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2017年3・1ビキニデー日本原水協集会 国際交流会議
核兵器禁止の実現へ、歴史的たたかいを
日本原水協事務局次長 土田弥生

今年は核兵器禁止・廃絶にとって歴史的チャンスを迎えています。それは、世界の圧倒的多数の国が、核兵器禁止条約の実現へ動こうとしているからです。

昨年の暮れ、「多国間核軍備撤廃交渉の前進」という画期的な決議が国連総会で採択されました。禁止条約の交渉会議を3月、6月に国連で開くという決議です。総会での採択では、賛成113、反対35、棄権13。第一委員会では賛成123、反対38、棄権16。総会の賛成のほうが減っています。これは、この決議の採択をめぐって激しい攻防が行われたことを物語っています。

核保有国との激しい攻防がありながらも、禁止条約が、世界の圧倒的多数の国と国民の声であることは明らかです。反対しているのは、核保有国と同盟国など「核の傘」にある国です。世界で35カ国です。詳しく見ると、この中でも足並みが乱れています。核保有国ではアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、イスラエルが反対。中国、インド、パキスタンは棄権、北朝鮮は欠席でした。交渉会議についての2月16日に開かれた組織会合に中国とインドは参加し、中国は交渉会議に参加する意向です。南北アメリカ大陸を見れば、反対する国は、カナダとアメリカだけです。アジア・太平洋では、日本、韓国、ミクロネシア連邦、オーストラリアだけです。

核の傘の国の中でも、足並みが乱れています。圧力に屈して反対にまわった日本と違い、オランダは棄権のまま態度を変えていません。総会採択でエストニアとイタリアは賛成にまわりました。このように今や禁止条約反対が少数派で、孤立しているのです。

3月の交渉会議では最初から条約の中核となる禁止事項などが議案として提案されています。メディアによれば、今年中に条約制定の可能性があるとの見方もあり、期待が高まっています。この進展の中で、私たちのやるべきことが本当に鮮明になっています。

一つは、禁止条約へ賛成の世論を高めるため、被爆国日本の運動の役割を果たすことです。禁止条約の交渉開始に至った道のりの中で、重要な役割を果たしたのは、核兵器の人道的結末のイニシアティブです。核兵器が意図的であれ事故であれ一発でも爆発すれば、国境も超え地球全体に壊滅的な結末を与える、だから緊急に禁止・廃絶されねばならないという考え方を、世界で高めたことです。その中で、被爆者を先頭に私たちは、あらゆる国際会議や行動に参加し、被爆体験を広め原爆展を行い、署名を集めてきました。これらの活動を日本と世界で大規模に行い、核兵器禁止の世論を「ヒバクシャ国際署名」に結実させることが、今こそ求められています。この活動を、交渉会議めざして旺盛にとりくみましょう。世界にも呼びかけました。アメリカの団体などから、原爆組写真を送ってほしい、インドの団体は署名を世界大会に持ってくるなど、活動が広がっています。

二つ目には、日本政府の態度を変えることです。これは今年とても重要です。日本政府は核の惨害を受けた被爆国として核兵器の人道的結末はよくわかっているとしながら、核兵器全面禁止に進まないとの態度を取っています。そしてこともあろうに、交渉会議の決議に反対しました。「被爆国日本がなぜ?」と反発や失望の声が多く聞かれました。

日本の主張は、安全保障の観点をもっと重視するべきだ、なぜなら、北朝鮮や中国の脅威があるから。徐々に核兵器を減らすアプローチが現実的である、日本は非核国と保有国が対立するのではなく、その「橋渡し役」を果たす、と言っています。被爆国が保有国に迫れなくて、どのような橋渡しをするというのでしょうか?実際、交渉会議に参加するのか?禁止条約に賛成なのか?被爆国として禁止条約を提起しないのか?このすべての質問にはっきりと答えず、「橋渡しをする」でごまかしています。2月16日に国連で開かれた交渉会議に向けた組織会合に、日本は出席しませんでした。「交渉会議に参加し、禁止条約に賛成せよ」の圧力を強めなければなりません。

禁止条約について日本政府の態度を変えさせる運動は、核の傘からの離脱、非核平和の日本をつくることに大きく貢献します。というのも、禁止条約は核抑止力の非合法化につながるからです。米国が交渉会議決議の採択の前にNATO加盟国に送った書簡の中で、こう言っています。禁止の内容は、「NATOとアジア太平洋の拡大抑止の約束を果たす米国の能力、および米国や他の核兵器国との共同防衛作戦への同盟国・パートナー国の関与の能力に直接影響を与えかねないものである」。条約の「要件は、核計画や訓練、領空、領海を通る核に関連する一時通過などの遂行を不可能にしかねない」。核の傘で守れなくなると言って、同盟国を脅かしているわけです。禁止条約の実現は、日米軍事同盟・核の傘の根幹を揺るがすことになるでしょう。

今、安倍政権は、核戦力・同盟強化、戦争も起こしかねないトランプ政権に、世界から孤立しても追随しようとしています。この道が日本と世界をより危険にするのは明らかです。禁止条約をめぐっても、世界から孤立する道を歩もうとしています。まさに、このたたかいは、核兵器のない世界を実現するうえでも、非核・平和の日本への転換をもたらす意味でも、歴史的なたたかいになるでしょう。

共同通信の世論調査によると、交渉会議の決議に日本政府が反対したことに対し、賛否は拮抗しました。反対を45.7%が支持、不支持は46.1%でした。垂れ流される北朝鮮や中国の脅威論とのたたかいにもっと取り組まねばと痛感しました。しかし、交渉会議への参加について、日本政府は「参加するべき」が71.7%と、「参加すべきではない」の17.5%を大きく上回っています。

日本の政治と国民の意識は、戦争法、沖縄、福島、原発ノーのたたかいを経て、大きく変化しています。市民と野党共闘、オール沖縄など、安倍政権の悪政をストップさせるための広範な共同が作られてきました。そして、私たちが進めているヒバクシャ国際署名は、「この署名に賛同しない人はいない」と言われるほど力をもっており、昨年来、全国でかつてない共同がつくられました。

今年のビキニデーを迎え、本当に世界は進んでいると確信します。核保有国も安倍政権も追いつめられています。ビキニ被災を契機に始まった、被爆者と日本の原水爆禁止運動が本領を発揮するときです。今年が核兵器禁止の年になったと言えるよう全国でがんばりましょう。



 
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