原水爆禁止2003年世界大会
国際会議

韓国原爆被害者協会
宋 任復(ソン・インボク)


原水爆禁止世界大会実行委員会に付する文

  広島と長崎に原爆が投下されてから、いつのまにか60年めが近づいています。原爆はいまも数多くの人たちに被爆の苦痛を与えています。わたしたち被爆者はこの間、心身両面の深い傷に苦しめられながらも、核兵器廃絶をとなえ、またこうした悲劇が繰り返されないことを願いつつ、全世界に核兵器廃絶を訴えて行動してきました。広島、長崎に最初の原爆が投下されてから現在まで、数多くの危機に直面しながらも、いわゆる強大国をして核兵器の使用を許さなかったのは、こうした私たちのたゆまぬ呼びかけと行動がもたらした成果であり、また人類の平和な未来を保障する面でも大きな役割をしたと自負しています。いわゆる戦争の世紀といわれた20世紀が終わり、平和と核兵器廃絶を願う私たち「平和愛好地球人」はほんとうに平和な21世紀が来ることを夢見てきました。しかしニューヨークの9・11同時多発テロ、アフガンに対する報復戦争、イラク戦争などは私たちの平和の呼びかけを無残に踏みにじってしまいました。さらにいわゆる悪の枢軸と呼ばれた他の国々に対して、核開発阻止をめぐってこれら当事国の間に尋常でない対応方法が取り沙汰されている事実が、私たちをさらに心配させています。核兵器を開発したり核兵器で人類の生存をおびやかしたりする過去の冷戦的思考を、すべての国家と集団がとりはらうように、私たちが強く求めなければなりません。核兵器が存在する限り人類の平和な未来はなく、核兵器の廃絶なしに私たちの子孫に安全な未来を保障してあげることができません。

  今後、私たちは広島、長崎での被爆の惨状を全世界にひろく知らせ、核兵器の犯罪性を呼びかけることはもちろん、核兵器廃絶についての具体的な方法を明らかにし、かたい意思を持って実践しなければなりません。

  今日、この世界大会が、こうした私たちの気持ちを全世界の津々浦々まで知らせて、「平和愛好地球人」がみんなともに行動に移すことを、促すのに少しでも助けとなることを願って、声高らかに呼びかけるものです。


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