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運動方針「2008年度運動方針」
2008年全国理事会決定

核兵器のない平和で公正な世界のために:
2010年にむかって反核平和の世論と草の根行動をさらに前進させよう

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はじめに 
I. 一国行動主義の害悪と核兵器廃絶の大勢 
II. 「核の傘」からの脱却、非核三原則と憲法9条をまもる非核日本をめざして
III. 2008年度の運動方針

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はじめに

 21世紀に入って8年目を迎えたいま、無法な戦争と核脅迫、環境破壊、底知れない投機と経済格差の拡大など、人類の生存、世界の平和、諸国民の安全や暮らしを脅かす流れの転換を求めて諸国民の世論と運動が急速に広がっている。

 イラク攻撃を強行した勢力が各国で国民の支持を失い、地球温暖化バリ会議では消極的態度を取り続けた米国、日本などが批判を浴び、孤立を深めた。

 核兵器廃絶を求める動きは、いま新たな広がりを見せながら力強く発展している。国連総会でアメリカは核兵器から小型武器に至るすべての軍縮分野で妨害的態度をとり、惨めな孤立した姿をさらした。さらにアメリカやイギリスではかつて核政策の中枢に携わった人々をふくめ、「核兵器のない世界」を求める声がさらに広がっている。

 21世紀が、「力の秩序」や核脅迫によって世界を思い通りにできる時代でないことは明白である。「拡散」問題を含め、核問題の真の解決が核兵器全面禁止にしかないことは、いまや世界の圧倒的多数の声となっている。

 核兵器廃絶の「明確な約束」実行が問われる2010年の核不拡散条約再検討会議を焦点に、非核平和の世界をめざして大きなうねりを起こそうという決意が、世界のNGOの間でも、政府・自治体の間でも高まっている。半世紀にわたり、「核破局の危機」の下でも核兵器廃絶への「逆流」の下でも、唯一、核の惨禍の体験を持つ国民の運動として役割を果たしてきた日本原水協が、さらに大きな力を発揮することが求められている。国の内外で被爆の実相を知らせることを軸に、核兵器廃絶の世論と運動をいっそう発展させるために新たな決意で全力をあげよう。

 

I. 一国行動主義の害悪と核兵器廃絶の大勢

 「テロ」と「大量破壊兵器の拡散」を口実に、核脅迫と軍事力で「力の秩序」を押し付けるブッシュ政権の政策は、世界各地で深刻な破たんに陥っている。

 国際法と世論の反対を踏みにじって武力攻撃を強行したイラクでは、まもなく5年になろうとする今も何ら平和と安定が訪れないばかりか、膨大な犠牲と混乱を拡大し続けている。この犯罪的戦争を主導した勢力は、世界諸国民の強い批判の中で04年にはスペイン、05年にはイタリアで政権の座を失い、06年にはアメリカの中間選挙でも議会の多数派の座を失った。この流れはひき続き前進しており、昨年はイギリスのブレア首相が退陣を余儀なくされ、11月のオーストラリア選挙では保守党・ハワード政権が大敗した。

 ブッシュ政権は、イランにたいしても「核疑惑」を口実に世界的な包囲網を呼びかけ、核脅迫を含む軍事的脅迫を続けている。だが、この問題でも、昨年12月には自国の諜報機関がそろって「イランはすでに2003年に核兵器開発計画を放棄していた」との結論を下すなど、核拡散問題を口実にした軍事的対応は、破たんを見せている。

 また、テロや核拡散の危険を口実に自国の核軍備を正当化し、新世代核兵器の開発、ミサイル防衛体制などを強行するアメリカの姿勢は、他方で絶えず他の核保有国との緊張や新たな核拡散の誘引をつくりだしており、世界に広がる批判と核兵器廃絶の声をいっそう強いものにしている。

昨年12月の国連総会では、核保有国に核兵器の即時発射態勢を解くよう求める決議がはじめて提出され、米国の核が配備されているドイツ、イタリアの両国政府を含め139カ国の賛成で可決された(反対:アメリカ、イギリス、フランスの3カ国)。同時に採決に付された軍縮関係の決議では、核兵器廃絶をはじめ2000年NPT再検討会議で合意された13項目の措置の実行、核兵器廃絶にいたる交渉の即時開始など、新アジェンダ連合や非同盟運動の提唱する諸決議も、昨年をさらに上まわる賛成で可決され、他方で、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効、第4回国連軍縮特別総会(SSD4)の開催など、アメリカ一国だけが反対し、可決された決議は7本にのぼった。

 次期大統領選挙がたたかわれている米国でも、核兵器廃絶を求める動きが広がっている。昨年1月、「核兵器のない世界」を核保有国の共通目標にして、行動を起こすことを提唱したキッシンジャー元大統領補佐官など4氏の「よびかけ」は、イギリスのベケット外相(当時)など他の核保有国の閣僚などにも共感を広げたが、ことし1月15日に発表された第2次の「よびかけ」では、1960年代のケネディ政権以来の歴代政権で大統領補佐官、国務長官、国防長官を務めた大多数の閣僚経験者が支持を寄せていることが明らかにされた。

 こうした核兵器廃絶への共感の広がりの中で、世界の反核運動も、アメリカ大統領選挙の中でそれぞれの候補に核兵器廃絶の公約を迫る働きかけや署名、「核兵器のない世界のための地球サミット」の開催(2月16、17日、イギリスCND)など、2010年のNPT再検討会議に向けて多様な運動と世論構築のイニシアチブを強めている。

 次回NPT再検討会議で2005年の時のような妨害を許さず、核兵器廃絶への道を開かせるためにも、核兵器擁護論を徹底的に孤立させる圧倒的な核兵器廃絶世論をつくりだすために全力を挙げなければならない。

 

II. 「核の傘」からの脱却、非核三原則と憲法9条をまもる非核日本をめざして

 昨年7月の参院選挙での自民・公明両党の大敗とそれに続く9月の安倍内閣の退陣は、個々の政治腐敗、行政の失態への批判に留まらず、アメリカの覇権主義への追随、日米同盟強化と改憲、財界・大企業のいいなりに格差社会を推進する自公の古い政治的枠組そのものへの国民的批判と破たんとを示すものであった。

 参議院で与党が過半数を大きく割る新たな状況の下で、自公はすべてを数の力で押し通すことはできなくなり、この間、参議院が「イラク特措法」の廃止を可決し、「新テロ特措法」を否決するなど、新たな状況が生まれた。また、国民的批判の広がりの中で福田政権は、靖国参拝を控えるとし、憲法改悪でも小泉・安倍政権とおなじ対応は取れなくなっており、原爆症認定問題でも従来の審査方針を見直さざるを得なくなっている。

これらの変化は、核兵器廃絶と平和の問題でも国民生活の問題でも、大局的には運動と国民世論の広がりによって日本の進路に歴史的転機をつくりだすことが可能な、新たな状況を迎えていることを示すものである。

 他方で福田内閣は、「核の傘」や米軍基地再編強化・自衛隊の一体化など基本的な問題で、これまでの自公政治を踏襲し、被爆国であり憲法9条を持つ国としての国際的な責務にそむく行動をとり続けている。

 昨秋の国連総会軍縮審議でも日本政府は前年に続いて、核保有国に「核兵器廃絶」の実行を求めず、核の先制使用や非核保有国への核攻撃や核威嚇にも反対せず、核兵器廃絶交渉を提唱するマレーシアなどの決議にはわざわざ「時期尚早」などと水をさす態度をとった。

 また、米軍が不法な占領と殺りくを続けるイラクに自衛隊を派遣し続け、アフガン「報復」戦争でも、国民的な批判にもかかわらず、一度は参議院で否決された「新テロ特措法」を自公の横暴な数の力で強行した。他方、「新テロ特措法」の問題では民主党もアメリカへの思惑から自衛隊の海外派兵を恒常化する対案をだすなど、危険な動きも強まっている。

 こうしたもとで日本を非核・平和の方向に前進させるためには、ひきつづき反核平和の運動、とりわけ原水協に結集する全国の運動が共同を広げ、草の根の活動を強めることが決定的に重要である。すでに、昨年4月、日本原水協が「非核の政府を求める会」とともによびかけ、各界の広範な人びとと共同提唱した「非核日本宣言」のよびかけは、335名の首長、248名の市町村議会議長の賛同、130自治体の意見書決議へと広がった。また、全国で、原子力空母の母港化にストップをかける住民運動(横須賀)、米軍基地再編強化に反対する岩国、座間、沖縄などの運動、米艦船の寄港に反対し、33年目を迎えた非核「神戸方式」の採用を要求する運動などが粘り強くたたかわれている。

 日本の進路を問う総選挙の動き、G8サミットの開催と日本の役割など、戦争と平和、核兵器の廃絶、国民生活と日本の進路をめぐって日本政府の態度が大きく問われる情勢の下で、日本原水協は、核兵器廃絶の世論を広げる国際的役割とともに、「核の傘」から離脱した、核兵器廃絶を推進する日本を実現するためにも、そのための国民的コンセンサスを広げる諸行動を草の根から精力的に発展させなければならない。

 

III. 2008年度の運動方針

 核兵器の廃絶は、いまなお人類の生存に関わる緊急かつ死活の課題であり、各国政府、とりわけ核保有国政府は、2000年5月にみずから合意した「核兵器廃絶の明確な約束」をすみやかに実行する責任を負っている。日本原水協は、その約束実行が問われる次の重要な機会である2010年のNPT再検討会議にむかって核兵器全面禁止・廃絶の全人類的なコンセンサスをつくりだすことを反核平和団体、NGO、自治体、政府をはじめ世界のすべての人びとによびかける。そのために「核兵器のない世界」をめざす国際的な共同キャンペーンを提唱し、協議を開始する。

 日本政府に対して被爆国の政府として誠実に核兵器廃絶の努力の先頭に立つよう求めるとともに、非核三原則と憲法9条を誠実に実行する日本、武力行使や核の威嚇に反対して平和のために努力する日本を実現するため、草の根の行動と広範な国民各層との協力を発展させる。

1、核兵器全面禁止・廃絶の世論と行動を発展させるために

1) 核兵器のない世界のための国際行動キャンペーン

 2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議が核兵器廃絶の道筋で合意し、実行に踏み出すものとなるよう、「核兵器のない世界のための国際行動キャンペーン」を提唱する。この「キャンペーン」は、原水爆禁止運動の伝統と教訓に立って、「核兵器廃絶」を共通の課題とし、「署名」「原爆展」などを共通の行動形態として、草の根の核兵器廃絶世論を発展させる国際的な共同行動である。このキャンペーンの中で、日本原水協は被爆国日本の運動そして国際的な共同を発展させるとともに、とりわけ日本国民の中で核兵器廃絶を、世代を超えたコンセンサスとして発展させるために全力を挙げる。

◇ 「すみやか」署名をひき続き全国で発展させるとともに、2008年世界大会を機に、誰でも、どこでも、いつでも取り組める運動として次回NPT再検討会議に提出するための新たな「署名」運動を提唱する。 
◇ 各国の政府、自治体、NGOなどに原爆展の開催を広くよびかけ、多様な形態での共同開催を追求する。また、8月6日/9日や国連軍縮週間を中心に全国の自治体、公的機関、被爆者、市民団体などに原爆展、被爆体験を聞く会などの開催や共催を提唱し、核兵器廃絶の世論喚起と被爆体験の継承を促進する。 
◇ 国際的に、共通の取り組みとして発展させるために、日本原水協の提唱を広く普及し、協議を発展させる。2010年5月、NPT再検討会議開催の日を視野に、ニューヨーク行動および核兵器廃絶を共通の目的とした世界的な草の根共同行動を追求する。 
◇ 2008年世界大会に向かって、「キャンペーン」を豊かにするための歌やポスターデザイン、その他の創意的な運動をよびかける。被爆組写真やその他の展示資材、視聴覚資材の製作や活用についてただちに検討を開始する。

 2) 2月にイギリスCNDが主催する「核兵器廃絶サミット」(16,17日ロンドン)、4月のNPT再検討会議第2回準備委員会(ジュネーブ)、7月のG8洞爺湖サミット、秋の国連総会にむけて代表の派遣、提言の発表、国民的な世論喚起の行動などを準備し、取り組む。 
 G8洞爺湖サミット開催に当たって、日本政府にたいして核兵器の廃絶を提唱し、合意と実行を追求するよう申し入れる。G8サミットは世界の政治経済に巨大な影響を持つ国々のサミットであるにもかかわらず、核兵器に関してはこれまでもっぱら「不拡散」のみを追求し、核軍縮・核兵器廃絶のイニシアチブを放棄し続けてきた。サミット開催国であり、世界唯一の被爆国である日本の政府がこうした状態を打開し、2010年に向かって核兵器廃絶のために努力を傾けることは当然の義務である。 
 また、サミットとサミット参加各国政府に対しても、それぞれの国のNGOとも協調しながら同じ主旨の働きかけを行う。北海道原水協やその他の団体と協力して、サミットに向けた原爆展や被爆体験を聞く会などの開催を検討する(6月20,21日、札幌)。

 3) 毎月の6・9行動を、すべての地域原水協が取り組む全国的な統一行動として重視し、「すみやか」署名、被爆者援護募金、被爆写真の展示をはじめ、多様な形態で取り組み、発展させる。

2、危険な日米同盟強化を許さず、「核の傘」の離脱、9条と非核三原則厳守を要求する

 1) 日本政府に、核兵器廃絶と非核三原則を「非核日本宣言」として国際的に宣言し、すべての国に通告するよう要求する。非核自治体宣言や核持ち込みを許さない行政に取り組む自治体をはじめ、全国の自治体の首長、議長、議会、住民によびかけ、文字通り全国に広がる非核日本のコンセンサスを築き、強める。国会決議も展望し、それぞれの地域や選挙区で広範な各層の人びとと協力して、国会議員への働きかけを広げる。 
 「非核自治体宣言」運動や地域の被爆者を支える活動と同様、「非核日本宣言」の住民世論をつくり出すことは被爆国日本で活動する地域原水協の存在理由にかかるものであり、それぞれの地域原水協の役割を発揮するよう全力をあげる。 
 意見ポスターや意見広告、平和行進と結びつけた要求ハガキなど多様な形態で国民的な普及を促進する。

 2) 北朝鮮の核開発などを利用して、「核の傘」「拡大抑止」などの名で日本をアメリカの核攻撃体制に組み込む動きが急速に進行している。これらの動きの危険性を広く国民に知らせるとともに、原子力空母の横須賀母港化、イージス艦や核積載可能艦船の配備・寄港、日本を米国の先制攻撃戦略に組み込む「ミサイル防衛」計画や迎撃ミサイル、Xバンドレーダーの配備などに反対し、自治体・住民ぐるみの運動を発展させる。非核「神戸方式」を普及し、それと結びつけて日本政府に「非核日本宣言」を迫る世論を広げる。米軍基地の拡大強化、自衛隊の一体化に反対する全国の運動と連帯する。

 3) イラクやアフガニスタンでの米軍の殺りくに加担する航空自衛隊の派遣継続、インド洋への海自給油艦の派遣に抗議し、即時撤退を要求する。自衛隊の海外派兵「恒久法」をやめさせ、憲法遵守を要求する。

 4) 「核の時代」に戦争と武力を放棄した日本国憲法の先駆性を広く知らせ、原水爆禁止運動の広範な広がりの上に立った運動を発展させる。5月4、5の二日間、千葉・幕張で開催される「9条世界会議」や関連諸行事に参加・賛同し、自主企画「原爆と9条」に取り組む。

3、原爆症認定訴訟、被爆者援護連帯の強化

 1) 全国15地裁、6高裁で続いている原爆症認定集団訴訟のたたかいは、広範な国民的支援を背景に、国に現行の認定審査を「全面的に改め」、「迅速かつ積極的な認定」を言明させるなど、重要な前進を納めている。同時に、この認定訴訟は、裁判の原告に留まらず、原爆被害を軽く、小さく見せるこれまでの誤った行政を正させ、被爆の実態、被爆者の実情に即した救済を実現させるためのものであり、被爆者の間に線引きをし、救済範囲を恣意的に狭めるものであってはならない。 
 日本原水協は、この間のたたかいの成果を確信とするとともに、あくまで被害の実態に即した救済を要求して、ひきつづき被爆者のたたかいを支援する。国にこれまでのすべての控訴の取り下げを要求するとともに、現在たたかわれている訴訟の全面勝利を目指し、裁判傍聴、宣伝、署名、募金、中央行動や対政府行動などを支援する。 
 現在取り組まれている「緊急100万人署名」の取り組みを全国でさらに広げ、3月10日までに原水協が設定した50万筆の目標を達成する。ひき続き、認定行政の抜本改定を求める自治体の意見書決議を推進する。 
 これまでの切り捨て行政のために申請を断念した多くの被爆者に、たたかいの前進と成果を伝え、全国的に原爆症認定申請への援助を強める。そのために中央、地方で被爆者団体や医療機関など、関連諸団体との連携を強化する。

 2) 被爆の実相を伝え、核兵器廃絶の世論を高めることは日本原水協のもっとも基本的な活動のひとつである。その具体的活動として2010年のNPT再検討会議に向けて、被爆者団体、自治体、学校、社会教育諸施設、そのほかさまざまな階層・団体と協力し、すべての自治体で原爆展、被爆者訪問、被爆体験を聞く会や被爆映画を見る会など、被爆体験の普及と継承の活動を計画し、取り組む。そのために、全国的にも被爆者援護・連帯部を中心に、被爆者や各分野の専門家・専門団体との連携、資材の製作・普及、取り組み促進などの推進体制を確立する。

 3)若い世代の「被爆体験の継承と発信」の取り組みを、被爆国日本の青年たちが国際的に担うべき運動として重視し、全国運動として発展するよう援助する。世界大会や「世界青年のつどい」、「ビキニデー」などを節目として、被爆者訪問、学習会や交流会の開催を援助し、全国的、国際的な交流の機会を充実させる。

 4) 被爆者の高齢化が進むなかで、被爆者が生活し、活動する地域での網の目援護体制の確立はいよいよ重要になっている。対応する被爆者団体との日常的な協議・連携を密にし、被爆者団体への支援、自治体や議員、医療機関などと連携したきめの細かい支援の取り組みを確立する。 
 被爆者援護2000万円募金をすべての原水協と加盟団体が日常的に取り組む活動として位置づけ、募金箱やシールなどを活用した職場や事業所、地域などでの取り組みを強化する。各地で取り組まれている原爆症認定集団訴訟や被爆者健診など全国の取り組みの実情をより正確に反映できるよう、集約方法を改善する。同時に、被爆地広島、長崎の被爆者運動、日本被団協などを支援することは日本原水協の全国的責任であり、そのための募金の納入も強化する。

 5)海外の核被害者との連帯を強める。劣化ウランなど核物質の軍事利用に反対する。六カ所村の再処理、MOX燃料計画、廃棄物の埋め立て処理計画など危険な原子力行政に反対する。中越沖地震による柏崎・刈羽原発の被害は、あらためて今日の原子力行政の危険性を浮き彫りにした。新たな原発建設に反対するとともに、原子力施設の総点検と結果の公表、原子力行政の抜本的見直しを要求し、住民の運動との連帯を強める。代替エネルギー開発と原子力エネルギーからの段階的撤退を要求する。

4、2008年3・1ビキニデー、国民平和大行進、2008年世界大会の成功へ

 1) 2010年のNPT再検討会議に向けた2年間の大運動のスタートを切る重要な場として2008年3・1ビキニデーを大きく成功させる。08年3・1パンフ「いま行動のとき」を普及し、いま計画されている原水協学校をはじめ、全国で学習、討論に取り組む。 
 土日という条件を活かし、3・1ビキニデー集会(土)、2日の日本原水協全国集会(日)、1日の「世界青年のつどい」をはじめ、一つひとつの行事を2年間のキャンペーンの出発にふさわしい規模で成功させる。

 2) 50周年を迎える国民平和大行進を、文字通り初心を活かした国民的な行動として大きく成功させる。自治体や教育委員会などの公的機関、核兵器の廃絶を願う広範な団体、寺院・教会などさまざまな宗教・文化団体などに参加、協賛、メッセージなどよびかける。そのために、行進を紹介し、参加をよびかけるリーフレットを作成する。50周年を記念する行進として、文字通りすべての自治体を歩く行進とするよう全力を挙げる。 
 50周年記念行事の一環として、日本の行進とおなじ年に開始されたイギリスの平和行進に行進団を派遣する(3月下旬、グリーナムコモン⇒オルダーマストン、要綱参照)。 
海外からの行進参加を呼びかけ、50周年を記念する特別行事を企画する。 

 3) 2008年世界大会を成功させることは、2010年NPT再検討会議にむかって被爆地広島・長崎から運動を発進させ、また、全国的な運動を結集、発展させる上で2008年の活動全体にとってもっとも重要な取り組みである。 
 日本原水協は、この大会が、①政府、自治体、その他の公的機関やNGO、草の根のさまざまな運動、個人が思想信条を超えて共同し、交流する大会、②被爆の実相と被爆者の願いを伝え、「核兵器のない世界」への大きな合意と道筋、共同の取り組みを広げる大会、③すべての世代が人類生存のために連帯し、すべての参加者が役割を果たせる大会、とりわけ若い世代の人びとが未来に希望を育める大会とするために全力を挙げる。 
 2010年のNPT再検討会議を前にして2008年世界大会には、世界の世論を動員し、国際政治を核兵器廃絶の方向に実際に動かす大きな活力とイニシアチブの発揮が求められている。その成功のためにも大会の構想をはじめ、大会準備のテンポを速め、これまでの枠を超えた広範な人びと・団体への呼びかけ、大会パンフに基づく学習や討論、署名と募金など、早い時期から代表派遣に取り組むことが重要である。

5、日本原水協の組織、財政、事業活動の強化・発展のために

 1) ひき続き、すべての都道府県原水協、加盟団体・個人役員が出席し、発言する日本原水協の機関運営を重視する。核兵器廃絶、被爆者援護で協力できるさまざまな団体、研究者・専門家・文化人などとの協力を広げる。原水協学校やさまざまな催しでの講師やパネリスト、原水協通信やホームページ、パンフレットなどの編集など、具体的諸分野で、より専門的な知識や意見を結集・反映できるよう努力する。当面、2010年に向けた全国的活動を促進する大動脈として「原水協通信」を重視し、全国で読者を拡大する。 

 2) 2010年にむかって地域原水協を活性化し、都道府県原水協を拡大強化することを組織活動の重点課題とする。当面の3・1ビキニデーを皮切りに、6・9行動、国民平和大行進、世界大会への代表派遣などを通じてすべての市区町村に地域原水協をつくり、活性化をはかる。北海道七飯原水協など、各地の優れた経験に学び、団体とともに個人会員を増やし、一人ひとりの創意、善意、エネルギーを生かした原水協づくりを重視する。都道府県原水協への団体・個人の結集と財政活動の強化をはかり、日常的な活動へのより若い世代の人びとの参加を広げる。 
 各地の優れた経験に学びながら、世界大会への代表派遣、資材の普及、ちひろカレンダーなど一つひとつの取り組みを財政作りに結びつけ、強固な財政基盤を築き上げる。

 3) 第4四半期の適当な時期に、都道府県原水協事務局長会議ないし組織強化を目的とした全国会議を開催する。



 
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