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原水爆禁止2004年世界大会

開会総会

8月4日 広島

国連ジュネーブ事務所常駐メキシコ代表/新アジェンダ連合

ルイス・アルフォンソ・デアルバ大使

 原水爆禁止世界大会の開会式で発言できるこの上ない光栄を感じています。

 ここにいるみなさんと違わず、メキシコの政府そして私自身も、核兵器のない世界が必要であることを確信しています。ノーベル賞受賞者のアルフォンソ・ガルシア・ロブレスは、自分の子どもたちには、親の世代が人類の生存を危険にさらすような行為をしないよう要求する権利があると確信していることについて書きました。彼の意見に反対できる人はここにはいないと思います。さらには、彼の意見に反対できる人はどこにもいないと思います。

 来年は、ここ広島と長崎で起こった人道上の大惨事から60年を迎えます。この二つの出来事は、核兵器がもつ恐るべき破壊性、誰彼の差別なくその直後、中期、そして長期にわたり影響をもたらす性質を見せ付けました。メキシコは、こうした兵器の存在自体が人類に脅威をもたらしており、よって完全に廃絶されるべきだとの確信を常に持ってきました。広島と長崎の悲劇は決して繰り返されてはならないのです。

 あの惨事を祈念する以外に、2005年は核不拡散条約の実行状況を再検討するチャンスがまためぐってくる年でもあります。とくに、条約の第6条、そして2000年核保有国がおこなった、軍縮につながる自国核兵器の完全廃絶を達成する、という明確な約束の実行状況を審議するのです。2005年のあいだ、私たちは、何が実行されているか、とりわけ何がなされなくてはならないかをしっかりと見据えなくてはなりません。

 この間、毎日のように、核拡散の危険が浮上していることが明らかになったといった報道がされています。私たちもこの問題を懸念しており、事を非常に真剣にとらえています。しかしこれまで、国際的な行動、強調いたしますが行動する上で、水平拡散を主な動機としてきながら、垂直拡散とそれが引き起こしている脅威からは目がそらされているのです。垂直拡散や核兵器の近代化も、極度の真剣さをもって対応する必要があるのです。

 核兵器の近代化や性能向上は垂直拡散にあたらないと主張することもできましょう。数字上それは正しい意見かもしれません。しかし、核兵器の近代化を脅威という点からとらえるなら、それは垂直拡散と同様の意味を持つのであって、核兵器が使われる可能性を意味し、核兵器が使われる可能性を高め、したがって、さらに世界を不安定にする行為なのです。

 核兵器を近代化したり性能を高めているというごく単純な事実は、政策を決める者たちの頭の中では、核兵器を再び使用するという可能性が高いということで、彼らにとっては開発に充てる財源を正当化する理由が存在するのです。核開発推進派は、そうではないとよく言いますが、核使用の敷居が下げられているというこの事実を否定するどんな主張も通用しません。それ以外の理由などないからです。核兵器の近代化や性能向上は必然的に、それらをより使えるものにする必要を感じている人たちがいることを意味しています。

 核保有国の数が増えれば、世界はより危険になるということをよく聞きます。これに異論はありません。しかし、一握りの国が核兵器を増やしたり、近代化する場合も同じです。

 核兵器の性能向上も核兵器の拡散のどちらも同じような影響をもたらす傾向があることを考えると、私が最初に述べた問題にもどります。つまり、どちらの問題も同じように真剣に取り組まれる必要があるということです。一方を無視し、狭い視野で問題に取り組むなら、国際の安全保障強化にむけた国際社会の努力は損なわれます。

 残念ながら現時点での拡散に対するたたかいは偏ったものです。水平拡散問題が、選択的なやり方で対応されています。NPTの普遍化にむけ特別の責任を負う国が、普遍化を達成する真の意志を示している様子は見られません。同様に、核兵器の性能向上が引き起こしている脅威に立ち向かう必要性もまったく脇に追いやられています。

 いま述べたようなシナリオが進めば、そして2000年以降核軍縮が進展していないことを考えれば、2005年NPT再検討会議はさらなる重責を負うことになります。それでも、前向きの気持ちを持ってこの問題をみなくてはなりません。

 第1に、2000年には核兵器の完全に廃絶するという明確な約束がなされました。この約束はすでになされたものです。約束を繰り返す必要はありません。必要なのは約束の実行と行動です。

 ですから、今後メキシコなどの国は、第6条の実行状況についても透明性を高めるよう圧力を掛けていきます。NPTの順守状況は部分的なやり方だけで評価する、という一部の国の意見は受け入れられません。

 いまのところ、NPT体制のなかで国際社会は、完璧からは遠いものの、不拡散条約の順守状況を締約国自身に評価させる仕組みをつくってきました。残念ながら、軍縮問題にはそうした機構がありません。

 私たちはさまざまな会議で、核保有国が核軍縮に向けとっている行動について彼らから聞かされてきました。核軍縮に結びつくのであれば、どんな行動も歓迎です。しかし、これまで核保有国は、第6条についての透明性を高めるようなどんな検証機構も真っ向から拒否してきました。ここでも、あらたな矛盾行為に突き当たっています。核兵器の不拡散を確実にする機構づくりを進める一方で、――メキシコはそれを歓迎し、こうした機構の締約国でありますが――核保有国は、みずからの核軍縮義務についてはかなりの自己満足を覚えているようです。

 透明性を高める機構ができると国家の安全保障に影響するという人もいます。この主張は、ある程度までは理解できます。理解できないのは、こういった主張をする国には、国家の安全保障を妨げずに実行できる透明性向上措置に合意しない傾向があることです。この点で、メキシコは、第6条および13項目措置の実行状況の報告制度を、より厳格にし、より標準化することの重要性を確信しています。

 透明性の欠如は対応が必要とされる問題です。非核国には、もっと義務を果たせと要求しつづけておきながら、条約の特定部分の順守については見逃す、といったことはできないのです。条約に加盟する際、その国は条約全体を締約するのであって、一部だけ約束するのではありません。

 冷戦後、安全保障をめぐる環境は変わりました。ある国が核兵器の使用を想定していた敵はもういません。実存する敵がいなくなってしまったので、今度は新しい敵を見つけ出して、核兵器の保有を正当化しなくてはならなくなったのです。どこどこの国が核の脅威をもたらしうるとの宣伝がされましたが、結局そのような国は存在しませんでした。こうした仮の脅威が、安全保障を高めるものとしての核兵器の引き続く保有を正当化できるのかどうかは非常に疑問です。こうした論理に沿うならば、核兵器を持てばすべての国がより安全になるという、ばかげた結論が導かれることになります。

 いわゆる「ならず者」国家の存在だけが、今日の安全保障で変化した点ではありません。テロリストなどの国家に属さない者たちが新しい脅威であることは明らかです。しかし、ここで問題なのは、テロリストから自分たちを守る安全保障体制を、核兵器保有を続けることで強められるのか、ということです。はっきり言うなら答えはノーです。ただし、一部には、この種の兵器を特定の個々人に対しても使えるかもしれないという事実を容認できる人もいます。これまで、ここまで踏み込んだ人はまだいないと思いますが。しかし、一方では、テロリストがより攻撃的になってきていることが、核兵器の存在自体がもたらしている脅威をさらに高めています。核兵器がテロリストの手に落ちる可能性があるからです。

 ですから、まとめるならば、新しい安全保障のシナリオでは、世界全体の安全は核兵器の廃絶によってのみ、そして核兵器が二度と作られないことを保証することによってのみ高められる、ということは明白です。

 こうした問題意識をもつすべての国が統一戦線をつくるべきだと私たちは考えています。私の国が、非核兵器地帯条約の締約国による会議の開催を促進しているのは、こうした足場に立ってのものです。これは、核のオプションを放棄し、核兵器のない世界の必要性を確信している国々が集まる会議です。

 しかし、核軍縮は国だけの責任ではありません。私たちすべてが核の脅威に無防備な状態におかれています。ですから、市民社会をふくむ国際社会が全体で、包括的なやり方でこの問題に共に取り組むべきなのです。国際の平和と安全は、世界全体の利益なのであって、延いては、それを守ることは万人の利にかなうものなのです。このことは、みなが責任を分かち合っていることを意味しています。私たち全員が平和と安全の強化に参加しなくてはならないのです。私たち全員に、自分たちの未来を作る権利があり、平和を守る義務があるのであって、私たちは自分たちの責務を引き受けて、核軍縮をめざして努力しなくてはならないのです。

 では、核兵器の存在自体が国際の平和と安全に脅威をもたらしているとの、人類の大多数の合意に基づいて、統一行動をとるにはどうすればよいのでしょう。この点で、核兵器の脅威に対する総合的な取り組みを支持している政府、国会議員、地方自治体、市民社会の組織が共に行動し、平和で核の危険のない世界に暮らすことを願うものたちの意見を表明することが必要です。

 世論は、拡散が秘めている脅威に気づいています。残念ながら、核兵器の存在自体から生じる脅威にはこれほど気づいていません。核兵器のない世界の実現に全力を注いでいる私たちが、この問題について人々の意識を高めるために共同することが求められます。その点において、平和市長会議に特別の感謝を申し上げたいと思います。地域レベルで核問題に取り組むという重要な任務を率先しておこなっているからです。

 人類の偉大な功績のほとんどは、政府ではなく国民により成し遂げられてきたことを忘れてはなりません。核兵器のない世界は、市民社会の手で実現される可能性が高いと私は思っています。

 この会議において、一部の人たちが特別扱いしているものだけでなく、この間生じている安全保障上のすべての難題に取り組むための、より組織された方法を私たちが練り上げることで、真により平和な世界にむけて努力していくことを願っています。

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