原水爆禁止2001年世界大会
長崎・開会総会(8月7日)

ジンバブエ駐日大使館
アンドリュー・ハマ・ムテトワ


  この重要な世界大会であいさつできることを大変光栄に思います。世界中から代表のみなさんがこのように日本に集まってるのは、被爆という悲劇的で、唯一の経験をしたからです。

  半世紀以上も前のこの悲しい出来事は、日本の国民と、世界の人びとに深い傷を残しました。その世界は今日、広島と長崎が世界のどの地でも繰り返されることがないようにとの心から願い、世界平和への連帯と誓いを表明しています。

  これを機会に、核兵器の恐ろしい影響のもと生き抜いてこられた方々に敬意を表するものです。原水爆禁止2001年世界大会は、これまで同様、核のない世界、核兵器とそれ以外のすべての大量破壊兵器も廃絶するという理想に身を捧げる決意をあらたにする場としての役割を果たさなくてはなりません。日本は、国民が戦後の瓦礫から立ち上がり、りっぱに生活を再建させるなか作り上げられた経済力を基盤としており、平和をささえる力強い柱です。

  広島と長崎では、武器を持たない、罪のない数え切れない人びとが、核爆弾の攻撃が無差別におよぼした閃光のなか非業の死を遂げました。あの出来事から引き出された教訓から、あのような危険な核兵器を禁止するまでに、残念ながらいたっていません。世界の未来は、まだどちらにも傾きうる危険な状態にあり、核保有国を巻き込んだ紛争が再び人類に惨禍をもたらすかもしれないという不安に脅かされています。

  非核地帯宣言をしたアフリカからきたものとして、私はいまだにこうした現実から安らぎを得ることができません。なぜなら、私たちすべてが、核戦争に境界線などないことを十分に承知しているからです。だからこそ、世界中の人たちは、全世界を非核の地とするたたかいを強めなくてはならないのです。

  おわりに、広島と長崎のみなさんに、この重要な大会に参加するために世界各地の人たちを招いてくださったことに、お礼を申し上げます。ジンバブエ共和国の政府と国民を代表し、実行委員会のみなさまには、大会を開催されたことにお祝いを申し上げるとともに、原水爆に反対する日本の人びとと世界の平和を愛する人びとに熱い連帯の気持ちもういちどお伝えしたいと思います。

平和を広めましょう。


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