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  米国防大学国家戦略研究所(INSS)特別報告書
米国と日本: 成熟したパートナーシップに向けて (2000年10月)

この報告について

 この報告の内容は、米日協力にかんする研究をおこなった超党派グループのメンバーによる全会一致の見解である。本報告は、政治文書ではなく、本研究グループメンバーの見解を反映したものにすぎない。本報告は、たんに、アメリカにとって不可欠と考えるアジア関係に、一貫性と戦略的方向を与えようと試みるものである。
研究グループは以下のメンバーで構成されている。リチャード・L・アーミテージ(アーミテージ・アンド・アソシエーツ)、ダン・E・ボブ(ウィリアム・V・ロス二世上院議員事務所)、カート・M・キャンベル(戦略国際研究センター)、マイケル・J・グリーン(外交関係評議会)、ケント・M・ハリントン(ハリントングループLLC)、フランク・ジャヌージ(上院外交関係委員会民主党スタッフ)、ジェームズ・A・ケリー(戦略国際研究センター・太平洋フォーラム)、エドワード・J・リンカーン(ブルッキングス研究所)、ロバート・A・マニング(外交関係評議会)、ケビン・G・ニーラー(スカウクロフト・グループ)、ジョゼフ・S・ナイ二世(ハーバード大学・JFK政治学部)、トーケル・L・パターソン(ジオインサイト)、ジェームズ・J・プリジスタップ(国防大学・国家戦略研究所)、ロビン・H・サコダ(サコダ・アソシエーツ)、バーバラ・P・ワーナー(フレンチ・アンド・カンパニー)、ポール・D・ウォルフォウィッツ(ジョンズ・ホプキンス大学・ポール・ニッチェ国際研究学部)。

 本報告で表明または示唆された意見、結論、勧告は、著者たちのものであり、必ずしも国防大学、国防総省、その他の政府機関または非政府組織の見解ではない。

 アジアは、歴史的変化が起こっている過渡期の混乱のなかで、アメリカの政治、安全保障、経済をはじめとする利害の相関関係において重要な位置を占めるべき地域である。世界人口の53%が住み、世界経済の25%を占め、アメリカとの間に年間6千億ドル近い貿易をおこなっているアジアは、アメリカの繁栄にとって死活的に重要である。政治的にみて、日本からオーストラリア、フィリピン、韓国、台湾、インドネシアまで、アジア地域の国々では、民主主義の価値がもつ普遍的な魅力が証明されている。中国はいま、きわめて重要な社会・経済の変化に直面しており、今後の成り行きはまだ明らかではない。
欧州で大規模な戦争が起こる可能性は、少なくともむこう30年は考えられないが、アジアで紛争が起こる見通しがないとはとても言えない。この地域には、世界でも最大級で最も近代的な軍隊をもつ国、核保有大国、そして核保有能力をもつ国が数カ国存在している。アメリカを大規模な紛争に直接巻き込みかねない対立が、朝鮮半島や台湾海峡において一瞬のうちに起こりかねない。インド亜大陸は、重大な一触即発の危機が起こりうる地域である。それぞれの地域が、戦争が核戦争へとエスカレートする可能性を十分もっている。さらに、世界第4位の人口を有するインドネシアで続いている混乱状態は、東南アジアの安定をおびやかしている。アメリカは、依然としてアジアの事実上の安全保障機構をなしている一連の二カ国間安全保障同盟により、この地域と結びついている。

 こうした将来性を有しながらも潜在的に危険な状況のなかで、米日の二国間関係はこれまで以上に重要となっている。世界第二位の経済力と十分な装備をもつ有能な軍隊を有し、また、アメリカにとって民主的同盟国である日本は、アメリカのアジアへの関与において今後もかなめ石の役割を果たす。米日同盟は、アメリカの地球的安全保障戦略の中心である。

 日本もまた重要な変化を経験している。大体はグローバル化によって余儀なくされたものであるが、日本は、第二次世界大戦の終結以来最も大きな社会的・経済的変化のただなかにある。日本の社会、経済、国家としてのアイデンティティー、国際的役割が遂げつつある変化は、明治維新に経験した変化に匹敵するほど根本的なものとなる可能性をもつ。

 この変化がどのような結果をもたらすかは、まだ十分に把握できない。西洋諸国が、明治維新が生み出した近代国家日本の潜在能力を大きく過小評価したのと同様に、ただちに目に見える形では現れてはいないが、いま日本に起こりつつある、当時に劣らないほど深い変化を、多くの国々が無視している。アメリカにとって、21世紀に米日同盟を維持し強化するカギは、日本で進行中の変化の結果を予測する形でわれわれの二カ国間関係を作り直すことにある。
第二次世界大戦終結後、日本は、アジアで建設的な役割を果たしてきた。高い教育を受け、積極的に参加する有権者をもつ成熟した民主国家として、日本は、政権の変化が平和的におこなわれうることを実証してきた。日本政府は、この地域全体において、率先的な外交をおこない、経済的に影響を与えることにより、地域の安定の促進と信頼の醸成に寄与してきた。

 1990年初頭のカンボジアでの国連平和維持活動への日本の参加、多岐にわたる防衛分野での交流と安全保障問題の対話、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムへの参加、新たに作られた「プラス3」グループなどは、日本政府の積極的活動の高まりを裏付けている。最も重要なことは、日本がアメリカと結ぶ同盟が、地域秩序の基礎としての役割を果たしてきたことである。

 ここでわれわれは、米日関係の6つの主要な要素を検討し、21世紀に耐え得る同盟の基礎の構築を目的とする、超党派の行動課題を検討した。
 

冷戦後の傾向

 広範な西側同盟のパートナーとして、アメリカと日本は協力して、冷戦に勝利し、アジアに民主主義と経済的チャンスの新しい時代をもたらすために寄与した。しかしながら、この勝利を分かちあったのち、両国が真の脅威と潜在的危険に直面しているにもかかわらず、米日関係は進路を踏み迷っており、焦点と一貫性を失っている。
ソ連の封じ込めという戦略的な束縛からいったん開放されると、米日政府はともに、二カ国間同盟が現実にも実際の上でも、また緊急に必要としているものにも、目を向けなかった。具体的共同と明確な目標設定の代替案を見つけようと善意の努力がなされてきたが、話し合いは散漫で、共通の目的を明確に定義することができていない。
国際安全保障の新しい概念を試そうとする努力は断続的にしかおこなわれておらず、二カ国間の安全保障の結びつきを再定義し再活性化する上で目に見える成果はあがっていない。

 どちらの国においても、この焦点と計画の後に続く行動は明らかに欠落している。日本では一部の人々が「アジア化」の方向に傾いており、経済的相互依存関係と多国間制度により、アジアが欧州と同様の道のりをあゆむことに期待をかけている。アメリカでも多くが、冷戦の終結を、経済の優先課題にふたたび立ち戻る機会ととらえている。
1990年代初期は、おもに日本市場へのアクセス問題をめぐって、二カ国間の緊張が最も高まった時期であった。アメリカの中には、日本からの経済競争を脅威と見た者もいた。しかしこの5年間で、貿易摩擦は減少している。日本経済の大いなる成功に寄せられた羨望と関心は、日本の不況と高まる財政危機を前に落胆に変わっている。
米日どちらも、同盟を再定義し再活性化する必要性に応えていない。それどころか両国とも、米日同盟を存在してあたりまえのものととらえていたのである。同盟に生じていたこのずれは、朝鮮半島をめぐる危機に米日両国政府の政策立案者が注目した1990年代中ごろ―ちょうどこの頃、沖縄で恐ろしいレイプ事件があったが―には明らかになっていた。こうした出来事をへてようやく米日政府は、両国関係を軽視してきた代償に気づいたのである。そのあと1996年3月台湾海峡で生じた対立が、太平洋の両側に位置する両国に、この二カ国間安全保障同盟を再確認するさらに強いきっかけを与えることになった。

 1996年の米日安全保障共同宣言は、両国政府の目を同盟刷新の必要性に向けさせる上で大いに効果を発揮し、米日防衛協力のガイドラインの改定、沖縄特別行動委員会(SACO)1996年報告、戦域ミサイル防衛の共同研究の合意といった形で、防衛面の結びつきを刷新する具体的な変化につながった。しかし、1996年宣言は、高いレベルにおける継続した注目をもって支持されることなく、その象徴的意義だけが孤立していた。その結果、アメリカと日本の政策調整はすぐに、揺らいで不十分なものへと戻ってしまった。
米日関係の悪化がもたらした損失は、潜行性のものもあるし、明らかなものもある。1990年代の終わりには、アメリカの多くの政策立案者たちが、自己再生能力に欠けると写った日本に興味を失っていた。確かに、日本の長引く不況により、日本の政府関係者の中にさえ落胆し、意気消沈する者が出ている。
日本政府の多くが、アメリカ政府は、傲慢で、自国の処方箋がすべての国の経済、政治、社会的ニーズに当てはまるとは限らないことを認識する能力に欠けていると見ている。政府関係者とオピニオンメーカーの多くが、アメリカのやり方を、自国の商業・経済にだけ利益をもたらすことの正当化だと見ており、自己中心的なグローバル化に没頭しているかのようなアメリカに恨みをつのらせている。

 明らかにアメリカの目と関心は、アジアのほかの地域に注がれてきた。もっと最近の例では、アメリカの政策立案者は、中国との二カ国関係に主要な焦点をあててきた。この関係は、1989年の天安門での民主化を求める運動以後続いている一連の危機的状況により特徴づけられている。アメリカ政府も日本政府も、1996年宣言がうちだした安全保障の課題を積極的に後追いするようなことはしていないが、これは大体において、米日の安全保障協力の再活性化にたいする中国政府の敵対的な対応を懸念しているためである。
中国政府は、この米日協力を、中国の地域外交に制約を加えようとするアメリカ政府のより広範な政策の重要な要素であるとみなしていることを、はっきりと表明してきた。これにたいしアメリカは、またそれほど強い調子ではないが日本も、中国との関係修復に努めるなかで、封じ込め戦略の概念を重要視しないという明確な意志を示している。
実際、安全保障問題に関し米日が唯一積極的におこなってきた対話は、北朝鮮を説き伏せて鎖国的状態から抜け出させたいという願望の副産物にすぎない。アメリカ、日本、韓国はすべて、緊密な協力関係や目的の統一が、北朝鮮政府に対応する上で最も効果的な戦略だという点で同意している。

 これまで見られてきたこのような違い、不明確さ、遠まわしなやり方の原因は一つではないし、単純化しすぎて誰かにだけ罪を着せようとする者でもない。むしろ必要なのは、米日同盟を改善し、再活性化し、焦点をしぼりなおすことに、新たに注意を向けるべき時が来ていることにたいする認識である。

 米日両国とも、国政の転換と重要な変化が起こっている時に、不確実なアジアの安全保障環境に直面している。アメリカでは新しい政権出発の時であり、日本では依然として政治、経済、社会の面での構造的変化が続いている。同時に、中国とロシアの政治・経済の行く手の不確実さ、朝鮮半島における緊張緩和の現実がかかえる脆さ、インドネシアで続く社会不安といったすべてが、両国に共通の難題を投げかけている。

 日本は再生不可能な衰退期にある「消耗資産」だと論じる者がいるが、思い出して欲しいのは、ほんの10年前には、国際社会におけるアメリカの力は衰退していると誰もが信じきっていたことである。むこうみずにも、日本の力の耐久性を過小評価してしまえば、1980年代と90年代に日本の一部の者があさはかにも、アメリカの潜在力と持久力を見逃してしまったのと同じ失敗を繰り返すことになろう。
 

政治

 この10年間、自由民主党は、内部の分裂、従来の利益集団が追求する課題同士の衝突、主要な支持者内での分裂の広がりに直面し、崩れつつある権力の座にしがみつくことに主な力を注いできた。同時に、野党勢力も、信頼性があり、慎重に練られた政策を提案できずにいる。よって、自民党は政権にしがみつくことに腐心し、野党側は代替案を提供できず、日本国民は、自民党に代わる信頼できる指導者がいないため、しかたなく自民党を選んでいるというのが現状である。この結果は、機能せず、場当たり的政策しかとれない政府をもたらしている。

 しかしながら、国際経済のグローバル化の容赦ない圧力により、経済の改革と再編は必然とされており、これが政治の変化につながるであろう。こうした経済的な力が、「鉄の三角形」―これまでの政治家、企業、官僚による共謀関係―と呼ばれる独占勢力を崩し、支配力を分散させている。日本の政治秩序は、長引く変化を経験している最中である。
日本の政治的変化は、米日関係の再活性化にとってこれまでにない機会をもたらしうるもので、同時に、この関係がさらに試される機会でもある。二極に分かれた思想の対立は日本の政治において終わり、選出された若い世代の議員の間に、安全保障問題について新たな実用主義的考えが台頭していることで、指導部づくりへ向けた創造的な新しいアプローチを生み出す土壌が整ってきている。

 現在の指導部が突然、改革を支持したり、世界規模の舞台においてより大きな責任を引き受けるなどと期待するのは非現実的であろう。日本の国会の制度上、長期的利益と引換えに短期的な痛みを必要とするような政策の実行は難しい。日本の政治制度はリスク回避型である。しかし、新しい世代の政治家と国民全体も、経済力だけでは日本の将来が保証されないことを認識している。さらに、日本国民が、国旗と国歌に公式の地位を与えたり、尖閣諸島の例にあるように領土権に目を向けていることは、国家の主権と領土の保全が新たに重んじられていることを示す実例である。こうした変化が米日関係にもたらす意味合いは大きい。
アメリカでも同様の変化が進行中である。議会の役割が外交政策における一勢力として増大しており、州・地方政府の影響力も増している、また、技術と個人の権限と能力の強化により推進された劇的な変化が民間セクターの間でみられ、経済的変化の起爆剤となっており、こうした変化が、かつて中心的役割を果たした外交政策立案の諸機関の影響力を変化させているのである。
 
 しかし、日本のリスク回避型政治が日本経済の変革を阻害してきたように、アメリカ政府から明確な方向付けがないことも損失をもたらしてきた。気まぐれな大統領府のリーダーシップは、アメリカの対日関係について、十分吟味した計画を作り出すことができなかった。これが一方では、米日同盟の重要性についての政治的支持と国民の理解を加速的に掘り崩してきたのである。端的に言うと、アメリカで進行中の政治、経済、社会的変化は、外交問題における大統領府の指導力をいっそう必要としているのである。
アメリカが、日本との関係において指導力を、つまり、傲慢になることなしに卓越性を発揮することができるなら、両国は過去50年間培ってきた協力関係の潜在力を全面的に実現することができるようになろう。日本で進行中の変革が最終的に、より強く、より対応力の高い政治・経済システムの誕生につながるなら、米日関係の相乗効果により、今後、地域および全世界的舞台において、積極的に関与し、相互に支援し、根本的に建設的な役割を果たす両国の能力は高まるであろう。

安全保障

 アジアにおける利害関係が非常に大きいことから、アメリカと日本は緊急に、21世紀の両国関係に関して共通の認識とアプローチを発展させる必要がある。アジアにおける紛争の可能性は、目に見える、そして「真の」米日防衛関係により劇的に低減した。日本が提供している基地の使用により、アメリカは、太平洋からペルシャ湾にいたるまでの安全保障環境に影響を与えることができている。共同防衛計画の基本である米日防衛協力指針(ガイドライン)の改定は、太平洋をまたぐこの同盟で日本が果たす役割の増強に向けた、上限ではなく、基盤とみなすべきであり、しかも、冷戦後の地域的状況の不確実性は、二カ国間の防衛計画によりダイナミックな取り組みを必要としている。
日本が集団的自衛権を禁止していることは、同盟間の協力にとって制約となっている。この禁止事項を取り払うことで、より密接で、より効果的な安全保障協力が可能になろう。これは日本国民のみが下せる決定である。アメリカは、これまでも安全保障政策の特徴を形成する日本国内の決定を尊重してきたし、今後もそうすべきである。しかし、アメリカ政府が明確にしなくてはならないことは、日本がより大きな貢献をおこない、同盟のより対等なパートナーとなる意志をもつことを歓迎するということである。
われわれは、アメリカとイギリスのあいだの特別な関係を、米日同盟のモデルと考えている。そのためには、次のような要素が必要である。
* 防衛への誓約の再確認。アメリカは、日本と、尖閣諸島を含む日本の行政上の管轄下にある地域の防衛にたいする誓約を再確認すべきである。
* 改定された米日防衛協力のためのガイドラインの誠実な実行。これには、有事立法の成立も含まれる。
* アメリカの三軍すべてと日本の全自衛隊との力強い協力。アメリカと日本は、軍事施設の共同使用を高め、演習活動の統合に向けて努力すべきであり、1981年に合意された軍隊の役割と任務の再検討と更新をおこなうべきである。両パートナー国は、旧式の訓練のやりかたの踏襲ではなく、実戦なみの訓練に時間と努力を注ぐべきである。また、国際的テロや国境を越えた犯罪活動などの新たな問題や長年にわたる潜在的脅威に対応するにあたっての相互支援のあり方、平和維持・平和構築活動における協力のあり方を定義すべきである。
* 平和維持・人道的救援活動への全面的参加。日本は、1992年に自ら課した制約を取り払い、他の平和維持活動参加諸国に負担をかけないようにする必要がある。
* 用途が広く、機動性、柔軟性、多様性に富み、生存能力の高い軍隊づくり。その調整は、どのようなものでも、たんに理論上の数に基づくものでなく、地域的安全保障上の環境を反映すべきである。こうした過程のなかで、戦力構成に加えられる変更は、協議と対話を通じた、またお互いが合意可能なものであるべきである。アメリカは、技術的変化と地域的な情勢の進展を利用して、日本列島における米軍プレゼンスを再編すべきである。われわれの能力が維持できる範囲で、日本における米軍の足あとを縮小するよう努力すべきである。これには、引き続く米軍の整理統合や、1996年の沖縄にかんする米日特別行動委員会(SACO)合意の実施などが含まれる。
* 日本がアメリカの防衛技術を優先的に利用できるようにする。防衛技術は、米日同盟全体の不可欠な構成要素とみなされなければならない。われわれは、アメリカの防衛産業を奨励して、彼らが日本企業との戦略的同盟を結ぶことで、最先端の軍事的および両面利用技術の双方向の流れを促進するべきである。
* 米日のミサイル防衛協力の範囲の拡大。
 こうしてわれわれが日本により大きな役割を提唱することにより、両国で健全な議論がおこなわれるであろう。そうした議論がすすむなか、アメリカ政府関係者と議員は、日本の政策がアメリカの政策に必ずしもすべての側面で一致するわけではないことを認識せざるを得なくなるだろう。いまや、責任分担を権力の分担に発展させる時期が来ており、これはつまり、アメリカの次期政権は、この権力分担の実現に必要となる時間を相当費やさねばならないことを意味している。
 

沖縄

 在日米軍の大部分(約75%)は沖縄に集中して駐留している。これは安全保障上および距離的な事情によるものである。沖縄は東シナ海と太平洋の中間地点に位置しており、朝鮮半島、台湾、南シナ海からそれぞれ飛行機で1時間足らずの距離にある。米空軍嘉手納基地はこの地域全体へのアメリカの軍事力投入のための重要な連結地点となっている。これはまた日本の防衛にとっても重要である。沖縄駐留の米海兵隊第三遠征軍は、この地域において、非戦闘員の避難から侵略撃退のための大規模隊形を可能にする最前線戦闘分隊としての活動にいたるまでの諸問題に迅速に反応できるような、独立した合同前方梯隊(self-sustaining, joint forward echelon)を提供している。

 しかし、沖縄への米軍の非常な集中はまた、日本にたいしては明らかな負担を作り出しているとともに、それほどではないにせよ、アメリカにとっても、たとえば訓練にたいする規制などの形で負担となっている。作戦上の速度の激しさや兵員の若さなどから、海兵隊は、この日本最南端の沖縄県における米軍駐留の変更を求める日本国民から特別の注目を集めている。

 海兵隊の側としても、良き隣人となるべく努力をおこなってきたが、基地の周辺が取り囲まれていることから生じる制約は大きくなっており、即応態勢や訓練に支障が出ている。統計上、米国軍人による犯罪の発生率は急減しているにもかかわらず、現在の政治的状況のもとでは、実際に発生した不運な違法行為は注目を集めやすく、過大に報道されることになる。

 1996年、沖縄にかんする米日特別行動委員会(SACO)合意は、沖縄駐留米軍基地の再編、統合、縮小をうちだした。米日両国はこの合意を完全に実施しなければならない。この結果、アメリカの管轄下にある施設面積は5,000ヘクタール減少し、米海兵隊普天間飛行場を含む11の施設が削減される。

 われわれは、SACO合意に、重要な4つ目の目標を入れるべきであると考える。それは、アジア・太平洋地域全域への多様化である。軍事的側面からみると、米軍がこの地域に幅広く柔軟なアクセスを有することは重要である。しかし、政治的観点から言えば、アメリカのプレゼンスと信頼性を維持するためには、沖縄県民が背負っている負担を軽減することが不可欠である。日本における部隊構成を考慮するアメリカ側担当者は、SACO合意でとどまっていてはならない。アメリカは、海兵隊のために、この地域全体において、より幅広く、柔軟な配備と訓練の選択肢を考慮すべきである。
 

諜報

 東アジアにおいて、性格が変化しつつある潜在的脅威と明白な危険に米日両国が対処するためには、両同盟国間の協力を強化し、諜報能力を統合することが必要である。この二国間同盟の重要さにもかかわらず、この地域における米日間の情報共有の度合は、緊密の度を高めつつあるNATO同盟諸国との関係とは際立って違っている。この傾向は世界情勢の進展によっても強まっているのだが、同様に、資金の減少と平和維持・平和創出などの新たな使命は、同盟国間の協力の強化と諜報能力の統合を必要としているという認識もまた強まっている。

 皮肉にも、冷戦の終結とともに、脅威の性格があいまいになり、より複雑な政策の選択を迫られる事態がよく起こるなかで、世界共通の安全保障上の脅威に関して重要な情報を分析・収集する上での協力の必要性はいっそう高まった。日本政府は、現行の米日諜報協力関係は必要を十分満たしていない、とはっきりと表明している。

 アメリカにとって、日本との協力を強化する潜在的可能性は明らかである。同盟諸国は、お互いの違いについてはっきりとものを言い、比較的・競争的分析に基づいた政策行動に関して合意を作り出さねばならない。諜報の共有は、この目的にむかうひとつの道筋を示している。しかも、分業、つまり各国の比較優位にそって分析の任務を分担することは、資金繰りの厳しい諜報分野に利益をもたらす。日本は世界中で多くのことに関与しているため、戦略的な諜報にかんする対話に、貴重な情報と洞察を提供できる能力を有している。

 おそらくもっと重要なことは、日本との諜報協力の戦略的ビジョンが、長らく懸案のまま実現されていないことだろう。米日間の諜報協力が強化されないままでは、同盟としての共通した理解と行動の必要が起こった場合に、お互いの認識、ひいてはおそらく政策も、互いに違ったのものとなってしまう恐れがある。

 諜報協力の改善は、日本にとっても同様に重要である。日本が国際貢献を拡大するには、日本固有の諜報能力の強化とともに、アメリカとの協力の拡大が必要である。

 諜報協力の強化は、日本自身の政策策定、危機管理、意思決定プロセスの改善に役立つだろう。それだけでなく、日本はアジア内外でさまざまな脅威と複雑性を増す国際的責任に直面しており、自国の安全保障になにが必要かをより理解できるような諜報活動を必要としている。

 諜報協力はまた、米日同盟における日本の役割を強化することもなろう。米日の諜報分野における規模に格差がある現状からすると、より均衡のとれた分担を達成するには時間がかかることは避けられない。しかし、長期的にみて、潜在的脅威にかんする情報収集力が向上し、競争的分析がおこなえるという利益があり、相互補完的なものの見方ができるなどの成果が期待でき、協力が豊かになるだけでなく、相手の理解をいっそう高めることが可能になるだろう。

 双方の国内レベルの問題としては、米日諜報協力にも国内レベルでの管理が必要である。協力には新たなやり方が必要であり、既存の関係を拡大する必要もある。

 アメリカにとっては、以下の点が急務である。
* 国家安全保障委員会の顧問は、諜報協力の強化を政策とし、諜報を優先課題とせねばならない。
* 政策策定にたずわる者たちとの調整のもと、中央情報局(CIA)局長は、日本の国家安全上優先すべき課題に合うやり方で、日本との協力を拡大せねばならない。不法移民、国際犯罪、テロなどの国境を越えた諸問題はすべて、両国内の部局間の計画の調整を必要としている。
* アメリカは、自前の衛星をもつなど、独自の諜報能力を発展させたいという日本のもっともな要望を支援せねばならない。分担の質的な向上に早急に目を向ける必要がある。
* アメリカは、分析センターの共同スタッフの配置、相互教育プログラムその他、諜報ネットワークを豊かにする、緊密なイニシアチブの発揮を優先すべきである。
 米日間の諜報関係の強化にはまた、両国内での政治的支援が必要である。この点で、日本政府は以下の基本的措置をとる必要がある。
* 日本の指導者たちは、機密情報を保護する法律の立法化に向け、国民の支持と政治的支持を得なければならない。
* 諜報能力の強化は、日本の政策策定を改善する上で役立つが、日本政府の指導者たちは、みずからの政策策定プロセスの問題にも取り組む必要がある。諜報の分担は、米日両国間だけでなく、日本政府の内部においてもおこなわれなければならない。
* これまでの経験からみて、国会を諜報プロセスにどのように関与させるかについて対話をおこなうことが重要である。民主国家における諜報の管理は、政治的支持の維持において、中心的に重要な要素である。

 ひとことで言って、日本が将来の防衛上の問題に取り組み、政府の再編をおこなうにあたり、米日両国間の諜報協力についてオープンに問題を取り上げるべき時が来ている。
 

経済協力

 日本が経済的に健全な状態にあることは、二国間パートナーシップの繁栄に不可欠である。実際、アジア全域におけるアメリカの利益は、日本経済の繁栄、成長、活性化から恩恵を受けることになる。日本はいまでも、米国製品の世界第3位の消費国であり、日本の弱体化が続いていることは、アメリカの労働者と産業界にとって機会の喪失となっている。弱い日本は、世界の資本の流れの危うさと不安定さに拍車をかけている。加えて、日本国民が内にこもり、挫折感と不安にうちひしがれていると、二国間同盟においてより大きな役割を果たそうという意欲も減少し、果たすこともできないだろう。

 不幸にも日本は、がっかりするような経済的停滞と不況の10年を経験した。1992年から1999年にかけての平均年間実質成長率は1パーセントにすぎなかった。1997年と98年、また99年後半の不況でこの10年は終わった。

 日本が持続的経済成長を取り戻すには、市場の開放と、民間部門がグローバル化の力に対応できるようにすることが景気回復のかなめであるという認識が大いに必要となる。このためには、引き続き規制緩和と貿易障壁の撤廃に加え、より開かれた市場を支えるためのより強力なルールと仕組みを作り上げることが必要である。

 日本の政策エリートの一部はこの点を理解しており、それはまた1986年の前川レポートにはじまる多くの公的な論評のなかで指摘されてきたことでもある。1970年代なかば以来、諸外国は日本の政策立案者たちに、経済の透明性と開放性を増加させる措置をとるようにと働きかけてきた。業を煮やした歴代の米政権は、さまざまな通商経済政策のオプションを練り上げ、作り変え、日本政府がこれらを採択するように促してきた。

 改革の障壁はかなり大きい。成熟した労働者(そのうち20〜30パーセントはいまだにいごこちのよい終身雇用を享受している)、保護された産業、長い間さまざまな産業が現状を維持できるように采配をふるってきた官僚たち。しかも、日本人はほかに選択肢がまったくないという場合を除いては、急進的な変化を嫌う傾向をもつ。日本には、この国の経済的問題はまだ危機的な段階に達していないと論じる者までいる。危機感の欠如と、既成の慣行への突発的変化を受け入れたくない国民性が、必要ではあるが政治的・精神的に痛みを伴うような再編に向けた措置に踏み切ることを妨げている。

 同時に、日本がその経済的問題に対処するなかで、いくつか進展があったことを認識することも重要である。たとえば、西側の多くの経済学者たちは、日本のおこなった「ビッグ・バン」と呼ばれる一連の金融部門の規制緩和政策と、1998年の銀行救済策に高得点を与えている。こうした展開により競争が高まり、新たなビジネスモデルができた。各企業は企業間の関係よりも収益性により重きを置くようになり、時代遅れになりつつある系列システムを弱体化させる変化が起こった。企業家精神が高まり、ベンチャーキャピタル市場が成長している。

 情報技術(IT)部門は急速に成長している。新たな会社が設立され、経済の多くの部門にまたがって利益がもたらされる可能性は大きい。しかし、IT部門の成長だけでこの10年間の経済停滞を克服できるかどうかについては、専門家たちの意見は分かれている。規制による障壁が、ほかの産業部門におけるIT技術の成長と採用を遅らせている。よって、日本経済にとってのIT部門の重要性からみて、経済の明るい未来を確実にする努力の一環として、経済システムにさらなる改革と規制緩和を実施することの必要性はいっそう強まっている。ITがもたらしうるおそらく最も重要な貢献は、日本経済全体に規制緩和とビジネスの柔軟性の増大を促すきっかけを与えることだろう。

 しかし、回復への障害は引き続き存在する。特に、銀行問題はまだ適切に対処されておらず、財政刺激策は利益誘導型の公共事業に頼りすぎており、こうした政策が長期的な成長を促す可能性はほとんどない。この欠陥だらけの財政アプローチの結果、日本は少なくともGNPの1.2倍にのぼる巨大な財政赤字を作り出した。これは、世界のどの主要先進諸国よりもはるかに高い数字である。

 民間部門のダイナミズムを使って経済に変化を起こそうとする革新的なアプローチが準備されている。日本の物価が引き続き高いことが予想される。日本経済に長期的な健全さを取り戻すためには、これまで日本の政治家たちが拒否してきたような、一定の短期的な犠牲をはらうことが必要となる。アメリカは、日本が次のような線にそった政策を発展させるよう促すべきである。
* 日本経済のさらに系統的な改革。内外すべてのプレーヤーにたいして開かれた市場への依存度を高めることは、持続的な経済回復のかなめである。
* 短期的な財政金融刺激策の継続。財政赤字増大という問題はあるが、日本政府は将来の成長を促進する見込みのある分野に重点を置くべきである。橋やトンネル、あてのない高速鉄道などを建設する時代は終わらなければならない。
* 会計制度、ビジネス慣行、ルールの策定においては透明度をもっと高めねばならない。日本の経済統計の質を改善し、金融機関や地方自治体は自らの本当の財政状態について全面的な会計報告をおこなわなければならない。同様に政府も、政府のもつ情報の開示をもっとオープンにする必要がある。
* 特に電気通信などの経済に最大の利益をもたらす可能性のある分野において、規制緩和を加速すべきである。
* 日本・シンガポール間の自由貿易協定は、同様の協定を韓国、カナダ、アメリカその他関心のある諸国との間に結ぶためのテストケースとして、奨励されるべきである。

 日本の市場を開放し、構造的変化を起こすためにアメリカ政府がイニシアチブをとる力は小さくなっている。改革の欠如がアメリカの企業に影響し、世界経済を危うくするような時には、アメリカは確かに正当な利害関係をもっている。良好な企業組織管理基準 (corporate good governance standard)や、ビジネス慣行の透明性の向上などの分野において、アメリカ政府が注意をはらい、行動することは引き続き大切である。

 アメリカは、来るべき数年間において二国間パートナーシップの改善を促進するためにいくつか重要な目標を追求せねばならない。
* アメリカの経済的利益は、一貫した方法で表明されねばならない。日本が現在進めている体制的変革に効果的に対応するために、アメリカ政府は自らの優先課題をストレートにうちださねばならない。この点で、次期政権は、焦点をしぼった経済政策課題へのアメリカ国民の支持を得なければならない。
* アメリカ政府は、日本への直接外国投資の増加についての対話を開始すべきである。外国企業は新たな技術と新たなビジネスモデルをもたらし、これらは直接的に、そして彼らの日本企業にたいする競争的インパクトを通じて、日本経済に寄与することになる。
* 新政権は、世界貿易交渉の新ラウンド開始を最優先課題のひとつとせねばならない。それに向けた努力のなかで、アメリカとパートナー諸国は、工業製品関税、農業援助金、金融サービス取引への障壁の撤廃を目指し、特に金融機関について国際的に受け入れ可能な会計基準を導入するための交渉を追求すべきである。
* 米日経済関係は重要であるため、米日両国がWTOに紛争の解決を求め、協力に向けた新たな門を開く一方で、二国間の貿易交渉は引き続き中心的に重要な道具である。
* アメリカは、日本と韓国の間に始まったばかりの経済調整協力を奨励すべきである。
 

外交

 伝統的に、アメリカは、日本がより大きな国際的役割を果たすことを激励してきた。見逃されてきた現実は、特に人道的努力やその他従来日本が参加してこなかった安全保障の分野において、多くはアメリカとの協力のもとに、日本がその激励に応えてきたことである。日本は、世界銀行、国際通貨基金、国連、アジア開発銀行で最大あるいは2番目に多い拠出金を負担しており、すべての主要な多国間機関においても最大の寄与をおこなっている。現行の協力を維持し、新たな二国間の努力に門戸を開くことについて、アメリカと日本国内で、国民の支持を育て上げることは急務である。

 外交努力において不意打ちはあってはならない。日本はよく、アメリカ政府との協調抜きにアイデアを発展させることがあった。アジア通貨基金などがその例である。アメリカには、自国の外交政策に日本を引き込むのが遅すぎたということがあまりに多かった。後知恵による政策立案が両国関係を特徴づけたことにより、両国とも被害をこうむった。外交政策における日本の協力を「小切手外交(資金供出のみの外交)」とみなすような見方を、アメリカは捨てるべき時である。日本は、国際的リーダーシップの発揮には、これまでの資金供出国としての役割を越えて、リスクを冒す必要性も含まれることを認識せねばならない。

 アメリカは、自国の政策課題が日本政府に十分理解され、積極的に支持されるよう努力しながらも、日本の目標を考慮せねばならない。アメリカ政府は、日本政府にとっては多国間による取り組みが重要なことを認識しなくてはならない。日本政府はこのようなイニシアチブを、アメリカのリーダーシップを損なうものではなく、自国のアイデンティティーの表明であるとみなしている。二国間首脳会議の最後の瞬間に共同で派手に発表するようなパートナーシップの宣言よりも、静かに舞台裏で戦略を調整することのほうが、より効果的なことが多くある。

 外交において日本が独自のアイデンティティーを追求することは、アメリカの外交と対立するものではない。実際、アメリカと日本は大局的には同じ外交目標を共有している。両国は多くの利益を共有している。
* アジアにおいて、積極的で前進配備されたアメリカのプレゼンスを維持する。紛争防止、平和維持、平和創設活動にもっと効果的に対応できる機構となるよう国連を改革する。アメリカは安保理事会の常任理事国のポストを目指す日本の希望を今後も支持すべきである。しかし、そのためには集団的安全保障上の義務を果たさねばならず、日本はこの問題に取り組む必要が出てくる。
* 中華人民共和国が地域的政治・経済問題において積極的な勢力となるよう促す。米日両国は、この問題について、現在おこなわれている戦略的対話に関与すべきである。
* 朝鮮半島における和解を促進する。アメリカ政府と日本政府は、引き続き三者調整グループ(韓国、日本、アメリカ)が同半島の関連諸問題に対処するよう支援する一方で、その協力の幅を広げる機会を探るべきである。
* 極東におけるロシアの安定を支持し、ロシアに埋蔵されている巨大な天然資源の開発を促進する。米日両国は、それぞれの対ロシア政策をもっと効果的に調整すべきである。
* 各ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国にたいする政策について、米日間に相違はあっても、活発で、独立し、民主的で繁栄するASEANを促進する。
* インドネシアの完全性と復興を支援する両国の努力を調整する。

 世界第二の経済大国である日本は、経済的問題を口実に、援助する側よりもされる側への寄与に重点を置くべく変化した自らの対外援助政策を、ふたたび変更するようなことがあってはならない。日本の政策が、アジアの経済成長と開放性をさらに促進するべきである。日本政府が提案している円の国際通貨化は、日本の金融市場が透明になるまでは成功しないだろう。
 

結論

 150年前にペリー提督の黒船が東京湾に到着して以来、米日関係は、よきにつけ悪しきにつけ、日本とアジアの歴史を形作ってきた。新たな千年紀の夜明けにあたって、逃れようのないグローバル化の力と、冷戦後のアジアの安全保障体制の変遷は、米日両国に、あたらしく、複雑な難題を突きつけている。これまで両国の相互協力は、経済的、政治的、戦略的概況に影響を与えてきたが、一国として、または同盟のパートナー同士として、両国がどのようにこの状況に対応するかが、アジア・太平洋の安全保障と安定、そして新たな世紀の可能性を大きく決定することになるだろう。
 

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