原水爆禁止2002年世界大会

長崎大会

ロメシュ・チャンドラ

世界平和評議会名誉議長

 世界平和評議会からのあいさつを送ります。

 日本の反核・平和運動は、核兵器のない平和で希望のある世界をつくる団結したたたかいのカギを握り、欠かすことのできない役割を担っています。

 皆さんのたたかいは私たちのたたかいでもあります。

 私たちは日米軍事同盟に終止符を打ち、在日米軍基地撤去を求める皆さんの運動に、全面的で確固とした連帯を表明します。

 日本国憲法第9条を守るための皆さんの行動にも、全面的で確固とした連帯を表明します。第9条を葬り去ろうとする勢力は、日本の敵であると同時に、世界の平和運動の敵でもあるからです。

 また、非核3原則を守る皆さんのたたかいに、全面的で確固とした連帯を表明します。

 さらに、広範な広がりをみせている有事法制に反対する皆さんのたたかいに、全面的でゆるぎない連帯を表明します。

 皆さんのたたかいは私たちのたたかいでもあります。

 私たちは被爆者とともに立ち上がり、彼らの補償請求を支援しています。

 今年の原水爆禁止世界大会の国際会議が採択した宣言は、共同行動、統一した努力を呼びかけています。

 ただ一つの国、一つの運動あるいは一つの組織だけでは勝利できません。核兵器の廃絶を支持するすべての人びと、つまり民衆、NGO、非核政府、国連、非同盟運動、新アジェンダ・グループなどが協力してこそ勝利を勝ち取ることができるのです。

 地球上の全生物の絶滅という人類の前に立ちはだかる危険は、かつてなく大きくなっています。

 米国の帝国主義者、ブッシュ大統領と彼の側近は、資本の怪物に服従するのを拒否する国は、どんな国であれ「先制」戦争をおこなうと公表しました。その最初の犠牲者はイラクになりそうです。

 米国の政権はABM条約を一方的に破棄しました。「スター・ウォーズ」が再び計画に上がっています。

 ニューヨークとワシントンでの911日の攻撃に続くアメリカのいわゆる「報復」は、アフガニスタンで何百という人命を奪いました。米国政府の指導者たちは、核実験の後、新たに燃え上がったインドとパキスタンのあいだの緊張と紛争の危険な炎を、さらにあおろうとしています。

 貧困、飢え、病気はおもに、発展途上国の資源の略奪と企業によって引き起こされています。資本主義のグローバル化は何百万もの命を奪い、さらに何百万もの命が脅かされています。

 平和と正義を求め、米国の「先制核攻撃」といわゆる人道的介入に反対する何百万もの人びとは、新たに力強いデモ行進、集会、署名運動などに取り組むことで、新たなより大きな危険とたたかっています。

 この大会からの私たちの呼びかけは明確です。

 核戦争の危険をなくそう。

 米国の覇権主義的支配をやめさせよう。

 核兵器の製造と核戦争を阻止し、貧困と飢えの原因をなくそう。

 環境破壊の原因をなくそう。

 原水爆禁止世界大会の素晴らしい伝統をさらに前進させようではありませんか。

 私たち平和と反核の勢力は、さらに力強くなっています。私たちが団結して、手を取り合えば、さらにいっそう大きくなることでしょう。

 ノーモア・ヒロシマ! ノーモア・ナガサキ! ノーモア・ヒバクシャ!