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原水協(原水爆禁止日本協議会)
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原水爆禁止世界大会

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原水爆禁止2016年世界大会 国際会議宣言

 71年前、アメリカは広島と長崎に原子爆弾を投下し、人類に対してはじめて核兵器を使用した。二つの原爆は、莫大な破壊力と放射線によって、都市を焼きつくし、その年のうちに21万人の市民の命を奪った。それは、この世の地獄であった。生き残った被爆者も長年にわたって、後遺症や差別などに苦しめられてきた。このような非人道的な兵器は、いかなる状況のもとでも、再び使用されてはならない。
 しかし、核保有国はいまだ1万5000発をこえる核弾頭を持ち続けている。少なくない核兵器が使用態勢下にあり、地域的な緊張激化による核戦争の懸念もある。現存する核兵器の数%が使用されただけでも、重大な気候変動が起き、人類が滅亡の危機にさらされるとの研究もある。核兵器の使用を防止する最大の保証はその廃絶であり、それは人類の生存にかかわる緊急課題である。
 国際の法と正義は、大量殺戮兵器を非合法としてきた。生物兵器や化学兵器が国際条約で禁止されたように、核兵器も違法なものとして、ただちに禁止されなければならない。

 いま「核兵器のない世界」への扉を開こうとする新たな動きがうまれている。核兵器を禁止し、廃絶する条約についての実質的な議論が、国連ではじまったのである。
第70回国連総会は、核兵器禁止条約の交渉開始をもとめる決議を多数で採択するとともに、「核兵器のない世界」を実現するための「具体的で効果的な法的措置」を議論する作業部会(OEWG)の設置を、7割をこえる加盟国の賛成で決定した。作業部会は、核兵器禁止条約の内容や2017年の条約交渉の会議開催なども提案される画期的な会議となった。我々は、作業部会が今秋の国連総会に対して、核兵器禁止・廃絶の条約の交渉開始をふくむ具体的な勧告を行うことを要請する。
 こうした発展をうみ出した根本的な力は、核兵器の非人道性、残虐性を訴えつづけてきた被爆者を先頭とする世界の反核平和の運動である。国際政治の場での被爆者の訴えは、大きな反響を呼んだ。世界の反核平和運動が結集した2015年の核不拡散条約(NPT)再検討会議を契機に、核兵器を禁止する法的拘束力のある措置を求める流れがいっそう大きく広がってきた。
 今秋の国連総会では、作業部会の報告をうけた議論がおこなわれる。核兵器を条約で禁止し、廃絶することは、長年にわたる原水爆禁止世界大会の要求である。その実現にむけ、いまこそ圧倒的な世論を創りださなければならない。

 米露英仏中の核保有五大国は共同して、この流れに敵対している。核保有国とこれに追随する同盟国の姿勢が、「核兵器のない世界」へのもっとも大きな障害であることが鮮明になっている。
 作業部会をボイコットした核保有五大国や、その代弁者となった日本など同盟国は、核兵器廃絶にただちに踏み出すことに反対し、「ステップ・バイ・ステップ(一歩、一歩)のアプローチこそ唯一の実際的な道」などと主張している。この「アプローチ」が、核軍備縮小撤廃にむけて、まともな「一歩」を踏み出せていないことは、歴史的な事実であり、核兵器廃絶を未来永劫に先送りする立場に他ならない。
 核兵器の非人道性の議論におされた核保有国は「安全保障の側面も考慮すべき」などといって、「核抑止力」論にしがみついている。だがその本質は、「国益」を守るために、他国への核兵器の使用や威嚇を認める危険きわまりないものである。しかも、「自衛」の名による核拡散を誘発し、平和への脅威を拡大してきた。
こうした核保有国の道理のない姿勢を打ち破ってこそ、「核兵器のない世界」への扉をひらくことができる。

 今日の最大の焦点は、核兵器を禁止し、廃絶するための条約にある。その交渉開始と締結を求める世論と運動を強めることに全力をつくさなければならない。核兵器の先制不使用と使用禁止、核実験禁止、核兵器の開発・更新・近代化の中止、核兵器削減なども重要である。これらの措置の実現は、核兵器禁止の合意を求める世論と運動の発展とあいまってこそ、いっそう効果的なものとなる。
 非核兵器地帯は、地域の平和と安全にとっても重要な貢献となっており、その拡大、強化が求められる。NPT再検討会議の合意である中東の非核地帯化をめざす国際会議をすみやかに開催すべきである。北朝鮮の核問題は、六カ国協議の再開をふくめ、外交的に解決されなければならない。
 国連憲章の平和的原則と国際法にもとづき、武力の行使とその威嚇を抑え、地域の紛争や係争案件を平和的に解決することは、「核兵器のない世界」へ前進するうえでも重要である。無差別殺戮を行うテロリズムは、国際社会が一致して非軍事的な手段によって追いつめ、根絶しなければならない。核兵器拡散を防ぐためにも、核兵器禁止・廃絶の合意が急がれる。
 核戦力の維持・開発をふくむ軍事費の大幅な削減による国民のための予算創出、貧困と格差の解消、国民の生活と福祉の向上、人権と民主主義の擁護は、「平和で公正な世界」にとって欠かせない。

 日本政府は、被爆国にふさわしい役割が求められているにもかかわらず、国際的には、核兵器禁止条約の交渉開始に反対し、核保有国の代弁者の役割をはたしている。国内では、被爆体験に根差した憲法の平和原則を踏みにじって、戦争法=安保法制制定を強行し、海外での戦争に参加する態勢を強化しつつある。そして、アメリカの「核抑止力」に依存して、核兵器の使用さえも認める立場をとっている。これらの根底にあるのは、日米軍事同盟を絶対視する政治である。
 これにたいして広範な国民が、戦争法廃止と立憲主義の回復を求めてたちあがっている。それを背景に、7月の参議院選挙では統一候補の擁立など野党共闘も発展した。沖縄では、米軍新基地建設に反対する統一候補が与党の閣僚議員を破るという結果が示された。日本の反核平和運動は、このたたかいの一翼をになって奮闘してきた。原水爆禁止2016年世界大会-国際会議は、憲法を守り生かし、非核平和の日本をもとめる運動に連帯を表明する。

 核兵器のない平和で公正な未来をひらく最大の力は、諸国民の世論と運動の発展である。我々は、以下の行動をよびかける。
―世界で数億の署名を目標にした「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」をはじめ、核兵器を禁止し、廃絶する条約の交渉開始を求める世論を発展させよう。そのためにも、広島・長崎の被爆の実相の普及、被爆者の証言活動を国際的に推進する。国連総会、国連核兵器廃絶デー(9月26日)や国連軍縮週間(10月24日~)などを節目として行動を発展させよう。
―被爆者への援護・連帯をすすめ、国家補償を実現しよう。核実験や原発事故被害者の救済を求め、福島第一原発事故の被災者への支援を強めよう。原発ゼロを求める運動との連帯を発展させよう。枯葉剤、劣化ウラン弾などの戦争被害者を支援しよう。武力紛争やテロの犠牲者を支援しよう。
―反戦・平和、沖縄・グアムはじめ外国軍事基地の縮小・撤去、武器輸出と軍事産業の規制、軍事費削減と生活、雇用、福祉の向上、貧困と格差の解消、気候変動の防止と地球環境の保護、性差別はじめあらゆる差別の克服など、社会的不正義にたちむかい、持続可能な発展をめざすあらゆる運動と連帯しよう。

 被爆者は訴えている―「後世の人びとが生き地獄を体験しないように、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したい」(「ヒバクシャ国際署名」の「訴え」より)。この切実な願いにこたえ、決意をあらたに「核兵器のない平和で公正な世界」へ前進しよう。

2016年8月4日

原水爆禁止2016年世界大会―国際会議



 
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