原水爆禁止2002年世界大会

国際会議

中国人民平和軍縮協会 連絡員

呉克生(ウ・ケシェン)

2002年原水禁世界大会に参加できたことをたいへん光栄に思います。まず、中国人民平和軍縮協会の平和活動家を代表して、被爆者の皆様ならびに広島と長崎の原爆による大きな苦しみ受けたすべての方々に心からのあいさつを申し上げます。

今年の大会のテーマは「核兵器のない平和で希望ある世界を――国際的連帯と共同をひろげよう」となっています。これは適切に選ばれた前向きなものであり、国際社会が直面している非常に重要なテーマであり、私たちが新しい世紀に世界の発展を促す重要な手引きとなっています。若干意見をのべ、参加者の皆さんと一緒に考えたいと思います。

21世紀になって私たちは、骨を折って得た機会と厳しい挑戦の双方に注意を払っています。機会と挑戦が一緒に存在しているのです。冷戦の終結以来、とりわけ新たな世紀を迎えて以来、国際情勢が大きく変化しても、平和と発展はなお、現代の主要なテーマであります。世界が平和を必要とし、人々には協力が必要であり、各国は開発を必要とし、そして社会は進歩を求めるのは、歴史的な意義をもつ流れです。20世紀に人類は二つの熱い戦争と一つの冷戦を経験し、これは底知れない人命と財産の喪失をもたらし、無数の負傷者と悲しい教訓を残しました。だからこそ、私たちの輝かしい前途のために、中国人民、日本人民、全世界の人びとは熱い戦争も冷戦も再び起きないことを望み、強固な平和を維持し、共同で発展を促進させ、安定したと平穏な生活を送ることを願っているのです。

今後の国際情勢の発展における基本的流れは、局地戦争をともないながらの全般的な平和、局地的緊張をともないながらの全般的な緊張緩和、局地的混乱をともないながらの全般的な安定と特徴づけられます。しかしながら、不合理で不公平な政治・経済秩序に変化は変わっておらず、南北の格差がさらに広がっており、民族・宗教・領土問題を原因とする衝突と紛争が立て続けに発生し、テロ、貧困、環境破壊、麻薬の密輸入といったこれまでにはなかったような安全保障上の問題が国際社会にたいする大きな脅威となっています。冷戦終結以来、一連の国際的な諸事件が国際情勢の変化を特徴づけていることに注目すべきでしょう。解決策を見出すための熟慮と探求が求められています。

私の国、中国は、かつて戦争で破壊された国ですから、私は戦争の苦しみを経験した人びとがいかに平和を大切にするかということを心から知っています。また、私は平和が経済的繁栄の基本的保証であると考えています。ですから、中国政府は自主的平和外交政策の道を進み、率先して「平和共存の五原則」を提案し推進しており、いかなる軍事同盟にも加わらず、また勢力圏を求めず、絶対に超大国ともならず、地域と地球全体の平和と安全保障を前進させるためにあらゆる努力をしています。こうして中国は、地域と世界の平和をめざす確かな勢力となってきました。

友人のみなさん、参加者のみなさん、

世界平和の絶え間ない前進と地球規模の戦略バランスの維持は密接な関係があります。軍備管理と軍縮をつうじてかちとられた前進をひきつづき強化発展させ、兵器あるいは兵器システムの宇宙への配備を阻止することによってはじめて、そうした兵器を完全に禁止し、全面的に排気することができるのであります。

大量破壊兵器の全面的な禁止と徹底した廃棄を達成するために、私は、安全保障の全く新しい概念を確立し、軍事同盟と軍備の強化にもとづく安全保障という時代遅れの概念を放棄すべきだと考えます。したがって、次の点について探求していくことが役立つと思います。

第一は、相互信頼、互恵、平等、協力にもとづく安全保障の新しい概念が打ち立てられるべきです。国家間の紛争問題は話し合いと協力を通じて解決すべきであり、それはすべての国がすべての人々の真の安全を享受する環境をつくり出すようなものとすべきです。

第二に、国際的な核不拡散の努力には、軍備管理と軍縮の前進が役立ちます。軍備管理と核軍縮を進めるために、冷戦時の発想を捨て去らねばなりません。しかしながら、冷戦時の発想を捨て去るということは、当時締結された軍備管理諸条約を破棄することではなく、国家安全保障を一国だけの軍事的優位の上に置くような考え方を越えていくことです。さらに、核兵器の先制使用にもとづく抑止政策と他国にたいして核兵器を使いやすくする政策をやめることが不可欠です。核兵器の役割は小さくすべきであり、大きくすべきではありません。検証可能で、後戻りできないような核軍縮過程を確実なものにするために、過去に効果が試され済みの核軍縮措置は維持すべきです。

第三に、地球規模の軍備管理と軍縮のための協力を強化することです。軍備管理、軍縮、不拡散の分野における一国行動主義やご都合主義的なやり方を捨て去らなければなりません。私たちは、大国が弱小国を支配する道具として、あるいは単独の優位性を確保することを目的にした軍備増強の手段として軍縮管理と軍縮を利用することに反対です。他国の安全を犠牲にして絶対的な安全を獲得するようなことを許してはなりません。これらの面で共通の理解が見出されるならば、国家間の信用、信頼、共同で努力しようという政治的意思はふたたびつくられ、世界の軍備管理と軍縮のプロセスは現在の停滞を打破し、正しい軌道に戻ることになるでしょう。

さて、中国の軍備管理、軍縮、不拡散の政策についてご説明したいと思います。第一に、中国はつねに核兵器の包括的禁止、完全廃棄を主張しています。核兵器を保有することになったその日以来、中国はいかなる時、いかなる状況でも一方的に核兵器の先制使用はしない、非核保有国あるいは非核地帯にたいして核兵器の使用あるいは核兵器による威嚇をしない方針を実行してきました。第二に、中国は、核兵器の開発においてつねに最大限に自制してきました。これはこれからも変わりません。第三に、中国は、いかなる国の安全も脅かす意図はありませんし、またいかなる軍拡競争に参加する意図もありません。第四に、一時期、ミサイル防衛にかんする中国の立場が広く注目を集めたことがありました。強調したいのは、アメリカのミサイル防衛システムの開発についての中国の立場は、世界的な戦略的安定と国際的軍備管理過程にたいする心遣いに立脚したものである、ということです。

私の知る限りでは、中国は国際的軍備管理と軍縮の諸条約、多国間の軍備管理、軍縮過程、および国際的な不拡散の努力を積極的に支持し、多国間の不拡散体制の確立と強化に、国際社会が広く参加するよう一貫して訴えてきました。第一に、中国はNPTに積極的に参加しており、その準備委員会で建設的な役割を果たしております。数カ月前、中国政府は国際原子力機関(IAEA)にたいし、中国がIAEAのセーフガード・システムを強化することを目的とした「93+2」計画を実行する法的手続きを完了したと通告しました。この議定書は、中国にかんしては3月28日に発効しました。 第二に、中国は化学兵器禁止条約(CWC)の効果的実施と化学兵器禁止機関(OPCW)が円滑に役割を果たすことを支持しています。私たちは生物兵器禁止条約(BWC)の効果およびそれへの協力を高める手段を編み出す多国間プロセスの再開を要求しています。第三に、中国政府は包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期批准に向けて取り組んでいます。第4に、中国は核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約=FMCT)の早期締結をいつも支持してきたが、ジュネーブでの軍縮会議が大気圏外での軍備競争の防止(PAROS)、カットオフ条約、核軍縮、安全保障にかんして実質的な活動がおこなえるようになることを願っています。中国政府は自らの条約上の義務と現行の国際慣習に従い、ここ数年間、核、生物学的、化学的分野の細心の注意を要する製品や技術にかんして輸出規制を強めています。第5に、中国は、いかなる国にたいしても大量破壊兵器(WMD)の製造に使われる弾道ミサイルの開発を援助することはしません。また、ミサイルとミサイル技術を輸出規制品目リストに加える努力を強化しています。

人類は核兵器を開発する能力を有しているのだから、自らに向けられた脅威を排除する知恵も持ち合わせている、と私は信じています。日本の平和運動の熱意とともに、平和を望み、核兵器に反対する人びとが根気強い努力を続ける限り、最終的には核兵器のない平和な世界の到来をよろこびあいましょう。

ありがとうございました。