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原水爆禁止2022年世界大会 ヒロシマデー集会 長崎からのよびかけ

原水爆禁止2022年世界大会

長崎からのよびかけ

私たちは、この条約の目的を実現する上で私たちの前に立ちはだかる課題や障害に幻想を抱いていない。しかし、私たちは楽観主義と決意をもって前進する。……私たちは、最後の国が条約に参加し、最後の核弾頭が解体・破壊され、地球上から核兵器が完全に廃絶されるまで、休むことはないだろう。(核兵器禁止条約第1回締約国会議「ウィーン宣言」より)

米国による長崎への原爆投下から77年――。いま世界は、ロシアによるウクライナ侵略とプーチン大統領の核脅迫を機に、核使用の新たな危険に直面しています。ヒロシマ・ナガサキの惨劇をもたらした究極の非人道兵器である核兵器の使用とその威嚇を決して許してはなりません。その危険を根絶するには核兵器の廃絶しかありません。私たちは、原水爆禁止2022年世界大会「広島宣言」を支持し、ただちに行動に立ち上がるようよびかけます。


核兵器禁止条約の第1回締約国会議は、「ウィーン宣言」を満場一致で採択し、「核抑止力」を厳しく批判するとともに、核兵器廃絶への力強い決意を確認しました。「核抑止力」が、核の威嚇のもと他国を侵略し、支配するための手段でしかないことも明白になっています。私たちは禁止条約を力に、草の根の運動と市民社会、諸国政府の共同をいっそう発展させ、今日の危機をのりこえていかなければなりません。

すべての国の政府に対し、核兵器禁止条約への支持と参加を求めましょう。被爆の実相をひろめ、核兵器の非人道性を告発しましょう。すべての地域で「原爆展」や被爆体験を語る集いに取り組みましょう。原爆症認定制度の抜本的改善と原爆被害への国家補償の実現めざし、被爆者援護・連帯の活動を強めましょう。広島・長崎の「黒い雨」の被災者に対する国による全面救済を実現しましょう。第10回NPT再検討会議(8月1日~26日)、第77回国連総会、禁止条約第2回締約国会議などを節目に、諸国政府と市民社会、草の根の運動の共同を発展させましょう。


日本は唯一の戦争被爆国にふさわしい役割を果たさなければなりません。岸田首相は、NPT再検討会議でも、広島の平和祈念式典でも、禁止条約やNPT第6条には一言も触れず、被爆者の願いに背を向けています。私たちは、日本政府が「核抑止力」論から脱却し、核兵器禁止条約に署名・批准することを強く求めます。日本政府に禁止条約への署名・批准を求める署名、対話、自治体意見書の運動をさらに発展させましょう。「核の傘」からの離脱のため日米核密約を破棄し、非核三原則を厳守・法制化するよう求めましょう。


ロシア、中国、北朝鮮の脅威を利用した軍事同盟の強化、軍備拡大の動きは、断固として阻止しなければなりません。9条改憲、「敵基地攻撃能力」の保有、大軍拡、「核共有」の議論など日米軍事同盟のもとでの「戦争する国」づくりは、北東アジアの平和と安全を脅かすものであり、被爆国・日本が採るべき道ではありません。日本政府に対して、「力」対「力」、「核」対「核」の危険な対応ではなく、憲法9条を生かした外交を積極的に展開するよう強く求めます。

9条改憲の企てを阻止しましょう。「敵基地攻撃用能力」の保有、軍事費倍増など、大軍拡と日米軍事同盟の強化に反対しましょう。戦争法を廃止させましょう。「オール沖縄」のたたかいと連帯し、辺野古新基地建設の断念、普天間基地の即時返還を求めましょう。9月の沖縄知事選での勝利をかちとりましょう。朝鮮半島の非核化と東アジアの平和構築のため、憲法を生かした外交の展開を求めましょう。日韓はじめ東アジア地域における平和を求める市民の連帯を発展させましょう。ベトナムの枯葉剤被害者への救援募金に取り組みましょう。

原発ゼロ、気候危機の打開、貧困と格差の克服、軍事費削減とくらし・福祉・教育の拡充、ジェンダー平等、LGBTの権利拡大を求める運動など、人間らしく生きたいと願うすべての人びとと手を携え、人間の尊厳のための壮大な共同をつくり出しましょう。被爆者とともに、若い世代とともに、未来を切りひらいていきましょう。

ノーモア・ヒロシマ ノーモア・ナガサキ ノーモア・ヒバクシャ ノーモア・ウォー 長崎を最後の被爆地に!

2022年8月9日

原水爆禁止2022年世界大会

(原水爆禁止2022年世界大会-ナガサキデー集会にて採択)