原水爆禁止2001年世界大会ー長崎決議

反核・平和運動の新たなうねりを草の根から


  21世紀を迎えたいま、核兵器廃絶を求める声は世界の流れとなり、国際政治を動かしている。しかし一方、新たな逆流が強まるなかで、核兵器の廃絶を実現するため、世論と運動をいっそう高揚させることが不可欠である。わけても日本の運動を飛躍的に発展させることは、決定的に重要である。

  小泉政権は、「究極的核兵器廃絶論」が破綻しているにもかかわらず、核抑止論の立場から核兵器廃絶を「最終段階」の課題として棚上げしている。そして、「ミサイル防衛」計画への協力を進めるなど、アメリカの忠実な追随者として、反核・平和の願いを踏みにじっている。広島・長崎の核被害をもたらした日本の侵略戦争を美化・正当化しようとする策動も強まっており、非核・平和の日本を実現するため、私たちのいっそうの奮闘が求められている。

  原水爆禁止世界大会に参加した私たちは、「国際会議宣言」を実践するために、広範な人々と手をたずさえて、これまでの運動の到達点を確信に、新たな運動のうねりを草の根から創り上げることを呼びかける。

  1. 「核兵器廃絶を達成する明確な約束」の誠実な実行と、核兵器全面禁止・廃絶条約交渉の速やかな開始にむけて、国連とすべての加盟国政府が積極的に行動するよう要求しよう。日本政府が被爆国としての責務を自覚し、積極的にイニシアチブをとることを要求しよう。
    これらの要求を実現するため、草の根からの署名運動、共同アピール、自治体決議など創意に満ちた多様な行動を広げよう。その成果を国連軍縮週間や国際的な軍縮交渉の場に結集しよう。

  2. 「ミサイル防衛」計画の危険性を人々に広く知らせ、アメリカ政府にその中止を要求する声を集中しよう。国際セミナーの開催など、多様な国際共同行動を進めよう。日本政府に「ミサイル防衛」への協力・加担の中止を求めよう。

  3. 日本政府に核抑止政策を放棄させ、「核の傘」からの離脱、非核三原則の厳守を要求しよう。「非核神戸方式」を守り広げよう。
    米軍犯罪やさまざまな被害をうみだしている基地の実態を広く知らせ、日本を戦争へと導く日米軍事同盟の強化に反対し、米軍基地を縮小・撤去させよう。

  4. 被爆の実相をさらに解明して世界に普及し、若い世代による被爆体験継承への取り組みを強めよう。在外被爆者への援護、原爆症認定基準の適正化、被爆指定地域の是正・拡大など、被爆者援護施策を充実させよう。世界の核兵器被害者との連帯を強めよう。
    人類生存の大義にたち、諸国民の行動と連携し、核兵器のない世界への扉を開こう!

2001年8月9日
原水爆禁止2001年世界大会・長崎


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