原水爆禁止2001年世界大会
国際会議

フランス平和運動全国書記
ピエール・ヴィラール


核兵器のない21世紀のために平和運動の連帯を発展させよう


  21世紀最初の大会である今年の原水爆禁止世界大会は非常に重要です。

  人間が地球上の生命をすべて破壊できる兵器を発明した世紀、多くの殺りくの世紀に続く新しい千年紀の初めの年に、私たちはあらためて核兵器に反対する意志を宣言しなければなりません。そうです。いまこそ核兵器の歴史のページを閉じ、若い世代に、核の脅威のない平和な地球への展望を与える時なのです。56年前、広島と長崎に使用されたこの兵器は冷戦の象徴でした。冷戦が終わったいま、核兵器の存在する理由はありません。

  千年紀の始まりは、核兵器を廃絶する大きな前進の始まりとなりうるし、またそうしなければなりません。

  数十年間も、核保有国の政府は抑止論を主張してきました。しかし、湾岸戦争やバルカン半島の戦争など、最近起きた紛争により、兵器はいったん作られれば結局は使用されることを証明しました。核兵器は抑止のためにだけ役立つと言う主張は間違っています。いつかは使われるという危険があります。被爆者は、核兵器が使用された結果の苦しみがどのようなものかを証言しています。私は被爆者のみなさんに、フランスの平和主義者たちからの心からの連帯と友情をお伝えします。アメリカやフランスの兵士もまた、劣化ウラン兵器使用の被害に苦しんでいます。

  21世紀初めのいまこそ、私たちは核兵器廃絶と核兵器の使用と製造を全面的に禁止する条約締結に向けて、議論と行動を再びおこしていかなければなりません。

  アメリカがNMD計画を打ち出しただけに、これは緊急の課題です。なぜなら、防衛ばかり問題となり、核廃絶が議論されなくなってしまう恐れがあるからです。   

  ミサイルから身を守る最大の方法は、ミサイルをなくし、核兵器をなくすことです。主要な危険は、ミサイルが運ぶ爆弾です。

  フランス平和運動が「盾もミサイルもいらない。星に平和を。核兵器をなくそう」という運動を始めたのもこのためです。

  ミサイル防衛計画が重大なのは、これが核保有国は核兵器をなくすことを急いでいないことを物語っているからです。しかし、昨年5月ニューヨークで、核保有国は、核兵器廃絶を明確に約束しました。この新しい約束は、非核保有国からの圧力と、世論を動員した成果です。これは私たちが圧力をかけるのをやめてはならないという証拠です。

  核兵器反対で世論と国民を動かし、廃絶に向かって大きく前進するにはどうすればいいでしょうか。

  私たちは、核兵器保有国がこれまでの条約を守らなかったことを告発して、彼らを追い詰めなければなりません。条約順守を求めて世論の圧力を強化していかなければなりません。そのために、私たちに必要なのは、核兵器廃絶のために行動する勢力、そして広くは平和文化の促進のために活動する勢力を含めた活発な連帯です。

  2001年9月ニューヨークでCTBT条約の再検討会議が開かれますが、その際私たちは、核兵器の再開を正当化するような議論を阻止しなければなりません。これは、アメリカだけでなく、フランス、イギリス、ロシア、中国にたいしても同様です。私たちはすべての核実験場、とくにネバダ核実験場の閉鎖を要求しなければなりません。

  コフィ・アナン国連事務総長は、2000年、核兵器の危険性を削減させる方法に関する国際会議の開催の提案をしました。私たちは全力をあげてこの提案を支持し、これを実現させなければなりません。

  また、私たちは多くの国際組織が作成した核兵器廃絶条約案を支持しなければなりません。

  フランスで私たちの組織がめざしているのは、フランス政府にたいし、この国際会議開催のために取り組むこと、および今後フランスで制定される軍事計画法が定める核兵器の近代化を阻止することを要求することです。

  そのため、私たちはこの問題を訴え、さまざまな行動やキャンペーンなどで世論を喚起しています。2000年には若者を対象に「平和な地球をイメージしよう」というキャンペーンをおこない、10月の軍縮週間には130人のフランスの若者を国連に送りました。その後、私たちは2001年のキャンペーンとして「平和への道を切り開こう」というキャンペーンを始めました。これは3つの数字、0%、50%、100%をテーマにして展開されています。

0%の新しい兵器

すべての核兵器を順次なくしていく。新しい兵器や、新しい研究を禁止する。

50%軍事費を削減する

10年間で軍事予算を半分に減らし、国内総生産の1%以下にする。

100%国連

すべての平和維持活動を国連の管理下におく。

  これらの要求は人間の21世紀のためのアピールで、次のことをめざしています。

  このキャンペーンの一環として、私たちは核施設の前でデモ・集会を行いました。

  4月にはボルドー市の近くにある、将来フランスのシミュレーション核実験施設となる研究所前でデモを行いました。また5月には、サント市で、廃絶2000フランス協議会が核軍縮デーを開催しました。現在、ブルターニュ地方では、フランスの核兵器の90%がおかれている基地の近くで、核兵器廃絶キャンプがおこなわれています。このキャンプには、フランス西部を回っている平和メッセンジャーの若者たちが合流することになっています。私は、彼らに広島から連帯メッセージを送ることを提案したいと思います。

  核軍縮を続行させるカギを握るのは各国の世論であると確信する私たちは、過去にそうしたように、核保有国の平和運動同士の協力を強化することを望んでいます。他の核保有国の国内で、平和運動がどのような活動をしているかを知ることは、私たちにとって世論動員の重要な要素だからです。宇宙の軍事化反対国際行動デーに指定された10月13日は、核兵器廃絶と、21世紀を核兵器廃絶と真の平和の文化を確立する世紀にすることをめざすの私たちの行動の次のステップとなるでしょう。


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