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反核平和運動・原水爆禁止世界大会

原水爆禁止2000年世界大会

国際会議

非核自治体国際会議事務局委員会
委員長
ケン・ワイアット

非核自治体:新千年紀に平和ブロックの建設を


 


 世界では人種、宗教、民族の不寛容、人権否定、収奪、環境悪化などを原因とした戦争が絶えず起こっています。私たちの記憶には、広島・長崎の原爆の悲惨な被害の光景が刻まれ、それは色あせることがなく、このような人類に対する犯罪が繰り返されることの無いようにすることへの決意を新たにさせます。

 冷戦時代、どんな町も広島・長崎が受けたような被害を受ける可能性があると認識されたことが、1980年代初頭非核自治体運動が発展する推進力となりました。この大量殺りく兵器にたいする脆弱性は依然変わらず、私たちの持続可能な、平和、繁栄の共同体建設の努力は台無しにされています。

 20年近くの間、国際非核自治体運動は変化してきました。1990年代初頭にソ連が崩壊し、中央・東ヨーロッパで共産主義が破綻して、反核運動という優先事項は、他の運動に取って代わられ、国によっては非核地帯の運動推進のために建設された組織が、もっと広い範囲の、さし迫った平和の問題を取り上げるようになったところもありました。これはとくに、イタリア(イスラエル—パレスチナ紛争の問題)、ポルトガル(東チモールの問題)、オランダ(ボスニアの問題)で顕著でした。

 また、スペイン、ドイツなどの国では運動は勢いを失いました。自治体の政策は依然として平和に重点を置いているものの、積極的に推進されているわけではありません。しかし、日本やアメリカのように、核兵器が焦点となっているところもあります。イギリスやアイルランドは、チェルノブイリ以降、問題提起の幅を広げ、原子力発電所の安全性への市民の懸念を取り上げています。オーストラリアでは、運動の優先事項は、大規模なウラニウム抽出産業など、現地特有の問題を反映しています。そのほか、新興独立国やロシアでは、非核地帯というアイデアに対し魅力的な目標であるとして熱意を示し、支持決議をあげた地方自治体もあります。私たちの組織のマンチェスター事務局は、キエフ、ヤルタ、アルハンゲリスクなどからそのような報告を受けています。

 世界規模の核戦争の可能性が無くなったかのように見え、軍縮の問題の緊急性が薄れたかのように見えることを考えれば、非核地帯運動が、より地域的な切迫した問題を反映した、異なる運動へと進化したのも意外ではありません。
 しかしやはり、非核自治体運動の機構を維持することは重要です。それが明らかになったのは、1995年、太平洋でフランスが核実験を再開したときでした。地方自治体国際連盟議会(IULA)では、非核自治体国際会議の代表団によるロビー活動が成功し、核実験糾弾の決議が採択され、核軍縮達成へ新たに努力を重ねることが呼びかけられました。また、1999年5月におこなわれたハーグ平和会議では、議会からの「平和のための自治体」決議の起草において非核自治体国際会議が重要な役割を果たしました。

 非核自治体国際会議の運動の価値はまた、ピースメッセンジャー都市や、広島・長崎主導の都市間の連帯による平和を目指す市長の会など、その他の重要な地方自治体連合の努力とともに、発揮されていると思います。1980年代、非核自治体国際会議は「下からの緊張緩和」という政策を推奨し、旧ソ連や東ヨーロッパの姉妹都市との連帯を、友好や文化交流、姉妹都市としての関係などを通じて表明してきました。最近のコソボをめぐるバルカン半島での紛争や、アメリカによるミサイル防衛システムの提起の後、西側諸国・NATOの思惑にたいするロシアや中国の疑惑と警戒が強まっています。いまこそ各国の地方自治体が友好関係をあらたにし、平和、親善、持続可能な安全保障を確保する努力をし、紛争の火種を作る恐怖や懐疑を打ち砕くときです。

 核兵器の廃絶の非合法化は、依然として最優先の課題です。非核自治体国際会議はほぼ20年の間、次のような活動を進めることで、この課題を達成すべく努してきましたし、これからも努力するものです。

* 1996年の、核兵器の違法性についての国際司法裁判所の意見を広く知らせる。
* 廃絶2000自治体決議への地方自治体の支持を推進する。
* 核兵器削減・廃絶の協議を求める国際世論が高まっていることを広く知らせる。1998年の日本、ロシア、オランダ、ベルギー、ドイツ、カナダ、アメリカ、およびイギリス(1997年、および1999年)での世論調査では、一般市民の60%から80%が、核兵器保有国が核兵器廃絶のために軍縮交渉を始めることを求めています。
* 非核地帯のあらゆるレベルでの建設のために、国際的な活動家とNGOの努力が継続されるよう援助し、非核地帯の広がりを知らせていく。
* 最近のものとしては、クリントン大統領とプーチン大統領にたいし核兵器の更なる削減を求めた国際市長アピールへの、主要都市の支持を確保することをめざすアメリカ世界フォーラムの運動を支持する。
* 核兵器製造材料が広がることによる核拡散の危険を低減するよう、プルトニウムの製造および取引の停止を求める運動をすすめる。

いまこそこうした運動に再度力を注ぐときですが、各地の市町村レベルの活動家たちはこれこそが人々が望んでいることであると確信をもつことが必要です。世論調査がそれを裏付けていますが、地方自治体の政治家たちも自治体構成員の望みや要求をもっと直接的に感じる必要があります。

 この広島の地に立ち、この会議で発言するにあたり、非核の未来を建設する市民の努力は明確です。しかし、たとえばイギリスでは、この死活的な問題について、あらゆるレベルで市民の行動を起こす必要があります。非常に元気づけられる兆候があります。CNDの活動が活発化し、また、新聞などマスコミで、イギリス政府が非核の世界の建設に努力すると公約したにもかかわらず核軍縮を進めていないことについて議論されてきているのです。

 会議に参加されている代表のみなさん、国家、地方自治体、港を非核化し、核兵器の国外への持ち出しを禁止し、外国の軍事基地および軍隊を撤去し、軍事同盟をやめ、欧州協力安全保障機構のような協力同盟を締結することへの市民の支持を勝ち取りましょう。非核自治体国際ネットワークと非核地帯会議は、非核の世界という私たちの共通の目標を達成する運動にひきつづき参加していきますが、そのためには、市民がこの任務を自治体や国の政府任せにしてはいけません。あらゆるレベルでの核兵器廃絶を求める政治的推進力が増大するとしたら、そこで極めて重要なのは各地の市民による草の根運動なのです。



 反核平和運動・原水爆禁止世界大会

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