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原水協(原水爆禁止日本協議会)
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ビキニデー

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2020年=被爆75年へ 核兵器廃絶の地殻変動起こす運動を
土田弥生(日本原水協 事務局次長)

2019年3・1ビキニデー日本原水協集会 国際交流会議(2月27日)

今、私たちは激動の時代に生きています。核の脅威・地球温暖化や新自由主義経済などのグローバルな問題でも大国の横暴に対して、多くの国と国民がたたかっています。各国でも、非核・平和・人権・民主主義・生活・福祉の防衛へ、国民が立ち上がっています。

人類は長い間、核兵器による絶滅の脅威のもとで暮らしてきました。地球上に約15000発の核兵器が存在しているだけで、人類全体の生存を危うくするリスクがあり、世界の紛争や対立、緊張の高まりが続く現在、核兵器使用の危険はますます高まっています。

このような事態に、世界の多くの国と人々立ち上がり、非核・平和の方向に大きく舵を切りました。ひとつは、2017年採択された核兵器禁止条約です。これは歴史上初めて核兵器のあらゆる活動を禁止し、核兵器の終わりの始まりとなりました。人類を危機から救う一筋の希望の光です。

もう一つは、北朝鮮の核兵器をめぐる情勢が、紛争の平和的解決、朝鮮半島非核化・平和の方向へ大きく転換したことです。

核兵器のない世界、非核平和の日本と東アジアを実現するためには、この方向を推し進める以外にありません。

しかし、核兵器国と核の傘の国々は、禁止条約に支持も調印も批准もしないと背を向けています。それどころか、核大国アメリカは、「核態勢見直し」で、より使いやすい核兵器の開発を打ち出し、イランの核合意からの離脱、INF条約からの離脱と、これまでの努力や成果を踏みにじっています。これらの横暴は、米英仏・中ロ間の核軍拡競争に拍車をかけ、核兵器使用の危険をより高めているのです。

日本の安倍首相は、被爆者の前でさえ、禁止条約に支持も調印も批准もしないと言い放ちました。過去においては「唯一の戦争被爆国」を売りにしていた日本決議も、2017年以来、禁止条約を無視。さらに、NPTで合意された「自国核兵器の完全廃絶を達成するという核兵器国による明確な約束」の文言を改ざんし薄め、国際的に厳しい批判を受けています。

2018年の決議では、その部分にNPTの「第6条」の言葉を足してとりつくろうとしましたが、アメリカは核軍縮の義務に触れることも拒否。核兵器国と非核国の「橋渡し役をする」というのが売りの日本政府は、どちらからも見放される形となりました。

さらに驚くべきことに、これらの恥ずべき行為は、アメリカから言われてやったことなのです。安倍政権は「核を含むあらゆる種類の拡大抑止力」で日本を守ってもらうというアメリカとの約束の下、日米同盟の強化、集団的自衛権行使についての解釈改憲、戦争法・秘密保護法の強行、沖縄の新基地建設の強行、そして、改憲へと「戦争する国」づくりにひた走っています。史上最高の防衛費、いずもの空母化、F35 ステルス戦闘機の爆買いなど専守防衛を投げ捨てた違憲の大軍拡もその表れです。そして、そのしわ寄せを、消費税増税、福祉切り捨てなど国民に押し付けているのです。

しかし、その末路はどうでしょう。朝鮮半島の危機の時には、アメリカに圧力一辺倒・軍事的対応を迫ってきましたが、トランプ大統領が突如方向転換し、蚊帳の外に置かれています。ノーベル平和賞にトランプ大統領を推薦するとは、日本はアメリカのポチと言われてもしょうがありません。アジアの国として、独立国として、外交も政治も行えない、日本政府の情けない姿です。被爆国の立場や憲法9条を投げ捨てることは、日本国民をより危険にさらすことになるのです。

私たちは今年から被爆75年の2020年、核兵器禁止条約の発効、次回NPT再検討会議などをめぐり、きわめて重要な局面を迎えると考え、核兵器のない世界を切り開く壮大な運動を内外で起こそうとよびかけています。

私たちは、日本政府に禁止条約への参加を迫り、日本の政治を平和・非核の方向へ転換させるほどの運動をつくらなければなりません。政府が禁止条約に調印するだけでも、現在の軍事・戦争・核抑止力優先政策や沖縄の基地建設にも、変化をもたらすことができるでしょう。また、日本での変化は、世界の核兵器廃絶の流れに大きな影響を与えるでしょう。

国際的には、禁止条約の発効、とりわけ、核保有国・核依存国の政府に禁止条約への参加とNPT合意の実行を迫る国際的な共同行動を呼びかけるなど、日本の原水爆禁止運動の役割を果たす決意です。

私たちにはそのような変化を起こす力があります。

私たちのまわりには、悲惨な被爆体験から核兵器廃絶という崇高な大義のためにたたかう被爆者たちがいます。そして、彼らが提唱したヒバクシャ国際署名に賛同する共同が、かつてなく広がっています。多様な47団体が署名推進連絡会に結集し、現在、署名の数は830万を超えています。署名した首長は1205、359自治体が日本政府に対し禁止条約に調印・批准せよとの意見書を採択しています。今、この署名を飛躍させようと、各県や地域レベルでの連絡会づくり、全自治体での署名・意見書採択など自治体ぐるみの運動、政党や国会議員、地域、多様な団体や事業所などへの署名の申し入れ活動を強めています。

このような草の根の力、共同の力が、憲法3000万署名と相まって、昨年、安倍政権の改憲案提示を断念させました。沖縄県知事選の勝利と県民投票で再び示された反対の意思をもたらしました。玉城デニー知事は、昨年、ヒバクシャ署名に署名してくれました。課題を超えて、連帯と共同が広がっています。

また、アメリカのカリフォルニア州でトランプ政権に禁止条約参加を呼びかける決議採択、オーストラリアの労働党による禁止条約に参加する決定や、スペイン政府による条約に署名する合意など、保有国や核の傘の国でも、政府を禁止条約に参加させようと、草の根の努力が変化を起こしています。

今ほど、ビキニ被災を契機に原水爆禁止の行動に全国で国民が立ち上がったような運動が求められている時はありません。2020年=被爆75年に向け、被爆者の「生きている間に核兵器の廃絶を」の実現へ、決意を新たに奮闘しましょう。



 
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