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反核平和運動・原水協の声明と決議

 

原水爆禁止日本協議会
第287回常任理事会決定

2009年世界大会から2010年NPTニューヨーク行動へ、
核兵器のない世界を求める世論の圧倒的広がりをつくりだそう
はじめに

 全国理事会から2カ月半が過ぎた。この間、全国の原水協は3・1ビキニデー、ヨーロッパでのNATO反対集会への代表派遣、6・9行動をはじめとする「核兵器のない世界を」署名行動、原爆症認定集団訴訟支援などの諸行動に旺盛に取り組んだ。とりわけ、2009年世界大会から2010年春のNPTニューヨーク行動にいたる運動の出発点と位置付けたビキニデーの取り組みでは、日本原水協集会、3・1ビキニデー集会ともこの5年間で最大規模の参加となり、高い質の討論とあわせて大きな成功をおさめた。
 この間、核兵器をめぐる内外の情勢の問題で、4月5日のオバマ大統領の演説、同じ日に北朝鮮が強行したロケット発射とそれをめぐる国際的反応など、一連の重要な変化があった。
 本常任理事会は、これら、核兵器の廃絶をめぐる情勢の発展と直面する内外の課題について討議し、2009年世界大会、さらには2010年春のニューヨーク行動にむけて、先に決定した全国理事会の方針の具体化をはかる。また、この間の全国的経験を交流し、「核兵器のない世界を」の署名をはじめとする行動を前進させる意思統一をおこなう。

1 核兵器廃絶をめぐる内外の動き

1、オバマ演説を歓迎し、核兵器廃絶での合意と協議の開始をよびかける

 広島・長崎の被爆から64年目の夏を前に、原水爆禁止運動が呼びかけてきた核兵器廃絶の声が、さらに大きなうねりとなって広がっている。
 4月5日には、オバマ新大統領は訪問先のプラハで演説し、改めてアメリカが「核兵器のない世界」を追求することを明らかにした。オバマ大統領はまた、「一発の核兵器が使われるだけでもその結果は計り知れないものとなる」と指摘し、「核兵器を使った唯一の核大国として米国には行動する道義的責任がある」と、みずからの道義的責任も明らかにしている。
 日本原水協は、被爆者とともに核兵器の全面禁止・廃絶を一貫して要求してきた運動として、オバマ大統領のこのよびかけを歓迎し、さまざまな抵抗や障害を克服し、誠実に実行していくよう強く求める。
 オバマ演説はまた、当面の具体的行動として12月に期限が切れる米ロ間の戦略核兵器削減条約に代わる新たな削減条約の交渉、包括的核実験禁止条約の批准、検証を伴うカットオフ条約(兵器級核分裂物質製造禁止条約)の交渉に取り組むことなどを明らかにしている。
 これらの措置はすでに1995年、2000年の2度のNPT再検討会議で合意されてきたものであり、その実行は他の合意事項とあわせ、次回NPT再検討会を成功させる上で欠かすことのできない要件である。
 同時に、これらの措置は、それ自体で核兵器廃絶に道を開くものではない。核兵器のない世界を実現するためには、なによりも国際社会がその目標自体に合意し、達成する道筋を具体的に協議しなければならない。オバマ大統領の演説に関して、4月20日にはロシアのメドベージェフ大統領も、新たな戦略核削減交渉についていっそう大幅な削減方向を出すとともに、「その条約に関する仕事は・・・核兵器のない世界へと動くプロセスを促進しうるものだ」述べている。我々はひきつづきアメリカを含めすべての国連加盟国政府に、核兵器の全面禁止・廃絶に合意し、そのための交渉を開始するよう求めるものである。

2、「核の傘」からの離脱、北東アジアの非核・平和の外交を要求する

 現在の、核兵器廃絶の流れの広がり、戦争と「力の秩序」から外交重視への流れの中で、日本の外交、安全保障のあり方が大きく問われている。
 そのひとつは、北朝鮮が強行した最近のロケット発射をめぐる対応である。北朝鮮は当初から「実験用通信衛星の打ち上げ」と発表していた。だが、それが事実であっても、同国は2006年7月、7発のミサイルを国際的に無通告で発射し、3カ月後には朝鮮半島非核化に関わるすべての合意に反して核実験を強行している。そうした背景に照らせば、今回の発表に当たって国際社会が強い自制を求めたのは当然であった。
 他方、日本の政府の対応はさらに異常であった。もし、政府当局が北朝鮮の発表に強い不安を覚えていたのであれば、直接利害の関わる国としても、また「外交努力を強化し、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控え」るという、2006年10月の安保理決議1718号の精神に照らしても、対話や交渉など、外交的解決のために全力を挙げるべきであった。にもかかわらず、日本政府は、麻生首相の「衛星であっても迎撃する」との発言、「破壊命令」の発動、イージス艦の日本海配備、日本本土でのPAC3による迎撃体制など、軍事一本槍の威圧的挑発的な対応に終始した。
 さらに重大なことは、日本政府のこうした話し合い抜き、外交抜き、軍事一本槍の対応が、「日米同盟第一」の外交路線の下で、常態化していることである。事実、昨年2月には、ミュンヘンの安全保障会議に出席した高村外相(当時)が、シュルツ・キッシンジャー氏らの「核兵器のない世界」の呼びかけが関心を集めているさなかに、東アジアの情勢は違うとして、日米同盟や米軍のプレゼンスの意義を強調し、ハワイ沖での日米合同の迎撃ミサイル発射実験「成功」まで自慢して、参加者のひんしゅくを買った。麻生首相もまた就任の翌日、国連総会で「日米同盟」は「不変の機軸」と述べ、2月の日米首脳会談では、米軍基地増強への膨大な負担など従来からのアメリカの軍事的要求を丸呑みして、「核の傘」を待望する態度をとった。みずからはアメリカの「核の傘」を追求しながら、他国に核の放棄を求めてもなんら説得力がないことは当然である。
 オバマ政権が「核兵器のない世界」を目標とし、外交重視を掲げている新しい条件の下で、いま、日本には、核兵器廃絶・平和を共通の目的としてより対等で健全な日米関係をつくりだす重要な機会が訪れている。
我々は、現在のアジアの現状に照らしても、署名「核兵器のない世界を」、非核日本宣言などの諸運動を大きく発展させ、日本が憲法9条と「非核三原則」をもつ国として核兵器廃絶と平和のために役割を果たす国となるよう、国民世論を広げなければならない。

2 核兵器のない世界への人類史的転換をめざして ― 当面の行動

 広島・長崎の被爆を原点に広がった原水爆禁止のたたかいは、被爆64年を前にしたいま、「核兵器のない世界」という希望を現実に変えていく新たな、重要な局面に入ろうとしている。核兵器の廃絶はもちろん、核拡散の問題をとってももはや一部の保有国による核兵器の独占と威嚇によって拡散を抑えておくことはできない。人類的な合意によって核兵器を廃絶することが唯一の道であることは、いまや核保有国の多くの指導者たちも認めざるを得なくなっている。
 だが、世界にはいまなお2万数千発の核兵器が蓄積・配備されている。2000年5月には「核軍縮・廃絶」にいたる「自国の核兵器完全廃絶」の「明確な約束」が合意されたにもかかわらず、実行には移されておらず、核兵器の配備や使用を正当化する戦略やドクトリンがいまなお採用されている。
 こうした事態を打開するために、内外の核兵器廃絶を求める世論をさらに大きく発展させ、国際的にも、核保有国や「核の傘」に依存する国でも核兵器を擁護する流れと反核平和の流れとの力関係をさらに大きく変えていかなければならない。
そのために日本原水協は、核兵器の廃絶、非核平和の日本をめざす以下の諸行動に全力を挙げる。

1、「核兵器のない世界」をめざす国際的働きかけ

2010年4月26日からニューヨークで開催されるNPT再検討会議を展望し、5月のNPT再検討会議第3回準備委員会、7月の米ロ首脳会談、同じく7月の非同盟首脳会議、9月からの次回国連総会など、一連の二国間、多国間会議に焦点をあて、「核兵器のない世界」実現の国際的合意を作り出すために、働きかけをつよめる。
 5月のNPT再検討会議準備委員会、7月の非同盟運動首脳会議などへの代表派遣、2009年世界大会にいたる各国政府代表部との協議、各国の反核平和運動との交流に旺盛に取り組む。
 署名「核兵器のない世界を」を、「廃絶二千」、「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」などとの共同の署名としてさらに広く世界に普及する。2010年4、5月のNPT再検討会議にむけた世界共同行動の企画、ニューヨーク行動の企画などを積極的に提起し、促進する。(アメリカの平和団体などと協議し、次回NPT再検討会議開催前日の4月25日、ニューヨーク行動を頂点とする世界「平和の波」行動を提唱する。それにいたる行動をさらに検討する。)

2、署名「核兵器のない世界を」、2009年国民平和大行進の取り組み

 5月6日の平和行進東京―広島コースのスタートから世界大会までの3カ月間は、原水爆禁止への国民的関心がもっともたかまり、多くの人々が行動する。すでに新婦人、全労連、民医連やそのほか多くの中央団体が署名目標を決め、独自に資材を下ろし、具体的な取り組みを開始している。その取り組みを全国の行動として広げることは、09年世界大会の成功、さらには来春のNPT再検討会議に向けて1200万筆の目標を達成する上で、もっとも重要な活動である。
 1)世界大会に向けて、日本原水協に参加するすべての中央団体、都道府県・地域原水協が目標と取り組みの計画を明確にし、全構成員、家族、職場、地域、学園へと行動を広げる。
 世界大会パンフ(4月28日完成)の普及とあわせ、全国の地域や団体ごとに学習・討論を起こし、6・9行動、世界大会やニューヨーク行動への代表選出、それと結びつけた署名・募金を旺盛に計画し、取り組む。
 2) 自治体、町内会・自治会、婦人会、生協など、それぞれの地域の広範な団体・個人と対話を広げる。核兵器の廃絶をめぐる世界の変化と日本国民が果たすべき役割を伝え、署名「核兵器のない世界を」の取り組み、「原爆展」や「被爆体験を聞く会」の共同開催などを申し入れる。
 また、世界平和市長会議と連帯した行動として、自治体首長に「『ヒロシマ・ナガサキ議定書』に賛同する都市アピール」への賛同をあわせて申し入れる(集約は日本原水協へ)。
 3) 2009年国民平和大行進は、「変化」を国民に伝え、世界大会からNPTにむかって国民に行動をよびかける最大のチャンスである。その意義にふさわしく、すべての自治体の住民に「核兵器のない世界を」のメッセージを伝える行進として成功させる。
 全国の進んだ経験に学び、通過するそれぞれの地域で事前のポストイン、署名・募金、事後のお礼と報告などに取り組み、成果を署名行動に結実させる。
 自治体訪問を特別に重視し、ニューヨーク行動に向けての自治体との共同の取り組みを発展させる。

3、2010年へ、世界諸国民の共同と行動を創りだす2009年世界大会を成功させる

 2010年NPT再検討会議の成否を決めるものは、核兵器のない世界をめざす国際政治の明確な決断と合意と行動である。それを促し、世界諸国民に行動をよびかける大会として、2009年世界大会を成功させるために、実行委員会とともに、以下の取り組みをおこなう。
 1) 核兵器のない世界のために行動するすべての政府、公的機関、NGOに参加、賛同、メッセージ、連帯した行動などをよびかける。また、平和、環境、経済・暮らしなど、大会が掲げる「核兵器のない平和で公正な世界」に関わる広範な運動に、共同と連帯をよびかける。
 2) ことしの大会の意義にふさわしく、全国すべての市区町村から、地域、職場、学園を基礎にこの10年で最大規模の参加を実現する。また、それぞれの都道府県・地域などで協力する広範な各界・各層の人びと、団体にも広く参加をよびかける。
 3) 「核兵器のない世界」を実現し、支える次の世代のさらに強力な運動をつくりだすために、すべての原水協が青年・学生・高校生の大会参加を励まし、援助する。
 4) 大会パンフによる学習を中心に、「核兵器のない世界」のシンボルとしてポスター、バッジや国民平和大行進の資材などを広く普及する。

4、非核・平和の世論を圧倒的に強化する

 核兵器廃絶、外交重視など、世界の流れは、より対等な日米関係、憲法9条と「非核三原則」に基づく非核平和の日本を求める運動にも、新たな条件を創りだしている。
 日本政府はこの間の動きを見ても、日米同盟中心、「核の傘」への依存、外交不在の北東アジア「外交」など、逆流の役割を果たし続けている。だが、安倍、福田の二代にわたる政権投げ出し、麻生政権の不人気に見られるように、こうした日本政治の在り方に国民の批判は広がり続けている。
 日本原水協は、2010年に向け、日本国内でも「変化」を創り、日本が核兵器廃絶に役割を果たす国となるよう全力を挙げる。
 1) NPT再検討会議や国連審議など、国際政治の場で、核兵器全面禁止・廃絶を明確な目標として提起し、核兵器廃絶の世界的流れと協調するよう要求する。核兵器の役割を「抑止力」「核の傘(拡大抑止)」などといって正当化することは、核兵器廃絶に逆行し、日本の憲法にも「非核三原則」の精神にも反する立場である。
 核兵器廃絶と「非核三原則」に基づく「非核日本宣言」への支持をひろげる。自治体首長の支持や自治体決議50%を達成し、2010年春を目処に、日本国民多数の意思として国際的に発表し、世界各国の政府に通告する。
 非核「神戸方式」の普及、非核自治体宣言などの運動などをさらに発展させる。
 2) 横須賀の原子力空母母港化の撤回を要求する。最近の「G・ワシントン」の原子炉補修や大量の放射性物質の搬出は母港化のもつ重大な危険性を示している。日本政府が原子力艦船の活動を厳しく監視し、事故、補修などすべての活動について情報を求め、公開するよう要求する。
 グアム新協定による日本の負担撤回、在日米軍基地の再編強化に反対する全国の運動と連帯し、支援する。自衛隊の米軍との一体化、インド洋やソマリア沖への派兵、「ミサイル防衛」計画に反対する。憲法9条に基づいた、非核平和の北東アジア外交を要求する。

5、被爆者援護・連帯

 先の全国理事会では、被爆の実相を学び、普及する活動を「核兵器のない世界を」の署名とともに、2010年をめざす活動の「車の両輪」と位置付けた。当面、原爆展の開催、海外に被爆組写真を送る運動などを09年世界大会に向けて、正念場を迎えている原爆症認定集団訴訟支援の取り組みとともにさらに促進する。
 7月、エジプトでの原爆展の共催、2010年メキシコでの原爆展の具体化など海外での原爆展を促進、8月に向けた全国的な原爆展・被爆体験を聞く会などの取り組み、青年の被爆者訪問の支援などを強める。(別途報告)
重要な局面を迎えている原爆症認定集団訴訟への全国的支援を強める。この間の司法判断は、すべて、被爆実態を踏まえた認定行政を求めており、先の「新しい審査方針」でも不十分であることを示している。被爆者の救済は急務であり、原告の全員救済と認定基準の再改定を強く要求する。
5月15日の大阪高裁判決、28日の東京高裁判決と、二つの大きな山場を前に、原告を支援する宣伝、署名、募金を全国で強める。また、判決前後の被団協・弁護団・支援ネットの行動を全国的な力で支援する。

 被爆者があげた「ふたたび原爆を許してはならない」との声が、世界の政治を大きく動かしている。この動きを「核兵器のない世界」へと実らせていくために、いま、日本原水協には、これまで運動を創り、育て、支えてきた被爆者やすべての人びとの努力を受け継ぎ、さらに大きな核兵器廃絶の声と運動と組織とをつくりあげる大きな任務が課せられている。
 その課題を確実にやり遂げていくために、当面の活動のすべてを2009年世界大会の成功に結実させ、2010年春のニューヨーク行動へ発展させていこう。その任務を担う運動として、署名「核兵器のない世界を」、国民平和大行進、被爆者援護、大会への代表派遣のすべての取り組みを、地域原水協の結びつきへと結実させていこう。

 

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