原水爆禁止2002年世界大会

長崎大会

ジェラルド・オブライエン

皆さん、こんにちは。

核兵器廃絶と、核兵器被害者にたいする正義を求め、団結してたたかっている兄弟のみなさんに挨拶を送ります。

これまで18年間非核政策を守ってきた非核のニュージーランドを、人類の未来を話しあうために開催されるこの素晴らしい世界大会に招待し、交流し、互いに励ましあう機会をくださったことに感謝します。

また、核のない世界を実現することこそが、私たちの道義上の義務であることを分からせてくれた日本の被爆者のみなさんにも感謝します。

自由な国の市民にとって、核兵器をなくすことに貢献するのは、当然の義務であり、責任です。どんな国家でも、政治制度でも、自己を維持するために大量殺戮をすることは許されません。

今年の世界大会は、きわめて重要です。国連憲章の崇高な原則が踏みにじられ、どんな問題も軍事的手段で解決できるとする唯一の超大国の行動によって世界はいま、極めて危険な状態に置かれているからです。

その超大国はすでに無差別に人々の命を奪っていますが、なんら法の裁きを受けていません。そのため、国連そのものが崩壊しかねないのです。国際法を踏みにじり、世界にたいして戦争をしかけてもいいと考え、公式文書で自らの核戦力増強計画を明らかにし、その犠牲となる国を名指ししています。その中には、つい昨日まで友好関係にあったサウジアラビアまでも含まれています。

1930年以降、世界はこれほど露骨な侵略戦争遂行の計画を見たことがありません。こうした計画にたいし、国連にはなすすべがないように見えます。国連は、その前身の国際連盟がそうであったように、アメリカの支配に降伏するように世界に求めるブッシュ・ドクトリンの横暴な核態勢の前に、機能不能に陥る危険があります。

今こそ、私たちが無気力から抜け出し、世界大会で示された日本の青年のエネルギー、熱意、バイタリティーを取戻しましょう。そして、年上の人々の知恵や判断力や経験と結び付け、人類の名において、ブッシュ・ドクトリンは許せないと言い渡しましょう。自国の政府のすすむ方向を深く憂慮しているアメリカ国民と手をつなぎましょう。アメリカの平和、正義の友人と共同し、日本国憲法の前文と第9条の崇高な考えを守ろうとしている人々とも共同しましょう。

友人のみなさん、

原水爆禁止世界大会・国際会議の宣言を良く読んでください。宣言は文明の将来に赤信号をともしています。宣言は核軍拡とグローバル化による人類のニーズ、資源、権利の強奪を終らせることを求めています。また、現在、ブッシュ・ドクトリンの推進力となっている際限のない欲望に終止符を打つことを求めています。

この世界は道徳の危機に直面しています。私たちは権力と法律の対立に決着をつけなければなりません。野蛮な支配を止めさせることができるのは、団結した善意の人々だけです。

この聖なるまちで、広島・長崎からの沈黙の叫びに耳を傾けましょう。

沈黙の叫びに耳を傾けることによって、平和、正義、人間の尊厳、社会進歩を保証することこそが私たちの義務であると本当に理解できるのです。沈黙の声はこうも言っています。私たちの「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」の呼びかけは、長年私たちを照らし続けてきた。核兵器廃絶と被爆者補償が実現されてこそ、真の平和が保証されるのだと。

どうもありがとうございました。がんばりましょう。