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2008年04月16日

【静岡】被爆者支援ネットワーク・しずおかが原爆症認定新基準で厚労相に要求

被爆者支援ネットワーク・しずおかは16日、舛添要一厚生労働大臣に対し、4月12日(土)、13日(日)におこなった被爆者110番の結果の概要を受けた要求書を送付したと発表しました。

要求書全文を紹介します。

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2008年04月07日

【北海道】北の被爆者も勝つ!全員で勝つ! 北海道原爆訴訟支援連絡会が宣伝行動

北の被爆者も勝つ!全員で勝つ!と5月19日に判決を迎える北海道原爆訴訟支援連絡会は、4月6日札幌市中央区パルコ前で、勝利をめざす宣伝行動を行いました。5月の判決は、厚生労働省が司法の判断を無視し、新たな線引きを持ちこむ原爆症新基準を持ちこんでから、全国ではじめての判決となります。マスコミの関心も高く、民放3局が取材しました。

宣伝行動では、「ヒバクシャに国の補償を!原爆症裁判の勝利を!」の横断幕を掲げ、札幌地裁に公正な判決を求める署名の協力を呼びかけました。

原告の安井晃一さん(83歳)が、めまいなど体調が良くないなか訴えました。「なぜ私は訴訟しているのか。世界から核兵器をなくしてほしい、被爆者の願いです。唯一の被爆国日本がその責任を果たしてほしい。5月の判決、勝利を確信していますが、国は被爆の実態にあった原爆症の認定をしてほしい。国は被爆者の救済に力をつくすべきです。二度と地球上に被爆者を作らない。私は命あるかぎり訴えていきます」。

北海道原爆訴訟原告弁護団の肘井博之弁護士、斉藤耕弁護士、北海道原爆訴訟支援連絡会の守屋敬正会長、北の詩人会議の日下新介さん、被爆の実態を伝える札幌青年の会、非核の政府を求める北海道の会小野内勝義さんが、それぞれマイクで訴えました。

「この裁判はたいへん時間がかかります。被爆者が明日をもしれない命を削って裁判を闘っています。自分たちを最後の被爆者にしてほしいと」。

「4月の新基準が導入され、全国で5月、6月の判決はとても重要です。公正な判決を期待しています。署名で国、厚生労働省を動かすためにも、皆さんの声が必要です」と署名の協力を訴えました。

「えー、毎月やっているのですか。頑張って下さい」と署名する人。釧路の青年は「新聞で被爆者のことは知っていました。5月に勝つといいですね」と話していました。わざわざ自転車を止め、署名する方もいました。北海道に被爆者いるの知ってる?と声をかけると青年が気軽に足を止め署名に協力します。札幌地裁に提出する署名ほか3種類の署名に97人が協力しました。

宣伝行動には、西区・北区の訴訟を支援する会や中央区原水協、国民救援会札幌支部、北海道原水協、北海道被爆者協会など20人が参加しました。(北海道原水協・しまだ)

2008年03月14日

【長崎】「原爆症認定制度の抜本改定を求める」署名602筆が会場で集める

長崎民商、西彼民商合同の「3・1重税反対」集会が3月13日、長崎市内で開かれました。

集会で、片山明吉事務局長が「原爆症認定制度抜本改定」署名の協力を訴え、602筆が寄せられました。

長商連では全県でとりくまれ、北部、中部、大村などから404筆、西彼民商からは160筆、全県で1166筆となりました。

また、県労連からは、1089筆が寄せられました。署名の中には長崎市はじめ大村、長与、佐世保、佐々、東彼、五島、島原、対馬、壱岐、諫早、時津など各地の署名が含まれ、全県下でとりくまれています。

2007年09月19日

100万人署名で収穫の秋を!

7月の熊本地裁の6度目の勝利判決によって、原爆症認定問題の解決は一気に解決に向けた展開を見せようとしています。

100万人署名協力のお願い&署名用紙(PDFファイル)

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2007年08月11日

熊本地裁判決への控訴に抗議

日本原水協は8月11日、7月30日に勝訴した原爆症認定熊本訴訟への日本政府による控訴に対して以下の抗議文を安倍首相、柳沢厚労省宛に送りました。

抗議文
 厚労省は8月10日、さきに熊本地裁が下した原爆症認定集団訴訟の判決にたいして控訴しました。この間、安倍首相は広島・長崎の平和記念式典に出席し、原爆症認定行政に関して見直しを行うとのべたが、あれは一体何だったのでしょうか?

 この訴訟は、昨年来、大阪、広島、名古屋、仙台、東京そして今回の熊本と、すでに6回にわたって判決が下されており、どの判決も放射線被害を過小評価する国の基準とその機械的な適用をきびしくいましめ、被爆状況や健康状況など全体的、総合的に判断することを求めています。

 厚労省の発表は、「認定の在り方」はそれとして「見直しを行う」などと言っていますが、見直しが必要と認めるのなら、ただちに控訴は取り下げるべきです。すでに平均年齢が74歳を越え、被爆に起因するさまざまな苦しみをもつ被爆者に対し、「検討期間」を口実にしてなお裁判を長引かせるその冷淡さこそ、厳しく批判されているのです。

 私たちは、今回の控訴に強く抗議するとともに、あらためてこの間の地裁判決をすべて受け入れ、控訴を取り下げること、さらに被爆と健康の実態に即し、かつ国家補償の精神に立った原爆症認定行政へとただちに改善の努力をはじめるよう強く要求するものです。

2007年8月11日
原水爆禁止日本協議会
内閣総理大臣 安倍晋三殿
厚生労働大臣 柳沢伯夫殿

2007年05月22日

原爆症認定集団訴訟の到達点

 昨年5月の大阪地裁判決以来、5つの地裁判決を通じて、現在の原爆症認定行政と、その背景にある国の原爆被害についての歪んだ見方が社会的な批判にさらされています。被爆者・科学者として裁判で証言された日本原水協代表理事の沢田昭二さんの手記を紹介します。

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2007年05月18日

【北海道】国・厚労省、カルテを元に主張できず――送付嘱託の必要なしが鮮明に

自分の病気を原爆症と認めてほしいと提訴(原爆症認定申請却下処分取消)している北海道原爆訴訟の第2部口頭弁論(原告2名・浜田元治、星野禮子)が、5月15日札幌地裁で開かれました。

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【北海道】国・厚労省、カルテを元に主張できず――送付嘱託の必要なしが鮮明に

自分の病気を原爆症と認めてほしいと提訴(原爆症認定申請却下処分取消)している北海道原爆訴訟の第2部口頭弁論(原告2名・浜田元治、星野禮子)が、5月15日札幌地裁で開かれました。

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【北海道】国・厚労省、カルテを元に主張できず――送付嘱託の必要なしが鮮明に

自分の病気を原爆症と認めてほしいと提訴(原爆症認定申請却下処分取消)している北海道原爆訴訟の第2部口頭弁論(原告2名・浜田元治、星野禮子)が、5月15日札幌地裁で開かれました。

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2007年05月14日

シンポジウム「原爆症認定集団訴訟の到達点と課題を考える~認定制度改善、早期解決のために~」開催のご案内

日本原水協は、来る6月10日、シンポジウム「原爆症認定集団訴訟の早期解決のために――訴訟の到達点と課題を考える」を緊急に開催します。

原爆症認定集団訴訟は、昨年の大阪、広島、そして今年の名古屋、仙台、東京と5つの地裁判決で勝利判決を勝ち取ってきました。これらの判決を通じて、原爆症認定行政、認定基準の違法性がきびしく指摘されました。判決は、原告の被爆者が実際に体験し、現に発症している事実を全体的・総合的に考慮して原爆症認定を行うべきだという判断を示しました。

裁判で証言や意見書を提出された専門家とともに、国・厚労省が強調する「科学的知見・合理性」を論破し、被爆者が求めている被害の実態に即した原爆症認定制度への抜本的改善をめざし、集団訴訟のたたかいの成果と到達点、課題についてご一緒に学びましょう。

シンポジウム 原爆症認定集団訴訟の到達点と課題を考える 
認定制度改善、早期解決のために――

日 時: 6月10日(日)午後1時半~5時

場 所: 日大歯学部2号館 B1 第一講堂
      (JR御茶ノ水駅、千代田線新御茶ノ水駅下車徒歩約3分)
地 図: http://www.dent.nihon-u.ac.jp/org/j-org01.html

講師  斉藤 紀(広島・福島生協病院院長)
     沢田昭二(名古屋大学名誉教授、被爆者)
     被爆者・原告、弁護士ほか   報告、質疑・討論

資料代:  1000円 学生500円

連絡先: 原水爆禁止日本協議会   電話 03-5842-6031
      東京都文京区湯島2-4-4 平和と労働センター 6階

2007年04月07日

「にんげんをかえせ」のたたかいは全世界・全世代のもの

3月22日の東京地裁判決にも大阪から駆けつけた大阪学生平和サークル「ヘイクル」の岸田拓郎さんが4月2日、原爆症認定制度の抜本的解決を求めて厚生労働省前で取り組まれた72時間座り込み行動に参加した報告を寄せてくれました。以下紹介します(写真撮影=前川史郎)。

原爆症認定集団訴訟 東京行動に参加して
報告:岸田拓郎

1:参加した行動
2:参加を通じての感想
3:大阪での行動について

1:参加した行動
① 厚生労働省包囲デモ
 原告や遺影を抱いた遺族を先頭にデモ行進。先導車から通行人への呼びかけ、厚労省に向けてのシュプレヒコールをしながらの行進。しかし、この行進にはそういったものが必要ないのではないかと思えるぐらいのエネルギーがあった。原告・被爆者の悲しみや怒りがヒシヒシ伝わる。それはデモに参加した主観的な感覚によるものかもしれないが、少なくともこのデモを目にした通行人には何か伝わったはずである。昼休憩に出る多くの省庁職員も見ており、「憲法の最大尊重者」であるべき彼らが、この日本国憲法の理念を無視した被爆者行政をどう見ているのかが気になった。厚労省勤務の職員の多くは、被爆者行政だけでなく、昨今の社会保障切り捨てに胸を痛めているはずである。彼らも「国民の福祉」の為に入省した、と信じたい。彼らが「何ができるか」については直接期待できないにしても、彼らが被爆者の気持ちを目の当たりにして「どう感じるのか」が問題なのである。職員一人一人の思いが重なり合えば、思考停止状態の厚労省にも何か変化が起こるはずである。そういった意味を考えてもこの「被爆者の思い」の詰まった行進は非常に意味があるものだった。

②座り込み開始~オープニングセレモニー~

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 原告・弁護団がこの座り込みにかける思い、厚労省の控訴に対する怒りを宣言し座り込みは開始された。マスコミも多数つめかけ、仙台・東京判決以降、関心の高さが続いている事を感じた。自民/民主/公明/共産/社民の議員が駆けつけ、「政治決着」を超党派で取り組むことを約束。自民党・寺田議員(広島選出)をはじめ、各議員の熱意が伝わったスピーチだった。与党議員にしても、もはやただのアピールには感じられなかった。

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社民党

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民主党

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自民党

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共産党

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公明党

 それにしても、ここまでの超党派的行動がなされる事は稀ではないだろうか。逆に言えば、司法・立法(国会)・世論(マスコミ含め)から、いかに厚労省が孤立しているかがわかる状況とも言える。
 その後も全国から駆けつけた被爆者・弁護団・支援者のスピーチが続く。とにかくはまず「怒り」、「悲しみ」である。それは、そこに集まった全員の共有していた気持ちではないだろうか。その気持ちを皆行動に移しているのである。とりわけ被爆者の「声」には胸を締め付けられる思いがした。

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 名古屋の原告である中村昭子さんが叫んだ。「厚労省は何を考えているのか!被爆者を援助して下さい。もう、本当に時間がないのです!今までご苦労様と言って謝ってもらい、仲良く暮らしていきたいだけなんです」。なぜ、今まで苦しんでこられた被爆者の方が、苦痛を伴う訴訟を起こし、さらにそれを踏みにじられるという苦しみを味あわなければならないのか。スピーチを聴きながらこみ上げる怒りと流れる涙を抑える事ができなかった。

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 このオープニングセレモニーには「民族歌舞団 荒馬座」も参加。豪快で気持ちのこもった太鼓を叩き気持ちを高ぶらせ、

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獅子舞を踊り参加者・原告の頭を噛み、皆の気持ちを和ませてくれた。やはり目立つので多くの通行人が覗き込んでおり、かなりのアピールになっていたのではないかと思う。「ドーン!ドーン!」と霞ヶ関の省庁街に響く太鼓の音が心地よかった。

 オープニングセレモニーも終盤に差し掛かると、C型肝炎訴訟の原告・弁護団も駆けつけ応援メッセージをよせた。C型肝炎訴訟は政府・与党が具体的な救済に動きそうで、一歩前進した感がある。厚労省は思考停止しているのでそういった政治への直接的な働きかけがこれからも重要、共に頑張りましょう、という趣旨だったように思う。C型肝炎もそうだが残留孤児補償問題、トンネル塵肺など厚労省の罪が次々と告発・追求がなされており、いかにこの国の福祉行政が異常であるかが浮き彫りになっている。この異常な状況を変える為にも我々一人一人の行動(すなわち世論の能動化)が重要であることが再認識できる。その行動を広く強いものにする為にもC型肝炎被害者を初めとする対厚労省の動きとの連帯は引き続き重要であるように感じた。

 以降も全国からの被爆者や弁護団に加えて民医連の医師や各労働組合の組合員も駆けつけ、スピーチは続いた。そしてオープニングセレモニーの最後を飾ったのは、弁護団の仕事で走り回り、ようやくセレモニーに合流できた近畿弁護団の有馬弁護士だった。「柳沢さーん!聞こえてますか!!被爆者の声を聞きなさい!!」と叫ぶ。疲れが見え始めていた参加者も「そうだ!聞きにこい!」と叫ぶ。そうなのだ。厚労省は被爆者の声を聞かず、向き合っていないのだ。そこが最大の問題であり、厚労省に被爆者に向き合わせる事が、この闘いの本質なのである。被爆者の声を聞き、彼らの想像を絶する苦しみと核兵器の恐ろしさに向き合うことが、絶対に必要なのだ。有馬弁護士の叫びにはその本質が集約されていた。

③キャンドル集会

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 弁護団からの現状報告、様々なアーティストによるミニライブ、各地の青年達の報告等からなるキャンドル集会が、支援ネットワークの青年達の企画進行で行われた。

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「ゆうた、ともを、かしう」による演奏で幕が上がる。彼らのリードで「上を向いて歩こう」の替え歌を皆で歌う、ああ気持ちいい。その後もアフガニスタンの子供達を支援している彼ら独特の優しさと力強さのこもった演奏が続いた。

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長崎出身のアーティスト・生田卍(まんじ)さんの熱いソロライブも最高だった。「長崎の民」として原爆だけでなく、諫早干拓という暴挙にも怒り、この国の政治への疑問を歌い上げる。彼の熱い歌声に、「厚労省聞こえてるのかー!」って皆思っていたはずだ。

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次は被爆者である上田さんのオカリナと東京のうたごえ協議会の大熊さんのアコーディオンによる演奏。すっかり日も暮れた霞ヶ関に心地よい音色が響き、癒される。

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最後はジャズシンガーの形岡七恵さんによる美しいリードで、「原爆を許すまじ」を全員が熱唱。この歌には、本当に原爆の悲惨さと唯一の被爆国としての日本人としての誓が歌われている。この歌を歌い、私達が被爆者の思いを受け継ぎ、さらに次の世代に伝えていく事を誓う。

④「原告を囲んでじっくり話を聞くつどい」

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 東京の青年が、キャンドル集会に続いてセッティングしたのが、この「原告を囲んでじっくり話を聞くつどい」だ。キャンドル集会で皆の思いを共有した後で、もう一度しっかり原告の話を聞く事は、活動が一人歩きしない為にも非常に重要であり、この企画は本当に価値があった。また、苦しみを思い出す事になりにも拘らず、僕たちに話してくれたことを原告の方に本当に感謝したい。

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 話をしてくれたのは、岡山でたった一人原告になられた川中優子さんと東京の原告である小西さん。被爆者の方は、僕たちの世代や、その次の世代の事を思ってくれている。だからこそ思い出したくないはずの体験を語ってくれているのだと思う。これを語り継いでいく事は僕たちの使命なのだ。

⑤映画上映

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 「つどい」に続いて「星空NO NUKESシネマ」と題された映画上映会が日比谷公園内で開かれた。私は弁護団の方の話を聞いており、一作しか見ることができなかった。「父と暮らせば」である。何度も見ている作品だが、何度見ても名作だ。たった三人の役者(実質は二人)しか出演していないのに、舞台は一つの家だけなのに、役者の演技によって見ている側の想像も膨らみ、作り手が何を伝えたいのかを感じる事ができる。被爆者の身体的な苦しみだけでなく、精神的な苦しみ(特に、生き残ってしまったという罪悪感)が、伝わってくる。私達に想像ができるはずのない苦しみだが、その苦しみを想像しようとする事が大事なのだと思わせてくれる映画だと思う。屋外でこういった映画を「仲間と見る」、というアイデアは素晴らしい。

⑥青年達で夜通し歌う!

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 テントから飛び出し、鍋を囲み、皆で語らい、ギターに合わせて皆で気持ちよく歌う。3時、4時になっても電気のついている厚労省に向かって「ヒロシマのある国で戦争はもういやだ」と歌う。歌は最も連帯を感じさせてくれる。

2:参加を通じての感想
 1の「参加した行動」でも個別的に感想を交えたが、この座り込み行動全体への感想を報告する。まず当初から感じていた事は、「被爆者の座り込み」への不安である。厚労省に対しての抗議として、もっとも強い意思表示の手段である事は理解していた。しかし原告には、この訴訟を起こしていることだけでも相当の肉体的・精神的負担があり、加えて今回の厚労省の控訴という対応によって相当の精神的な苦痛があったのではないだろうか。その中で原告自ら座り込みをされる事への不安がどうしても拭えなかった。弁護団・支援者もそのことを一番心配していたのではないだろうか。このような状況にまで追いつめた厚労省は、どうしても許す事ができない。今回の座り込みで、彼らに被爆者の悲しみ・怒りが伝わっていることを願う。その「怒り・悲しみ」が政治には届いたのだろう。いよいよ動き出しそうな気配である。マスコミも注目した今回の座り込みは、遂に政治も動かした。与党としてのプロジェクトチームの設置は今までにない前進であり、これは今回の座り込みの大きな成果だと思う。しかし、まだ何も変わっておらず闘いは続くのだ。今後、被爆者を再び「座り込み」にまで追いつめる状況を絶対につくり出してはならない。

 次にこの座り込みで感じた事は、全国規模でのエネルギーである。全国から多くの被爆者や支援者が駆けつけ、この座り込みを応援した。皆、本当に怒っていた。その怒りが全国に広がり、座り込みに参加できない多くの人達の思いもメッセージという形でよせられた(海外からもメッセージがよせられていた)。この座り込みは、世代や土地を超えたかなりのダイナミックなうねりを生み出した。そのうねりをもたらしたものは、被爆者の切実な思いである。その思いが、状況を前進させたのだ。

  被爆者の方の話を聞く機会も多くあり、各地(特に東京)の支援者とも接する事ができた。その中で、私自身の反省点が見つかった。この訴訟の原告の苦しみを十分に理解していなかったのではないか、という点である。今回、原告や弁護団の話を聞くうちに、私自身多くの事を自分に問いかけた。この訴訟を起こすことだけでも原告に想像を絶する精神的苦痛があることを、私はどこまで考えていただろうか。私は、原告が「あなた達のためにも、核兵器のない世界に」という言葉にただ甘えていただけではなかっただろうか。核兵器廃絶という私自身の願い(目的)のために、今回の訴訟に関する一連の行動を手段にしてはいなかっただろうか。このことは常に自問しながらやってきたつもりだし、以前弁護団の方から「体験を話す事も辛いことなのだ」ということも聞いていた。しかし、私にはその認識が大きく欠けていたということを今回実感した。この闘い自体、本来苦痛である事を、常に考えないと活動は一人歩きしてしまう。東京で出会った青年達は、そのことをしっかり理解していたように思う。皆、被爆者の苦しみをまず考え、そこから活動が出発していた。私の場合その認識が曖昧だったのではないか、と思う。今回の参加は、活動している自分を、もう一度見直す意味でも、私自身にとって大きな収穫だった。

 この闘いは「にんげんをかえせ」というものである。全世界・全世代の闘いでもある。
 
3:大阪での行動について
 今回の東京行動の参加を、大阪での青年の行動に活かしていこうと思う。東京の青年は、企画力もさることながら、訴訟支援ネットワークの強い繋がりを持っていた。仕事などで忙しくても仕事の後や合間を縫って参加している青年が多くいた。座り込みには参加できなくても、メッセージを寄せたりと自分のできる範囲でも関わろうという思いを皆が持っていた。これからも大阪で6・9行動を続けていくが、青年が参加しやすい日曜日の昼等に別途署名宣伝をする企画も具体化していこうと思う。各自、自分の繋がりに声をかけ、さらに繋がりを拡げていくことで、ネットワークを構築していけるのではないかと思う。まずは、焦らずに自分たちのペースで活動していき徐々にネットワークを拡げていく。

 大阪で活動していく中で、被爆者の思いと離れない為にも定期的に話を聞かせてもらったり、裁判の傍聴と報告をしていこうとも思う。その中で、語ってもらう事への感謝を忘れる事はあってはならない。その語ってもらった思いを、より多くの人に知らせ、支援を呼びかけていく運動にしていきたい。

最後になったが、交通費をほぼ全額援助してくれた大阪原水協に感謝する。

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2007年04月04日

徳島県原水協が原爆症認定制度の抜本的改善を求める要請書を発表

徳島県原水協は4月4日、首相と厚生労働大臣に対し、原爆症認定制度の抜本的改善を求める要請書を発表しました。以下、全文を紹介します。

原爆症認定制度の抜本的改善を求める要請書
                           2007年4月4日
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
厚生労働大臣 柳沢伯夫 殿
                     原水爆禁止徳島県協議会常任理事会
                      代表理事 中内輝彦 服部敏彦
                             山本正美 吉田純子
                         徳島市佐古7番町8-13

 原爆症としての認定を求めた申請を国が却下したことにたいし、被爆者が却下の取り消しを求めて各地で裁判所に提訴されていますが、昨年5月に下された大阪地裁の判決以後、8月広島、本年1月名古屋、3月仙台および東京の各地裁において判決が下り、国は全ての裁判で敗訴しました。

 各地裁の判決で共通するのは

1.国が現在とっている被曝線量の算定方式であるDS86およびDS02は原爆が爆発した瞬間に生じる初期放射線による被曝線量の推定値であり、残留放射能、黒い雨や死の灰など放射性降下物や2次的に生じた誘導放射能による被曝は皆無とみなし一切考慮されていないこと。

2.放射能を持つ空気や飲食物を通して体内で被曝する内部被曝についてはアルファ線などが深く影響し、外部被曝に比べ近距離での被曝となり、人体に内部から大きく影響を与えるにもかかわらず、この影響を皆無としていること。

3.国が算定の基準とするもう一つの「原因確率」なるものは、初期放射線に対応してつくられたものにすぎず、残留放射線による外部被曝・内部被曝等の影響は全く考慮されていない。したがって原因確率なるものを機械的に適用することは放射線起因を判断する上で誤りへと導くことになる。

4.放射線起因性の判断手法については、個々の被爆者の個別事情を踏まえて判断することは誤りを 生ずる恐れがある。これらによる判断の手法を厳密かつ機械的に適用することは被爆者の救済を目的とする法の趣旨に沿わない。

と判断しています。

 国はこれまでの判決を全て不服として控訴しました。しかし、国の原爆症認定行政の誤りはこれまで最高裁、大阪高裁、東京高裁はじめ全国12の裁判所で厳しく指摘されてきました。したがって国はこれらの判決を真摯に受け止め、DS86や原因確率による機械的な適用によって結果的には非科学的となるこれまでの認定方式を抜本的に改め、これまでの控訴を全て撤回するとともに、全ての被爆者の救済に全力を傾けることを要求いたします。
                                                   以上

2007年04月03日

ジョゼフ・ガーソンさんからのメッセージ

4月2日から4日まで原爆症認定集団訴訟の原告らが厚生労働省前で行っている座り込みにたいし、アメリカフレンズ奉仕委員会、ジョゼフ・ガーソンさんから届いたメッセージを紹介します。

親愛なみなさん、

日本や世界中の皆さんと同じように、私も東京地裁の勝利には元気をもらいました。原水爆禁止世界大会やみなさんのアメリカ訪問をつうじて、わたしたちは、すべての被爆者の要求と権利と尊厳とを承認せよ、問題を解決せよとのみなさんの声が、正当で勇気ある主張であることを学んできました。

真実というものは、それが粘り強い勇気と非暴力の行動に支えられたとき、すべての嘘と日本とアメリカの政府の瞞着を、時を失することなく打ち破るものです。米国は、いまだ広島・長崎への原爆投下という究極の悪になお向かい合おうとせず、核による皆殺しの準備や脅迫を対外政策と軍事政策の土台としつづけているのです。

みなさんとご一緒に、座り込みに加わりたい! その行動は、日本と世界の人々の良心を呼び起こすものです。マハトマ・ガンジーやローザ・パークス、ネルソン・マンデラやロメロ大僧正などの非暴力行動のように、みなさんの座り込み行動は、いまなお軍国主義的な価値観や盲目から抜けきれない政府の冷酷さをかならずや打ち破るでしょう。

あなた方が勝利するように! すべての被爆者が原爆症を認定され、医療や、ずっと前からかなえられているべきその他の援護措置を受けられるように! 地裁判決が守られるように!

連帯と友情をこめて、
アメリカフレンズ奉仕委員会 ジョゼフ・ガーソン(博士)

ローザ・パークス: アフリカ系アメリカ人の女性。1950年代、彼女がバスでの人種差別に抗議し、制度に従わなかったことが引き金になり、1960年代の市民権運動となり、人種差別が撤廃された。

ロメロ大僧正: オスカル・アルヌルフォ・ロメロ。1980年3月24、説教のさなかに銃により暗殺された。

***************
原文
Dear Taka,
Thank you for alerting me to the Tokyo District Court's Decision and to this small way in which I might be helpful.
If the following message arrives in time, please do share it with the Hibakusha who are sitting in. I do wish that I could be there to join them.
With appreciation,
Joe

Dearest Friends,
Like many people across Japan and around the world, I was encouraged to learn of your victory in the Tokyo District Court. As we have learned at the World Conference against Atomic and Hydrogen Bombs and through your visits to the United States, you have rightfully and courageously insisted that the needs, rights and dignity of all Hibakusha must be recognized and addressed.

Truth, reinforced by courageous persistence and nonviolent action, in time overcomes all lies, and mendacities of governments like that of Japan and the United States which has yet to face the ultimate evils of the A-bombings of Hiroshima and Nagasaki and its foreign and military policies whose "cornerstone" continues to be preparations for and threats of nuclear annihilation..
I wish that I could be with you to join your sit-in. It arouses the consciences of people across Japan and the world. Hopefully, like the nonviolent actions of people from Mahatma Gandhi and Rosa Parks to Nelson Mandela and Archbishop Romero, your sit-in will finally overcome the callousness of the government, which remains rooted in militarist values and blindness.
My you prevail! May all Hibakusha receive the medical care and other support which is so long overdue.! May the courts' decisions finally be honored.
With solidarity and friendship,

Dr. Joseph Gerson
American Friends Service Committee

コラソン・ファブロスさん(非核フィリピン連合事務局長)からのメッセージ

非核フィリピン連合事務局長のコラソン・ファブロスさんから座り込み行動へのメッセージを紹介します。

 平和と正義のたたかいで大変重要な足取りをすすめている被爆者のみなさんに連帯と深い尊敬と賞賛の気持ちをお伝えします。
 日本の政府が、すでに長きに渡って間違っていることが証明済みの立場にしがみついて、国際社会の前に恥をさらしていることは不幸なことです。広島と長崎の経験は、私たちすべてを動かし続け、核廃絶の活動を粘り強く励ましている悲劇的な真実なのです。私たちの意識の中にある被爆者の存在は、今日の平和運動の命の源泉です。広島・長崎の悲劇を想い起こすことはつねに苦痛ですが、同時に、そこには勇気と自由と思いやりの気持ちがあり、それこそ、一人一人の被爆者が生命と愛と勇気と気丈なたたかいの、尽きることのない物語を通じて私たちを励まし続けているものなのです。
 私も、皆さんとともに連帯の座り込みをしたい気持ちでいっぱいです。心はともにあります。私たちもまたフィリピンで努力を続け、核廃絶の運動の一部として被爆者のお話を、とりわけ若い世代の人々に知らせ続けます。
 なお長く続くたたかいで、みなさん全員が健康と情熱、楽しさ、献身を保ち続けてください。正義は必ず、みなさんの一人ひとりに訪れるのですから。
 心からの敬意とみなさんの成功を願って、
 ハスタ・ラ・ビクトリア・シエンプレ!(勝利の日までがんばろう)
コラソン・ファブロス

原文
Dear Taka-san:

I also need to say Wow!!! on the news of extreme importance that you just sent.
With that I wish to send my "SALUDOS" and deep respect and admiration to our Hibakusha friends who have taken a very important step in their struggle for peace and justice.
It is unfortunate that the Japanese government should shame itself before the international community by taking a stand that has long been proven wrong. The experience of Hiroshima and Nagasaki is a tragic truth that will continue to move us all and inspire us to persevere in our work for nuclear abolition. The Hibakusha presence in our consciousness is the lifeblood of the peace movement today. There is always pain in remembering the tragedy of Hiroshima and Nagasaki but there is as well courage, freedom and compassion that every Hibakusha continues to inspire in all of us for their unending stories of life, love, courage and fortitude in their struggles.
I wish to join you in solidarity on the occasion of your "sit-in", I wish to be with you in spirit and convey our continuing efforts here in the Philippines so that stories of the Hibakusha will continue to be known especially among the younger generation as part of campaign for nuclear abolition.
I wish for all of you continuing good health, passion for your work, joy in spirit and dedication for our long and protracted struggle so that justice will eventually be attained for every Hibakusha.
With my warmest regards and best wishes for your success,
"Hasta la victoria siempre!"

2007年03月30日

日本原水協抗議文書

本日、国・厚生労働省は仙台地方裁判所、東京地方裁判所が言い渡した原爆症認定申請却下処分の取り消しを命じた判決に対し、不当にも控訴しました。日本原水協は、下記のとおり抗議文書を発表し、厚生労働省に送付しました。
厚生労働省  FAX 03-3502-3090

仙台・東京地裁判決の控訴に抗議し、被爆者行政の抜本的改正を要求する

                                  2007年3月30日
                               原水爆禁止日本協議会

 厚生労働省は本日、原爆症認定をめぐる先の仙台・東京両地裁判決にたいして不当にも控訴することを発表した。
 これまで国の行政が断罪された大阪、広島、名古屋、仙台、東京の判決によっても、原爆被害の現実から目をそむける被爆者切り捨て行政の誤りと非人道性はすでに明らかである。
 厚労省にいま求められているものは、62年の苦難を経て裁判にまで訴えた被爆者の声に耳を傾け、被爆と被爆者の現状に立った原爆症認定の在り方へと抜本的に改めることである。
 日本原水協は、今回の控訴に強く抗議し、これまでの五つの地裁判決を受け入れるよう強く要求する。また、国民世論に訴え、現行の援護行政の歪みを正させるために全力を挙げるものである。

厚生労働省の控訴に対する東京声明

原爆症認定集団訴訟不当控訴に抗議し控訴の取り下げと制度の抜本改革を求める声明

                   2007年3月30日

原爆症認定集団訴訟東京原告団
原爆症認定集団訴訟東京弁護団
原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
東京都原爆被害者団体協議会(東友会)
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)
原爆裁判の勝利をめざす東京の会(東京おりづるネット)
原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク

 厚生労働省は、本日、仙台地方裁判所と東京地方裁判所が言い渡した「厚生労働大臣が行った原爆症認定申請却下処分を取り消す」との判決に対して、控訴した。この度の控訴は、こぞって早期の全面的な解決を求める国民世論と、自民党など与党議員を含む100名を越える国会議員が控訴断念を求める賛同署名を寄せる中で、またも被爆者の願いを踏みにじった暴挙であり、決して許されるべきではない。
 平均年齢が76歳を超える原告らにとって、4年の歳月をかけてようやく勝ち取った判決について、さらに控訴されることの苦しみは、筆舌に尽くしがたい。ともに裁判を起こした30人中、すでに11人が死亡し、残りの多くが病床に伏していることを考えれば、それがいかに非情であり、非人道的かはいうまでもない。
 厚生労働省は、これまで、被爆者援護法の趣旨に則り、科学的知見も踏まえて認定申請却下処分を取り消した司法判断を不服として、上訴を繰り返してきた。しかし、被爆者切り捨ての原爆症認定行政の誤りは、既にこれまで最高裁、大阪高裁、東京高裁の判決、集団訴訟の大阪・広島・名古屋の地裁判決で厳しく指摘されてきたところである。
 誤った「審査の方針」に固執し続ける理不尽な控訴は絶対に許されるべきでない。今こそ、私たちは次のことを実現するよう、強く求める。

1 国は裁判所の判断を尊重し、控訴を直ちに取り下げよ。
2 現在の審査の方針を根本的に改め、被爆者を早期に救済せよ。
3 厚生労働大臣は、被爆者の意見を聞く場を設けよ。

以上

2007年03月28日

72時間座り込みアピール

控訴断念と原爆症認定行政の抜本改善を要求し
全国の原告・被爆者が座り込み行動に総決起

~4月2日から4日まで厚生労働省前特設テントで~

全国から代表派遣と支援を!

 5たび国の原爆症認定行政を断罪した東京地裁判決を受けて、国会でも政治決着を求める声が、与野党を超えて急速に広がっています。26日の参議院予算委員会では、民主党の犬塚直史議員がこの問題で質問に立ち、「入市や遠距離の被爆者の病気に放射線起因性が無いと決めつけるのは間違いだということをぜひ(厚生労働)大臣も総理も理解してほしい」と訴え、この模様は全国にテレビ中継されました(参議院のHPで見ることができます)。

 また昨年末に自民党の有志議員で発足した「原爆症認定を早期に実現するための議員懇談会」も、柳沢厚生労働大臣や総理官邸に対し控訴断念と被爆者の早期救済の政治決断を強く迫っています。同議懇のリーダーシップをとる寺田稔衆院議員(広島選出=被爆2世)は、原告・弁護団・支援者らが厚生労働省前で行う宣伝行動にも駆けつけマイクを握りました。

 さらに与党である公明党も、党内にこの問題でのプロジェクトチームを発足させました。
マスコミも、主要各紙がこぞって社説で原爆症認定行政の見直しを掲げるなど、もはや「科学」の名を借りて現行認定基準に固執する厚生労働省は孤立しつつあります。

 日本被団協は24、25の両日代表理事会を開き、今月中に厚生労働省が控訴断念を決断しなかった場合、全国の被爆者が総決起し、重大な決意をもって4月2日から3日間、厚生労働省周辺で夜を徹しての座り込み行動を行うことを決定しました。力をふりしぼって命がけのたたかいに臨む原告・被爆者に連帯し、全国からの座り込みへの代表派遣やご支援を心よりよびかけます。

【座り込み行動】
①期間・・・4月2日(月)正午~4日(水)午後4時
②場所・・・霞ヶ関/厚生労働省周辺 特設テント
③昼間は、座り込みと厚生労働省へのアピール。
④2日と3日は、午後6時から7時までキャンドル集会。
⑤夜間は、青年を中心に「原告・被爆者と語り合う集い」やワークショップなど。
⑥テントには布団を用意しますので宿泊できます。青年を中心に交流しながら、朝までテントを守ります。ぜひ青年を東京に送ってください!
⑦座り込みに参加できない場合でも、「激励と連帯の寄せ書き」や差し入れ、カンパなどのご支援をよろしくお願いします。(あて先=訴訟支援全国ネット/東京都港区芝大門1-3-5 ゲイブルビル902 日本被団協気付■郵便振替 00100-9-22913)

2007年03月27日

原爆症訴訟スタッフ募集

《原爆症認定集団訴訟・勝利を呼ぶすわりこみ》
http://yaplog.jp/hibakusya/

原爆症訴訟・勝利を呼ぶスタッフを募集しています。

少しだけでもよいのでぜひご協力ください。
多くの方が少しずつ関われば、想像以上の力になるはず!

次のとおり、お手伝いいただける方を募集しています。

 1)【4月1日13時~日本平和委員会事務所(浜松町)】2日からの座り込み行動準備のためのこもごも作業
 2)芸術的なデコレーション作り(宣伝行動を華やかに!)
 3)歌える方・演奏できる方(宣伝を華やかにー!)
 4)炊き出し・差し入れしてくださる方
 5)友人知人を誘う・呼びかけてくださる方(チラシ等データ送ります)
 6)連日8~9時国会議事堂前駅/11時半~13時厚労省前行動への参加(チラシ配布等)
 7)連日の国会議員要請(14~16時)への参加
 8)【4月2日12~13時、日比谷公園霞門】厚労省包囲デモ行進への参加
 9)【4月2日13時~4日16時、厚労省前】連続座り込み行動への参加
10)ブログ「原爆症認定集団訴訟・勝利を呼ぶすわりこみ」(http://yaplog.jp/hibakusya/)を読む・広げてくださる方

他にも「これならできる」というアイデアも募集中。
お問合せは nishimura@j-peace.org または03-3451-6377(日本平和委員会・西村)へ。

2007年03月26日

全国の原告団アピール

国の被爆者行政を五たび断罪した東京地裁判決を受けて
              
 世界と日本の友人のみなさん
 私たちは、「原爆は60年経っても人間を苦しめ、殺していく悪魔の兵器であり、この地上にあってはならない兵器だ」ということを証したいために、裁判にたちあがった、22都道府県229人の被爆者原告と遺族です。
 厚生労働省のお膝元、日本の首都・東京での判決にあたり、このアピールを送ります。

 16地裁、3高裁で争われている原爆症認定集団訴訟において、大阪、広島、名古屋、仙台、東京の各地裁は、あわせて86人の原告のうち75人の疾病を原爆症と認めました。国が全力をあげた主張は五たび退けられ、国の被爆者行政の誤りが断罪されました。
 これらの判決は、原爆犯罪を許さないたたかいにおける一つの大きな勝利です。
 広島・長崎で生きながら焼き殺された無数の人々、支えてくれた家族、判決を聞くこともなく「悔しい悔しい」といいながら亡くなった原告の仲間たち。いまも病床にいる方々をはじめ、全国26万の被爆者の仲間たち。みなさんに、「五たび勝ったよ」と報告できることが、うれしいです。
 ご支援をいただいた弁護士、医師、科学者、支援団体や市民、マスコミのみなさん、ほんとうにありがとうございました。

 原爆症認定集団訴訟は、私たち原告を救済することはもちろん、それにもまして、「原爆被害を狭く・小さく・軽く見せようとする」日本政府の政策を打ち破ることを目標としてきました。国のいうように、原爆の被害がせまく限定されてしまうなら、私たちの60年余の苦しみはいったい何だったのでしょうか。「原爆放射線の影響を受けるのは広島では1・1キロまで、長崎では1・25キロまでであり、遠距離にいた者、後から入市した者は、被爆者ではない」などと被爆者の人生も人格も全否定して恥じない国を、私たちは許すわけにいきません。
 
 この裁判は、初期放射線による近距離の直爆以外に放射線被害はないという国の「神話」にたいし、原告たちの血をはくような陳述、日夜をわかたず心血を注がれた弁護団や専門家の証言によって、これを打ち砕きました。原爆症認定集団訴訟の歴史的意義は、とりわけ残留放射能、放射線内部被爆による被害のすさまじさを明らかにしたことです。判決で否認された11人についていえば、チェルノブイリ事故での放射能汚染の広がりや、アメリカ退役被曝軍人の補償法がより広く救済の対象としていることなどからみても、原爆被爆の影響はもっと広く見るべきだ、と私たちは考えます。人類は、原爆がひとたび使われればいかに巨大な被害がもたらされるかを、この裁判から改めて学びとってほしい、と心から願います。

 私たちの訴えは、医師、科学者、マスコミ、市民、そして裁判所にも、政党、政治家にもしっかり届きました。ひとり国=厚生労働省だけが「思考停止」におちいり、被爆者切り捨ての論理を「科学だ」と称して司法判断に背を向け、いたずらに控訴をくりかえし、破綻が証明された被爆者行政を変えようとしません。国はいったい、いつまで被爆者を苦しめれば気が済むのですか。
 国は、ただちに現行「審査の方針」を廃止し、認定行政の改善についてはもちろんのこと、国の責任による総合的な援護施策の確立について、日本被団協と協議してください。
 
 世界と日本の友人のみなさん。
 原爆被害の残酷さ、非人道性を明らかにした司法の一連の判断を、国の政策に生かして、核兵器被害をくり返させない確かな保障を勝ち取っていきましょう。核兵器のない世界をつくること、核兵器廃絶国際協定の締結への努力を強めましょう。

                               2007年3月26日

                    北海道原爆訴訟原告団
                    原爆症認定を求める宮城原告団
                    原爆症認定訴訟埼玉原告
                    原爆症認定集団訴訟千葉原告団 
                    原爆症認定集団訴訟東京原告団
                    原爆症認定訴訟かながわ原告団
                    原爆症認定集団訴訟静岡原告団
                    原爆症認定訴訟愛知原告団
                    原爆症認定訴訟近畿原告団 
                    原爆症認定訴訟岡山原告
                    原爆症認定を求める広島原告団
                    原爆症認定愛媛訴訟原告
                    原爆症認定香川訴訟原告
                    原爆症認定訴訟高知原告
                    原爆症訴訟熊本原告団
                    原爆症認定集団訴訟長崎原告団
                    原爆症認定訴訟鹿児島原告団

日本被団協第323回代表理事会で72時間座り込み行動要綱を発表

原爆症認定制度の抜本的改革と原爆症認定裁判の一括解決を求める座り込み行動 

                                         2007年3月26日
                                日本原水爆被害者団体協議会
                           原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
                      原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク

                   (連絡先)〒113-0034 東京都文京区湯島2-4-4-301
                           電話03-5842-5905 Fax 03-5802-2405
                                原爆被爆者座り込み行動事務局

 3月25日、日本被団協は第323回代表理事会を開き、4月2日から4日まで、原爆症認定制度の抜本的改革と原爆症認定裁判の一括解決を求める座り込み行動を行うことを決定した。 
 大阪・広島・名古屋・仙台・東京の5地裁が、例外なくDS86と原因確率を柱とする「審査の方針」による原爆症認定行政を断罪したことにより、現行の原爆症認定制度を抜本的に改革する必要があることは、もはや誰の目にも明らかとなった。また、原告らはいずれも高齢であり、ガンをはじめとする重い疾病で、次々と判決確定を見ることなく死亡している。控訴・上告を繰り返して解決を引き延ばすことは絶対に許されない。
 厚生労働省は、原爆症認定問題は高度に科学的な問題であり、専門家の判断によるべきだとして、裁判所の判断を軽視し、また被爆者の要求にこたえようとしない。しかし、東京地裁判決が明確に指摘しているように、原爆症は、現在の科学では白黒をつけがたい未解明な部分を多く残しているのであり、そのような場合に、科学的に厳密な証明を求めて切り捨てるのか、被爆者救済という法の趣旨を重く見て救済するかは、まさに政治判断の問題である。
 3月22日、日本被団協は、原爆症認定集団訴訟の東京地裁原告勝訴判決を受けて、原爆症認定制度の抜本的改革と控訴断念・原爆症認定裁判の一括解決を求める要請書を厚生労働大臣に提出した。しかし、今日まで、厚生労働大臣から誠意ある回答はない。この要求に対し、3月30日(金)までに明確に回答をすることを求めるとともに、これを拒否したり、あるいは回答がない場合には、全国の被爆者が総決起して東京に結集し、下記要綱に従って、厚生労働省前で座り込みを行うことを決定したのである。これは、東京地裁判決で原爆症認定問題に決着をつけるという日本被団協・原告団の固い決意に基づくものである。全国の心ある皆さんにご理解とご支援をお願いするものである。

<72時間座り込み行動要綱>

1 国に対する要求
 ① 原爆症認定制度の抜本的改革に着手すること、改革に当たっては被爆者と協議をしながら進めることを表明せよ。
 ② 東京地裁判決に対する控訴を断念し、既にしている控訴を取り下げて、原爆症認定集団裁判の一括解決に踏み出せ。

2 座り込み行動
 ① 期間 4月2日(月)から4日(水)の3日間
 ② 対象 全国の原告・被爆者30名から50名
 ③ 場所 厚生労働省周辺
 ④ 方法 テントを設置して夜を徹して座り込む

3 座り込み行動中の取り組み
 ① 政府に対し、原爆症認定制度の抜本的改革・原爆症認定集団訴訟の一括解決の要求に答えるよう求める。
 ② 各界各層の支援・激励を受ける。
 ③ 全国の被爆者がこれに呼応した行動を取る。
 ④ 全国の国民に物心両面にわたる支援を呼びかける。

2007年03月25日

よびかけ「いまこそ すべての被爆者が声をあげるとき」

25日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の役員会議で、全国の被爆者に対するよびかけが決議されました。
以下、よびかけ全文です。

いまこそ すべての被爆者が声をあげるときです

全国の被爆者のみなさん
 原爆症認定集団訴訟は、いま重要な局面を迎えています。
 全国で229人の被爆者が原告となって、原爆症認定申請に対する国の却下処分を不当とし、却下処分の取り消しを求めてたたかってきた原爆症認定集団訴訟は、大阪(昨年5月12日)、広島(昨年8月4日)、名古屋(今年1月31日)、仙台(3月20日)、東京(3月22日)の5つの地方裁判所すべてで勝訴をかちとりました。
 これを受けて、政治が大きく動き始めました。
 自民党は「原爆症認定の早期実現をめざす議員懇談会」をたちあげ、厚生労働大臣に対して、仙台地裁判決、東京地裁判決への控訴断念、大阪、広島、名古屋各地裁判決への控訴取り下げを要請しました。公明党も対策委員会を発足させ、民主党、共産党も懇談会や対策委員会をつくるなどして、社民党、国民新党を含む与野党すべての政党が、衆参両院の各種委員会で厳しく政府の審査のあり方を追及、認定制度を根本的に改めるべきだと活発に動き始めています。
 認定制度の抜本的改善に賛同する議員も日増しに増加し、3月25日現在衆参両院で200名を超す議員が賛同しています。
 しかし、厚生労働省は司法の一連の判断に耳をかすどころか、司法の判断が間違っている、科学や医学の常識から外れていると強弁して、頑迷にも控訴を繰り返しています。仙台、東京地裁判決に対しても控訴の構えを変えていません。
 高齢化し、病気を抱えた原告にとって高裁、最高裁と裁判を長引かせることはとても耐え難いことです。229人の原告のうちすでに31人の原告が判決を聞くことなく亡くなっています。原爆症認定制度の抜本改定は焦眉の課題であり、また、実現できる情勢を迎えているのです。この情勢をいっきに切り開く力は全国26万近い被爆者にあります。
 心を込めて全国の被爆者に呼びかけます。 原爆症に苦しみながら、申請も提訴もできず、泣き寝入りせざるを得なかった被爆者、今は元気でもこれから原爆症にかかるおそれのある多くの被爆者が、みんなで、原爆の被害をこれ以上「受忍」しない、「受忍」させないという意志を行動で示しましょう。

①「原爆症認定制度の抜本的改善」及び「控訴断念を求めること」に賛同する署名をすべての国会議員から得るために、電話、手紙、ファックス、訪問など、自分ができる行動を起こしましょう。
②仙台地裁判決、東京地裁判決への控訴断念と認定制度の抜本改善を求めて、4月5日までおこなう、厚生労働省前での座り込みを含む直接行動に参加しましょう。
③住んでいる自治体の議会にたいして「原爆症認定制度の抜本的改善」を国にもとめる「意見書」の採択を要請しましょう。
④「原爆症認定制度を抜本的に改めること」を要請する「はがき」に、それぞれの訴えを書き込み厚生労働大臣に送付しましょう。
⑤戦争被害に対する国の責任を明らかにすることが、ふたたび戦争をしない国の証になることを深く心にとめ、被爆者として人類的な使命を果たす努力を重ねましょう

2007年3月25日
日本原水爆被害者団体協議会第323回代表理事会

2007年03月24日

山口県周南市議会が原爆症認定制度の抜本的改善を求める意見書議決

山口県の周南市議会では、3月23日開かれた本会議で、周南市被爆者の会の陳情を全会一致で採択し、原爆症の認定行政を抜本的に改善することを求める意見書を全会一致で議決しました。

意見書全文は以下の通りです。

原爆症認定制度の抜本的改善を求める意見書

 原爆被爆者は、現行の原爆症認定制度を被曝の実態に即した制度に抜本的に改めることを求めている。
 原爆被害が、熱線、爆風、放射線による広範囲かつ長期におよぶ複合的被害であり、医学的にも未解明の被害であることを踏まえた認定制度に改めることを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成19年3月23日

                                    山口県 周南市議会

2007年03月23日

いずみ市民生協が“公正な裁判要請署名”10万3千余

―近畿第2次訴訟―
大阪地裁 口頭弁論

 近畿原爆訴訟第2次原告グループの口頭弁論が、3月23日に大阪地裁202号法廷で開かれました。
 意見陳述に立った藤原精吾弁護団長と尾藤廣喜幹事長は、「国が12連敗の事実から学ぶべきは、個々の認定ではなく、認定基準はそのものが誤っている」とのべました。意見陳述には、故大坪善嗣(京都)の後を引き継いだ大坪生子さんが、夫の無念を晴らすためにも、公正な判断を訴えました。被告側国代理人は、原告らの疾病は誰でもなりうるものであり、放射線の起因による疾病ではないと断言し、被爆者の思いを切り捨てました。
 終了後、弁護士会館で報告会がおこなわれ、大阪いずみ市民生活協同組合が集めた、裁判所に公正な判決を要請する署名簿が、段ボール箱4箱、10万3314人分が紹介され、提出されました。これで署名の合計は、大阪地裁あて7万1930、大阪高裁あて11万4390に達しました。最後に西晃弁護士(大阪支援の会事務局長)が「いま力をひとつにして、全面解決をめざして頑張ろう」とのべて散会しました。

東京地裁判決の留意点

3月22日に出された原爆症認定集団訴訟東京地裁判決の留意点は以下の通りです。

*起因性の立証責任
「通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちえるものであることを必要とすると解すべきである」(松谷最高裁判決を踏襲)

*被曝線量について
「客観的な資料に基づく合理的な判断として、放射線による急性症状等が生じていると認められる事例が存在するのであれば、その事実を直視すべきであって、それがDS86による線量評価の結果と矛盾するからといって、DS86の評価こそが正しいと断定することはできない」(急性症状などの発症事実を重視すべき=国は急性症状を赤痢や感染症、栄養不良のせいと主張)

*残留放射能、放射性降下物、誘導放射能について
「広島、長崎とも、原爆投下直後から残留放射能についての調査がなされたものの、誘導放射能及び放射性降下物について、十分な実測値が得られていない」

*内部被曝について
 「ガンマ線及び中性子線以外にアルファ線及びベータ線が影響すること、外部被曝と比べ至近距離からの被曝となり人体への影響が大きいことを理論的に否定し去ることはできない」(国は、原告の多くは被曝をほとんどしていないと主張)

*遠距離・入市被曝の急性症状
 「遠距離被爆者、入市被爆者の中にも、相当程度の放射線被曝をしたものが存在すること念頭に置く必要がある」

*原因確率について
 「放射性起因性を判断するための参考要素になり得るものではあるものの、原因確率に基づく判断にも一定の限定があることは否定できない・・・これを機械的に当てはめて放射性関与を否定してしまうことは相当ではなく、個々の被爆者の個別的事情を踏まえた判断をする必要があ」るものである。…これを疑義の余地のないものとして取り扱うことにも、問題がある。

*起因性の判断手法について
 「科学的根拠の存在を余りに厳密に求めることは、被爆者の救済を目的とする法の趣旨に沿わないものであって、最終的には合理的な通常人が、当該疾病の原因は放射線であると判定するに足りる根拠が存在するかどうかという観点から判断するほかはない」「DS86 及び原因確率の機械的な適用は、放射線のリスクの過小評価をもたらすおそれがある」「当該被爆者の被爆状況、被爆後の行動、急性症状の有無・態様・程度等を慎重に検討した上で、・・・さらに当該被爆者のその後の生活状況、病歴、放射性起因性の有無が問題とされている疾病の具体的な状況やその発生に至る経緯などから、放射線の関与がなければ通常は考えられないような症状の推移がないのかどうかを判断し、これらを総合的に考慮したうえで、合理的な通常人の立場において、当該疾病は、放射線に起因するものであると判断し得る程度の心証に達した場合には、放射性起因性を肯定すべきである。

2007年03月22日

声明 原爆症認定集団訴訟東京地裁判決について

国は、判決を受け入れ、被爆者の救済に力を尽くせ
                              2007年3月22日
                              原水爆禁止日本協議会

 原爆症認定却下処分の取り消しを求める裁判で、本日、東京地裁は、原告の被爆者30名のうち、21名について原告勝訴の判決を言い渡しました。

 原告団、弁護団、被団協や東友会、原水協も参加する「支援ネット」などは、すでに連名で「声明」(★)を発表し、国に対して、①判断を尊重し、控訴を断念すること、②現在の審査のあり方を根本的に改め、被爆者を救済すること、③被爆者の意見を聞く協議の場を設けることを要求しました。日本原水協は、原告全員と弁護団、支援者の皆さんに敬意を表するとともに、この立場を全面的に支持するものです。

 この判決をもって、政府の認定行政のあり方は昨年5月の大阪地裁判決以来、広島、名古屋、仙台、東京と、五つの判決で連続的に断罪されたことになります。これらの裁判を通じて最大の焦点となったのは、原爆症の認定にあたって、原爆の初期放射線のみを対象にして作成した「基準」に固執し、現実に被爆者におこった被害に目を塞ぎ、訴えを退けていく、機械的で冷酷な被爆者援護行政のあり方そのものでした。実際、裁判でなされた国側の主張とは、「原告の多くは被曝をほとんどしていない」、急性症状は「赤痢、感染症、栄養不良のせい」などと言い張るほど乱暴なものでした。

 こうした主張の非科学性は、この間の裁判だけでなく、それ以前の長崎松谷原爆裁判、京都小西原爆裁判、東京での東訴訟のそれぞれでもすでに断じられています。政府が、それを覆すなんの根拠もないまま、相次いで控訴していることはそれ自体、62年の被爆者の苦しみに追い討ちをかける非人道的態度としか言いようがありません。核の被害をことさらに小さく見せるこうした態度には、国内外から、アメリカの核戦略にたいする無条件の受け入れと結びついたものとの強い批判も湧き起こっています。

 日本原水協は、日本政府に対しあらためて、仙台と東京判決を控訴しないこと、大阪、広島、名古屋での控訴を取り下げることを要求し、さらに、被害の実態に即した原爆症認定へと審査・決定のあり方を抜本的に改めることを強く要求するものです。また、そのためにも日本政府の現行の認定基準・認定行政の理不尽さを広く国民に知らせ、国民的批判をさらに広げるために力を尽くすものです。

★原爆症認定集団訴訟東京地裁判決についての声明
                        2007(平成19)年3月22日
                        原爆症認定集団訴訟東京原告団
                        原爆症認定集団訴訟東京弁護団
                        原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
                        東京都原爆被害者団体協議会(東友会)
                        日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)
                        原爆裁判の勝利をめざす東京の会(東京おりづるネット)
                        原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク

1 東京地方裁判所民事第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、本日、原告ら30名中入市・遠距離被爆者を含む21名について、厚生労働大臣の原爆症認定申請却下処分を取り消す、原告勝訴の判決を言い渡した。

2 判決は、厚生労働省が「科学的」と称して、2001年以降用いてきたDS86や原因確率論を柱とする「審査の方針」について、
   ① 線量推定方式であるDS86、DS02は、「評価結果に限界があり計算値を超える被爆が生じている可能性がないと断定してしまうことはできない」、「急性症状等が生じていると認められる事例が存在するのであれば、その事実を直視すべきであって、それがDS86による線量評価の結果と矛盾するからといってDS86の評価こそが正しいと断定することはできない」、
   ② 残留放射能、放射性降下物、誘導放射能については、「広島原爆、長崎原爆とも、誘導放射能及び放射性降下物について十分な実測値が得られていない。」、内部被曝について、「ガンマ線及び中性子線以外に、アルファ線及びベータ線が影響すること、外部被爆と比べ至近距離からの被曝となり人体への影響が大きいことを理論的に否定し去ることができない」、
   ③ 原因確率論の合理性については、「原因確率に基づく判断にも一定の限界があることは否定できないのであるから、特に、原因確率が低いとされた事例に関しては、これを機械的に当てはめて放射線起因性を否定してしまうことは相当ではなく、個々の被爆者の個別的事情を踏まえた判断をする必要がある」、
   ④ 放射線起因性の判断手法について、「科学的知見にも一定の限界が存するのであるから、科学的根拠の存在を余りに厳密に求めることは、被爆者の救済を目的とする法の趣旨に沿わない」、
との判断を示し、これまでの厚生労働省の認定行政が、原爆被害の実態を正しく反映せず、法の趣旨に反するものであることを明確に認めた。

3 一方、判決は9名の原告について、その請求を棄却した。裁判所の認定は、被爆地点、入市の日時や、急性症状の存否等の原告側主張を、事実認定においてこれを斥けたものであり、その点はきわめて不当であり到底納得できない。

4 国の原爆症認定行政の誤りは、これまでも、最高裁、大阪高裁、東京高裁をはじめ、全国11の裁判所で厳しく指摘されてきた。ところが、国は司法判断を無視し、不毛の「科学論争」を蒸し返すだけで、自らの認定基準を改めようとしなかった。そして、この間、認定すべき多数の被爆者を切り捨ててきた。

5 私たちは、今こそ次のことを直ちに実現するよう強く求める。
   (1)国は裁判所の判断を尊重し、控訴を断念せよ。
   (2)現在の審査の方針を根本的に改め、被爆者を早期に救済せよ。
   (3)厚生労働大臣は、被爆者の意見を聞くための協議の場を設定せよ。

                                                       以 上

2007年03月20日

原告2人に勝利判決 仙台地裁却下処分取り消し

 仙台地裁(潮見直之裁判長)は20日午後、原爆症認定却下処分の取り消しなどを求めた波多野明美さん(68)、新沼弎雄(みつお)さん(83)の2人に勝利判決を言い渡しました。判決は、これまでの集団訴訟での地裁判決同様、国の機械的な認定行政を批判しました。原爆被害は、一時的な身体的被害にとどまらず、家族を巻き込み、世代をもこえて被爆者を苦しめてきました。国は、この被害の全体をとらえて被爆者を救済する責任があります。被爆者をこれ以上苦しめることは絶対に許されません。原爆症認定基準の誤り、国に被爆者支援政策の見直しを迫る司法判断は定着しました。厚労省は判決を受け入れ、ただちに原爆症認定制度を改善すべきです。
 現在、16地裁、3高裁で229人の原告がたたかっています。22日には東京地裁で判決が言い渡されます。原爆症認定制度の改善の突破口を切り開こうと、首都圏を中心に各地から東京判決後の諸行動に代表が駆けつけます。厚労省を控訴するな、直ちに解決せよの声で包囲しましょう。

残留放射線の影響を過小評価
機械的適用を批判  仙台判決

 仙台地裁判決は、「審査の方針には、被曝線量の推定については、残留放射線による外部被曝及び内部被曝の影響を過小評価している疑いを否定できない」と指摘し、「審査の方針に基づいて放射線起因性の判断を行うに際しては、これによる被曝線量の推定値及び原因確率を一つの要素として考慮しつつも、これを機械的に適用することなく、個々の被爆者の具体的な被爆状況、被爆後の行動、被爆直後に現れた身体状況の有無とその態様、被爆後の生活状況、病歴、申請にかかる疾病の症状や発症に至る経緯、治療の内容及び治療後の状況等を総合的に考慮した上で、原爆放射線による被曝の事実が当該疾病の発生を招来した関係を是認できる高度の蓋然性が認められるか否かを検討すべきものと解するのが相当」であると述べ、国の審査基準を批判しています。

原告団・弁護団、支援の会が声明
 集団訴訟仙台原告団・弁護団、宮城県原爆被害者の会、日本被団協、全国弁連などは、「原爆症認定集団訴訟仙台地裁判決についての声明」を発表しました。

原告紹介
 新沼弎雄さんは、22歳の時に爆心地から2キロの比治山の部隊兵舎で被爆、倒れた兵舎の隙間で助かりました。その後広島市内で電線復旧などに従事しました。
 全身倦怠、下痢、嘔吐などの急性症状に襲われました。50代で腎臓がん、60代で膀胱がんを患いました。02年に膀胱がんで申請、却下されました。

 波多野明美さんは、7歳の時に1.8キロの路上で被爆。その後、広島駅付近を歩くなど一週間野宿し、下痢や脱毛などの急性症状がでました。43歳の時に胃がんが見つかり手術、その後遺症が現在もつづき、体重は28.3キロしかありません。
 国は、胃がんは被爆に起因していると認めましたが、その深刻な後遺症について認定を拒んでいます。波多野さんも02年に却下され、提訴しました。

「遠距離」「入市」の被爆者
 国は、「科学的な認定」の根拠として、被曝線量推定システム「DS86」を採用しています。爆発後1分以内に放出された「初期放射線」による、近距離での対外被曝しか影響を認めず、残留放射能や放射性物質を体内に取り込んだことによる内部被曝の影響をいっさい無視しています。
 法廷でも、爆心地から2キロ以遠で被爆した「遠距離被爆者」や救援・捜索などで後で爆心地付近に入った「入市被爆者」が、被爆直後に放射線被害に特有な脱毛、嘔吐、下痢、血便、発熱などの急性症状に苦しみ、今日も腫瘍やがんなどに苦しんでいることを証言しました。
 さらに、被爆直後から診療にあたった医師が、無傷だった「入市被爆者」が、直接被爆した人びとと同様の症状で相次いで亡くなった状況などを証言しています。
 原爆被害が過小評価される仕組みになっている原爆症の認定基準を抜本的に改めるべきです。

厚労省は控訴するな、直ちに解決を!
東京地裁判にあたっての諸行動

■3月22日(木)
10:00~     東京地裁判決言い渡し 地裁前集合
11:00~12:30 厚労省前での宣伝行動
14:00~16:20 判決報告集会 四谷・主婦会館

■23日(金)
10:00~16:00 厚労委員などへの報告行動(衆院第2議員会館第1会議室)
11:00~12:30 厚労省前宣伝行動

■26日(月)から30日(金) 連日行動
8:30~ 9:30 早朝宣伝行動 国会議事堂駅
11:30~13:00 厚労省前行動
14:00~16:00 国会議員要請行動
 集合は26日と30日が衆院第1議員会館、それ以外は衆院第2議員会館です。

■4月2日から4日 連続座り込み
2日(月)
12:00~13:00 厚労省包囲デモ
 日比谷公園霞門集合
13:00~    座り込み  厚労省前
4日(水)16:00まで

原爆症認定制度改善を要求署名
衆参両院議員200名が賛同

 これまでに原爆症認定制度改善を求める署名に賛同している国会議員は、衆議院で130名、参議院で70名、計200名の国会議員が署名しています。

2007年03月15日

原爆症認定集団訴訟の東京判決にあたっての諸行動のお知らせと参加のお願い

 原爆症認定集団訴訟で3月22日、東京地裁判決が下されます。
 すでにご案内の通り、全国支援ネットなど支援団体が日本被団協とともに宣伝・要請行動を計画しています。さらに日本被団協は、今回の行動を通じて原爆症認定制度改善の突破口をきりひらくため、4月2日~4日まで連続座り込み行動を決めました。
 これらの行動を成功させるために、全国からの参加とご支援を改めてお願いいたします。

【東京地裁判決を迎えての行動予定】

*3月22日(木) 東京地裁判決日行動
   08:30~  東京地裁前での宣伝行動  ビラ配布ほか
   10:00~  判決言い渡し 東京地裁103号法廷
   11:00~12:30 東京地裁・厚生労働省前での宣伝行動
   14:00~16:20 東京地裁判決報告集会 プラザ・エフ(四谷・主婦会館)7階
   16:50~    厚労省交渉団激励・宣伝行動  厚労省前

*3月23日(金) 国会集中行動
   10:00~16:00 国会議員への要請行動  衆院第2議員会館第1会議室に集合
   11:00~12:30 院内集会 衆院第2議員会館第1会議室
   11:30~13:00 厚労省前 宣伝行動

*3月26日(月)~30日(金) 「抜本的改善を求める連日行動」
   08:30~09:30 首相官邸前での宣伝行動
   11:30~13:00 厚労省前での宣伝行動
   ※厚労省前での行動の後、衆院第2議員会館会議室に集まり、国会議員などへの要請にとりくみます。

*4月2日(月)13:00~4日(水)15:00 連続座り込み行動
   12:00~13:00 厚労省包囲デモ  日比谷公園霞門集合 
   13:00~    連続座り込み行動  厚労省前
   (11:30~13:00 並行して厚生労働省前宣伝行動)
※4月2日から4日までの連続座り込みには、全国の被爆者が上京します。2日正午からの厚労省包囲デモと座り込みへ可能な限り各地から参加・激励を要請します。

※上京・参加される方は、事前に事務局03-5842-6031(担当:樋口)までご連絡ください。

2007年03月10日

決意あらたに全面解決めざす 近畿原爆訴訟の勝利をめざすつどい

 ヤマ場にさしかかった原爆訴訟の「いまこそ全面解決を」を大きくかかげて、原爆訴訟近畿弁護団と原爆訴訟支援近畿連絡会は、3月10日午後、大阪市北区のいきいきエイジングセンターで「近畿原爆訴訟の勝利をめざすつどい」を開き、原告、弁護団、支援者ら210人が参加しました。
 つどいの冒頭、1月に亡くなった第2次訴訟原告・小林幸子さん(京都)に全員が黙とうし冥福を祈りました。篠浦大阪原水協理事長が開会あいさつ。藤原精吾近畿弁護団長が報告で、いまや大阪地裁判決の内容が全国的、社会的に支持を受けている、全面解決へ厚労省に圧力をかけよう、闘いの目標は国に責任を認めさせ認定行政を抜本的に改めさせること、被爆者に残された時間は短いと訴えました。つづいて広島から運ばれた被爆ピアノが紹介され、ピアニストの辻本貴子さんがベートーベン「月光」など3曲を演奏しました。青年・学生11人が、被爆体験の聞き取りや絵本の制作、街頭で訴えた経験などを報告。これに応えて原告が思いを述べ、大阪の木村民子さんは、全員勝訴の判決は一生の思い出。つらいなかでも頑張ってこれたのは皆さんのご支援あってこそ」と述べました。最後に大阪支援の会・西晃弁護士が、裁判傍聴や署名、募金活動に加えて地元議員への要請や厚労大臣への要請はがきなどの活動強化を提起。会場で募金が78,515円寄せられました。

2007年03月07日

【北海道】政府に被爆者への適正な援護推進を求める意見書提出―札幌市議会

被爆者に対して適正な援護の推進を求める意見書

 広島・長崎に投下された原子爆弾は、多くの人の尊い命を奪い、辛うじて生存した人々には重大な放射線後遺症の被害を与えた。現在も、26万人近くの生存被爆者が、原爆放射線の影響により多重がんなどの重篤な疾病を患い、日常生活に不安と苦痛を感じている。しかし、これらの人々が厚生労働大臣に対して原爆症と認定するよう申請を行っても、そのほとんどは却下処分となっている現状にある。これは、政府が、科学的に見て疑問のある審査基準を機械的に運用しているからであり、現在原爆症として認定を受けている被爆者は、被爆者健康手帳を持つ被爆者全体の約1%に過ぎない。
 被爆者は、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」によって、健康管理手当等の支給を受けているが、多重がんなどの重篤な疾病に罹患した場合は、原爆症として、国がその治療費を払うのが当然である。そのため、原爆症認定申請の却下処分を受けた被爆者は、その取消しを求めて全国で200人以上が提訴を行い、既に大阪地裁では9人、広島地裁では41人の原告全員が勝訴し、裁判所は国に対して、認定却下処分の取消しを言い渡した。
 政府はいずれも直ちに控訴したが、被爆者は高齢化しており、提訴者の中には病没している者もおり、被爆者の援護に当たっては迅速な対応が必要である。
 よって、国会及び政府においては、被爆者の実状を鑑み、原爆症の認定に当たっては、内部被曝のもたらす影響や被爆者の健康状態などを総合的に判断し、迅速かつ適正な対応を推進するよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成19年(2007年)3月7日

札 幌 市 議 会

(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣

(提出者)全議員

2007年02月08日

抗議文 原爆症認定集団訴訟の名古屋地裁判決に対する国・厚生労働大臣の控訴に断固抗議する

原爆症認定集団訴訟の名古屋地裁判決に対する
国・厚生労働大臣の控訴に断固抗議する

                               2007年2月8日
                               原水爆禁止日本協議会

日本原水協は、全国の原告と26万余の被爆者とともに名古屋地裁判決に対する国・厚生労働大臣の控訴に断固抗議する。

国の控訴は、被爆者の切なる願いを踏みにじり、その苦しみを増大させるものであり、核兵器廃絶を願う国民を裏切る行為であり、断じて許すことはできない。

全国の原爆症認定集団訴訟229人の原告のうち、すでに31名もの原告が亡くなられた。高齢化する被爆者に時間はない。国が、大阪、広島を含め控訴をただちに取り下げるよう強く要求する。

抗議先
   柳沢 伯夫 厚生労働大臣 
     〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 厚生労働省
     FAX03-3502-3090 (健康局)

2007年02月04日

声明 原爆症認定をはじめ被爆者行政の抜本的改善を要求する

特別決議

日本政府への申し入れ
原爆症認定をはじめ被爆者行政の抜本的改善を要求する

 内閣総理大臣  安倍 晋三 殿
 厚生労働大臣  柳沢 伯夫 殿

2007年2月4日 原水爆禁止日本協議会第79回全国理事会

広島・長崎への原爆投下から60年余、「ふたたび被爆者をつくるな」と核兵器の廃絶、原爆被害への国家補償をもとめつづけている被爆者を、これ以上苦しめつづけることは絶対に許せません。とりわけ自分の病気は原爆のせい以外に考えられないと、原爆症認定をもとめる多くの被爆者にたいし、司法による度重なる断罪にもかかわらず、誤りを認めず、いたずらに裁判をながびかせるなど、もってのほかです。
原爆症認定を求める裁判で、国が10回も連続して敗訴したことは、被爆者の訴えにこそ真実があることを証明しています。昨年の大阪、広島地裁、この1月の名古屋地裁での判決はいずれも、国の被爆の実態を無視した機械的な認定のあり方を厳しく批判しています。

3月の仙台、東京地裁判決を待つことなく、一刻も早く集団訴訟の全面的な解決、認定行政の抜本的改善に踏み切るべきです。原爆による可能性を否定できない疾病や障害をもつ被爆者の救済を基本に、原爆被害を全体的・総合的に判断し、被爆の実態に即した認定に根本的に改めることを強く要求します。
過去の戦争への反省と、二度と核兵器の使用を許さない被爆国の決意にたち、原爆被害への国家補償をおこなうこと、また在外被爆者への援護措置の全面的な適用を求めます。

2007年01月31日

名古屋地裁判決に対する声明

声明  原爆症認定集団訴訟名古屋地裁判決にあたって

2007年1月31日
                                          原水爆禁止日本協議会


 原爆症認定を求めた裁判で名古屋地裁は1月31日、原告4名中2名について、原爆症認定却下処分の取り消しを命じる、原告勝訴の判決を下した。
 注目すべきことは、昨年の大阪、広島地裁に続いて今回の判決も、厚労省が固執する被曝線量の算定方式について、その機械的適用は、「誤った結果を招来する危険性がある」と、厳しい判断を下していることである。
 これまでの判決もくり返し指摘しているように、原爆症の審査は被爆と後遺の実態に即しておこなわれるべきであり、援護行政は、原爆被害の特殊性から見ても被害者救済を精神としておこなわれるべきである。
 原爆投下から61年半、被爆者には心身の傷に加えて、高齢化が進んでいる。現在の訴訟でも、229人の原告のうちすでに30名が亡くなった。これ以上いたずらに時間稼ぎをして解決を遅らせるべきではない。
 政府は勝訴した2名の判決を受け入れ、ただちに原爆症を認定すべきである。さきの大阪、広島の地裁判決についても控訴を取り下げるべきことはいうまでもない。問われている原爆症認定の在り方を抜本的に改善することをはじめ、被爆者援護行政そのものを被害者救済の立場に立って見直すことである。日本原水協は、核兵器廃絶とともに援護と補償を求める被爆者への支援をいっそう強めるものである。

2007年01月28日

川中優子さんの原爆症訴訟を支援する岡山の会・結成

裁判支援・500名の会員・50万円募金など活動方針を確認

 1月27日、倉敷市で「原爆症認定訴訟を支援する岡山の会」結成総会が開かれました。総会には県内各組織・団体から63名が出席、川中優子さんの裁判闘争を必ず勝利しようと決意を固めました。水島サロンで午前10時から開催された総会で、開会挨拶に立った呼びかけ人の杉山信義倉敷医療生協理事長は「安倍首相の憲法改悪の動きの中で、原爆症認定を勝ち取ることは憲法を守ることとつながる大事なこと」と挨拶されました。平井「会」事務局長が経過報告と活動方針、会則を提案し満場の拍手で確認されました。

 確認された活動方針は①裁判闘争を支援する②闘いの宣伝、学習活動を強める③当面500名の会員にすることと、闘いを支える50万円募金を集める④原水爆禁止、憲法9条を守る平和運動との連携⑤全国ネットワークとの連携です。

  「会」の事務局は、倉敷医療生協労組内(倉敷市水島南春日町6-10 ℡086-445-1258)に置き、8人の世話人の代表に松岡健一氏(反核医師の会・ソワニエ看学校長)、事務局長に平井昭夫(県原水協事務局長)を選出しました。

原爆被害は現在進行形
斉藤先生の記念講演

 記念講演は、広島・福島生協病院斉藤紀院長が「原爆症認定訴訟の意義」と題してお話されました。斉藤先生は、アメリカが広島・長崎で人類初の核兵器による大量殺戮を行った意図から説明され、「2030年には地球上から被爆者はいなくなる。投下から80年余におよぶ『核の実験』の終末期に私たちはどう立ち向かっていくのかが問われている」「原爆被害は現在なお進行形である」と強調され、白血球減少症は被爆者で5%、非被爆者で0%という状況や、被爆によるダメージを受けた体が長期の潜伏期間を経て「多重がんの発症」などの形で現れていることを説明されました。国の「基準」では救いきれない被爆者の存在を、科学者の立場でわかりやすく説明されました。

勝利をめざし頑張ります

 「私は、1歳のとき爆心地から4Kmの地点で被爆しました。幼少期病弱な体で過ごしました。核兵器による人類初の犠牲者として、二度の大手術を乗り越え今日まで生きてきました。健康不安で眠れない夜もたびたびです。もうこれ以上私たち被爆者を苦しめないでください。勝利を目指し皆さんと一緒にがんばります」と川中さんは決意を語りました。

川中さんがんばろう

加百智津子(岡山コープ職員・被爆二世)さん
  「私の母は爆心地から800メートルで被爆。奇跡的に助かりました。被爆後紫色の体で生まれた2人の兄は亡くなるという悲しみを背負って生きてきた母です。二世として核兵器廃絶、川中さんの勝利のためにがんばりたい」

中本輝夫(国民救援会県副会長)さん
 「県本部として組織をあげて支援したい」

田辺昭夫(水島原水協副会長)さん
 「原告の地元としてがんばる」 

それぞれ川中さんを激励、救援会、水島原水協から支援カンパが寄せられました。

1月30日(火)13:10~岡山地裁で第1回公判が行われます。

2006年08月11日

声明 厚労省の広島地裁判決控訴への抗議

声明 厚労省の広島地裁判決控訴への抗議

2006年8月11日 原水爆禁止日本協議会

厚生労働大臣 川崎二郎殿

抗議文

 政府・厚生労働省は8月11日、さきに広島地裁が下した原爆症認定集団訴訟の原告側勝訴判決にたいして、これを不服として控訴した。

 周知のように、現在国が行っている原爆症認定行政は、被爆の実態やその後の経過、診断を下した医師の見解など、原告被爆者の病気の現実に基づくことなく、恣意的に作られた規準を杓子定規にあてはめたものとして、この間の9件のすべての裁判で国側が敗訴している。

 にもかかわらず、国側がまたしても控訴したことは、多くの人々が感じているように、高齢化する被爆者の現状を逆手に取った時間稼ぎとしか思えない。

 そもそも、原爆を投下された国で、本来その被害者を助けるべき政府が、ここまで執拗に法廷で争おうとすること事態、国内はもちろん国際的に驚きの声さえ出ている。

 我々は、先の大阪地裁判決に続いて広島地裁判決に対しても政府が控訴したことに対し厳しく抗議するとともに、ただちにどちらの控訴も取り下げ、あわせて現在の原爆症認定行政を抜本的に見直すことを強く要求する。

2006年05月22日

声明 国・厚労省の大阪地裁判決控訴への抗議

声明 国・厚労省の大阪地裁判決控訴への抗議
内閣総理大臣 小泉 純一郎殿
厚生労働大臣 川崎 二郎殿

抗 議 文

 日本政府は本日、さきに原爆症の認定をめぐって、大阪地裁が下した被爆者全員の勝訴判決に関して控訴することを決定した。
 周知のように、現在全国13の地裁で行われている原爆症認定集団訴訟はいずれも、癌などをかかえる被爆者の原爆症認定申請にたいして、日本政府がそのほとんどを却下し続けていることに起因している。実際、原告のほとんどは、「私は健康というものがどんなものか知らない」、「わずかにしか残っていない命と向き合って生きている」というほどの困難のなかで、訴訟を続けている人たちである。
 現在の被爆者行政は、原爆の特殊性と「高齢化の進行している被爆者」の実情を考慮し「総合的な援護対策」を旨としてつくられたはずの「援護法」に照らしても、あまりに機械的で冷酷という他はない。日本政府のこの姿勢と、申請却下の根拠としてきた基準やその機械的適用の非科学性もすでに、この間下されたほとんどすべての判決で指摘されている。
 今回の控訴は、「残された命」と向き合って生きている被爆者に対する二重の冷酷な仕打ちというしか言いようがない。
 我々は、日本政府に対してただちにこの控訴を取り下げ、国が引き起こした戦争の犠牲への補償として被爆者援護行政を抜本的に見直し、是正するよう強く要求する。
2006年5月22日
原水爆禁止日本協議会

2006年05月19日

5月22・23日 厚労省前での「控訴断念、抜本的改正」を要求する緊急行動にご参加を

5月12日、大阪地裁で「私たちの病気を原爆によるものと認めてほしい」と訴えていた被爆者9人が全面勝訴の判決を勝ち取りました。

今週に入ってからは、「大阪地裁判決を真摯に認め、控訴を断念させる」という新しいたたかいが始まっています。

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冷たい雨が降る18日、厚生労働省前には青いタスキをかけた東京の被爆者団体「東友会」の被爆者と、黄色いタスキをかけた「おりづるネット」の支援者がお昼休みで外出する職員にチラシを配りながら「いつまでも被爆者を苦しめるな」、「厚生労働省は控訴を断念し、原爆症認定制度の抜本的改善を」などを訴えました。

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行動には、原爆症認定集団訴訟東京原告団から林さんと田崎さんが参加。

林さんは、「長い年月を思うと胸が詰まる。厚生労働省は私たちが死ぬのを待っているのか。非人情的なことをせずにどうぞ認定して下さい」と振り絞るような声で訴えました。

続いてマイクを握ったのは、昨年6月に亡くなった姉の遺志をついだ田崎さん。

「私も被爆者です。姉はガンで苦しみました。父母は入市被爆、弟もガンで死にました。東京にいた姪は甲状腺がおかしいと広島に帰りました。娘が病気になっても原爆のせいではないかと思ってしまいます。これは私だけではなく、全国の被爆者の思いではないでしょうか。本当に苦しいのです。厚生労働省で働く皆さん、川崎大臣、ぜひ聴いて下さい」。

東友会事務局次長の上田さんは、「判決を受けた日、喜びで涙を流した。でも、ごくあたり前の判決。司法の場ではこれまで7回やって全部勝ってきた。8回目の今回も同じ理由で控訴するのは法治国家としてあってはならない。もう終わりにしよう。時間のムダ、経費のムダ。ハンパではない61年の思いを重く受け止めてほしい」と語りました。

東京弁護団事務局長の中川弁護士は、「13日付の新聞各紙はどこも1面トップで報じ、昨日の朝日『天声人語』にも、認定制度の抜本的改善を求める論調が載っていた。厚生労働省は孤立している。来週には上京して直接川崎大臣に控訴断念を訴えたいとの声が全国の被爆者から弁護団に寄せられている」と話しました。

26日の控訴期限を前に来週、5月22(月)、23日(火)、午前11時から午後3時を目安として厚生労働省前で「控訴断念、抜本的改正」を求める緊急行動にとりくみます(主催:原爆症認定集団訴訟訴訟全国弁護団、同訴訟を支援する全国ネットワーク)。

この行動には、全国各地の原告をはじめ被爆者、支援組織の代表などが駆けつけることになっています。

高齢化し、病気を抱えて苦しんでいる原告のことを考えると、控訴によっていたずらに原爆症認定を引き延ばすことは絶対に許されません。

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厚生労働大臣・国は、全国に26万人以上いる被爆者のために控訴せず大阪地裁判決を確定させ、今すぐ原爆症認定行政を被爆者の実態を正しく反映したものに抜本的に改めるよう「控訴するな! 認定制度を改めよ!」の声をあげましょう。

少しだけでもいいのでぜひ参加して、全国から正義を求めて集まる被爆者の皆さんを励ましてください。

厚生労働省への行き方
東京メトロ丸の内線「霞ヶ関」駅B3a出口から地上にあがってすぐの交差点を右に曲がって少し歩いたところ。

2006年05月17日

大阪地裁全員勝訴判決の意味

去る5月12日、大阪地裁において、原告9人全員に原爆症の認定をすべきだという判決が下されました。これは全国13の地裁で170人の被爆者がおこなっている第1次集団訴訟の最初の判決として、きわめて重要な意味を持っています。

被爆実態からかけはなれた原爆症認定基準
これまで最高裁、高裁を含む7つの原爆症認定裁判において、被爆者が相次いで勝利判決を勝ち取り、判決は厚労省の認定規準が被爆実態とかけ離れていると批判してきました。ところが厚労省は「原因確率」という新たな規準を導入し、「原因確率」が10%以下では申請疾病に対する原爆放射線の影響は否定されると認定申請を機械的に却下しています。

このいっそう厳しい規準のために、原爆症と認定された人は、被爆者手帳を持っている26万人の0.8%に抑えられてきました。そのため、原爆放射線による障害で苦しんでいる被爆者でも認定申請をあきらめている現状です。

認定行政の抜本的転換を迫る
こうした被爆者に冷たい認定行政を抜本的に改めさせようと、日本被団協の呼びかけで原爆症認定集団訴訟が3年前から始まりました。厚労省は、これまでの7つの判決はあくまで個人に対するものだと言い逃れをし、認定行政の転換を怠ってきました。しかし、今回9人の原告全員の勝訴は、認定行政の全面的転換を迫るものです。

 高齢になった被爆者の集団訴訟は、まさに命をかけた取組みで、すでに26人の原告が亡くなっています。大阪地裁の判決は、支援する人びとに支えられ、裁判に勝利することが核兵器廃絶につながると頑張ってきた被爆者に大きな勇気を与えました。

遠距離被爆者・入市被爆者も認定
 今回の原告には3.3キロメートルで被爆した遠距離被爆者、原爆が爆発した後に救援活動のため広島市内に入った入市被爆者2人が含まれています。みんな厚労省の「原因確率」ほとんど0%の人たちです。また今回の判決では、放射線の影響は不明だとして「原因確率」の計算表にない貧血や、これ以下の被曝(ばく)線量では発症しないという「しきい値」が設けられた白内障に対しても「しきい値」はないとの判断が下されました。

「DS86」の適用限界
 認定申請を審議する被爆者医療分科会が「原因確率」を求める場合、被爆者が浴びた原爆放射線の線量は「DS86」と呼ばれる原爆放射線線量評価システムを用います。しかし「DS86」は「あくまでシミュレーションであり、限界がある」とし、遠距離では過小評価になっているので、遠距離被爆者に対し「DS86」の「機械的適用は、慎重になすべきである」と判示しました。

残留放射能による内部被曝
遠距離被爆者に対する残留放射能は「キノコ雲」から降下してきた放射性降下物が問題になります。また原爆爆発後に爆心地近くに入った人は、誘導放射化物質による残留放射能の影響を受けました。残留放射能では、とくに放射性微粒子を体内に取り込んで、身体の中から放射線をあびる内部被ばくが深刻な影響を与えます。

 判決は、被爆実態をしっかりと踏まえて、こうした内部被曝の影響を認めて、遠距離被爆者と入市被爆者の原爆症認定をしました。

大阪地裁判決と今後の展望
 高齢化し病気を抱えている原告のことを考えると、控訴によっていたずらに原爆症認定を引き延ばすことは許されません。厚労省がかたくなに判決の受け入れを拒むならば被爆者はいのちを削ってさらに第2次集団訴訟に取組むことになります。

 内部被曝を考慮すると、すべての被爆者が放射線影響を受けており、健康管理を必要とします。そのため、健康管理手当を被爆者全員に支給し、実際に障害が発生した場合には医療費と特別手当を加算するよう法改正をしなくてはなりません。

日本原水協代表理事・沢田昭二

2006年05月13日

原爆症認定集団訴訟・近畿訴訟勝利判決に際しての日本原水協の声明

5月12日午後2時、大阪地裁で判決が出された原爆症認定近畿集団訴訟で9名全員の勝利判決を勝ち取りました。

日本原水協が発表した声明全文は以下の通り。

声明 原爆症認定集団訴訟大阪地裁判決にあたって
                   2006年5月12日
                   原水爆禁止日本協議会

 全国13の裁判所で争われている原爆症認定集団訴訟で、12日、大阪地裁は、同法廷で争われてきた9件の提訴のすべてで原告被爆者を勝訴とし、国に却下処分の取り消しを求める判決を下した。

 原告被爆者は、いずれも多くの困難と健康被害に苦しみながら裁判に耐えてきた人たちである。判決に当たって、原告被爆者の労苦を称えるとともに、判決文に目を通しながら、これほどの被害にたいしてなお救済が却下されていたことに怒りを禁じえない。

 いまたたかわれている170件の訴訟の最大の焦点は、国が恣意的な基準を設けて、事実上原爆の残留放射能が引き起こした被害への救済をほとんど機械的に切り捨ててきたことにある。これまでも長崎原爆松谷訴訟、京都の小西裁判、東京地裁と高裁での東訴訟など、この間の判決はすべて原告を勝訴として国の認定基準に強い批判のみを向けてきた。にもかかわらず、国はなお、「原因確率」などあらたな算定方式などを持ち出し、事実上、遠距離被爆者や救援などで後から市内に入った被爆者などをひき続き原爆症認定から締め出す態度を変えないできた。

 今回の判決はこの点にも踏み込んで、遠距離被爆や入市被爆者への影響を認め、厚労省が却下の根拠としている「原因確立」についても、一定の距離以遠では「値が過小評価になっている」可能性を指摘し、機械的適用を強く戒めている。

 もともと原爆被害は国がはじめた侵略戦争に起因する被害として、国家補償の見地に立った救援が強く求められてきた。被爆者の多くは、原爆により心身の被害を受け、頼るべき身よりも財産も失い、これまでの60年余、苦難の歳月を過ごしてきた人々である。政府は、これ以上、被爆者を苦しめるのでなく、被爆者の現状を直視して被爆者援護行政を抜本的に改めるよう重ねて強く要求する。

2006年05月12日

声明 原爆症認定集団訴訟大阪地裁判決にあたって

声明 原爆症認定集団訴訟大阪地裁判決にあたって
2006年5月12日 原水爆禁止日本協議会

 全国13の裁判所で争われている原爆症認定集団訴訟で、12日、大阪地裁は、同法廷で争われてきた9件の提訴のすべてで原告被爆者を勝訴とし、国に却下処分の取り消しを求める判決を下した。

 原告被爆者は、いずれも多くの困難と健康被害に苦しみながら裁判に耐えてきた人たちである。判決に当たって、原告被爆者の労苦を称えるとともに、判決文に目を通しながら、これほどの被害にたいしてなお救済が却下されていたことに怒りを禁じえない。

 いまたたかわれている170件の訴訟の最大の焦点は、国が恣意的な基準を設けて、事実上原爆の残留放射能が引き起こした被害への救済をほとんど機械的に切り捨ててきたことにある。これまでも長崎原爆松谷訴訟、京都の小西裁判、東京地裁と高裁での東訴訟など、この間の判決はすべて原告を勝訴として国の認定基準に強い批判のみを向けてきた。にもかかわらず、国はなお、「原因確率」などあらたな算定方式などを持ち出し、事実上、遠距離被爆者や救援などで後から市内に入った被爆者などをひき続き原爆症認定から締め出す態度を変えないできた。

 今回の判決はこの点にも踏み込んで、遠距離被爆や入市被爆者への影響を認め、厚労省が却下の根拠としている「原因確率」についても、一定の距離以遠では「値が過小評価になっている」可能性を指摘し、機械的適用を強く戒めている。

 もともと原爆被害は国がはじめた侵略戦争に起因する被害として、国家補償の見地に立った救援が強く求められてきた。被爆者の多くは、原爆により心身の被害を受け、頼るべき身よりも財産も失い、これまでの60年余、苦難の歳月を過ごしてきた人々である。政府は、これ以上、被爆者を苦しめるのでなく、被爆者の現状を直視して被爆者援護行政を抜本的に改めるよう重ねて強く要求する。

2006年04月27日

「支援する埼玉の会」を結成へ

 原爆症の認定申請が却下された故中野久司さんの恵美子夫人が、故人の遺志を継いで、国を相手に認定却下の取り消しを求める訴訟を起こしました。「訴状」は4月28日さいたま地裁に提出しました。これにより中野さんは原爆症認定集団訴訟運動に参加されました。

 この日は、さいたま地裁前に埼玉県原爆被爆者協議会(しらさぎ会)のみなさんをはじめ県原水協、労働団体、婦人団体、反核平和の諸団体から多くの方々がかけつけ中野さんのたたかいを励ましました。

「支援する埼玉の会」への加入・支援をよびかけ しらさぎ会
 しらさぎ会(肥田舜太郎会長)は今回の集団訴訟の提訴にあたって「原爆症認定集団訴訟を支援する会」(仮称)の結成と参加を広く個人・団体に呼びかけました。これに対し、賛同の声と加入申し込みが早くも寄せられています。

 県原水協でも加盟団体と地域原水協を通じて、多くの組織と個人が加入し支援を強めることを訴えています。

「支援する埼玉の会」結成総会
<日 時> 5月15日(月)午後1時半
<会 場>埼玉会館・7A会議室

2006年03月11日

近畿原爆訴訟の勝利判決をめざすつどい

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全国の先頭を切って判決が下される「近畿原爆症認定集団訴訟」(★)の勝利判決をめざすつどい「もう待てない すべての被爆者に勝利の春を!」が11日、大阪のいきいきエイジングセンターホールで行われ、300人が集まりました。近畿原爆訴訟弁護団と大阪、京都、兵庫支援の会が集まった近畿支援連絡会の共催。

大阪支援の会事務局長の西晃弁護士による主催者あいさつの後、近畿弁護団幹事長の尾藤廣喜弁護士がパワーポイントを使って今回の原爆症認定集団訴訟の内容の報告がありました。

そして、今回のつどいの目玉である青年たちによる原告(被爆者)の紹介と交流のコーナーでは、原告のお宅を訪問して被爆体験を聴いた青年たちが出席された7人(近畿原爆症認定集団訴訟の原告は13人)の原告たちの紹介をし、「被爆体験を直接聴けたのはとても貴重な体験だった」など、口々に感想を語りました。

また、シンガーソングライターの横井久美子さんのミニコンサートも行われ、峠三吉の詩を“Amazing Grace”のメロディに乗せて歌った『にんげんをかえせ』が参加者全員で合唱されました。

兵庫支援ネット事務局長の梶本修史さんから、5月中旬の判決までにさらに署名を集めることが提起され、藤原精吾近畿弁護団長から「勝利判決は闘いの中間点。国の被爆者行政を根本から変えさせ、核兵器廃絶の先頭に立たせることを目指して、あなたの力を貸してください」と訴えがありました。

(★)2003年、全国12地裁で169人の被爆者が「自分の病気を原爆によるものだと認めてほしい」と厚生労働省を相手に裁判に立ち上がっている原爆症認定集団訴訟は、昨年12月14日に結審した近畿原爆症認定集団訴訟が、全国の先頭を切って5月中旬頃にも判決が予定されています。

この裁判で認定を求めている全ての原告(被爆者)は、8月6日広島、8月9日長崎で直接被爆の被害にあった方、原爆投下直後に救援活動などで現地に入った方、あるいは残留放射能で被爆した方々であり、当時の被爆の状況、その後の経過、現在の病状などを総合考慮すれば、認定申請した傷害の原因は原爆放射線による被爆以外には考えられません。

国は、被爆者の病気を「原爆症」と認定する制度を設けていますが、実際に認定されているのは2000人余りで、全被爆者の0.8%でしかありません。これは、国が実際の原爆被害を小さく、狭く、軽くみせることによって「核兵器の被害はたいしたことではない」と、核兵器を認める政策をとっているからです。被爆者はこれまでも認定制度の改善をもとめ、最高裁、大阪高裁、東京高裁で勝利してきました。しかし、国はその判決を受け入れず、相変わらず実態に合わない認定基準を設け審査を続けています。

被爆者は平均年齢70歳を超えています。被爆直後から不安と病気に悩まされ続け、生活も狂わされ、「もう待てない! 国・厚生労働省は原爆症と認定せよ」と叫んでいます。

この訴訟はまた、たんに認定制度の改善を求めているだけではありません。それは、ものも言えず死んでいった人たちに代わって核兵器の残虐性を告発し、国の責任(国家補償)を明らかにし、人類と共存できない核兵器の廃絶を求めるものでもあります。