原水爆禁止2003年世界大会
長崎・閉会総会(8月9日)

海外代表の発言


アオテアロア・ニュージーランド平和評議会
名誉議長
ジェラルド・オブライエン


  世界で道徳を守るためにたゆまずたたかっている皆さんと、今年もまたともに仕事ができることは非常な喜びであり、光栄です。

  世界から核兵器をなくすためにたたかっている、親愛なる日本のすべての皆さんは私たちに多くのものを与えてくれました。実現可能な方法を与えてくれた非核神戸方式を、私たちは広げなければなりません。すでにみなさんは、「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」署名を日本の多くの国民から集めています。日本国憲法は、地球上のどの国にもない、すばらしい平和への貢献であり、私たちはこれを守ることを誓います。しかしなによりもみなさんは、被爆のおそろしい実相を世界に知らせて下さいました。

  いま、みなさんは、唯一の超大国が法の支配を拒否し、核兵器の垂直拡散を続けているなかで、新たな署名運動をはじめようとしています。「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」を提唱した14の平和団体の代表の一人として、私はこの新しい署名運動に参加できることを光栄に思います。私たちは被爆60周年にむけてこの署名に急いでとりくみ、核兵器に固執する敵たちを放逐する大きなうねりをつくり上げねばなりません。この署名を今日、いますぐ、開始しましょう。核兵器の全面的廃絶のたたかいを勝利に導く決定的な力にしましょう。すでにみなさんの目はその熱意にあふれています。

  ある国が次々と他国を侵略するという、1930年代の繰り返しを許すことはできません。世界は、世界の指導者たちが自らの誓約を破ることを許すことはできません。いまこそ、大石油資本と兵器大企業がおこなう帝国主義的侵略にノーという時です。

  アイゼンハワー大統領は、軍産共同体が、正当な根拠もない影響力を手に入れたこと、そしてそれが破壊的な権力の台頭につながる可能性について、アメリカに警告を発しました。

  私たちは、戦争反対で世界の数百万人を動員したような、共通の行動の基盤を見つけなければなりません。

  私たちは理性を失った人間が自分たちの利益のために世界を支配しようとして、つねに戦争をおこなう、そういう世界を認めることはできません。

  権力をふるう者たちは、生まれながらにしてその権力がそなわっていたわけではなく、決意をもって手にしたものたちなのです。しかし、ロメシュ・チャンドラさんが言ったように、私たちは彼らを陵駕することができます。私たちは、戦争ではなく平和を、恐怖ではなく正義を、私たちが勝ち取れると考えている世界を望んでいます。それは分かち合い、互いに思いやり、名誉と人間性と、レナータさんがはっきりと見ている愛情のある世界です。それこそが、私たちが今、この日に望んでいる世界です。私たちが胸に抱くのは、戦争を鼓舞する心ではなく、それにうち勝つ心であり、人間性なのです。


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