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反核平和運動・原水協の声明と決議

日本原水協第283回常任理事会報告
(2008年4月21,22日、平和と労働センター)

 全国理事会から70日、この間、3・1ビキニデーの全国的取り組みと成功、オルダーマストンへの代表団派遣、原爆症認定訴訟の支援、基地再編や空母母港化、米艦船の寄港に反対する取り組みなど、多彩な活動に取り組まれた全国の皆さんに敬意を表する。
 この間の世界と日本で起こった出来事は、あらためて核兵器廃絶と平和こそが世界の流れであり、その流れを促進する原水爆禁止運動の前進、とりわけ、世界大会を成功させることの重要さを浮き彫りにしている。
 今日、明日の二日間の会議では、この間の活動の教訓と核兵器をめぐる内外情勢の発展に照らし、2008年世界大会の意義を確認し、50周年を迎える国民平和大行進をはじめ、大会の成功を保証する当面の諸活動について重点的に討論し、意思統一を行う。

I 核兵器のない世界をめざすイニシアチブの発展と世界大会の課題

 「核兵器廃絶」のビジョンと行動を求める動きがさらに大きく広がっている。
 核兵器廃絶の流れに対してこの間、核兵器を擁護する側からも一連の挑発的発言と巻き返しが行われた。「核の交戦が現実の危険」として米国防省とNATOにたいして先制核使用政策の採用を主張したNATO5カ国元参謀長の提言(1月22日、米、英、仏、独、蘭)、「核抑止力」を「究極の安全保障」と宣言し、利益を脅かすものに対して核攻撃の威嚇をおこなったフランス・サルコジ大統領の核政策演説や「米国を脅かす核がある限り、それらの国を抑止する」とのチルトン米戦略軍司令官の発言(3月4日)などである。
 だが、こうした「核の特権」にしがみつき、力の行使や威嚇によって世界を抑えようとする動きは平和や安全を守るどころか、国際情勢を悪化させ、核使用や核拡散の危険さえ作り出している。このことは、世界の平和世論に逆行して強行したイラク攻撃やアフガニスタンでの報復戦争の現状、イランの核開発をめぐる緊張がはっきりと示している。

 「核兵器のない世界」を呼びかけたキッシンジャー、シュルツ、ペリー、ナンの4氏の提唱そのものも、この間の逆流を圧倒する支持や共感の広がりを見せている。
 「提唱」に応えてノルウェー政府が主催した国際核軍縮会議では、「核兵器のない世界のビジョンの達成」がテーマとされ、ストーレ外相は「なぜこれほどの核が!というだけでなく、いったい核が必要なのか?と問わざるを得ない」と発言し、会議「まとめ」の第一項で、「すべての国の指導者は、核兵器のない世界の達成を国の優先課題とするためにみずからも努力すべき」と呼びかけた。また、この会議で発言したシュルツ元国務長官は、昨年1月4日の発表以来、同氏らの提言への共感が広がっており、アメリカの国務長官、国防長官、大統領補佐官経験者の4人に3人が支持していることを明らかにした。
 2月上旬、ドイツで開かれた「第44回安全保障政策ミュンヘン会議」でも、核軍縮への対応は重要な焦点となり、主催国ドイツのシュタインマイヤー外相は、「もし次回の再検討会議が前回と同じように不毛な結果に終われば、NPTには決定的打撃となる、・・・試されているものは我々の信頼だ」と述べ、「現に核兵器を持っている国が、核軍縮の道を真剣に追求すべき」と強調した。
 ことしはじめ、トライデント型原潜の更新を決定したイギリスで、他方ではゴードン・ブラウン首相が米ロに核兵器の大幅削減を提起し(1月21日、デリーでの演説)、2月にはデズ・ブラウン国防相が、「最小限抑止」の維持を確認しながらも、イギリスは「核兵器廃絶の努力を行う」と言明したことも注目すべきできごとである。
 さらに、ミュンヘン、オスロの二つの会議に出席したエルバラダイIAEA事務局長が、民生用のウラン濃縮やプルトニウム抽出技術の問題を取り上げ、「多国間の枠組がすべての参加国にとって平等な権利・義務に基づくものでなければ、どの国であっても核燃料サイクルに取り組む権利を放棄しないだろう」と述べたことも、緊張するイランの核開発問題も含め、核分裂物質の問題の解決方向を示す重要な動きであった。
 これらの発展は、2010年のNPT再検討会議を前に核兵器廃絶の流れが、核保有国や軍事同盟諸国も含めて世界の世論でも国際政治の舞台でも、もはや抑えられない流れとしてさらに大きく広がっていることを示している。

 日本国内でも、政府に非核三原則と憲法を守り、2010年に向けて核兵器廃絶のイニシアチブを求めるたたかいがいっそう重要になっている。
 日本原水協は、4月9日、日本政府にG8洞爺湖サミット(7月7〜9日)で核兵器廃絶を議題として取り上げ、2010年に向けて核兵器廃絶の道筋を提起することを申し入れた。これに対して外務省側は、「核兵器は悪いものという規範を持つことが必要」とは認めたが、核兵器廃絶の努力を提唱することには最後まで言を左右にして応じなかった。
 日本政府は、ミュンヘン会議、オスロ会議にも代表を送ったが、そのどちらでも核兵器廃絶の努力には何一つ言及せず、ミュンヘン会議では高村外相が日米関係の緊密さを説き、ミサイル迎撃実験の「成功」を自慢するなど、対米従属と軍事優先、軍縮・平和の外交の欠如をさらした。
 こうした福田内閣の外交姿勢は、就任早々にごり押しした「新テロ特措法」の強行と自衛隊の給油艦のインド洋再派遣、自民・民主による「自衛隊海外派兵恒久法」や超党派の改憲促進グループ「新憲法制定議員同盟」結成などの動きとも結びついて福田内閣への国民の支持を引き下げ続けている。
 改憲を正面から掲げた安倍内閣を1年を経ずに退陣に追い込んだ日本国民の非核平和の願いは、深刻な生活要求などとも結びついてさらに広がっている。
 最近の世論調査にも見られるように、9条に対する国民の支持はさらに広がっており、名古屋高裁では小泉・安倍内閣がすすめた自衛隊のイラク派兵では、自衛隊機による米兵の移送を違憲とする判決がくだされた。
原子力空母配備に反対する横須賀の住民投票条例制定署名には、前回を大きく上まわる52,417筆の署名が寄せられ、「非核日本宣言」や「G8サミットで核兵器廃絶の提唱を」という日本原水協のよびかけにも自治体関係者をはじめ広範な人々の賛同が集まっている。

II 2008年世界大会成功の取り組みと当面の重点的活動

 2010年にむかって核兵器廃絶のイニシアチブを求める動きが広がるなかで、日本原水協にはすでに国連本部や非同盟運動、新アジェンダ連合の政府から代表出席の報が届くなど、2008年世界大会への期待が内外で高まっている。
この期待の広がりを大会の成功へと結実させ、世界的な運動へと発展させるために大会への代表派遣や50周年を迎えた国民平和大行進の取り組み、被爆者連帯、核兵器の廃絶と非核平和の日本をめざす草の根の行動を一つひとつ成功させ、新たな段階へと発展させる取り組みが求められている。

1、2008年世界大会

1) 原水爆禁止2008年世界大会(8月2日〜9日)を、次回NPT再検討会議にむかって「核兵器のない世界」のための国際行動キャンペーンを出発させる大会として、2000年以来最大の規模で成功させる。核兵器のない世界の目標を共有する国際機関、政府、NGO、自治体などから参加と協力、共同を促進する。また、日本が「核の傘」から離脱し、核兵器廃絶に役割を果たすよう、世界の運動と連帯して、非核・平和をめざす全国のさまざまな運動を発展させ、結集する。環境、生活など広範な分野の運動に参加と共同をよびかける。
2) 被爆者訪問、21万羽のおりづるなど青年たちの「継承と発信」の運動を励まし、8月3日の「21万羽おりづるピースウォーク」、4日と8日の「核兵器なくそう・世界青年のつどい」、「青年のひろば」など成功と大会への結集を支援する。
 3) 全国すべての市区町村で代表派遣目標を持ち、地域、職場、学園から代表を結集する。そのためのパンフを基礎とした学習・討論、署名、募金、大会資材の普及などに、それぞれ目標をたてて取り組む。パンフ、バッジ、ポスターなど大会資材を、昨年を上まわる目標で普及する。6・9行動をすべての地域に広げ、「すみやか」署名を促進する。被爆者団体などと協力し、「原爆展」や「被爆体験を聞く会」などの開催や共催、後援などを申し入れる。そのための資材の調達・製作を具体化する。
青年とともに「被爆組写真を海外に贈る運動」を広げる。

2、50周年・原水爆禁止国民平和大行進の取り組み

50周年国民平和大行進を、核兵器廃絶を掲げた唯一の国民的な行進としてすべてのコースで成功させる。「平和行進リーフ」などを活用し、行進に取り組むすべてのコースで自治体首長や議会議長・副議長、町内会、その他の団体・個人の賛同・参加を呼びかける。
 50周年を記念する日本とイギリスの行進をつなぐ連帯のシンボルとして、全国11のコースで国民平和大行進とオルダーマストン行進の旗を掲げる。
 5月6日、50周年国民平和大行進の出発式として、第五福竜丸展示館前で東京―広島コースの出発集会を成功させる。中央・都段階でこれまで平和行進にかかわった団体、個人をはじめ、広範な各層の人びとに参加をよびかける。
行進にはアメリカをはじめ多彩な国々の代表も参加する。05年5月のニューヨーク行進やオルダーマストンの行動などにも学び、一人ひとりの参加者が非核・平和の願いをあらわす行進として平和行進の新たな前進を実現する。
8月3日(日)、広島市内3コースをともに歩く青年たちの「21万羽おりづるピースウォーク」を支援し、広島、近県および全国の青年の参加を呼びかける。4日、正午から世界大会開会総会にむかって海外代表とともに50周年国民平和大行進・終結行進を行う。

3、NPT再検討会議第2回準備委員会への代表派遣

 NPT再検討会議第2回準備委員会(4月28日〜、ジュネーブ)に代表団を派遣する。代表団は、核兵器廃絶の逆流を批判するとともに、核兵器全面禁止の実現を提起し、世界的な結集をよびかける。また、原爆展の開催を含む政府とNGOとの協力強化などを提起する。また、政府やNGOの代表に世界大会への参加や、連帯の行動をよびかける。

4、9条世界会議

幕張メッセなど各地で開催される「9条世界会議」に参加する。日本原水協の自主企画である分科会「原爆と9条」を成功させる。平和と非核の課題を通じて内外の参加者と協力、連帯を発展させる。

5、G8サミット:日本政府に核兵器廃絶のイニシアチブを求める行動

 G8洞爺湖サミットにむけて、日本政府に核兵器廃絶のイニシアチブを求める行動を広げる。6・9行動や平和行進を通じて宣伝を強め、それぞれの地域の自治体で首長・議長などの賛同を広げる。
 G8参加国の反核平和団体に、それぞれの国の政府がG8で、核兵器廃絶のイニシアチブを提起するようよびかける。
 7月5日、札幌市で開催の国際平和シンポジウム「核も戦争もない世界を」(主催・平和で公正な世界を!サミット北海道連絡会、北海道原水協も加盟)を支援し、全国的な取り組みとする。

6、原子力空母母港化、米軍基地再編・強化、米艦船の民間港寄港に対するたたかい

 米原子力空母母港化に反対する横須賀市民、神奈川県民のたたかいを支援し、運動を全国に広げる。5月24日の「横須賀市議会にむけた住民投票条例を求める集会」(主催・「成功させる会」)、7月13日の「原子力空母配備反対横須賀大集会」への関東近県および全国的な参加を呼びかける。日米両国政府に対して要請、抗議の声を集中する。
 沖縄、岩国、厚木、座間など各地の米軍基地の再編強化、「ミサイル防衛」の迎撃ミサイルやレーダー配備に反対し、シンポジウムの開催など世論喚起の取り組みを行う。
 米艦船の民間港への寄港に反対し、日米両国政府への申し入れや抗議を強める。安保破棄中央実行委員会、日本平和委員会などと協力し、全国的な監視網づくりに取り組む。

7、自衛隊のイラク、インド洋からの撤退、海外派兵恒久法・憲法改悪とのたたかい

 アメリカのイラク占領と軍事行動に反対し、自衛隊の即時撤退を要求する。アフガニスタンへの報復戦争に反対し、インド洋からの自衛隊給油艦の撤退を求める。
 自衛隊のいっさいの海外派兵に反対し、海外派兵恒久法を止めさせる世論を広げる。憲法改悪に反対し、非核・平和の日本を実現するたたかいを前進させる。

8、非核自治体宣言と非核日本宣言

秋田などの経験に学び、平和行進と結びつけて自治体への「非核自治体宣言」、「非核日本宣言」への賛同や意見書採択の働きかけを強める。

9、被爆者援護・原爆症認定を求める取り組み

1)5,6月の地裁・高裁判決に向けて集団訴訟への支援を強め、5月中に「緊急100万署名(改訂版)」の目標(日本原水協として50万筆)を達成するため全力を挙げる(3月の達成は全体で505,123筆、原水協分が248,882筆。集約日はそれぞれ3/24と3/10)。
2)先進的経験に学び、相談センターの設置など、被爆者の認定申請への援助体制を確立する。そのために被爆者団体をはじめとする関係団体・専門家などとの協議を強める。今後の認定の動きを把握しつつ、この問題の完全解決に向けてひき続き政府・厚労省への働きかけや被爆者への支援を強める
 3)それぞれの都道府県で被爆者団体との協議や連絡を密にし、日本原水協として被爆者運動を多面的に支える方針や体制の確立、日常的な草の根援護募金などへの取り組みを開始する。

10、原水協組織の確立・強化

 

反核平和運動・原水協の声明と決議

 

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