじめ被爆者行政の抜本的改善を要求する

 内閣総理大臣  安倍 晋三 殿
 厚生労働大臣  柳沢 伯夫 殿

2007年2月4日 原水爆禁止日本協議会第79回全国理事会

広島・長崎への原爆投下から60年余、「ふたたび被爆者をつくるな」と核兵器の廃絶、原爆被害への国家補償をもとめつづけている被爆者を、これ以上苦しめつづけることは絶対に許せません。とりわけ自分の病気は原爆のせい以外に考えられないと、原爆症認定をもとめる多くの被爆者にたいし、司法による度重なる断罪にもかかわらず、誤りを認めず、いたずらに裁判をながびかせるなど、もってのほかです。
原爆症認定を求める裁判で、国が10回も連続して敗訴したことは、被爆者の訴えにこそ真実があることを証明しています。昨年の大阪、広島地裁、この1月の名古屋地裁での判決はいずれも、国の被爆の実態を無視した機械的な認定のあり方を厳しく批判しています。

3月の仙台、東京地裁判決を待つことなく、一刻も早く集団訴訟の全面的な解決、認定行政の抜本的改善に踏み切るべきです。原爆による可能性を否定できない疾病や障害をもつ被爆者の救済を基本に、原爆被害を全体的・総合的に判断し、被爆の実態に即した認定に根本的に改めることを強く要求します。
過去の戦争への反省と、二度と核兵器の使用を許さない被爆国の決意にたち、原爆被害への国家補償をおこなうこと、また在外被爆者への援護措置の全面的な適用を求めます。

2007年02月01日

『憲法9条を世界遺産に』

読書感想
『憲法9条を世界遺産に』
著者 大田 光・中沢新一
集英社新書¥693

 テレビにもよく顔を出すお笑いタレントの大田光らが昨年8月に出版した『憲法9条を世界遺産に』は、ベストセラーになったそうです。そこで、発売後半年たった現在、読むに値する書籍なのか否かをあらためて確認したくなりました。

◆ ◆ ◆

 大田の主張は、すなおで好感が持てます。

「その奇跡の憲法を、自分の国の憲法は自分で作りましょうという程度の理由で、変えたくない。少なくとも僕は、この憲法を変えてしまう時代の一員でありたくない」(P.60)

「憲法9条は、たった一つ日本に残された夢であり理想であり、拠り所なんですよね。どんなに非難されようと、一貫して他国と戦わない。二度と戦争を起こさないという姿勢を貫き通してきたことに、日本人の誇りはあると思うんです。他国からは、弱気、弱腰とか批判されるけれど、その嘲笑される部分にこそ、誇りを感じていいと思います」(P.78)

◆ ◆ ◆

 対談の相手で大学教授の中沢のはなしは、多弁なのですが、説得力があまりありません。なかには、とんでもない珍説もまじっています。

「商人が仲立ちして、人々が所有権の切れた品物をお金で交換するようになり、だんだん物の移動が楽になっていくわけです。ここから資本主義が発達してきます」(P.39)
≪反論。「所有権の切れた品物」は絶対に「お金で交換」できません。所有権が切れるとは、持ち主がいなくなることでしょう。すると、品物の代金を受け取る者が不在なので、売買は成立しません。人々は、だまって無償でそれをひろってくればいいことになります≫

◆ ◆ ◆

 そもそも本書の主旨は、憲法9条は、「世界の珍品」で「突然変異で出現した」ものであるから、世界遺産として保存しなければならない、というところにあります。

 このことについて、私は「憲法9条は世界に先駆けて日本で誕生したが、どこの国にでも受け入れられる普遍性を持っており、人類の歴史が進んでいけば、その内容が多くの国の憲法にうたわれていくだろう」と考えています。

◆ ◆ ◆

 本書は、憲法9条を守ろうとする立場に立っています。そして私は、いろいろな立場からの「憲法9条を守る」主張がなされることを歓迎したいと考えています。そういう意味からも、大田光らの勇気ある発言に敬意を表します。

 ただ、発売後半年たった現在、「693円を払って購読するほどの内容があるか」と問われたならば、「購読するにはおよばないでしょう」と答えざるをえません。

栃木県原水協事務局長・福田台