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原水爆禁止世界大会

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【原水爆禁止2012年世界大会-広島】主催者報告

世界大会実行委員会起草委員長 冨田宏治

 原水爆禁止2012年世界大会-広島にご参加のみなさん。主催者を代表し、国際会議報告を兼ねた主催者報告を申し上げたいと思います。

 67年前の8月6日、ここ広島で、人類史上はじめて核兵器が使用されました。
 アメリカの投下した一発のウラニウム原爆は、この広島の街を破壊し尽くし、ここに暮らした人びとに対して殺戮の限りを尽くしました。3日後の8月9日の長崎でも、一発のプルトニウム原爆により同様の破壊と殺戮がくり返されたのです。
 核分裂反応から生じた凄まじいエネルギーは、爆心地周辺で太陽の照射の数千倍にも及ぶ熱線、秒速数百m、音速をも超える爆風と衝撃波、核分裂によって直接放出された中性子線やガンマー線となって、広島・長崎の街とそこに暮らした人びとに襲い掛かりました。それだけではなく、中性子線による放射化で生成された誘導放射能や黒い雨となって地上に降り注いだ放射性降下物は、凄まじいまでの放射線を放出し続けました。広島・長崎は一瞬にして、火炎地獄と化し、そして、放射線地獄と化したのです。
 爆心地周辺では、街も家も人も、ことごとく焼き尽くされ、破壊し尽くされ、殺し尽くされました。即死をまぬかれた人びとも、凄まじいまでの熱線と放射線に曝され、火傷や急性放射線障害によって生命を奪われていきました。市外から救援に入った人びとにさえ、放射線は容赦なく襲い掛かり、その生命を脅かしたのです。
 その年のうちに広島では14万、長崎では7万もの人びとが、原子爆弾によって殺されました。それは、人類史上最悪の大量破壊と大量殺戮にほかなりませんでした。
 原爆がもたらした破壊は、それだけには止まることはありませんでした。放射線地獄の中をかろうじて生き延びた被爆者の方がたに、白血病や癌をはじめとする晩発性の放射線障害がつぎつぎと襲いかかってきたからです。67年を経たいまもなお、その破壊が尽きることはありません。いまこの瞬間にも、癌や肝臓病など、さまざまな病が被爆者の身体をむしばみ、その生命を脅かしているのです。
 被爆者の方がたを苦しめつづけて来たのは、原爆症による生命や身体の苦しみだけではありません。無惨この上ない被爆体験が残した深い心の傷。助けることのできなかった家族や友人への罪の意識。心ない社会的差別。結婚や出産などの節目節目に、人知れず不安に苛まれなければならない人生。病や心の苦しみによって余儀なくされてきた貧困や孤独。数十万の被爆者の「いのち」「からだ」「こころ」「くらし」には、さまざまな苦しみがもたらされつづけました。
 こうした広島・長崎の惨劇と、いまなおつづく被爆者の苦しみが明らかにしているのは、「核兵器の使用」がいかなる理由によっても正当化し得ない「人類と文明に対する犯罪」であるということであり、その疑う余地のない「非人道性」にほかなりません。
 世界大会参加者のみなさん。
 核兵器と人類は決して共存できません。私たちは、ここ被爆地・広島で、一発の核兵器がこの街と、そこに暮らした人びとにいったい何をもたらしたのかに思いをめぐらし、「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」「ふたたび被爆者をつくるな」という被爆者の方がたの悲願を実現するために、すなわち、一刻も早く核兵器を全面禁止し、この世界から完全に廃絶するために、全力を尽くす決意を新たにしたいと思います。
 さて、本大会に先駆けて開催された原水爆禁止2012年世界大会‐国際会議は、その成果として、「国際会議宣言」を満場の拍手で採択いたしました。これを今日からはじまるみなさんのご討議の基調として頂ければと存じます。
国際会議報告として、「宣言」の内容をご紹介し、主催者報告の任を果たして参りたいと思います。どうかお手元の「宣言」をご覧ください。

 みなさん。今年の原水爆禁止世界大会は、「原発再稼働反対」の首相官邸前抗議行動など、「原発ゼロ」を求める市民の行動が、全国で、かつてない規模で広がり、国を揺るがすまでになりつつある状況の中で開催されています。それはおそらく、日本における民主主義の歴史に新しい地平を切り拓くものなのだろうと思います。
 しかもこれは、日本だけで起こっていることではなく、今日この大会にも参加されているエジプトをはじめとした「アラブの春」、「われわれは99%だ」をスローガンとしたオキュパイ・ウォールストリートの運動など、世界各地でくり広げられている平和や公正を求める市民の行動とエネルギーの新たな高まりとも連動しています。「宣言」が述べるように、市民の声と行動が国を変え、世界を動かそうとしているのです。
 みなさん。「宣言」は、こうした市民の行動とエネルギーの高揚に注目するとともに、こうした大きな流れのなかで、「ノーモア・ヒバクシャ、ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」の叫びがこれまでにもまして、世界に響きつつあること、街かどで、職場や学園で、集められた署名に託された熱意に国際政治が向き合おうとしていることに、強い確信を表明しています。
この世界大会に幾度も参加されたセルジオ・ドゥアルテ前国連軍縮担当上級代表は、昨年の国連総会第一委員会の冒頭発言で、私たちの署名運動に言及しながら、「核軍縮にも民主主義の流れが訪れている」と述べられました。この発言に込められた大きな期待に、私たちは意気高く応えていかなければならないのではないでしょうか。
 「宣言」が述べるように、いま求められているのは、核兵器禁止条約の交渉開始を求める世論と運動の飛躍的な強化であり、より具体的には、「宣言」の後半で呼びかけられている行動提起の最初にあるように、「核兵器全面禁止のアピール」国際署名をはじめ、さまざまな行動を通じて、広範で強固な多数派を国際的に形成していくことにほかなりません。
 みなさん。「核兵器全面禁止のアピール」署名は、日本全国、各県の地域や団体のみなさんの草の根からのご奮闘で、7月31日の段階で、200万筆を大きく突破し、212万5127筆に到達いたしました。この到達を確信に、さらに大きく前進しようではありませんか。

 世界大会参加者のみなさん。
 「国際会議宣言」は、「人間として死ぬことも、人間として生きることも許されなかった」という表現で、先に述べたようなヒロシマとナガサキの惨状を総括し、「核兵器の使用はいかなる理由によっても決して許されない。たとえ一発でも使用されれば、被爆者が『地獄』と呼んだ惨劇がもたらされる」と、「核兵器使用の非人道性」を厳しく告発しています。
 「宣言」が「核兵器使用の非人道性」をあらためて強調するのは、2010年NPT再検討会議で「核兵器のない世界の平和と安全」の実現を合意した国際社会において、この非人道性の問題があらためて注目されているからにほかなりません。
今年5月に開催された2015年再検討会議準備委員会では、スイスやノルウェーの呼びかけで、この世界大会に参加されている諸国を含む16か国の政府により、「核兵器使用の非人道性」を訴え、その「非合法化」を求める共同声明が発表されました。これは、2015年NPT再検討会議の準備にあたって、多くの非核兵器国が、事態を動かそうと極めて強い決意を持って臨んでいることの現れにほかなりません。私たちは、この声明を心から歓迎したいと思います。
  「宣言」は、こうした16か国声明に注目するとともに、いまこそ市民社会と自治体、国連・政府機関がその努力を大きく合流させ、「核兵器のない世界」への扉をひらくときであると、全世界の人びとに力強く呼びかけているのです。
 みなさん。「宣言」が指摘するように、非人道的で非道徳的な核兵器は、法によって禁止し、廃絶されなければなりません。私たちが求めるのは、この「法の支配」を実現すること、すなわち、核兵器禁止条約の交渉を一刻もはやく開始し、その締結を実現することにほかなりません。核兵器禁止条約については、国連総会において、すでに130カ国が交渉開始を求める決議に賛成しています。2010年NPT再検討会議の最終文書が、すべての国に「特別の努力」を求めたのも、「核兵器のない世界」を実現するための「枠組み」、すなわち、核兵器禁止条約にほかなりません。問題は、こうした国際社会での合意をすみやかに具体化し、実行させることなのです。
 
 世界大会参加者のみなさん。「宣言」が指摘するように、核兵器全面禁止の声が大きくひろがる一方で、いまなお核兵器を持ちつづけようとする抵抗もまた強固です。
 一部の核保有国とその同盟国は、いまもなお「核抑止力」の維持を主張しています。この「核抑止力」論を乗り越えない限り、「核兵器のない世界の平和と安全」を達成することはできません。
 みなさん。核兵器はいかなる意味でも平和と安全を保障しません。 Welcome to the 18 free video chat Looking for Live Chat porn movies, Free sex cam videos with real amateur webcam girls from そして、「宣言」が述べるように、「核抑止」政策こそが、核兵器の拡散を助長してきたのです。
 こうした「核抑止力」論を打ち破るため、私たちは、いまこそ広島・長崎の被爆の実相を全世界の人びとに知らせ、「核兵器使用の非人道性」を告発していかなければなりません。みなさん。「宣言」後半の行動提起の二番目にもあるように、広島・長崎の被爆の実相、被爆者の方がたの真実の証言の前では、「核抑止力」論をはじめ、核兵器を合理化するいかなる議論も無力なのです。
 国際社会が「核兵器のない世界の平和と安全」の実現を合意し、この合意の実現に努力しようとしているいまこそ、原水爆禁止運動の原点である被爆者の方がたへの援護・連帯の活動をいっそう強化していくことが求められているのです。
 みなさん。全国各地で取り組まれている原爆写真展は、43都道府県611か所に昇っています。こうした取り組みの日本全国、全世界でのさらなる旺盛な展開をはじめ、被爆の実相のいっそうの解明、インターネットなどあらゆる手段による広範な人びとへの普及、被爆者の証言活動や被爆体験を継承する運動の発展、さらには核被害、放射線被害の隠蔽や過小評価とのたたかいに、文字通り全力をあげて取り組もうではありませんか。

 世界大会参加者のみなさん。
 「宣言」の冒頭にもあるように、東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故は核被害の恐ろしさをあらためて浮き彫りにし、核エネルギーを軍事目的に使用することが、いかに非人道的な行為なのかを教えています。
 みなさん。広島・長崎の被爆を原点として、核兵器の廃絶を求めてきた私たちは、福島第一原発の事故がもたらした放射能汚染と放射線被害のひろがりを深く憂慮するものです。原発の危険性はもはや誰の目にも明らかだと言わなければなりません。持続可能な開発のために必要なエネルギーを、原発に頼らず、将来の世代に危険を残すことなく、調達することが求められているのです。私たちは、核兵器と原発との間にある深い関係にも留意し、核燃料の再処理とプルトニウムの蓄積、原子力の軍事利用に断固として反対するものです。
 そして、「宣言」後半の行動提起の三番目にあるように、いかなる核の被害者もつくらせない、「放射線によって苦しむ人びと」をこれ以上生み出させない、という共通の願いに立って、原発依存からの脱却と自然エネルギーへの転換を求める広範な人びととの連帯をいっそう発展させなければなりません。
 先にふれたように、原発ゼロを求める市民の行動とエネルギーは、私たちがいままで経験したことのない形で広がろうとしています。日本だけでなく、世界で広がる脱原発の世論と運動との連帯を発展させ、それぞれの運動をさらに大きく広げて、いかなる核被害者をも生み出さない未来を力を合わせてつくり上げていこうではありませんか。
 みなさん。「宣言」の提起に応え、多彩で、豊かな、つぎつぎと行動が湧き上がって来るような、実り多き討議がくり広げられるよう、あらためて期待を申し上げて、主催者を代表しての報告とさせていただきます。どうもありがとうございました。


 
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