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機関会議の決定書類/談話/声明

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声明核不拡散条約(NPT)再検討会議第3回準備委員会にあたっての声明:
核兵器全面禁止国際協定は世界平和のための緊急課題

2004年4月
     原水爆禁止日本協議会

イラク戦争と大量破壊兵器


核兵器・大量破壊兵器の拡散問題をめぐって、世界の情勢は大きく動きつづけている。イラク戦争では大量破壊兵器、とりわけ核兵器やその開発技術が「テロリスト」や「テロリスト支援国家」の手に渡る危険が強調され、ついに「予防」戦争が発動された。国連やその他の多国間協議、そこでの合意に基づく査察と危機打開の努力が否定され、武力行使が強行された。
 だが、それから13ヶ月の事態の推移は、こうした一方的な武力攻撃では、「拡散」問題が解決しないばかりか、犠牲と不信とを増幅させ、問題解決の枠組み、平和の秩序そのものを危機にさらすことを示した。大規模な調査にもかかわらず「大量破壊兵器」は発見されず、逆に、「疑惑」自体がつくりだされ、戦争の口実とされたことが明らかにされている。イラクに平和は訪れず、いまも日々、イラク国民、とりわけ多数の子どもが命を奪われ、あるいは命の危険にさらされている。
 我々は、イスラム礼拝所や住宅などをふくめ、イラク住民への無差別攻撃やクラスター爆弾などの使用はもとより、イラクにおけるいっさいの攻撃の即時停止、イラク国民の主権回復と国連中心の復興、日本国憲法をじゅうりんして派兵された自衛隊をはじめ、すべての外国軍の撤退を主張する。
戦争ではなく、国連憲章にもとづく平和の国際ルールを尊重し、厳守してこそ大量破壊兵器問題をはじめ、世界平和の課題を解決することができる。

「核拡散」問題解決の障害は何か

 この間、核兵器廃絶に逆行する重大な動きが、核超大国アメリカによってひきおこされた。「テロ」や「大量破壊兵器拡散」の脅威に対抗するとして、「あらゆる選択肢の行使」を口にし、核兵器と通常兵器の「敷居をはずす」ことをねらい、小型核の研究・開発への制約を破棄し、地下での爆発実験再開さえ検討している。
同時に、新たな核保有の動きも明るみに出された。核保有5カ国、イスラエル、インド、パキスタンに続いて、北朝鮮、リビアなどの核兵器開発の動向も明らかにされ、また核開発の闇のネットワークの存在まで浮上した。しかし、こうした動きを、膨大な核兵器をもつ大国、あるいは核保有国の集団が、核と軍事力による威嚇で抑えるという政策は誤っている。
広島・長崎以降の核軍備競争の流れは、一方による核の威嚇が、他方による核兵器の開発・配備の誘因となることを証明した。その結果、軍事ブロック対立の激化とともに、核兵器も核保有国の数も増大し、「過剰殺りく」が問題になる状況をつくり出した。インドとパキスタンもまた同じプロセスをたどり、事実上の核保有国となった。
 いまも、この悪循環は形を変えて続き、核先制使用のドクトリンを採用する国がひろがっている。核兵器開発と核による威嚇をたがいに放棄したはずの米朝関係でも、北朝鮮を核攻撃の標的とした「核態勢見直し」から、一挙に北朝鮮によるNPT脱退の通告へと発展した。
 いま、世界世論の大勢は、どの国によるものであれ、また、どのような事情によるものであれ、新たな核兵器保有国の出現を拒否している。しかし核兵器禁止の普遍的で拘束力ある合意を否定しつづける限り、どのような「拡散防止」も特権的、あるいは差別的なものとなり、諸国間の対等を原則とすべき今日の国際関係を律するルールと相いれるものとはならない。
 とりわけ世界のほとんどの国が非核保有国としてNPTに加盟しているにもかかわらず、特定の核保有国が核兵器をふくむ軍事攻撃と威嚇によって、将来にわたって「もてるもの」と「もたざるもの」の不平等な構造を受け入れさせようとすること、そのために「予防攻撃」「先制攻撃」をもおこなうなどということは、世界をいっそう不安定にするだけである。

2005年NPT再検討会議の課題:核兵器全面禁止協定のために、すみやかな行動を


 2000年5月の再検討会議は、NPTのもつ矛盾を突破する重要な成果をおさめた。新アジェンダ連合、非同盟諸国をはじめ、核兵器廃絶の目標を分かつ国ぐにの誠実な努力によって、「核兵器の完全廃絶を達成するという全核保有国の明確な約束」を全体の合意としたことである。それは、人類社会の意思によって核兵器の廃絶が可能であることを示した。
 それから4年をへたいま、世界の大勢はさらに強く核兵器廃絶を望んでおり、そのために行動している。先の準備委員会では米国代表自身が、NPTの不拡散義務に違反しているのは「2、3の国」、「大多数の国はNPTの義務を誠実に守っている」と述べた。世界190余国のうちその大多数が「不拡散の義務」を誠実にまもっているもとで、核兵器全面禁止の普遍的で拘束力ある措置を正面から取り上げ、検討し、実行することが可能なはずである。
 前回の再検討会議以降の4年、とりわけイラクをめぐるこの間のできごとは、世界平和と安全は、ひとつの「帝国」の武力ではなく、諸国民の協力に支えられた「理性と法」の力によってのみ解決されるという教訓を与えた。1000万を超える人々が街頭にでて行動し、世界の大多数の政府がそれを支持したイラク反戦行動がそれを示した。
 この経験を確信とし、NPTのすべての締約国政府に、2005年NPT再検討会議を、核兵器全面禁止協定を直接の議題とし、その実現のプロセスや期限について検討し、合意する場とするようよびかける。国際政治の場での交渉が実りあるものとなり、2005年が核兵器廃絶への転換点となるよう、すべてのNGOが、核兵器のない世界のために努力している政府に連帯し、それぞれの国で核兵器廃絶を実現する力が築かれるよう、署名をはじめ多様な行動にとりくみ、協力を広げることをよびかける。




 
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