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反核平和運動・原水協の声明と決議

劣化ウラン弾の使用禁止を要求する

2001年1月13日
原水爆禁止日本協議会

米、英、NATO本部、国連事務総長殿

 一昨年春、NATO軍のユーゴスラビア空爆で、劣化ウラン弾が大量に使用されたコソボ自治州などで白血病など、被曝に起因するとみられる被害が急増しているとの報に、われわれは、広島・長崎の被爆体験をもつ日本の反核平和運動として深く憂慮している。

 劣化ウラン弾は、すでに1991年の湾岸戦争の際に米軍により大量に使用され、イラク側の被害はもとより湾岸戦争に加わった米兵の間でも後に放射線被害と見られる症状が多発し、問題となっていた。しかし、アメリカなどはその後も、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でも、また今回のコソボ紛争でもこれを大量に使用したばかりか、いまでは、他のNATO諸国に大量に売りつけ、使わせる暴挙までおこなっている。

 周知のように、劣化ウランは核兵器のように核分裂・核融合が生み出す爆発的エネルギーを利用した兵器ではないが、それが兵器として使用された場合、人的にも環境上も深刻かつ反人道的な放射線被害を引き起こすことは早くから警告されていた。こうした危険があることがわかりながら、この非人道兵器を大量に使用しつづけてきたNATO、とりわけアメリカ、イギリス政府の責任は重大である。

 原水爆禁止日本協議会は、広島・長崎の被害を体験した日本国民の反核平和運動として、NATO諸国、とりわけ、いまなお劣化ウラン弾使用を正当化しようとしているアメリカ、イギリス両国に強く抗議するとともに、NATOと全加盟国にたいし、今後、劣化ウラン弾の使用と配備をいっさい中止するよう要求する。また、湾岸戦争以来これまでNATOが関わった紛争での劣化ウラン弾の使用と、それによって引き起こされた被害の実態を直ちに調査し、公表するよう要求する。

 われわれはまた、国連にたいし、劣化ウラン弾による被害の実態を調査し、劣化ウランの軍事利用を禁止する国際法上のイニシアチブを発揮するよう要請する。



劣化ウラン弾問題についての日本政府への申し入れ

2001年1月13日
原水爆禁止日本協議会

内閣総理大臣  森 喜朗 殿

 さきにNATO軍のユーゴスラビア空爆で使用された大量の劣化ウラン弾がコソボ自治州などで白血病の多発など深刻な人的被害と環境破壊を引き起こしているとの報が続いており、NATO諸国の中でも深刻な懸念を引き起こしている。

 周知のように劣化ウランが軍事的に利用された場合、こうした被害を引き起こす懸念はすでに広範な専門家などによって指摘され、現に1991年湾岸戦争では、これが使用されたイラクはもちろん使用した側の兵士たちの間でさえ、「湾岸症候群」と呼ばれ、被曝に起因する被害が問題となっていた。

 われわれは、すでに、NATOと全加盟国にたいし、劣化ウラン弾の使用、配備をただちにやめるよう要求し、あわせて国連にたいしても、劣化ウランの軍事利用を禁止する国際法上のイニシアチブをとるよう要請した。

 同時に、われわれは、核保有国、とりわけアメリカが劣化ウラン弾を大量に製造し、世界に展開する米軍に配備し、他国にたいしてもこれを持ち込み、大量の輸出さえおこなっている事実を憂慮している。広島・長崎の被爆体験を持つ日本国民の願いとして、われわれは、日本政府に以下二点を申し入れる。

1、米軍による日本への劣化ウラン弾の持ち込み、配備および演習などでの使用の実態を調査し、公表すること。
2、アメリカ政府にたいし、劣化ウラン弾の配備・使用の中止を求めること、また、在日米軍基地など、日本に持ち込まれている劣化ウラン弾を直ちに撤去し、日本に持ち込まないよう要求すること。

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