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談話原爆症認定新基準の施行にあたり真の被爆者救済を求める

2008年3月31日
原水爆禁止日本協議会
事務局長 高草木 博

原爆症認定新基準の施行にあたり真の被爆者救済を求める

 原爆症認定について、厚労省は4月1日から新基準「新しい審査の方針」を実施するとしている。今回の新基準の策定は、現在、全国15地裁、6高裁で係争中の原爆症認定集団訴訟で被告の国・厚労省が敗訴を重ね、これまでの基準の見直しを迫られたことによるものである。新基準が、これまでの切り捨て認定の根源であった「原因確率」を審査には用いないこと、また残留放射線の影響を認めたことは重要な前進である。

  しかし原告や被爆者団体が強く批判するように、新基準もまた重大な問題をもっている。「積極認定」の範囲を「爆心地より約3.5キロ」「100時間以内に約2キロ以内に入市」などと線引きし、対象疾病も悪性腫瘍、白血病などに限定している。「積極認定」以外については個別審査をおこなうとしているが、条件に推定不可能な被曝線量をあげるなど、判断基準について危惧せざるをえない。

  これまで厚労省は、「原因確率」にもとづき、爆発1分間の初期放射線の影響しか考慮せず、2キロ以内での直接被爆によるガン疾患など以外は機械的に切り捨ててきた。新基準では確かに救済の範囲が拡大するが、裁判で勝訴した原告でさえ「積極認定」の対象にならないケースがあることに見られるように、結局、新たな基準で機械的な切り捨てを繰り返すのではないかとの強い批判があるのは当然である。

 新基準の実施にあたっては、前文にいう「被爆者救済の立場」「被爆の実態に一層即したもの」が貫かれなければならない。被爆からすでに62年余が過ぎ、平均年齢も74歳となっている被爆者に残されている時間は多くない。しかも国・厚労省は、長年にわたる切り捨て行政に加え、「審査」の名で申請書類を放置したり、まともな個別審査もないまま却下するなどの仕打ちを重ねてきた。

 いま国・厚労省がおこなうべきは、これまでの「切り捨て」行政の深い反省の上に救済と被爆の実態を直視した行政への抜本的な転換をはかることである。明示的に「積極認定」の対象になっていない被爆者にも柔軟な判断によって救済をはかるとともに、実情に基づいて「積極認定」の枠を広げる方向を明確にするなど、転換の姿勢を示すべきである。

 救済の立場で認定を始めるといいながら、原告が放置されることは許されない。原告被爆者は、病苦をおして長い裁判をたたかい、過った認定行政見直しの原動力となった人々であり、ふたたび新基準で却下するような仕打ちは絶対にあってはならないことである。新基準での審査とは別に、厚労相がすべての原告の認定を決断し、裁判の早期・全面解決をするよう、あわせて強く要求する。



 
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