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原水協(原水爆禁止日本協議会)
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原水爆禁止世界大会

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原水爆禁止2012年世界大会――国際会議宣言

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 広島と長崎にアメリカの原子爆弾が投下されてから67年―約2万発の核兵器がいまもなお、人類の生存を脅かしつづけている。この脅威を一刻も早く根絶しなければならない。われわれは、全世界の人びとに、「核兵器のない世界」を実現するため、ともに力を合わせることを訴える。3・11東電福島第一原発事故は、核被害の恐ろしさをあらためて浮き彫りにしている。われわれは、すべての核被害者に連帯を表明する。

 自由と尊厳を求め、貧困と格差の拡大に反対し、戦争と占領の終結を要求して、世界の多くの人びとが立ち上がっている。ヒロシマ、ナガサキ、ビキニを体験した日本では、福島第一原発事故を契機に広範な市民が原発ゼロを求めて立ち上がり、かつてない規模の行動は、国を揺るがすまでになっている。市民の声が国を変え、世界を動かしつつある。
この大きな流れのなかで、「ノーモア・ヒバクシャ、ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」の叫びが世界に響きつつある。街かどで、職場や学園で、集められた署名に託された市民社会の熱意に国際政治が向き合おうとしている。
 
いま求められているのは、世論と運動の飛躍的な強化である。
 2010年NPT再検討会議は、「核兵器のない世界の平和と安全」を実現することに合意した。この実行こそが問われている。今年から2015年再検討会議の準備がはじまり、多くの非核兵器国が事態を動かそうと強い決意で臨んでいる。非同盟諸国、新アジェンダ連合諸国とともに、NATO加盟国を含む16カ国が共同で、核兵器使用の非人道性から、その禁止を訴えたことは注目される。いまこそ市民社会と自治体、国連・政府機関がその努力を大きく合流させて、「核兵器のない世界」への扉をひらくときである。

 核兵器の使用はいかなる理由によっても決して許されない。たとえ一発でも使用されれば、被爆者が「地獄」と呼んだ惨劇がもたらされる。それは人類と文明にたいする犯罪である。人間として死ぬことも、人間として生きることも許されなかったヒロシマとナガサキの惨状は、そのことを人類に警告しつづけている。原発事故の深刻さは、核エネルギーの軍事利用がいかに非人道的な行為であるかを教えている。核兵器と人類は決して共存しえない。その保有をつづけることは、もはや道徳的に許されない。

 非人道的、非道徳的な核兵器は、法によって禁止し、廃絶されなければならない。われわれが求めるのは、この「法の支配」を実現すること、核兵器禁止条約の交渉を開始することである。国連総会では130カ国がこれを求める決議に賛成し、2010年NPT再検討会議は、「核兵器のない世界」を実現する「枠組み」をつくるための「特別の努力」をすべての国に求めた。この合意を具体化し、実行させなければならない。

 核兵器全面禁止の声が大きくひろがる一方で、いまなお核兵器を持ちつづけようとする抵抗も強固である。一部の核保有国とその同盟国は「核抑止力」の維持と核軍事同盟や「核の傘」の強化を主張している。核兵器の近代化も進められている。核兵器はいかなる意味でも平和と安全を保障しない。「核抑止」政策が、核兵器の拡散を助長してきた現実を直視すべきである。「核抑止力」論を乗り越えてこそ「核兵器のない世界の平和と安全」を達成することができる。そのための根本的な力は、世論と運動である。NPT再検討会議で合意された中東非核地帯会議の成功が重要となっている。東南アジア非核地帯条約への核保有国の議定書署名を求める。NATOの核戦力維持政策と干渉主義に反対し、ヨーロッパに配備された戦術核兵器の撤去を要求する。朝鮮半島の非核化を支持する。 

 軍事力で永続的な平和と安全は実現できない。武力の行使とその威嚇に反対し、あらゆる紛争の外交的・平和的解決を求める。国連憲章と国際法にもとづく平和の世界秩序を支持する。外国軍事基地に反対し、その撤去を求める。中東諸国の自主的、民主的改革に連帯し、シリア問題での軍事介入を許さず、平和的解決を求める。イラン問題の平和的・外交的解決を要求する。

 被爆国にふさわしい行動を政府に求める日本の運動の役割は、ますます重要となっている。核持ち込みの日米「核密約」の破棄と「非核三原則」の厳守など日本の非核化をめざす運動、危険な米軍の垂直離着陸機オスプレイの配備に反対する沖縄の県民ぐるみ、各地の自治体ぐるみの運動、沖縄・普天間基地をはじめとする在日米軍基地の撤去を求め、原子力艦船の配備と寄港に反対する運動、憲法9条を守り、生かすことをめざす運動への支持と連帯を表明する。

福島第一原発の事故によって、原発の危険性は明白となった。持続可能な開発のために必要なエネルギーを原発に頼らず、将来の世代に危険を残すことなく調達することが求められている。われわれは、核燃料サイクルのあらゆる段階から生ずる核被害の根絶をめざすとともに、核兵器と原発との関係に留意し、使用済み核燃料の再処理とプルトニウムの蓄積、原子力の軍事利用に反対する。「非核の世界」という理念を掲げる運動との連帯を表明する。

 われわれは以下の行動を世界によびかける。

―「核兵器全面禁止のアピール」国際署名をはじめとするさまざまな行動を通じて、核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際的な世論を発展させよう。核兵器の撤去、非核化などを求める運動をそれぞれの国、地域で発展させよう。

―原爆写真展など、広島・長崎の被爆の実相を普及するためにいっそう力を尽くそう。被爆の実相の前には、核兵器へのいかなる合理化も無力である。原水爆禁止運動と世界大会の原点である被爆者への援護・連帯を強化するとともに、核被害の隠蔽や過小評価とたたかい、あらゆる核被害者への支援と連帯をすすめよう。枯葉剤など戦争被害の支援を求める運動と連帯しよう。

―原発依存からの脱却と自然エネルギーへの転換を求める広範な運動との連帯をさらに発展させよう。いかなる核の被害者もつくらせないことは、核兵器廃絶と原発ゼロをめざす二つの運動の共通の願いである。それぞれの運動をさらに広げ、核被害のない未来をつくろう。 http://medicalguide.cc

 われわれは、富の偏在と格差の拡大に反対し、飢餓・貧困・失業・非識字・社会的不正義の解決、軍事費と軍備の大幅な削減と福祉の向上、人権の擁護、地球環境の保護、性差別主義の克服、女性の権利と地位の向上など、自由と民主主義、非軍事化を求めるすべての人びとと手をたずさえて、核兵器のない平和で公正な新しい世界への扉をひらくために力を尽くす。
被爆者とともに、そして未来を担う若い世代とともに、いまこそ力強く前進しよう。

2012年8月4日
原水爆禁止2012年世界大会-国際会議



 
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