原水爆禁止2003年世界大会
国際会議

フィジー核実験被ばく復員兵士の会
テコティ・ロタン



はじめに

  復員兵士の会を代表して、実行委員会のみなさまに、招待をいただき、また財政援助をいただいたことにお礼を申し上げます。私たちの会が大会のテーマを支持し、私たちのたたかいにたいする認識を勝ち取り、受けた被害と苦しみに正当で公平な補償がなされることをめざす被ばく者の国際的たたかいに連帯していることを再度表明します。

運動の前進

  昨年の世界大会以来、私たちの会には以下のような進展がありました。
  1. 会員拡大運動:現在、「グラップル作戦」に従事した復員兵士278人が会員になりました。推定の記録では、イギリスの核実験がおこなわれていた1957年から1959年までのあいだに、300人の兵士がクリスマス島で実験に従事しました。
  2. 家族健康調査:昨年(2002年)から健康調査プロジェクトを続けていますが、調査に答えた兵士はわずか157名です。
  3. イギリス政府にたいする集団訴訟:2002年12月、私たちは、クリスマス島での実験に参加したイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、フィジーの復員兵士による集団訴訟に加わることができました。イギリス法律援助委員会が、イギリス国防相を相手取った訴訟費用を負担してくれています。これは、認知と補償を求める私たちの主張にたいしてイギリスが180度態度を変えたということであり、補償を求める国際核実験復員兵士の会のたたかいにとっても画期的なことです。
  4. ドキュメンタリー:昨年(2002年)10月、オーストラリアのジャーナリスト、(シドニーの)SBSデイトライン・オーストラリア局のオリビア・ルーセットが、フィジー復員兵士のたたかいを主題としたドキュメンタリー番組を作成しました。そのビデオを一本もってきましたので、訴えの認知を求める復員兵士のたたかいにたいする原水協の支援への感謝を込めて贈呈いたします。

私たちのたたかい

  1. 財政
      途上国の組織として、私たちは、日々の活動資金を得るために苦労して資金調達活動を続けています。次の分野での資金が必要です。
    1. 事務所の維持費(機材、家具、文房具)
    2. 会員拡大運動
    3. 家族健康調査
    4. 「対照群」調査
  2. フィジー政府
      昨年(2002年)10月、フィジー政府は、私たちの会に2000ドルの援助を行いました。私たちは、被害と苦しみが「グラップル作戦」に参加した結果であることを政府に納得させるたたかいをしています。

      会員にたいする戦争年金適用を求めるたたかいは、私たちの疾病は被ばくが原因である証拠を政府に出すことができるかにかかっています。

      私たちの病気とイギリス核実験への参加とのあいだの因果関係をフィジー政府に認知させるため、私たち会員は、日本の被爆者また世界の核被害者に関する調査報告に大いに期待しています。

      こうした報告は、イギリスでの訴訟をすすめる上で非常に重要となります。ですから、私たちの補償要求を認めさせるたたかいに、ぜひみなさんの力を貸してください。

支援のおねがい

  私たちの会では、現在進めている大事な取り組みのいくつかで、資金を緊急に必要としています。非核独立太平洋運動の事務局である太平洋問題資料センター(PCRC)が、事務所を提供してくれており、おかげで、日々の事務局活動することができます。

最後に

  提案をしたいのですが、一年に一度、世界のすべてのヒバクシャと核実験復員兵士が、広島と長崎の原爆でなくなった多くの人々を祈念する日を、この大会が選んで提案してはどうでしょうか。

  この日を「ワールド・ブラック・デー(World Black Day)」という名称にしてもよいでしょう。この日を、世界各地の私たちの住む町で、学生、復員兵士、家族、反核活動家による平和行進をするのです。これは、核戦争を阻止し、未来の世代のために世界の平和を守るためりっぱな活動をしている原水協にたいし、私たちの支援を表す一つの方法です。今年の大会のテーマを高らかに主張しましょう。

いまこそ核兵器も戦争もない平和な世界を!
核兵器の使用、開発を許さず、すべての核兵器の廃絶を!
戦争と先制攻撃の政策反対、世界平和のルールを守ろう!


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