原水爆禁止2001年世界大会ー広島

広島アピール


  56年前の今日、ここ広島は人類史上はじめて、核攻撃の犠牲となった。

  アメリカが落とした一発の原爆は、軍人も市民も、先生も生徒も、大人も子どもも、男も女も、日本人も外国人も、だれかれの区別なく命をうばった。その大量虐殺性、残忍性、無差別性、被害の持続性は、他の兵器とは比べるべくもない。半世紀をへた今もなお、死をまぬがれた数多くの被爆者が、「からだ」と「こころ」と「くらし」の困難とともに暮らしている。原爆はまさに人間否定の最悪の兵器であり、どんな理由によっても正当化できるものではない。被爆者たちは、耐えがたいトラウマとたたかいながら、勇気をふるって世界の人々に、この非人間的な体験を語りつづけてきた。そして、ヒロシマは核兵器の非人道性を告発する象徴となり、被爆者の叫びは核兵器廃絶をもとめる壮大なたたかいの原点となった。

  昨年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で、非核の世界を求める世論に圧された核保有国は、「核兵器の完全廃絶を達成する明確な約束」に同意した。「広島の悲劇」を「人類の悲劇」ととらえ、被爆者の叫びを自らの叫びとしてきた人びとのたたかいが、いまや国際社会の無視しえない力となって多くの非核国政府を動かし、核兵器廃絶の展望を切りひらこうとしている。

  それにもかかわらず、今年登場した米ブッシュ政権は、「ミサイル防衛」による絶対的な核優位体制の確立をもくろみ、包括的核実験禁止条約(CTBT)に背をむけて核兵器開発をつづける横暴な態度を示し、核兵器による世界支配に狂奔している。小泉政権は、日米軍事同盟のもとでアメリカの核政策をささえ、「ミサイル防衛」に協力しようとしている。そして、憲法第九条改悪や侵略戦争正当化の動きをつよめている。

  私たちはこうした事態を断じて許すことはできない。

  21世紀最初の原水爆禁止世界大会に参加した私たちは、この半世紀のたたかいへの確信を胸に、ここヒロシマから訴える。

  私たちは、核兵器廃絶の世論をいっそう大きく広げなければならない。そのためにも、被爆の実相をさらに解明し、核保有国の国民もふくめて広く普及しよう。被爆者の証言活動、被爆体験の聞き取り・語り継ぎ、原爆写真展やビデオ上映の推進、原爆遺跡の積極的保存、とりわけ若い世代の平和学習の強化など、多彩な活動に取りくもう。

  人類と核兵器は共存できない。声をひとつに叫ぼう。

  ノーモア・ヒロシマ! ノーモア・ナガサキ! ノーモア・ヒバクシャ!

  2001年8月6日
  原水爆禁止2001年世界大会・広島


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