ENGLISH 旧サイトへ
原水協(原水爆禁止日本協議会)
被爆者との連帯 ビキニデー 平和行進 世界大会

ビキニデー

Share|

2015年3・1ビキニデー
日本原水協全国集会/基調報告

日本原水協事務局長 安井正和

 こんにちは。事務局長の安井正和です。
 原水協集会への基調報告をおこないます。
 はじめに、集会参加のご来賓のみなさん、海外代表のみなさん、そして地元静岡と全国の代表のみなさんに心から敬意を表します。

 61年前の3月1日、アメリカがビキニ環礁でおこなった広島原爆の1000倍という巨大な規模の水爆実験は、マーシャルの人々や日本国民に甚大な被害を与え、世界を新たな、危険な核軍備競争に投げ込みました。
ビキニ水爆事件でひろがった核実験禁止、原水爆禁止を求める世論と運動の高まりの中で、歴史的なラッセル・アインシュタイン宣言が出されました。ことしは、「宣言」が出されて60年でもあります。
 「宣言」は、核兵器による人類絶滅の危険を警告し、「私たちは、人類として、人類に向かって訴える―あなたがたの人間性を心に止め、そしてその他のことを忘れよ」と訴え、諸国政府に対して、あらゆる紛争の解決のための平和的手段を見出すよう勧告しました。これは現在に通じる鋭い問いかけになっています。
 いま、シリア、イラクの内戦、過激武装組織ISの台頭、ウクライナ問題など、諸国民の安全と平和を脅かす多くの深刻な問題に直面しています。それだけに、核兵器が存在し、核保有国が核兵器の使用を前提とする戦略をとっていることは重大です。核兵器廃絶は一刻も猶予もならない緊急の課題です。

 日本原水協は、2月はじめに年次総会にあたる第87回全国理事会を開きました。全国理事会は、ことし被爆70年を、核兵器廃絶という人類的課題を達成する決定的な転換点にするために、全力を尽くす決意を固め合い、2015年度運動方針を決定しました。
私は、この運動方針をふまえつつ、このビキニデー集会から、4月のNPT・ニューヨーク行動、被爆70年の原水爆禁止世界大会へと、運動を大きく前進させるために、行動提起をおこないます。

 一つ目は、直面するニューヨークのNPT再検討会議での行動を成功させることです。
4月27日から5月22日まで、第9回NPT再検討会議がニューヨークの国連本部で開催されます。日本原水協は、NPTに責任を負っているすべての国の政府に、前回の再検討会議の合意の履行、核兵器禁止条約の交渉開始に踏み出すよう求め行動します。そのために、1000人規模の代表団を派遣し、「核兵器全面禁止のアピール」署名を国連本部前に積み上げ、会議議長に提出します。
 第69回国連総会の決議採択にも示されているように、今日、国連加盟国の7割を超える国々が核兵器禁止条約の交渉開始を支持しています。核兵器の問題を「国家安全保障」の手段としてではなく、人類の安全・人道の視点からとらえ直す「人道的アプローチ」も急速にひろがり、核兵器廃絶の世論を高めています。
昨年の12月8日、9日の両日、オーストリア政府の主催で第3回「核兵器の人道的影響に関する国際会議」がウィーンで開催されました。会議には過去2回を上回る158か国が参加し、国際的な圧力を前に、核保有国のアメリカとイギリスも参加せざるをえませんでした。
 ウィーン会議の議長まとめは、「核兵器の最終的な廃絶は、核兵器禁止条約を含む合意された法的枠組みの中で追求されるべき」であり、次回NPT再検討会議が、「核兵器のない世界の達成と維持」のために、核兵器の人道的影響に関する3回の会議の結論を含むすべての進展を検討するよう提唱しました。
 最大の障害は、核保有国の「核抑止力」論への固執です。アメリカなどの核保有国は、「ステップ・バイ・ステップ」などと言って、段階的にすすむべきだとして、核兵器禁止を正面から議論することに反対しています。来るべきNPT再検討会議でも厳しい議論が予想され、その結果は予断を許しません。
 それだけにいま、こうした核保有国の抵抗を打ち破るために、署名をどれだけ広げ、世論を結集できるかにかかっています。アンゲラ・ケイン国連上級代表も「沢山の人が署名をもってニューヨークに来て、力強い存在感を示し、各国政府にインパクトを与えて欲しい」と大きな期待を寄せています。
私たちは、2015年NPT再検討会議への提出を目的に、「核兵器全面禁止のアピール」署名を4年前にスタートしました。この間、雨の日も風の日も雪の日も、夏の暑さの中も、全ての都道府県の草の根でとりくみ続けてきました。2月26日現在、署名数は520万筆を超えました。この中には1115人の首長、926人の自治体議長が賛同しています。
いよいよ署名運動のラストスパートです。NPT再検討会議まで残された期間、自主目標(都道府県990万)の総達成めざし全力をあげましょう。
本日の集会を起点に、すべての団体、地域原水協が目標と計画、作戦を明確にし、NPT代表、ピースチャレンジャーを先頭に行動をおこしましょう。
新婦人のとりくみは教訓的です。「外へ、外へ」と、自治体、農協、教会、病院、学校、スーパー、消防団、葬儀屋、障害者団体から、会員さん行きつけの美容院、イタリアンのお店など、地域のあらゆる団体に足を運び働きかけています。こうした経験にも学び、NPT・ニューヨーク行動までの56日間、視野を広げて、あらゆる団体・組織に協力を働きかけましょう。
 同時に、自治体市ぐるみ、住民ぐるみ署名を最後まで追求しましょう。住民過半数署名をめざす北海道・七飯町は達成まであと2000筆に迫っています。山梨県の笛吹市では、市長の賛同を得て、自治体関係者、保育園や町内会、JAなどの協力で短期間にたくさんの署名が集まっています。
また、核兵器の非人道性を告発し、核兵器廃絶をよびかける原爆展のとりくみを最後まで重視し、それと結んだ署名をひろげましょう。

 提起の二つ目は、日本政府に対して被爆国にふさわしい役割を果すことを求める圧倒的な国民世論を築くことです。
次回NPT再検討会議が、前回の会議の合意の具体化、実行に踏み出す上で、世界で唯一の被爆国、日本の役割は極めて大きなものがあります。それだけに、日本政府がアメリカの核兵器使用を前提にした「核の傘」(=拡大抑止)に依存し続けていることは、被爆者と国民の願いに背くだけでなく、核兵器全面禁止・廃絶の国際的努力に逆行するものと言わねばなりません。
 とくに安倍政権が、憲法そのものを改定することを公に表明し、集団的自衛権の行使を認めた昨年の閣議決定を具体化する法律づくりをすすめようとしていることは重大です。そして、この動きと連動して、「核の傘」のもとで核兵器使用を容認する態度をとっていることはいっそう重大です。
昨年1月、岸田外務大臣が日本政府の核不拡散政策として、核保有国に対して核兵器の使用を「個別的・集団的自衛権に基づく極限状況下に限定すると宣言すべき」と、核使用を容認する重大発言をおこないました。ウィーンの「人道的影響」国際会議においても、日本の佐野軍縮大使は核兵器爆発が起こった場合に必要な人道的援助や保護をおこなう能力はないという、これまでの議論の核心部分について、「悲観的すぎる」「人道的援助の能力をあきらめさせるのではなく、奨励すべき」と発言し参加者を驚かせました。
被爆国であり、憲法9条を持つ我が国は、「核兵器のない世界」を実現する先頭に立たなければなりません。「核の傘」から抜け出し、憲法9条を活かした平和外交こそ、日本のすすむべき道―この世論を大きくしようではありませんか。
 いま「戦争する国づくり」に暴走する安倍政権に対して、立場の違いをこえて大きな批判と行動が広がっています。ビキニデー直後の3月22日には、安倍政権打倒の大集会が開かれます。その後も5月3日の憲法集会、5月下旬の大集会など、国民共同のたたかいが展望されています。「核兵器全面禁止のアピール」署名のひろがりと結んで、「戦争する国づくり」に反対するすべての人々との協力、さまざまな共同を発展させ、安倍政権を反核平和の世論で包囲し孤立させましょう。
日本政府に対して「核兵器全面禁止の決断と行動を求める」自治体意見書を、3月議会を通じて全ての自治体にひろげましょう。

 三つ目は、被爆70年の原水爆禁止世界大会の成功に向けたとりくみです。
被爆70年の節目に開催される原水爆禁止2015年世界大会は、特別の歴史的意義をもった大会です。核戦争阻止、核兵器全面禁止・廃絶、被爆者援護・連帯をかかげ、第1回大会(1955年)以来60年の歴史を刻んできた大会として、この流れを結集し「核兵器のない平和で公正な世界」に向けて新しい歴史の扉をひらく、それにふさわしい内容と規模で成功させましょう。
 広島、長崎の両方を主会場に、被爆70年にふさわしい規模(広島1万人、長崎5000人)と内容で成功させるために、代表派遣のとりくみをただちに開始しましょう。
5月6日には、国民平和大行進がスタートします。安倍政権による「戦争する国づくり」の暴走が、平和、民主主義、暮らしを根底から脅かす中で、住民の安全といのちを守る自治体の役割はますます重要となっています。ビキニデー直後から、全自治体を対象に平和行進への賛同と参加のよびかけをおこないましょう。国際青年リレー行進の成功など、被爆70年にふさわしい行進を実現しましょう。

 最後に、今年9月19日、日本原水協は創立60年の記念日を迎えます。広島、長崎の原爆投下による悲惨な体験とビキニ水爆事件を契機とする原水爆禁止の署名運動、第1回原水爆禁止世界大会の開催とともに、日本原水協は誕生しました。以来、60年間、いっかんして核兵器全面禁止・廃絶を掲げて運動を続け世界に大きな変化を作り出してきました。被爆70年のたたかいの中で、原水爆禁止運動の新たな発展をきりひらき、原水協の組織の大きな前進の中で記念日を迎えましょう。そのことをよびかけて、基調報告とします。


 
PDFWEB署名